2023年のすべての新着情報一覧
2023.10.16
理学療法学科 松本大輔准教授の研究がWebメディア「Wellulu(ウェルル)」に掲載されました。
2023.10.16
発達性協調運動障害における行為と結果の規則性の知覚感度~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
発達性協調運動障害(DCD)は、脳の適応的な運動制御・運動学習システムである内部モデルの働きの先天的・発達的問題として生じるとされています。一方で、定型発達(TD)乳児は生後の発達早期に、自己の運動とその結果の繋がり、すなわち行為と結果の規則的な関係性を知覚できるとされており、この行為と結果の規則性の知覚学習は、運動の多様性や内部モデルの発達に貢献すると考えられます。したがって、DCD児においては、行為と結果の規則性の知覚にも問題が生じている可能性がありますが、DCD児における行為と結果の規則性の知覚感度を調べた研究は皆無でした。そこで、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの信迫 悟志 准教授らは、温 文(Wen Wen) 准教授(立教大学)、中井 昭夫 教授(武庫川女子大学)らと共同で、DCD児における行為-結果の規則性の知覚感度について調査しました。この研究成果は、Journal of Autism and Developmental Disorders(Action-outcome Regularity Perceptual Sensitivity in Children with Developmental Coordination Disorder)に掲載されています。 研究概要 DCDとは、協調運動技能の獲得や遂行に著しい低下がみられる神経発達障害の一類型であり、その症状は、字が綺麗に書けない、靴紐が結べないといった微細運動困難から、歩行中に物や人にぶつかる、縄跳びができない、自転車に乗れないといった粗大運動困難、片脚立ちができない、平均台の上を歩けないといったバランス障害まで多岐に渡ります。DCDの頻度は学童期小児の5-6%と非常に多く、自閉症スペクトラム障害、注意欠如多動性障害、限局性学習障害などの他の神経発達障害とも頻繁に併存することが報告されており、近年では脳性麻痺ともリスクファクターを共有する連続体である可能性も指摘されています。またDCDと診断された児の過半数が青年期・成人期にも協調運動困難が残存するとされており、DCDの病態理解と有効なハビリテーション技術の開発は、ニューロリハビリテーション研究における喫緊の課題の一つとされています。 自分の行為と外部刺激との間の規則的な関係性を検出する能力のことを、行為と結果の規則性の知覚と呼びます。この行為と結果の規則性の知覚は、コンパレータモデル以外の運動主体感(Sense of Agency: SoA)を生成する重要な情報源として注目されており、また適応的運動学習パフォーマンスにも関与することが示されています。行為と結果の規則性の知覚は、まだ内部モデルにおける正確な順・逆モデルを持ち合わせていない生後2カ月児にも存在することが明らかとなっており、子どもは行為と結果の規則的な関係性を知覚学習することにより、運動の多様性を獲得している可能性が示唆されています。また最近の研究で、この行為と結果の規則性の知覚感度は、6~15歳と年齢が増加するのに伴い発達向上すること、そして手先の器用さが低下した児では、行為-結果の規則性の知覚感度が低下していることが明らかになっていました。したがって、発達早期からの運動の不器用さを主な特性とするDCD児においては、行為と結果の規則性の知覚にも問題が生じている可能性がありますが、それを調べた研究はありませんでした。そこで畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの信迫悟志 准教授らは、DCD児における行為-結果の規則性の知覚感度を調べました。その結果、DCD児では、年齢と性別が一致したTD児と比較して、行為と結果の規則性の知覚感度が低下していることが明らかになりました。 本研究のポイント ■ DCD児の行為-結果規則性の知覚感度は低下しており、特に低年齢(6~10歳)DCD児で知覚感度が著しく低下していた。 ■ DCD児とTD児の両グループにおいて、年齢の増加に伴い行為-結果規則性の知覚感度は発達向上していた。 ■ DCD児における行為-結果規則性の知覚感度の低下は、いくつかの協調運動技能の低下と相関関係にあった。 ■ DCD児では発達早期の段階で行為-結果規則性の知覚感度が低下しており、そのことが運動の多様化や内部モデルの発達を阻害し、結果として協調運動技能の低下に陥っている可能性が示唆された。 研究内容 6~15歳までのDCD児20名と年齢と性別を揃えたTD児20名は、行為-結果規則性検出課題(図1)を完了しました。この課題において、子どもたちはタッチパッド上で10秒間自由に指を動かし、モニターに表示された3つのドットのうち、自分がコントロールすることができる/自分の指の動きを最も反映していると感じられたドット(検出目標ドット)を検出することが求められました。1つの検出目標ドットには、子どもが制御できる/指の動きを反映する割合に応じて、7制御条件(0、 20、 40、 50、 60、 80、 100%)が設定され、それぞれ6試行、合計で42試行ありました。他の2つのドットは0%制御のディストラクタードットになっていました。この課題の成績から、規則性検出閾値(Regularity Detection Threshold: RDT)を算出し、行為-結果の規則性の知覚感度の定量指標としました。 図1:行為-結果規則性検出課題 その結果、DCD児のRDTは、TD児と比較して高値を示し、DCD児では行為-結果の規則性の知覚感度が低下していることが明らかになりました(図2)。またDCD児とTD児の両グループにおいて、RDTの低下と年齢の増加との間には有意な相関関係が示され、DCD児においてもTD児においても、年齢の増加に伴い行為-結果の規則性の知覚感度は発達向上することが示されました。そこで、年齢を細分化して検討した結果、低年齢(6~10歳)のDCD児のRDTは、低年齢(6~10歳)および高年齢(11~15歳)のTD児と比較して、有意に高値であることが示され、特に低年齢のDCD児の行為-結果の規則性の知覚感度が低下していることが明らかになりました(図3)。またDCD児においては、RDTといくつかの協調運動技能との間に有意な相関関係が示され、行為と結果の規則性の知覚感度の低下とボールスキルなどの協調運動技能の低下との間に関連性があることが示されました。 図2:両グループにおける規則性の知覚感度度 図3:年齢を細分化した規則性の知覚感度の比較結果 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究は、DCD児における行為-結果の規則性の知覚感度が低下していることを初めて明らかにし、特にDCD児では低年齢の段階で規則性の知覚感度が著しく低下していることを示しました。このことは、DCD児では低年齢の段階で行為-結果の規則性の知覚感度が低下しており、そのことが運動の多様化や内部モデルの発達を阻害し、結果的に協調運動技能の低下に至っている可能性を示唆しました。今後、本研究で使用した行為-結果規則性検出課題と運動の多様性や内部モデルの働きを定量化する課題を併用し、縦断的に調査することで、この可能性を検証していく必要があります。 論文情報 Nobusako S, Wen W, Osumi M, Nakai A, Morioka S. Action-outcome Regularity Perceptual Sensitivity in Children with Developmental Coordination Disorder. J Autism Dev Disord. 2023 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学 大学院 健康科学研究科 准教授 信迫 悟志 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.nobusako@kio.ac.jp
2023.10.16
看護実践研究センター「親子のつどいサロン秋祭り」を開催しました
看護実践研究センター地域包括ケア部門は、乳幼児から高齢者までの看護分野における連携および他職種との連携と協働からのケアシステムおよびケアのあり方を探求するとともに、それらに関連する情報を提供し、健康増進に寄与することを目的とした研修会や事業活動をしています。 今年度は、母子分野の事業活動として、障がい児ボランティアの育成および親子のつどいサロン「安心感の輪子育てプログラム」の普及啓発を行う「安心感の輪子育てプロジェクト」を展開しています。 そのプロジェクトの一環として、10月9日(月・祝)に畿央大学アリーナで親子のつどいサロン秋祭りを開催しました。重症児放課後ディサービス・訪問看護ステーション・障がい児ボランティアサークルの学生による運営スタッフ38名で、お子様74名(医療的ケア児、重症児等含む)、保護者71名、計145名の参加がありました。 運営スタッフであるアイデルリハビリ訪問看護ステーションの皆様には、企画の段階より専門的サポートをご協力いただき、学生ボランティアも運営スタッフとして大活躍でした。 今回の秋祭りでは、安心感の輪子育てプログラムの紹介、二胡・ピアノ・ギター演奏、ゆるキャラダンス、綿あめやヨーヨー釣り等を楽しんでいただきました。 ご参加くださった方からは「障がい児が参加できるイベントは少ないですが、いろいろ工夫してくださっていたので親子で楽しめました」「将来障がい児に関わる可能性がある学生さんに一緒に遊んでもらえて良かった」とのお声をいただきました。 またお子様の様子を通して「肢体不自由の子どもが参加できるよう各ブースで工夫してくれたので子どもも楽しんでいた」「周囲の目を気にせず、広いアリーナで喜んで遊べました」との感想をいただき、障がい児のきょうだいを含めた親子で和やかに楽しく過ごせる機会となったと思います。 学生ボランティアからは「多くの子ども達と関わり楽しくボランティアをすることができました。また参加したいと思いました」という感想の声がありました。 親子のつどいサロンでは、これからも地域で障がい児とそのご家族の皆様がほっと楽しめる居場所を学生ボランティアや専門職の皆様と創っていきたいと思います。畿央生の皆さん、ぜひ一緒に活動してみませんか! ★子育て応援ボランティアSMILEではメンバー募集しています。見学も大歓迎です★ 本年度の看護実践研究センター地域包括ケア部門の活動として、以下の開催を予定しております。 10月21日(土):畿央祭がんカフェにて、産婦人科専門医による特別講演会 「子宮頸がん最新情報― HPV ワクチンによる予防と治療の進歩」 詳しくはコチラ 11月25日(土):研修会「地域共生社会の実現に向けて~様々な在留資格による外国人介護職受け入れの現状と課題~」 詳しくはコチラ こちらへのご参加をお待ちしております。 看護実践研究センター 地域包括ケア部門 看護医療学科 准教授 田中 陽子 【関連記事】 畿央大学 看護実践研究センター 看護実践研究センター第8回研修会「医療的ケア児と家族が安心して暮らせる地域づくり」を開催しました。 2022畿央祭・ウェルカムキャンパスで、がんカフェ「きらめき」 を3年ぶりに対面実施!~看護医療学科 畿央大学看護実践研究センター第7回研修会 「地域で・笑顔で 生きるとは」を開催しました。
2023.10.15
2023年明日香村竹テントワークショップvol.3【2日目】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ
人間環境デザイン学科2・3回生対象「プロジェクトゼミ」では、学年をこえたグループを組み、フィールドワークや学生相互の話し合いを通して、具体的な課題を見つけ出し解決策を考える力を身につける事を授業の到達目標としています。 人間環境デザイン学科の陳ゼミでは9月19日~21日までの3日間、竹テントワークショップに参加しました。このワークショップは、明日香村商工会、商工会青年部が中心となり、使われなくなった古民家を修復し新たな活動拠点の創造を目的とする「明日香スタンド(旧岡本邸プロジェクト)」の一環として行われたものです。 陳ゼミの学生12名は2泊3日の宿泊しながら竹テントを制作しました。今回は作業2日目の様子を報告させていただきます。 ▶前回の記事はこちら(準備編、1日目) 9月20日(水)、明日香竹テント作り2日目です。今日は2 回生も新たに参加しました! 竹テントType A「座りぃなbamboo」 竹テントType A「座りぃなbamboo」の班は、フレームの組み立て・竹床作りを分担して行いました。 フレームの組み立て作業では、インパクトドライバーで竹に穴を開け、ボルトや紐を使い、竹同士を接合しました。 まず、三角形のフレームを2つ組み立てました。次に、横架材を紐で接合しました。紐で結ぶ際、固く結ばないと接合部が緩んでしまうので、できるだけ固く結ぶことを意識しました。高いところの横架材は、脚立を使い結びました。 お昼休憩の際に、紐の結び方をみんなで練習したので、スムーズに作業を進めることができました。 竹床作りでは、一本一本丁寧に竹を紐で結んでいきました。竹が足りない時には、自分たちで竹を伐採し、竹の枝を鉈でカットし、製材を行いました。同じ大きさの竹を集めるのが難しかったです。 炎天下の中の作業は大変でしたが、しっかり休憩を挟み水分補給をしながら、声を掛け合い最後まで作業を頑張りました! 竹テントType A「座りぃなbamboo」のフレームを組み立てました。 竹テントType X「いらっしゃいbamboo」 竹テントType X「いらっしゃいbamboo」の班はフレームの組み立て作業を行いました。 竹に穴を開け、ボルトで竹と竹を接合します。 まずはインパクトドライバーで竹にボルトを通すための穴を開けていきます。しかし、竹が乾燥していないため、穴を開けようとすると、水が出てきて力加減が難しく、苦戦しました。 穴を開けた後は、テントの軸となるフレーム部分の組み立て作業を行いました。 この時に、両サイドの横架材が平行にならないとテントの形がアンバランスになってしまいます。なので、平行になることを意識して組み立てていきました。 しかし、メジャーでしっかり測っていたとしても、竹が歪んでいたり、穴を開ける際にインパクトドライバーが斜めになってしまっていると、うまく接合することができません。 私たちも半日以上何度も組みなおしをしました。 竹テントType X「いらっしゃいbamboo」のフレームを組み立てました。 苦戦したことが多く、集中力も低下しましたが、しっかり水分補給をし、美味しいお昼ご飯を食べたので、みんなで楽しく乗り越えることができました。 ボルトで竹を繋ぐことに苦労しましたが、2回生も一緒に手伝ってくれたので、作業も捗りにぎやかな雰囲気で進めることができました。3日目の完成に向けて、まだまだ課題はありますが、チームのみんなでコミュニケーションを取りながら頑張りたいです! 夜はBBQをして、ひと夏の思い出になりました! なお、この日の様子は明日香村商工会の明日香スタンド(旧岡本邸)Youtubeチャンネルに動画として紹介していただいています。 人間環境デザイン学科 陳ゼミ 3回生 富久 菜乃華、中谷 天音、大谷 麻結 【関連記事】 2023年明日香村竹テントワークショップvol.2【1日目】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 2023年明日香村竹テントワークショップvol.1【準備編】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 人間環境デザイン学科 海外インターンシップ vol.9~最終日、無事に帰国しました! 河合町佐味田の居場所計画 「佐味田みんなの縁側」制作・発表~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 河合町佐味田の居場所計画で「佐味田みんなの縁側」“縁台”を提案!~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 畿央大学付属広陵こども園で使う子ども用スツールが完成しました!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」
2023.10.13
2023年明日香村竹テントワークショップvol.2【1日目】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ
人間環境デザイン学科2・3回生対象「プロジェクトゼミ」では、学年をこえたグループを組み、フィールドワークや学生相互の話し合いを通して、具体的な課題を見つけ出し解決策を考える力を身につける事を授業の到達目標としています。 人間環境デザイン学科の陳ゼミでは9月19日~21日までの3日間、竹テントワークショップに参加しました。このワークショップは、明日香村商工会、商工会青年部が中心となり、使われなくなった古民家を修復し新たな活動拠点の創造を目的とする「明日香スタンド(旧岡本邸プロジェクト)」の一環として行われたものです。 陳ゼミの学生12名は2泊3日の宿泊しながら竹テントを制作しました。今回は作業1日目の様子を報告させていただきます。 ▶前回の記事はこちら 9月19日(火)明日香村商工会と畿央大学陳ゼミのワークショップ1日目の作業が始まりました。 今日は主に竹テントの材料となる竹の伐採、笹取り、部材の準備に取り掛かりました。 竹の伐採 まず始めに皆で現地の竹林に入り、林業の久住さんに竹の伐採方法を教えていただきました。 竹がしなっている方向に倒れるように竹の根元にのこぎりを入れ切り落としました。実際に竹林に足を踏み入れたことも、丸々一本の竹を持ったことも初めての経験でした。 枝落とし その次に伐採した竹の枝落としをしました。のこぎりやなたを使い、刺さらないように枝を切り落としていくのは難しかったですが、作業を進めるにつれて、道具をうまく使いこなすことができるようになり、効率よく作業が進んでいきました。 部材の準備 次に、部材の寸法を測り、竹をカットしていきました。 竹の太さを大中小と分類し、それぞれの竹に墨付けをし、テントの上部が竹の節の部分になるように竹を切っていきました。節が上になるようにしたのは竹の中に雨水などが溜まらないようにするためです。 木材よりもカットしやすく、この作業はスムーズに進みました。 これらの竹の伐採、竹の枝落とし、部材をカットしていく作業はそれぞれ数人に分かれて進めていきました。 最後に、ボルトで固定する位置に穴をあけました。 竹は丸いので、同じライン上に穴を開けるのが難しかったです。 また、1日目のお昼では明日香村でつくっているお弁当をいただきました。 とても豪華でおいしくておなか一杯になり、午後も頑張れました! 夕方には明日香村で販売しているアイスを差し入れでいただきました。 様々な味があり、フルーツの味がとても濃厚でとてもおいしかったです。明日香村に行ったときにはぜひ! 夜は民宿に泊まりました。 夜ご飯は明日香村の郷土料理である飛鳥鍋をいただきました。味噌と牛乳が加わり、とてもコクがあり美味しかったです。 沢山食べてよく寝て明日も頑張れそうです! なお、この日の様子は明日香村商工会の明日香スタンド(旧岡本邸)Youtubeチャンネルに動画として紹介していただいています。 人間環境デザイン学科 陳ゼミ 3回生 濱畑 桃花、廣瀬 舞果、林 和樹、前川 慧帆 【関連記事】 2023年明日香村竹テントワークショップvol.1【準備編】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 人間環境デザイン学科 海外インターンシップ vol.9~最終日、無事に帰国しました! 河合町佐味田の居場所計画 「佐味田みんなの縁側」制作・発表~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 河合町佐味田の居場所計画で「佐味田みんなの縁側」“縁台”を提案!~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 畿央大学付属広陵こども園で使う子ども用スツールが完成しました!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」
2023.10.12
2023年明日香村竹テントワークショップvol.1【準備編】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ
人間環境デザイン学科2・3回生対象「プロジェクトゼミ」では、学年をこえたグループを組み、フィールドワークや学生相互の話し合いを通して、具体的な課題を見つけ出し解決策を考える力を身につける事を授業の到達目標としています。 人間環境デザイン学科の陳ゼミでは9月19日~21日までの3日間、竹テントワークショップに参加しました。このワークショップは、明日香村商工会、商工会青年部が中心となり、使われなくなった古民家を修復し新たな活動拠点の創造を目的とする「明日香スタンド(旧岡本邸プロジェクト)」の一環として行われたものです。 陳ゼミの学生12名は2泊3日の宿泊しながら竹テントを制作しました。今回はワークショップに向けた事前準備の様子を報告させていただきます。 竹テントの設計・事前準備 竹テントワークショップ当日に向けて、大学ではゼミの時間や夏休みに作業を行っていました。 はじめに、実際にワークショップが行われる敷地である明日香村岡地区岡本邸を見学させていただきました。明日香村商工会や設計事務所の方からプロジェクトの内容を教えていただき、イメージがとてもつきました。 初めに敷地見学にて広さや雰囲気などを把握した上で後日、大学でこのプロジェクトに適しているテントはどのようなものなのか議論をしました。現地の竹を使って、竹テントを製作するにあたり、コンセプトとして「結び」という言葉をあてさせていただきました。竹と竹の結び、竹テントと竹テントの結び、また、畿央大学と明日香村の方々とで一緒に作るものであるため、その関係の結び合わせという意味も込めております。 それを踏まえ、竹テントを考える際には、組み立てが簡易的であること、用途によって使い分けができること、同時に多くの人が利用できること、竹の心地よさを感じられることが重要だと考え、その条件に適している 2つの竹テントに決定しました。 竹テントType A「座りぃなbamboo」 用途:休憩所 特徴:縦横約2メートルの竹床・用途によっての可変性・広々としたサンシェード下のスペース 竹テントType X「いらっしゃいbamboo」 用途:屋台(販売)や飲食 特徴:屋台にも飲食スペースにもなること・雰囲気のある暖簾 それからは、10分の1の模型を作り、組み立てや接合方法を考えました。その次は試作で、竹で実際の想定の7割のテントを製作しました。竹の歪みや重みでなかなかうまくバランスが取れず、試行錯誤を繰り返し、接合方法を変えたり、補強を加えたりしながらなんとか形にすることができました。 竹テントの接合方法については、主に2種類の方法を考えました。 準備を整え、7月21日(金)には明日香村商工会の方と明日香村で林業をされている方をお招きして大学で発表会を行いました。好評をいただき、また実際に制作するための問題点なども挙げていただき、さらに身の引き締まる思いで、とても良い発表会となりました。 それからは、ロープの結び方を練習して、サンシェードの布を大学で製作しました。 材料表や図面を仕上げ、いざ明日香村へ!絶対に良い竹テントを完成させるぞ!という意気込みで、大学での事前準備作業は終了しました。 人間環境デザイン学科 陳ゼミ 3回生 天野 夏菜、上野山 陽香 【関連記事】 人間環境デザイン学科 海外インターンシップ vol.9~最終日、無事に帰国しました! 河合町佐味田の居場所計画 「佐味田みんなの縁側」制作・発表~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 河合町佐味田の居場所計画で「佐味田みんなの縁側」“縁台”を提案!~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 畿央大学付属広陵こども園で使う子ども用スツールが完成しました!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」
2023.10.12
次世代教育センター主催「プレゼンテーション力養成講座~PowerPointの活用~」を開催!
2023年9月20日(水)に、次世代教育センタープログラム「プレゼンテーション力養成講座~PowerPointの活用~」を開催しました(対象:全学年)。本講座は、今年度初めての開催となります。今年度の参加者は1回生4名、2回生1名、3回生1名の合計6名の学生さんが参加してくれました。 ※次世代教育センターは2021年4月、次世代社会のニーズに応えられる幅広い教養を身につけた人材の育成を目的として開設されました。毎年度、様々なテーマを取り上げた講座を実施しています。 本学キャリアセンターが実施する各種ガイダンスでお世話になっている、(株)ワークアカデミーから講師の方をお招きし開催しました。 本講座では、まずはPowerPointの基本操作を押さえていきながら、資料作成のスキルの向上をめざしました。自らが発信したい内容、伝えたい内容を資料に落とし込みながら、資料作成の高速化・効率化ができる便利な機能等を学んでいきました。在学中のゼミ等はもちろん卒業後の将来も見据えて、実務に役立つスキルを獲得できます。 ▼実際にPowerPointを使って、資料作成に取り組みました。いろいろな機能がありますね。 ▼作ったものをグループワークで共有。他の人の資料からヒントを得ることもたくさんあります。 受講生からは、 これからの学生生活でも使うことができるので、より効率的に作業ができそうで助かりました。 PowerPointの便利な機能を知ることができました。 プレゼンテーションの効果的な方法が分かりました。 といった声がありました。 次世代教育センターでは、今後も学生の皆さんにとって役立つスキルを磨いていける講座を企画していきます。多くの皆さんからの参加をお待ちしています! 今回参加いただいた皆さん、ありがとうございました! 2023年度 次世代教育センタープログラム 畿央大学 次世代教育センター 次世代教育センター 関連記事 次世代教育センター主催「コミュニケーション力養成講座~相手に伝わる発信力強化~」を開催! 次世代教育センター主催「Excelスキルアップ講座~基本編~」(2023年度2回目)を開催! 次世代教育センター主催「Excelスキルアップ講座~基本編~」を開催! 次世代教育センター主催 「ひとの生活を支える近未来テクノロジー」を開催! 次世代教育センター主催「モバイルプラネタリウム上映会」を開催!!~協力:畿央大学サイエンスコミュニケーションサークル 次世代教育センター主催 「Excel集中講座」を開催!(今年度2回目) 次世代教育センター主催「Excel集中講座」を開催! 次世代教育センター主催「コミュニケーション力養成講座~プレゼンテーション」を開催! イベントプログラム「これからも『ひと』と『ロボット』は共存できるのか」を開催!~畿央大学次世代教育センター 次世代型情報教養プログラム「ロボットとプログラミング」を開催しました~次世代教育センター
2023.10.11
次世代教育センター主催「コミュニケーション力養成講座~相手に伝わる発信力強化~」を開催!
2023年9月20日(水)に、次世代教育センタープログラム「コミュニケーション力養成講座~相手に伝わる発信力強化~」を開催しました(対象:全学年)。本講座は昨年度も開催しており2年連続での開催となります。今年度の参加者は偶然にも全員1回生で、合計6名の学生さんが参加してくれました。 ※次世代教育センターは2021年4月、次世代社会のニーズに応えられる幅広い教養を身につけた人材の育成を目的として開設されました。毎年度、様々なテーマを取り上げた講座を実施しています。 1回生前期必修科目「キャリア入門セミナー」でもお世話になっている、一般社団法人KYOENの林田 尚之先生・足立 明美先生を講師にお招きしました。当日は、畿央生に向けたオリジナルプログラムでご講義をいただき、インプット(知識の修得)とアウトプット(グループワークによる実践)を組み合わせ、スキルの向上をめざしました。 「コミュニケーション力」と言っても幅広い能力が必要となりますが、今回はその中でも「自己発信力」を高めることを目的としています。 アイスブレイクとして、テーマに沿って一人ひとりが自己紹介を行いました。皆さん、自分のペースでゆっくり、焦らず伝えていきました。聞き手が笑顔で聞いてくれる等、相手の表情一つで話し手が話しやすくなることも実感できました。 ▼学んだ知識をもとに、自分のストーリーのシナリオを作っていきました。 ▼グループワークによる実践の場をたくさん作れるのも、少人数ならではの良さですね。 「座学による知識のインプット」「グループワークによる参加者同士での実践・フィードバックのアウトプット」を行うことで、最初は緊張していた皆さんも徐々に表情が柔らかくなり、お互いに交流を深めていきました。 受講生からは、 相手に伝わる発信力を高めていくためにはどうすればよいか、その方法が分かりました。 今まで使っていた文章や話がこんな手法で…等、気づきが多く、友達にも勧めたいと思いました。 少人数のため、周りとのグループワークも多く、楽しんで受講できました。 といった声がありました。 次世代教育センターでは、今後も学生の皆さんにとって役立つスキルを磨いていける講座を企画していきます。多くの皆さんからの参加をお待ちしています! 今回参加いただいた皆さん、ありがとうございました! 2023年度 次世代教育センタープログラム 畿央大学 次世代教育センター 次世代教育センター 関連記事 次世代教育センター主催「Excelスキルアップ講座~基本編~」(2023年度2回目)を開催! 次世代教育センター主催「Excelスキルアップ講座~基本編~」を開催! 次世代教育センター主催 「ひとの生活を支える近未来テクノロジー」を開催! 次世代教育センター主催「モバイルプラネタリウム上映会」を開催!!~協力:畿央大学サイエンスコミュニケーションサークル 次世代教育センター主催 「Excel集中講座」を開催!(今年度2回目) 次世代教育センター主催「Excel集中講座」を開催! 次世代教育センター主催「コミュニケーション力養成講座~プレゼンテーション」を開催! イベントプログラム「これからも『ひと』と『ロボット』は共存できるのか」を開催!~畿央大学次世代教育センター 次世代型情報教養プログラム「ロボットとプログラミング」を開催しました~次世代教育センター
2023.10.10
森岡周教授らの共同研究が2023年度 CRESTに採択されました。
この度、明治大学 理工学部 嶋田 総太郎教授、東海大学 現代教養センター 田中 彰吾教授、畿央大学 ニューロリハビリテーション研究センター センター長 森岡 周教授らのグループが研究する「ナラティブ・エンボディメントの機序解明とVR介入技術への応用」が、JST(国立研究開発法人学術技術振興機構)の大型研究費であるJST戦略的創造研究推進事業(CREST)において採択されました。 CREST について CRESTとは、我が国が直面する重要な課題の克服に向けて、独創的で国際的に高い水準の目的基礎研究を推進し、社会・経済の変革をもたらす科学技術イノベーションに大きく寄与する、新たな科学知識に基づく創造的で卓越した革新的技術のシーズ(新技術シーズ)を創出することを目的としています。そのために、研究総括が定めた研究領域運営方針の下、研究総括が選んだ、我が国のトップ研究者が率いる複数のベストチームによる研究を推進するトップダウン型研究であり、国内の競争的科学研究費としてはトップに位置するもので、研究期間は5年6ヵ月以内の総額1.5~5億円程度の研究費が与えられます。 生体マルチセンシングシステムの究明と活用技術の創出(通称マルチセンシング) 今回応募した領域は、生体マルチセンシングシステムの究明と活用技術の創出(通称マルチセンシング)であり、研究領域統括は、自治医科大学 永井良三学長、研究総括は、理化学研究所 未来戦略室上級研究員の入來篤史博士です。また、国際領域運営アドバイザーにはAnil Seth博士(サセックス大学 工学情報学部 教授)、Karl Friston博士(ロンドン大学 神経科学研究所 教授)と著名な研究者が配属され、国際研究を牽引する意図があります。 ナラティブ・エンボディメントの機序解明とVR 介入技術への応用 私たちの研究グループは、明治大学理工学部(認知科学)の嶋田総太郎教授(代表者)のグループ、東海大学文学研究科(哲学・現象学)の田中彰吾教授のグループとチームを編成し、「ナラティブ・エンボディメントの機序解明とVR 介入技術への応用」というテーマ(図1:Graphic Abstract)で応募し、毎年採択数は4件程度(2023年度は64件応募中4件採択/採択率6.3%)の厳しい審査の中、書類審査に次いで面接審査を通過し、結果として、2.74億円(5年6ヵ月)の研究費(3研究室合同)を取得することができました。 図1:研究概要 日本 - フランス 共同提案型 今回は日仏共同提案型による応募をとり、日仏で研究グループを構成し、共同研究提案書(CREST-ANR共通書式)を作成し、フランス国立研究機構(Agence Nationale de la Recherche; ANR)の審査も通過しなければならないという難易度の高い課題に挑戦し、結果として、フランス側も採択されるに至りました(図2:日仏チーム編成)。フランス側の共同研究者には、natureにも多数論文を持つフランス国立衛生医学研究所(INSERM)、フランス国立科学研究センター(CNRS)のYves Rossetti教授(認知科学)、世界ニューロリハビリテーション連盟の組織委員会のメンバーであるリヨン大学病院医学部長のGilles Rode教授(リハビリテーション医学)、そして神経現象学の父と称されるFrancisco J Varelaの継承者の哲学者であるリヨン高等師範学校(ENS-Lyon)、パリ高等師範学校(ENS-Cachan)のJean-Michel Roy教授です。これから5年半にわたり、相互に往来しながら議論を重ねて、ブレークスルーにつながる研究成果を公表できるように進めていきます。 図2:フランスー日本の共同研究メンバー 共同研究メンバー 明治大学 理工学部 教授 嶋田 総太郎 東海大学 現代教養センター 教授 田中 彰吾 フランス国立衛生医学研究所 教授 Yves Rossetti リヨン大学病院医学部 教授 Gilles Rode リヨン高等師範学校 教授 Jean-Michel Roy 畿央大学 ニューロリハビリテーション研究センター 教授/センター長 森岡 周 関連リンク 2023年度 戦略的創造研究推進事業(CREST)新規採択課題・総括総評 国立研究開発法人学術技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業(CREST)
2023.10.06
「理学療法学科2回生×卒業生交流会」を開催しました!
2023年9月15日(金)に低回生から将来の理学療法士像を考える機会を創出することを目的に、 今年度より新たに「理学療法学科2回生×卒業生交流会」を開催しました。 交流会には、卒後1~3年目の卒業生11名と在学生約60名が参加。 卒業生からの自己紹介後、卒業生と在学生のグループに分かれ座談会形式で交流を深めました。 卒業生の働く領域は、急性期、回復期、スポーツ、小児と多岐にわたり、座談会の中ではそれぞれの病院の特徴や仕事内容などをお話しいただきました。 また、現在の業務内容だけでなく、理学療法士としてのやりがいや大学生活のことまで、自身のこれまでの様々な経験も話してくださいました。 最初は少し緊張する様子が見受けられた学生も、年齢の近い先輩との交流を通して徐々に打ち解け、現在の学校生活や勉強に関する悩みを相談していました。 参加した学生からは、以下のような感想をいただいています。 ・実際に働いているイメージがついた。 ・今大変と感じていることが、誰もが通る道だと分かって安心した。 ・自身の関心のある分野について詳しく聞けたので良かった。 ・理学療法士としてのやりがいを聞けて、素敵な仕事だと再認識し、勉強へのモチベーションアップになった。 また卒業生からも、在学生と話しているうちに自分自身を振り返る機会にもなったという声をいただき、双方にとって有意義な時間となったことでしょう。 後期授業もスタートし、2回生はより専門的な授業が増えてきます。 身近な将来像である先輩との交流を通して、理学療法士のやりがいを再確認し、それぞれのモチベーションアップに繋げてもらいたいと思います。 ご協力いただいた卒業生の皆さん、ありがとうございました!