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2021.09.24

理学療法学科教員による「東京五輪」参加レポート!

2020東京オリンピック・パラリンピックの理学療法サービス部門で「TOKYO2020MEDスタッフ」として参加した理学療法学科の福本先生。「MEDスタッフについて」「スタッフ選定」「研修会」「選手村での活動」「レガシー」の5つの視点から、東京五輪や現地での経験を語っていただきました!   【お知らせ】 在学生・卒業生限定で「2020東京五輪の活動報告」をテーマにした理学療法特別講演会(Zoom)を開催します。もっとくわしく知りたい方は、ぜひお申込みください!     1.MEDスタッフについて オリンピック・パラリンピックは『世界最高峰』に位置づけられる、スポーツの総合競技大会です。それを支えるのは、ボランティアだけでなく、東京2020組織委員会の職員、選手団、警備や交通に関わる人たち、そして大会に携わる多くの企業の方々なども含めた多様な人の集まりです。(field cast noteより) スタッフは大会をサポートするField castと都市ボランティアであるCity cast、ホストタウンなど全国各地で支えるボランティアに細分されます。 MEDスタッフ(医療スタッフ)はField castに分類され、選手村診療所や大会会場の医務業務などを行います。   2.スタッフ選定 ここでは理学療法士のみの選定方法に言及します。 大会に参加するスタッフは各競技団体からの推薦による会場での活動を主に実施する場合と、日本理学療法士協会からの推薦による選手村での活動を主に実施する場合があります。 今回ブログで紹介された福本、唄、楠元、加納は日本理学療法士協会からの推薦で、安浦は競技団体からの推薦でした。     畿央生が見た東京五輪#1~安浦さん編 東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#4~福本先生編 東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#3~楠元さん編 東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#2~唄さん編 東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#1~加納さん編   多くの研修会の受講、資格、実務経験が5年以上などのハードルがあり、まずは自薦による応募を行います。その後、書類審査、面接(口頭語学面接含む)を経て日本理学療法士協会or各競技団体から大会組織委員会へ推薦という形になります。 ちなみに私は国際学会での発表業績などから英語スキル5段階のうち最高レベルで申請し、認められることになりましたが、試験官からは大会までに相当の練習をしておくように指示されました…(T_T)   3.研修会 推薦を受けるまでの必須研修として終日研修が合計で6日間、普通救命講習Ⅱ以上取得というハードル、マッチング(推薦を受ける)後も多くの研修が必要でした…が、その多くがコロナ禍によりweb講習という形に変更になりました。 しかし、44単位という膨大なweb講習がありました。詳しくは特別講演会でお伝えします。   4.選手村での活動 オリンピック期間は修善寺サイクリング村で3日間活動しました。 パラリンピック期間は修善寺サイクリング村で9日間、河口湖サイクリング村分宿で5日間、サイクリングロード競技会場である富士スピードウェイで2日間活動しました。 選手村にいる選手が世界のトップ選手であることは言うまでもありませんが、その選手をサポートする各国スタッフも素晴らしい方ばかりで圧倒されました。また、選手村に配置されているMEDスタッフも日本を代表するスタッフばかりで、いつもは教科書や学会でお目にかかっている方から、本拠地が海外という方も多くいらっしゃいました。 診療所では選手はもちろん、各国スタッフも治療に訪れ、多くの方を担当させていただきました。多くの気づきがありましたが、大きくは2点。 まず1点目は、参加国の医療水準の違いです。ある国はテーピングをしたことがない、理学療法を受けたことがないと。ある国では医師と理学療法士が来室され、検査機器・治療機器を貸してほしいと…検査データは即本国に転送し、治療プログラムが返ってくる。その治療データを選手村診療所のスタッフと意見交換し治療方針を決めていく…。違い過ぎました。オリンピック憲章にある平等は『医療サポート』という軸で考えるとまだまだだと痛感するとともに、そのためにこの選手村診療所があるのだということがわかり、初めて治療を受ける方にもしっかりと(かたことの)英語で説明し、世界水準かどうかはわかりませんが、手抜きなしの理学療法を提供することに努めました。 2点目は、選手村のMEDスタッフです。しんどい…やりたくない…というネガティブワードは全く耳にしませんでした。全員が選手の取り合いです。私がみたい!私にやらせて!この方法はどうだろう…その方法を教えて!などなどなどなど、全国から前述のハードルをパスした強者ぞろいですから、私できません…私やりません…なんて人は誰もいませんでした。 もちろん私も例に漏れず、自分の考えも伝えるとともに、多くの先生方から指導を受けました。 キラキラした選手とスタッフに囲まれて、夢のような時間を過ごすことができました。 オリ・パラロスという言葉があるやらないやら、多くのスタッフからこのロス症状について聞きました。燃え尽き症候群に少し似た症状が出るらしく、私もこの症状にいまだに悩まされており、ブログ原稿が遅れた言い訳といたしますm(__)m     もちろん休憩時間もありました。 まじめにPC画面を見ているように見えますが実は…楠元さんと受付で智辯学園×智辯和歌山戦を観戦しています。 智辯学園の監督である小坂さんとは、国際親善事業で海外遠征をした時から10年以上のお付き合いをさせてもらっています。 小坂さんに選手村や競技会場にいる4名全員がそれぞれの場所で智辯戦を観ている写真を送りました。試合の翌日には『この悔しい気持ちを忘れずに今日(決勝翌日)から新チームは頑張っています。また、いいチームを作って日本一をめざして頑張ります!』って返ってきました。頼もしいですね。オリ・パラロスから回復したら高校野球のサポートも頑張りまーす!     ▲選手村PC(写真:左)と富士スピードウェイモニター(写真:右) 富士スピードウェイモニタは左がダンロップカーブ(事故が多いところ)とホームストレート(右)の写真ですが、メインの真ん中が智辯戦に変わっています…もちろんレース時間外です(^_^)   ▲オリンピック選手と私の太ももの大きさの違い 長さの違いではありません。太さの違いです。選手の右手にはなんと銅メダルが無造作に握られています!!   5.レガシー 今回のスタッフ育成で今後の地方大会、国内大会、国際メガ大会など多くの大会サポートに活かせるものが身につき、スタッフ間のパイプができました。また、問題点も多くあることがわかりました。 ・各競技団体とのパイプ ・スタッフ確保 ・スタッフ教育 ・中核施設の欠如 などです。こちらも詳しくは特別講演会でお伝えできればと思います。   日本理学療法士協会は理学療法士に必要な業務として臨床・教育・研究をあげています。これは職域に限らず、すべての理学療法士に必要な業務とされています。今回得たものを選手に現職者や学生に提供・還元し、問題点として挙がったものなどを研究していこうと思います。健常者と障がい者、性別、年齢など全く関係なく、世界中の方がスポーツによって健康と喜びを得られるよう、広陵町から奈良県から日本から世界へ発信していこうと思います。   以上、少々お堅い内容でお伝えしましたが、特別講演会ではざっくばらんにお伝えしようと思っています。   ▲治療中はこの治療着を来て、ゴーグル・手袋装着で実施します。   ▲河口湖分宿の治療物品の一部の写真です。 修善寺分村はこの倍以上、晴海本村は5倍以上でしょうか…(見た印象で実際の物品量は知りません)     ▲スタッフと練習中   ▲出勤途中のバスから撮影 公道で練習中の選手にバスが追い付けない…推定時速40km以上…   ▲富士スピードウェイの救急車 モータースポーツ好きの私としては、活動時間外はずっとスピードウェイの設備や備品に感動していました。   ▲富士スピードウェイのメディカルセンターガレージを開ける私。   この奥に処置室や手術室があります。 ガレージを開けるだけでも感動して写真に収めてもらいました。ただガレージを開けるだけの動画も撮りましたので見たい方はご連絡ください。私がただガレージを開けるだけの動画です(^_^)     理学療法学科 准教授 福本貴彦   【関連記事】 畿央生が見た東京五輪#1~安浦さん編 東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#4~福本先生編 東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#3~楠元さん編 東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#2~唄さん編 東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#1~加納さん編 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。

2021.09.24

腰痛を持つ就労者における体幹運動障害は過去の痛み経験に由来する恐怖心が原因~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

腰痛を有する就労者は、作業動作中に体幹の可動域が狭くなることや、体幹の運動スピードが緩慢となることが明らかとされています。しかしながら、このような体幹の運動異常が、痛みやそれに関連する心理的要因などによって引き起こされているのかは明らかとされていませんでした。畿央大学大学院 博士後期課程 藤井 廉 氏 と 森岡 周 教授らは、腰痛を有する就労者を対象に作業動作中の運動異常と痛み関連因子の評価を行い、重量物を持ち上げる際の体幹の運動速度の低下は、動作中に生じる腰部痛が原因ではなく、過去に生じた痛みの経験によって引き起こされる運動への恐怖心が影響していることを明らかにしました。この研究成果は、PLOS ONE誌(Kinematic analysis of movement impaired by generalization of fear of movement-related pain in workers with low back pain)に掲載されています。   研究概要 腰痛を有する就労者は、重量物を持ち上げる動作などの作業において、体幹の可動域が狭くなることや、体幹の運動速度が低下するなどの特徴を有することが報告されています。この運動範囲の狭小化や運動の緩慢さは、「痛みを回避するための過剰な保護行動」と捉えられており、痛みが慢性化するに至る要因と考えられています。このような腰痛による体幹の運動障害には痛みに対する恐怖心や破局的思考など、様々な痛み関連因子が関与していると考えられていますが、これらの要因がどのように影響しているのかは明らかとされていませんでした。畿央大学大学院 博士後期課程 藤井 廉 氏、森岡 周 教授らの研究チームは、三次元動作解析装置を用いて重量物を持ち上げる際の体幹運動の分析と痛み関連因子の評価を行い、媒介分析を用いて運動と痛み関連因子の詳細な関係性を分析しました。その結果、腰痛によって重量物を持ち上げる際に体幹運動速度が緩慢となり、その緩慢さには動作中に腰部に生じる痛みでなく、過去の痛み経験によって引き起こされる運動への恐怖心が影響していることを明らかにしました。   本研究のポイント ■ 腰痛を有する就労者を対象に、重量物を持ち上げる際の体幹の運動障害と痛み関連因子の関係を詳細に分析した。 ■ 腰痛によって、重量物を把持して持ち上げる際の体幹伸展方向への運動速度が緩慢となっていた。 ■ 体幹の運動速度の低下には、動作中に生じる痛みではなく、過去の痛み経験によって引き起こされる運動恐怖が関与していることを示した。   研究内容 本研究は、腰痛のない就労者と腰痛のある就労者を対象にしました。三次元動作解析装置を用いて、床に置かれた重量物を持ち上げる動作を遂行している際の体幹運動を定量的に計測しました。身体各部位に貼付したマーカーの位置情報から、体幹の最大屈曲角速度と伸展角速度を算出しました(図1)。あわせて、「運動恐怖」、「破局的思考」、「不安」などの痛み関連因子の評価について質問紙を用いて行いました。   図1.体幹の運動学的分析方法  「重量物を取りにいく場面」に最大となる体幹屈曲角速度と「重量物を把持して持ち上げる場面」に最大となる体幹伸展角速度を算出した。   分析の結果、「重量物を取りにいく場面」の体幹屈曲角速度は両群で有意な差はありませんでしたが、「重量物を把持して持ち上げる場面」の体幹伸展角速度が腰痛群で低値を示しました。つまり、動作課題中に痛みを訴えた者は1名も存在しなかったにも関わらず、体幹の伸展運動が緩慢となっていたということです。 また、この体幹の伸展方向への緩慢さに影響する痛み関連因子を明らかにするために、媒介分析を用いた変数同士の関係性を分析しました。その結果、過去の痛み経験と体幹伸展角速度を媒介する因子として、「運動恐怖」が抽出されました(図2)。つまり、体幹の運動障害は、動作中に生じる痛みの強さによって影響されるのではなく、過去の痛み経験によって引き起こされる運動恐怖が原因であることが示唆されました。   図2.媒介分析の結果 過去4週間のうちに経験した痛みの強度と体幹伸展角速度は、運動恐怖によって媒介されることを示す(完全媒介モデル)   本研究の臨床的意義および今後の展開 就労者に生じる腰痛は、労働障害や労働生産性に悪影響を及ぼすため、その予防は喫緊の課題と位置付けられています。作業動作中に痛みがないにも関わらず、運動恐怖によって体幹の運動障害が出現している場合、いずれ腰痛の再発や遷延化を予兆するサインかもしれません。今後は、運動恐怖を減ずる介入によって運動障害が改善するかどうかを検証する予定です。   論文情報 Ren Fujii, Ryota Imai, Shinichiro Tanaka, Shu Morioka Kinematic analysis of movement impaired by generalization of fear of movement-related pain in workers with low back pain. PLOS ONE 2021   問い合わせ先 畿央大学大学院健康科学研究科 藤井 廉(フジイ レン)   畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 森岡 周(モリオカ シュウ) E-mail: s.morioka@kio.ac.jp Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600

2021.09.17

台風接近にともなう授業対応について

台風接近に伴う授業対応は以下の通りとなります。   奈良県北葛城郡広陵町に「暴風警報」または「特別警報」が発令されているかが基準となりますので、気象庁の情報等で確認してください。上記の警報が発令されている場合は、授業は休講となります。 発令された上記の警報が解除された場合は、解除された時間により以下のようになります。   6:00以前に解除された場合は、1限から授業を開始します。 8:00以前に解除された場合は、2限から授業を開始します(但し、1・2限連続の授業を除く)。 10:00以前に解除された場合は、3限から授業を開始します。 12:00以前に解除された場合は、4限から授業を開始します(但し、3・4限連続の授業を除く)。 12:00の時点で解除されていない場合は、全日休講となります。   授業開始後に「暴風警報」が発令された場合は、その時限終了までは授業を実施します。 なお、通学区間の公共交通機関の遮断、あるいは居住地域や通学中通過する地域に暴風(特別)警報が発令され、登学が困難になった場合は、登学可能日から3日以内に所定の手続きを行うことで公欠扱いとなります(『学生ハンドブック』p.60参照)。   また、いざという時の回線を確保しておく必要性がありますので、電話での問い合わせは控えてください。 みなさん気象予報や交通情報をよく確認しながら、自身の安全を第一に考え、慎重に行動してください。

2021.09.15

地域住民と4大学が参加!「奈良きたまちインターカレッジコンペティション2021」を開催しました~人間環境デザイン学科「フィールドワーク演習」

人間環境デザイン学科では、今年度より『フィールドワーク演習』を開講しました。実際の市町村の課題に基づき、解決につながる提案のプレゼンテーションを対象地域の皆様に行う実践的な授業です。全15回の授業を通して、地域問題を学び分析し、発表に向けた調査を行い、提案内容を検討するものです。   今年度の対象地域は「奈良きたまち」です。近鉄奈良駅の北側に広がるレトロで落ち着いたまちです。転害門や奈良少年刑務所跡など数々の歴史的建造物も残っています。 ほとんどの学生が「奈良きたまち」を訪れたことがないということだったので、地域の皆様にご協力いただき「オンラインまち歩き」を行いました。 手元に番号を振った地図を用意し、事前に撮影した写真や歴史的背景などを地域の方々からご説明いただきました。   ▲オンラインまち歩きで使用した地図    ▲100近くのスライドを地図の番号に沿ってご説明いただきました。   この授業の一つの集大成として、2021年7月17日(土)には、奈良公園バスターミナル レクチャーホールにてコンペを行いました。本学の他に、奈良県立大学、奈良女子大学、大阪経済大学を加え、10グループ計43名の学生が参加し、景観や空き家、まちづくりに関する提案を地域の皆様に向け発表しました。   本学の学生は5グループに分かれて発表を行いました。 ① きたまちらしさ探検Lab きたまちらしさってなんだろう…住民と建築業者を対象にアンケート調査を行いました。   ② カホナナホ ならきたまち法蓮町と東包永町の表構え(伝統的意匠と現代的意匠)を提案しました。   ③ まちと地蔵 お地蔵さんが点在するきたまちに駄菓子屋さんを提案しました。   ④ 店舗による店舗のための店舗設計 長屋改修型店舗「きたまちコンシェルジェ」の設計提案をしました。   ⑤ リボーン計画チーム 空き家を改修し、コインランドリーを併設するコミュニティーキッチンを提案しました。   惜しくも最優秀賞を逃し、悔しさを隠せない学生もいましたが、各グループに地域賞が授与されました。     今年度のみの開催ではなく、来年、再来年と続けて開催することで、その町にあったより良いまちづくりの提案を探っていきます。     人間環境デザイン学科 助手 中井千織

2021.09.15

変形性膝関節症の患者さんは自らの病状とどのように向き合っているのか?~理学療法学科教員

研究成果が、筋骨格系の疾患や障害に関する国際学術誌に掲載されました! ~保存的治療中の日本人変形性膝関節症患者の認識・考え・欲求~   日本人の変形性膝関節症(膝OA)の患者さんは自分自身の病状をどのように捉え、どのように向き合っているのか?という疑問に対して、質的研究という手法を用いて調査した研究成果が、筋骨格系の疾患や障害に関する国際学術誌「BMC Musculoskeletal Disorders」に掲載されました。 論文のタイトルは「Perceptions, beliefs, and needs of Japanese people with knee osteoarthritis during conservative care: a qualitative study」(保存的治療中の日本人変形性膝関節症患者の認識・考え・欲求:質的研究)です。この研究は本学非常勤講師の香芝旭ヶ丘病院整形外科 藤井唯誌医師、奈良学園大学 池田耕二教授と瓜谷ゼミの学部生と共に行いました。     一般的になじみのある研究は主に「量的研究」と呼ばれるもので、数値化されたデータを収集し、その平均を求めたり、数値を比較したりすることで対象とする事象を明らかにしています。一方今回の研究は、膝OA患者さん一人一人に実施したインタビューデータを一言一句文字に起こし、患者さんの言動の内容を「質的研究」という手法によって分析しました。   ▲分析中のデータ   その結果、インタビュー参加者の方々は、「膝OAになった原因の自己分析」をし、「膝の症状による日常生活での動きや動作に様々な困難」を経験しながら、徐々に活動に対して慎重になったり、他人に迷惑をかけたくないという思いを強めたりしながら、徐々に「心理的なバリア」を形成しておられました。一方でそのような状況に自分自身で対処するために、「痛みや動きにくさに対して自分なりの工夫」もしておられました。そのための情報として理学療法士など「医療専門者からの科学的根拠に基づいた情報」を求めている反面、現実は「メディアからの情報や口コミ」などに頼っていることが分かりました。また、心身の負担を軽減するために「同じような境遇の他者との繋がり」を求めていることも分かりました。   今回の研究成果を基に日々の臨床での患者さんとの関わり方や、今後の患者さんの教育や自己管理の手助けになるような手段を掘り下げて考えていきたいと思います。   Uritani D, Ikeda A, Shironoki T, Matsubata K, Mutsura Y, Fujii T, Ikeda K. Perceptions, beliefs, and needs of Japanese people with knee osteoarthritis during conservative care: a qualitative study. BMC Musculoskeletal Disorders volume 22. 754. 2021. (無料で閲覧、ダウンロードが可能です) 健康科学研究科准教授 健康科学部理学療法学科准教授 瓜谷 大輔   【関連記事】 患者教育プログラムは変形性膝関節症患者さんの自己効力感の向上に有効か?~理学療法学科教員 「変形性膝関節症」に関する共同研究が論文として公表されました!~理学療法学科教員 変形性膝関節症に関する研究の途中経過が学会誌に掲載されました~理学療法学科教員 理学療法学科卒業生の卒業研究が国際学術雑誌に掲載!~理学療法学科 「足趾握力」に関する論文が国際誌に掲載!~理学療法学科教員

2021.09.14

緊急事態宣言の発出に伴う課外活動の対応について

在学生の皆さま   9月30日(木)まで大阪府を含む近隣府県に緊急事態宣言が発出されていることを受け、本学では活動制限レベルを引き続きレベル3としています。   課外活動については、「課外活動の段階的な再開のための基準表」における活動基準を引き続きSTEP1とします。活動を希望する団体については、必要な手続きを行い、感染防止対策を徹底した上での活動を認めます。   感染防止対策については、日々の検温等の体調管理、マスクの着用(学内では不織布マスクの着用を推奨)、アルコール消毒の徹底、三密回避は当然ながら、不特定多数の人が集まるイベントへの参加や飲み会・会食を慎むこと、不要不急の外出は控えるなど、引き続きより一層のリスク回避の意識を高めて行動するようお願いします。   畿央大学 学生支援センター

2021.09.13

第15回パーキンソン病・運動障害疾患コングレスで優秀演題賞を受賞!~理学療法学科教員

2021年7月1日(木)~3日(土)に開催された第15回パーキンソン病運動障害疾患コングレスで、理学療法学科の岡田洋平准教授が優秀演題賞 臨床部門(シニア)を受賞しました!岡田先生からレポートが届きました。     この学会は、パーキンソン病や運動障害疾患に関する国内の中心的な学会です。第15回は「根治への道標:見えてきた克服への道」という非常に力強いテーマで、対面とオンラインのハイブリッドで開催されました。様々な講演やプログラムは、疾患の原因、進行抑制に迫る非常に最新のトピックスから諸疾患やその診療に関する教育的な内容、数多くの演題発表と、非常に充実したものでした。   私は、「パーキンソン病の運動症状およびレボドパ換算量に対する長期理学療法の効果~メタアナリシス~」という演題で発表し、優秀演題賞 臨床部門(シニア)を受賞いたしました。今回の研究は、私がパーキンソン病の診療に関わり始めたころから長年取り組みたいと考えていたものです。内容は、パーキンソン病患者さんに6か月以上の理学療法を長期間実施することにより、運動症状を改善し、抗パーキンソン病薬の内服量を減少する効果があることに関するエビデンスを示したものです。今回の研究は、日本全国の研究者の先生方と共同で、研究の計画段階から実施まで先生方と話し合いを重ねながら実施しました。先生方と一緒にすることでやり遂げられた研究ですので、共同研究者の先生方には本当に感謝しております。今回の発表の内容は、先日Journal of Parkinson’s Diseaseから出版された論文のメタアナリシスまでの内容です。     パーキンソン病の発症を予防することとともに、発症した方のお身体の状態をいかに良い状態に保っていただくかも非常に重要なことだと考えております。私は理学療法士ですので、リハビリテーションの立場からできることを、他職種の方々と連携、共同しながら模索し、進めることができればと思います。今回の学会は、神経内科の先生方だけでなく、リハビリテーション専門職種、看護師、研究者(臨床、基礎)も参加されています。パーキンソン病・運動障害に関する最新の情報を得て、様々な人とつながることを通して新たなことが創発されうる場だと思います。学会長が、ご挨拶の中で「大事なことは会議室の外で決まる」と述べられた一言がとても印象的でした。COVID-19の影響は続いておりますが、気兼ねなく対面で話し合える日を楽しみにしつつ、今できることに精進したいと思います。   理学療法学科 准教授 岡田洋平   【関連記事】 パーキンソン病患者における長期間の理学療法の有効性-システマティックレビュー&メタアナリシス すくみ足があるパーキンソン病患者における歩行中の前方不安定性

2021.09.09

教員採用試験は大詰めを迎えました!

9月に入り、教員採用試験も2次試験まで全て終了した自治体が出てきました。この時期になると全ての試験を受け終えた学生が出てきた一方で、試験を控えている学生は最後の踏ん張りどころに入っています。     自治体によって異なりますが、教員採用試験の2次試験は専門試験(筆記試験)に加えて、個人面接、集団討論、模擬授業、体育実技、水泳実技、音楽実技、ICT実技など、様々な選考試験が課されます。教採・公務員対策室として、学生の合格に向けてそれぞれについての対策講座を開講してきました。ここまでを振り返ってみたいと思います。     6月26日の近畿圏の1次試験が終わるとすぐ、結果発表を待たずに2次試験対策の個人面接、模擬授業の講座がスタートしました。対策室のメンバーだけでなく、教育学部の先生方にも総出で面接の指導を担当していただいています。     学生たちは夏休み中、毎日猛暑の中を、面接や模擬授業だけではなく実技試験の対策にも勤しみました。アリーナでの体育実技対策では、マット運動の練習。音楽実技対策では、ピアノや歌唱の練習を頑張りました。また、鳥取県では今年からICT実技の試験が課されるため、実際にパソコンを用いた対策を開講しました。 そして、養護教諭を目指す学生は実技対策として、怪我をしている子どもへの手当など救急処置について学びました。     9月に2次試験を控えている4回生の皆さん、あと少しですが気を緩めることなく頑張りましょう!教採・公務員対策室は最後の最後まで皆さん全力でサポートします! そして3回生の皆さん、9月の実習を終えたらいよいよ後期対策講座です。1年後、合格を勝ち取るためにこれから頑張りましょう!

2021.09.06

就職率、3年連続で関西4位に!~2021年3月卒業生

  2021年3月卒業生の就職率について、300人以上の卒業者がいる国公私立大学の中で本学が関西4位にランクインしました(調査/株式会社大学通信)。同ランキングでは、 3年連続で関西4位(2019~2021年卒) 12年連続で関西8位以内(2010~2021年卒) と景気や新卒の採用動向にかかわらず、コロナ禍でもきわめて高水準で推移しています。 理学療法士・看護師100%、管理栄養士93.9%、小学校教諭71.2%、公立幼・保94.6%、養護教諭36.4%~2021年3月卒業生 なお、1期生以来の全卒業生15年間就職率は95.1%(就職希望者に限れば99.2%)になっています。 全卒業生データ(全卒業生15年間就職率95.1%)   また2021年9月に発行されたAERAムック「就職力で選ぶ大学2022」の特集記事「コロナ時代の就職事情」で、特徴をもったキャリア教育を実践している大学として学習院大学、昭和女子大学にならんで畿央大学が紹介されました。クラス・ゼミ担任とキャリアセンター、教採・公務員対策室のスタッフによる本学独自の「ダブル担任制」が取り上げられています。   ▼インタビュー取材を受けた辻谷キャリアセンター長     コロナ禍で学生生活も就職活動も絶えず変化していますが、学生一人ひとりに寄り添う姿勢はそのままに、どんな状況でも「100%進路保証」をめざした教育と支援をつづけてまいります。   【参考リンク】 畿央大学が就職に強い4つの理由 公立学校教員採用試験(1次試験)速報〜2022年3月卒業予定者 関西私大で5校だけ!文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」に認定されました。

2021.09.03

12/11(土)第1回 発達科学と小児リハビリテーション研究会(WEB)を開催します。

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