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すべての新着情報一覧

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2022.06.07

2022年度キャリアガイダンスレポート

キャリアセンターでは、健康栄養学科・人間環境デザイン学科・現代教育学科3回生の一般企業就職希望者を対象に「キャリアガイダンス」を実施しています。前期・後期合わせて約30回のプログラムを用意しており、前期は毎週金曜日2限に対面で実施しています。     今日はその中から、4月15日(金)に実施した第1回ガイダンスと、6月3日(金)に実施した第8回ガイダンスの様子をご紹介します。     4月15日(金)第1回ガイダンス「今日からスタート!就職活動基礎ガイダンス」 株式会社マイナビのキャリアサポーターの方を講師にお招きし、就職活動のスケジュールや就活生の活動量(エントリー数や内定数)などについてご説明いただきました。 就職活動を進めるうえで、「自己理解」と「仕事理解」が大切とのお話があり、ワークシートを用いて、一人一人の思いや考えを整理しました。10月を目安に、「自分(強み・学び・スキル・価値観など)」「企業(事業内容・強み・特徴など)」「仕事(できること・やりあたいことなど)」の3つの観点で情報収集・整理を進めていくようにとのアドバイスをいただきました。 そして、就活生の多くが活用している「就職情報ナビ」4社の登録会も実施し、それぞれのスマートフォンやパソコンを使用しながら、インターンシップ情報の検索方法などを学びました。       6月3日(金)第8回ガイダンス「エントリーシート~基礎編~」 就職情報ナビ「リクナビ」を運営する株式会社リクルートの方にお越しいただき、エントリーシートの作成講座を実施しました。「伝わるエントリーシート」をテーマに、読み手はどのような方なのか、なぜ自己PRを聞くのか、そこから何を知りたいと思っているのかなどを学びました。 この学びをもとに、リクナビの「OpenES」で一人一人自己PRを作成しました。ほとんどの学生が初めての作成ということもあり、ワークシートでこれまでの「経験」や「強み」を整理した後、OpenES上のAI機能を活用して文章化しました。これにより、自己PRの基本的な形が出来上がりました。今後ブラッシュアップをして、エントリーシートに活用していきます。 参加した学生からは「経験自体ではなく、経験から何を学んだのかが大事だと知り、前向きに捉えることができた」「企業が知りたいのは“らしさ”なんだと分かって良かった」などの感想が寄せられ、ガイダンスの回数を重ねるごとに少しずつ不安が和らいでいる様子が感じられます。       今後のガイダンスについて   前期のキャリアガイダンスもあっという間に折り返し地点を迎え、段々と内容が実践的になってきました。今後、6月・7月のガイダンスでは、適性検査やSPI対策、身だしなみ・ビジネスマナーなどをテーマに学びを深めていきます。 通常は、感染予防対策をとりながら対面でガイダンスを実施していますが、SPI対策については、学生それぞれの得意・不得意に合わせて繰り返し受講ができるよう、OpenCEAS(授業支援型ラーニングシステム)による動画配信を予定しています。入門編、基礎編、応用編と全3回の配信を予定していますので、学生の皆さんはぜひ早めに対策を始めていきましょう!  

2022.06.06

認知症啓発のための「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」活動報告!~Orange Project®畿央大学

Orange Project®とは 熊本県(熊本大学・熊本保健大学・崇城大学・熊本県立大学)と奈良県(畿央大学)を中心に活動している認知症啓発のための学生ボランティア団体です。“認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献する”をコンセプトに、認知症啓発運動を行っている学生を中心とした団体で、畿央大学では、2019年にサークルとして発足しOrange Project®(認知症支援プロジェクト)に参画し、「認知症になってもやさしい町づくり」などに、学生主体に取り組み始めました。 今回は、現2年生が主体となる初めての活動で、畿央大学のオレンジプロジェクトの先輩が、2020年に「多世代まちづくりプロジェクト 学生コンペティション」で入賞し助成金10万円をいただいた企画「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」の活動の一環を報告させていただきます!   畿央大学オレンジプロジェクトの学生たちで作成した世界に1つしかない認知症の啓発のための紙芝居(パワーポイントで作成)です。この紙芝居は「えがおのわ」というタイトルで、認知症のことを子どもたちに伝えるために作ったものです!         2022年5月23日(月)14時から、鹿児島県にある錦江町立大根占 (おおねじめ) 小学校の4年生に絵本動画を使用した認知症啓発を行うということで、畿央大学のオレンジプロジェクトもリモートで参加させていただきました!   始めに、オレンジプロジェクトの活動を紹介し、次に紙芝居を披露しました。   最初は子ども達がどのような反応をしてくれるのか、Zoomでの活動のためうまくコミュニケーションがとれるのか…など、不安なところもたくさんありました。   しかし、始まると同時に、画面越しに小学生たちの活き活きとした笑顔が確認でき、手を振ってくれる姿を見て、不安が一気に吹き飛びました!子ども達が質問に対して真剣に考え積極的に答える姿や、「困っている人を見たら助けたい!」という感想を聴き、私達が紙芝居を通して伝えたかったメッセージが伝わっていることを実感でき、とても嬉しく思いました。   その後、認知症当事者である丹野さんの動画を見ていただき、無事に終えることができました。   今回の活動はリモートでしたが、さまざまな地域のさまざまな年代の人と繋がれることに気づくことができたと同時に子ども達に伝えることの楽しさを感じることができました。   今後もリモートなども活用しながら活動の幅を広げていけたらと思っています! Orange Project®に興味がある方は、ぜひご連絡ください!     看護医療学科 2年生 中川あみり     【関連記事】 「2021年度Orange Project®記念式典」で学生3名が功労賞を受賞! 広陵中学校の認知症サポーター養成講座にリモートで協力! 多世代まちづくりプロジェクト2021コンペティション、2年連続で「参加者賞」に! 広陵町図書館での認知症啓発活動に参加! 小学生への認知症オンライン講座に参加!

2022.06.03

第1回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催!~理学療法学科

理学療法士のリーダーになるために! 最前線で活躍する卒業生が隔月で講演   理学療法学科では今年度から新たに「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催しています。 リーダーシップをもった次世代の理学療法士育成を目的にし、臨床現場はもちろん、スポーツ現場や地域リハ、教育機関など幅広い分野の第一線で活躍する卒業生がその魅力や想いを後輩のためだけに語ります。在学生にとっては入学後早期から職業理解を深め、自らのキャリアを考えることやモチベーション向上へとつなげる絶好の機会になります。他大学に先駆けて理学療法学科を開設した畿央大学にしかできない先進的な取り組みです。   記念すべき第1回は、理学療法学科1期生で大学院健康科学研究科博士後期課程修了生でもある徳田‎光紀さん(平成記念病院リハビリテーション科主任)を講師に迎えて、「理学療法士の光と影」というタイトルでご講演いただきました。         長期の臨床実習に出ている4回生を除く、188名が冬木記念ホールに集結。なんと1~3回生の約8割が参加するほどの高い関心が寄せられました。講演は理学療法士の魅力はもちろん、給与や昇給、人生設計、選挙、キャリアパス、社会人基礎力、自分の身を置く環境や習慣化の大切さなど、多岐にわたりました。在学生にとっては予想外なものや、刺激が強い内容も多くあったのではないでしょうか? データも交えながら理路整然と、押し付けるでもなくやさしく話しかける徳田さんの話を真剣に聴講している姿が印象的でした。             最後の質疑応答では、「大学院に行くメリットは何ですか?」「やり直せるとしたら、もう一度理学療法士になりたいですか?」など、なかなか普段では聞けないような同窓生ならではの質問を3回生が積極的に投げかけていました。そういう積極性もまさにリーダーシップにつながり、それを見た後輩たちにも良い勉強になったのではないでしょうか?講演終了後に、個別に質問に駆けつける1回生の姿も見られました。   またセミナー後の学生アンケートでは、理学療法士国家試験の取得にとどまらず、「なんらかの武器を持たなくてはいけない」という感想が多く見られました。特に、 ・高いコミュニケーション能力 ・他人への思いやり ・高い専門性 ・英語力 ・チームワーク力 といったキーワードが多く出ていました。           徳田さんから後輩の皆さんへのメッセージ この度は記念すべき第一回の講師として登壇させていただき、誠にありがとうございました。 理学療法士の光として、コメディカルの中で実質的に「治療介入ができる」のは理学療法士(セラピスト)だけであり、そこにやりがいや醍醐味が詰まっていることと、幅広いフィールドで活躍の場があり選択肢は無限大であることを中心にお伝えしました。一方で、理学療法士の影として、理学療法士の需給は飽和状態で、平均給与だけを見ると医療職の中では高い方ではないという側面をお伝えしました。   今後「人生100年時代」を生き抜くためには、スキルアップやキャリアアップが必須です。また医療人である前に、まずは社会人としてのスキルが非常に重要です。今の学生生活も含めて、自分だけの枠組みに捉われずに、幅広い交流を持つことや、苦手な分野にも向き合うように心がけてください。また、理学療法士として自分だけの刀を研ぎ澄まし、必要とされる人材になれるように、日々の環境や習慣を大事にしてもらいたいと思います。   理学療法業界の中でも学力的に上位に位置する畿央大学に入学できた皆さんは、すでに「頑張り方」を知っているはずです。今まで通りに「頑張る」を習慣化して、その積み重ねがあれば着実に成長できるでしょう。私は卒業してから、畿央大学の先生方が各分野のスペシャリストの中でもそれぞれがトップランナーであることに気づきました。今となっては、私が学生の皆さんの代わりに講義を受けたいくらいです(笑)畿央大学の学生であるという特権を活かして、日々の講義や先生方との交流も大切にしてください。   理学療法士は楽しいです。しんどいことでも楽しいから頑張れます。しんどいことでも苦と思わず頑張れる職業を「天職」といいます。皆さんが理学療法士を天職と思えるようになることを、心から願っています。     ▼学部でも大学院でもお世話になった恩師・庄本学科長と       次回は7月22日(金)、小児リハビリテーションを専門とする飛田良さん(2期生/滋賀医科大学医学部附属病院リハビリテーション部主任)に来学いただく予定です。次回も在学生限定ですので、ご期待ください!         【関連リンク】 理学療法学科 大学院健康科学研究科 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part1~「学生時代」編 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part2~「臨床現場・大学院」編 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part3~「教員」編    

2022.06.01

2023年、教育学部が「深化」します!

  健康と教育のフロントランナーとして走り続けている畿央大学。 公立小学校教諭3年連続70%超、公立幼稚園教諭・保育士4年連続90%超など関西屈指の教員・公務員採用試験現役合格率で、「資格・就職に強い大学」として評価されています。 教育学部現代教育学科は、入学時に選べる4コース制、ダブル担任制、現場に即した実践的教育などの畿央大学らしさを継続しながら、さらに「深化」します。   今年も関西トップクラスの現役合格率を達成! 小学校教諭85.4%、養護教諭64.7%、公立幼・保100%!~2023年卒 1. 中・高教諭(数学)一種免許状の取得が可能に!   学校教育コースで新たに、中学校・高校教諭(数学)が取得可能に!小学校教諭、中・高教諭(英語)、特別支援学校教諭、幼稚園教諭に加え、めざす免許の選択の幅がさらに広がります。   学校教育コース 2. キャンパス近くに畿央大学付属広陵こども園を開設!   2023年4月、地元広陵町と連携協力した新しい形の認定こども園を開設します。大学の近くに現場を直接体験できる機会が増えることで、より実践的な幼児教育の学びの場が広がります。   幼児教育コース   こども園について 3. データサイエンスにも強い教員・保育士に!   ノートPCの4年間無償貸与に加え、関西私大で5校のみとなる「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(MDASH)」に「情報処理演習」が認定(2021年度)。教育現場で知っておきたいICTスキルを、バランスよく修得できます。 また、本学では正課科目と「次世代教育センター」で展開するプログラムとを相互に関連づけることによって、より質の高いデータサイエンス教育の実現を図っています。 >データサイエンス科目と次世代型教養プログラムの相関図(2022年度現代教育学科の例)   ノートPC無償貸与   MDASHについて 4. 養護教諭のための学びが充実!   より実践的なロールプレイや看護実習室での演習、健康科学部との垣根をこえた授業、現場で活躍する卒業生との交流など、養護教諭をめざす学生のためのカリキュラムがさらにバージョンアップ!   保健教育コース 5. 大阪教育大学と連携協定を締結! 「教員養成フラッグシップ大学」に採択された大阪教育大学と連携協定を結んでいます。相互授業履修など新しい教員養成や卒後教育などの在り方を、連携して模索していきます。   教員養成フラッグシップ大学構想 (大阪教育大学) 【NEWS】2022年、英語教育コース1・2期生が初のセメスター留学へ!   4年で英語教諭取得と半年間の海外留学を実現!2022年9月から1期生となる11名がカナダへの留学とホームステイへ。現地の様子は学生が毎月レポートしていく予定です。   セメスター留学blog   英語教育コース     すべては、学生の未来のために。 教員・保育士をめざすなら、 畿央大学で! 関西トップクラスの現役合格率で、あなたの夢をバックアップします。 コロナ禍でもきわめて高い現役合格率を継続して実現しています。   ▼教員採用試験、公務員採用試験の現役合格率(3年間推移) 試験種別 2020年卒 2021年卒 2022年卒 公立小学校教諭 75.6% (62/82) 71.2% (52/73) 77.8% (70/90) 公立幼稚園教諭・保育士 100% (27/27) 94.6% (35/37) 97.0% (32/33) 公立学校養護教諭※ 46.2% (6/13) 36.4% (8/22) 40.0% (6/15) 特別支援学校教諭 50.0% (2/4) 83.3% (5/6) 100% (6/6) ※2022年卒の公立学校養護教諭は、看護医療学科の現役合格者1名を含みます   現代教育学科ページへ

2022.05.31

開発途上国の子供たち向け「健康紙芝居」を制作!~現代教育学科

現代教育学科の髙田です。2018年度より、科研費の支援を受けて、南太平洋にあるソロモン諸島国の小学校で身体測定や健康教育に取り組んできました。ソロモン諸島国では、マラリアなどの感染症に加え、近年では糖尿病や肥満などの生活習慣病が増加しています。   子供たちは、小学1年生から保健の授業を受け、体の成長や清潔、食事、環境美化、生活安全、トイレ、歯磨き、薬や病気などについて学習しています。しかし、子供たちは、身長や体重を学校で測ったことはなく、レインタンクで手を洗い、歯ブラシの使用はほとんどありません。実体験が乏しいソロモン諸島国の子供たちが、実際に身体測定や手洗い指導、歯磨き指導を体験し、生きる力を身に付けることで、感染症や生活習慣病の予防につながるのではないかと考えました。   そして、体験と合わせて行う健康教育は、子供たちが自分の体や健康に関心を持つことが大切です。そこで、どこでも簡単に、教員が子供とのやり取りを楽しみながら指導できる日本独自の紙芝居に着目し、ソロモン諸島国の健康教育カリキュラムや教員の意見をもとに、体の成長、手洗い、歯科保健について紙芝居を作成しました。紙芝居のタイトルは「How Our Bodies Grow」「Goodbye Bacteria」「My Precious Teeth」で、ソロモン諸島国だけでなく、どの国においても必要とされる内容です。   ▼ゼミ生による紙芝居の様子     また、紙芝居をデジタル化したり、指導マニュアルを掲載した日本型健康教育プログラムの冊子を作成したりして、教員や関係者が指導しやすいように工夫しています。   ▼プロジェクターに投影してデジタル紙芝居も可能       今後は、ソロモン諸島国に限らず様々な国で紙芝居やプログラムを活用いただき、その効果について検証していきたいと思っています。   教育学部 現代教育学科 教授 髙田恵美子   【関連記事】 日本の養護教諭の役割は?~ソロモン諸島の小学校での健康支援を例に考える|KIO Smile Blog

2022.05.30

令和4年度 畿桜会(同窓会)役員会・オンライン総会を開催しました。

2022.05.30

慢性腰痛患者の筋活動分布には痛みの性質と疼痛部位が影響する~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

痛みは筋活動を変化させますが、慢性腰痛患者では屈曲位から体幹を伸展させる(おじぎをした状態から体を起こす)時に、痛みにより腰の筋肉の活動が増強もしくは減弱することが報告されています。しかしながら、痛みの強さと部位が筋活動にどのように影響するかは明らかにされていませんでした。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター客員研究員 重藤 隼人らは、慢性腰痛症例を対象に、痛みの性質に着目して痛みの強さ・部位と筋活動分布の関連性を調査し、痛み強度が増すにつれて、痛みを感じている部位周囲の筋活動を抑制する運動適応が痛みの性質に依存することを明らかにしました。 この研究成果は、Pain Research and Management誌 (The pain intensity/quality and pain site associate with muscle activity and muscle activity distribution in patients with chronic low back pain: Using a generalized linear mixed model analysis)に掲載されています。 研究概要 慢性腰痛患者の筋活動の特徴として、立位で体幹を屈曲した時に、屈曲位から体幹を伸展させる時に背筋群の筋活動が増強もしくは減弱することが報告されています。また、痛みによって筋活動分布を変化させることも報告されています。しかし、疼痛強度と部位が筋活動にどのように影響するかは明らかにされておらず、そして疼痛の性質による筋活動への影響も検証されておらず、疼痛強度・部位および疼痛の性質と筋活動分布の関連性は明らかにされていませんでした。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター客員研究員の重藤隼人らの研究チームは、疼痛の性質・強度・部位と筋活動分布の評価を行い、一般化線形混合モデル分析を用いて、疼痛の性質に着目して疼痛強度と部位がどのように筋活動分布に影響するかといった関連性を検証しました。 その結果、神経障害性疼痛の強度が増すと体幹屈曲位から伸展する時の背筋群の筋活動は抑制されることが明らかになりました。また、持続痛・間欠痛・神経障害性疼痛・感情表現に該当する疼痛の性質に依存して疼痛強度が増すにつれて、疼痛部位周囲の筋活動を抑制する運動適応が存在することを明らかにしました。 本研究のポイント ■ 疼痛の性質に着目して、疼痛強度・部位と筋活動分布の関係を調査した。 ■ 神経障害性疼痛の強度が増すと、屈曲位から伸展する時の背筋群の筋活動が抑制されることが明らかにされた。 ■ 疼痛強度が増すにつれて、疼痛部位周囲の筋活動を抑制する運動適応が痛みの性質に依存することが明らかにされた。 研究内容 慢性腰痛患者を対象に、疼痛部位・性質の評価と筋活動の評価を行いました。痛みの性質はSFMPQ-2を用いて評価しました。筋活動は表面筋電図を用いて、立位体前屈課題時(図1)の脊柱起立筋の筋活動を測定し、主動作筋の筋活動として体幹屈曲位から伸展させる時の筋活動と筋活動分布の重心を算出しました。また、疼痛部位と筋活動分布の重心との間の距離を算出しました。   図1.立位体前屈課題 © 2022 Hayato Shigetoh   一般化線形混合モデル分析という解析方法を用いて、疼痛強度・性質、疼痛部位および筋活動の関係を検証しました。筋活動に対する疼痛強度・性質の影響を検証した結果、「神経障害性疼痛」・「軽く触れるだけで生じる痛み」の疼痛強度が増すと背筋群の筋活動が抑制される関係が認められました。疼痛部位と筋活動分布の重心との間の距離に対する疼痛強度・性質の影響を検証した結果、「間欠痛」・「ずきんずきんする痛み」・「割れるような痛み」・「拷問のように苦しい」・「軽く触れるだけで生じる痛み」の疼痛強度が増すと距離が増大する関係が認められました。筋活動分布の重心は筋活動が高い部位を示していることから、疼痛強度が増大すると疼痛部位に近い部位の筋活動が抑制される反応が、疼痛性質に依存しているということを示しています(図2)。   図2.疼痛強度・部位と筋活動の相互作用を説明したモデル © 2022 Hayato Shigetoh   特定の疼痛性質の強度が増大すると、主動作筋の筋活動が抑制された。疼痛部位と筋活動分布の関係性に着目すると、特定の疼痛性質の強度が増大することによって疼痛部位近くの主動作筋の筋活動が抑制された。 研究グループは、この結果について、疼痛による主動作筋の筋活動の抑制を示す疼痛適応モデル(pain adaptation model)のメカニズムが反映された結果であり、疼痛性質に依存した筋活動の変化は、腰痛関連組織に由来した疼痛性質が筋活動に影響した結果であると考察しています。 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究成果は、疼痛の性質によって疼痛強度・部位による筋活動分布の変化が異なることが示され、痛みの性質に着目して痛みと運動制御の関連性を捉える重要性が示されました。今後は慢性腰痛患者の運動制御のメカニズムについて研究される予定です。 論文情報 Shigetoh H, Nishi Y, Osumi M, Morioka S The pain intensity/quality and pain site associate with muscle activity and muscle activity distribution in patients with chronic low back pain: Using a generalized linear mixed model analysis Pain Research and Management, 2022 関連する先行研究 1. Shigetoh H, Nishi Y, Osumi M, Morioka S. Combined abnormal muscle activity and pain-related factors affect disability in patients with chronic low back pain: An association rule analysis. PLoS One. 2020 Dec 17;15(12):e0244111. 2. Shigetoh H, Nishi Y, Osumi M, Morioka S. Temporal associations between pain-related factors and abnormal muscle activities in a patient with chronic low back pain: A cross-Lag correlation analysis of a single case. J Pain Res. 2020 Dec 3;13:3247-3256. 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 重藤 隼人 センター長 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 Mail: s.morioka@kio.ac.jp

2022.05.26

「第15回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科

学年をこえた交流を通して、自己学修に取り組む!   基礎看護学領域では、学修した基礎看護技術の修得状況を学生自身が把握し、意欲的に自己学修に取り組むきっかけとすること、異なる学年同士が交流する機会をもつことをねらいとして「基礎看護技術自己学修会」を開催しています。今年度2回目となる今回は5月20日(金)に開催し、4年生6名と3年生2名、2年生4名の合計12名が参加しました。   4年生1名と3年生または2年生1名がペアになり、点滴実施中の対象者の寝衣交換とバイタルサインの観察を行いました。4年生と3年生は2年生前期に履修した「診療過程援助技術」で点滴について既に学んでいるため、学修会で使用する点滴の準備を行いました。点滴ルートに輸液を満たす際には、久しぶりに実施する技術ということもあって四苦八苦している様子もありましたが、お互いに手技や知識を確認しながら準備することができました。2年生にとってはこれから学修する内容でもあり、テキストと照らし合わせながら、関心を持って先輩の手技を見学していました。   その後、準備した点滴を使用して、点滴実施中の対象者の寝衣交換とバイタルサインの観察を行いました。4年生の中には、各看護学実習で点滴をしている受け持ち患者さんに寝衣交換を実施したことがある学生もいましたが、どの学生も苦戦している様子でした。「難しい…」と言いながらもペアで意見交換し、教員のアドバイスを受けながら実施することができました。学修会開始時は緊張した面持ちの学生もいましたが、技術の実施をとおして徐々に打ち解けることができた様子でした。       参加した学生からは以下のような感想がありました。   ・先輩方と交流できる機会が、コロナ禍でサークル活動が中々ないため、色々お話しできて良かったです。最初は緊張していましたが、先輩方が優しく接してくれたのでリラックスして楽しい時間を過ごせました。また、技術面もこれからの演習の予習になり、とても勉強になりました。 ・今回参加して忘れていた技術を練習することができ、さらに、先輩方にも授業や実習について相談することができたので不安な気持ちが和らぎました。楽しかったです。学修会を開催していただきありがとうございました。 ・実習で色々なことが身についたかなと感じていたのに、実施するとなると全然覚えていなかったことに気づけてよかったです。 ・今日の学修会を通して、点滴の準備と点滴中の寝衣交換のどちらも全然できなかったのですが、2年生と一緒に考えながら楽しく実施できました。本当にピンチのときは先生方がわかりやすく教えて下さったので聞きやすかったです。インターンシップも近いので復習できる機会があってよかったです。       3年生・2年生にとっては、少し先を行く4年生の先輩の生の声を聞くことで、今抱えている不安の軽減や今後の学修に対する意欲を高めるきっかけになったのではないかと思います。来年4月には臨床で看護師として勤務することになる4年生にとっても、後輩とともに技術を実施し、今後の課題が明らかになったのではないかと思います。 異なる学年との交流をとおして学生の学修意欲を高め、患者さんにより良い看護を実践できるように、今後もサポートしていきたいと思っています。   看護医療学科 基礎看護学領域 林 有学・須藤 聖子・小林 智子・中西 恵理 【関連記事】 3・4回生対象「第14回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 2回生対象「第13回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 2・4回生対象「第12回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「第10回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「第9回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「第8回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科

2022.05.24

第4回看護医療学科卒後教育研修会「看護における臨床判断」を開催しました。

2022年5月22日(日)14時30分より看護実践研究センター第4回卒後教育研修会「看護における臨床判断」を開催しました。     卒後教育研修会は看護医療学科の卒業生に対するリカレント教育として畿桜会(同窓会)総会と同日に開催していますが、一昨年度は新型コロナウイルス感染拡大予防の観点により中止となり、昨年度・今年度とも畿桜会総会がWeb総会ということで、本研修会も2年連続でのZoomを使ったオンライン開催となりました。 今回は看護医療学科2期生の奥村絵里さんと奥村紗和子さんを講師としてお招きし、臨床での実践経験を基に臨床判断についてお話していただきました。研修の冒頭では看護医療学科や林田麗准教授より臨床判断について解説していただき、その後、講師お二人の講演となりました。 奥村絵里さんは急性期病院での勤務経験と現在のホスピスでの勤務経験をふまえて、臨床判断の際の視点を対比させて、急性期ではいかに異常を早期に発見し、早期に対処するかに視点が置かれることに対し、ホスピスでは異常が発現するのは当然の成り行きであり、いかに患者のニーズを引き出して把握し、充実させていくかに視点が置かれることについて講演していただきました。そして患者のニーズを把握することは難しい側面もあるものの、先輩に相談したり、自らが疾患について学習を深めるなど臨床判断能力を高める努力をしていることを語っていただきました。     奥村紗和子さんには、Kolbの経験学習モデルを活用しながら勤務している病棟で実践している臨床判断能力を高めるための方法について講演していただきました。 奥村紗和子さんはがん専門病院で勤務されており、PNS(パートナーシップ・ナーシングシステム)が採用されています。PNSは2人の看護師が安全で質の高い看護を共に提供することを目的に、対等な立場でお互いの特性・能力を活かしながら補完・協力し合い、看護業務を行う福井大学医学部附属病院が開発した看護方式であり、その看護方式の特色を生かして、臨床判断能力を高めるための取り組みとして重視されていたのが省察です。ペアとなる看護師との業務開始前の簡単なブリーフィングと業務終了時のデブリーフィング(短時間で問題点や課題を協議する「振り返り」)を実施し、デブリーフィングでは振り返りシートを活用して客観化しているとのことでした。 また、奥村紗和子さんの講演で特に強調されていたことが「ポジティブシンキング」です。デブリーフィングの際、良かった点をみつけて振り返ることこそが臨床判断能力を高めるために重要であると力説されました。     講演の後は意見交流会を行いました。臨床判断能力を高めるための看護基礎教育への示唆についての質問に対しては、実習での効果的なカンファレンスの実施が重要であり、カンファレンスでの省察を翌日の看護につなげるというサイクルを作る必要性について助言をいただきました。中堅看護師として臨床で活躍されているお二人の話は説得力があるとともに、学び続けることの重要性を教えてくれるものでした。     今回はオンライン開催ということで卒業生の参加がなく残念でしたが、参加した教員からはお二人の講演を学生への教育に活かしていきたいといった感想が多くありました。また、看護医療学科4年生の学生からは「デブリーフィングを繰り返すことで、少しでも先輩たちのような素晴らしい思考力のある看護師に近づきたいと思う」等の感想もありました。 今後も卒業生の皆さまのニーズにあった研修会を企画していきたいと考えています。企画内容が決まりましたら畿央大学HPに告知しますので、多くの方のご参加をよろしくお願いいたします。     最後になりますが、貴重なお話をしてくださいました奥村絵里さん、奥村紗和子さんに感謝申し上げます。 看護実践研究センター 卒後教育部門 山本 林田   【関連記事】 第3回卒後教育研修会「コロナ禍の看護の現状~やさしさをチカラに変える 現場の声から~」を開催しました。 「畿央大学看護実践研究センター開設記念シンポジウム」を開催しました。 第2回看護医療学科卒後教育研修会を開催しました。 看護医療学科開設10年記念講演会・第1回卒後教育研修会を開催しました。

2022.05.20

「離島・へき地医療体験実習」発表会を開催しました!~看護医療学科

3年ぶりの現地開催!各地での学びを共有しました   看護医療学科では、4回生統合発展科目として、その人の顔の見える看護や保健医療を体験することで、看護の本質を考えることを目的とした「離島・へき地医療体験実習」を宇陀市、川上村、五條市大塔町、山添村にご協力をいただいて実施しています。                 過去2年間は、コロナ禍の影響により臨地に赴くことが不可能となり、実習目標を到達できるようリモートを活用して臨地の住民への健康支援を展開されている機関や人々とやりとりをしながら実施し、発表会もリモート開催でした。今年度は3年ぶりに、各臨地の方々のご理解とご協力をいただいて、それぞれの地域に赴き各市地域毎に特色ある学びを展開しました。5月18日(水)には、離島・へき地医療体験実習発表会を学内で対面開催し、学生間で学びの共有を行いました。             新型コロナウイルス感染症の動向を鑑み、へき地への訪問期間を短縮した地域やコロナ前を変わりない日程で住民の方を対象とした健康チェックやインタビューを実施できた地域などそれぞれでの活動状況には違いがありましたが、短期間の地域においても、住民の健康支援機関や支援者、そして住民の方に目的を持った関わりをさせていただきました。             現地での学生は、地区踏査を通して地域の環境を観察し、人々と触れ合うことで五感を通してへき地で暮らす人々の生活のありさまと支援者の思いを感じ、またその体験を通して、得た情報整理からへき地の健康課題を導き出し、健康ニーズに沿ったケアの提供を考えることができました。以上を通して、生活者である対象理解とそれらの人々の健康やQOLの向上を図っている医療保健福祉関係者の思いや活動の意味への理解、そして看護者となる学生そのものの看護の考え方が深まったのではないかと思います。これら学生の学びは、発表できちんとスライドに示されていました。         それを示す例として、へき地医療体制は、医療の確保が困難であり、へき地診療所、巡回診療や医師派遣など、地域により様々な体制が取られていることや、緊急時の救急搬送システムが構築されていることやへき地における看護の役割として、診療の補助にとどまらず、健康相談や生活上の指導、予防意識を高める働きかけが重要であると示されていました。             またへき地で暮らす人々の、顔の見える関係性や、関係諸機関との連携、豊かな自然との触れ合い、伝統行事を大切に継承される地域の人々の思いの深さなどから、人のつながりの大切さを再認識していました。   これらのことから、子どもから高齢者まですべての人に対して、保健、医療、福祉との連携としての地域包括ケアシステムを構築していくことの重要性と住民同士でお互いに支え合うへき地の人々の暮らしは、地域の強みであることを学びとしてまとめていました。           私は、今年度の4月に本学に着任したばかりですが、この実習に向けた準備期間での学内実習や臨地での実習期間中、主体的に学ぶ学生たちの姿と発表会で聞く人にわかりやすく発表する姿、質問への応答も的確にしている様子を見て、4回生としてこれまで積み上げてきた学びを統合し発揮することができていると確かな成長を感じ感銘を受けました。     発表会終了後、実習を担当した教員より「実習という体験にとどまらず、これを機会にまた実習地域との関わりを継続してほしい」とコメントがあったように、卒業後もつながる関係性ができれば、この実習の真の成果となることと思います。     ▼山添村児童館館長様より頂いた手描きの書と絵     コロナ禍にも関わらず実習を受け入れてくださいました、宇陀市、川上村、五條市大塔町、山添村の皆さまに感謝申し上げます。ありがとうございました。                              看護医療学科 准教授 前田則子       【関連記事】 離島・へき地医療体験実習(川上村)で応急手当ポケットカードを作成!~看護医療学科 離島・へき地医療体験実習(山添村)レポート~看護医療学科 離島・へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)レポート~看護医療学科 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポートvol.2~看護医療学科 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポートvol.1~看護医療学科

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