2022年のすべての新着情報一覧
2022.07.02
令和4年度 冬木智子特別奨励賞・畿央大学特別奨励賞授与式を執り行いました。
令和4(2022)年6月30日(木)のお昼休みに、令和4年度冬木智子特別奨励賞ならびに畿央大学特別奨励賞の授与式がC棟1階エントランスホールにて執り行われました。 「冬木智子特別奨励賞」は、冬木智子名誉理事長が私財を寄付し設立した特別奨励基金により、学業成績・人物ともに優秀な学生に対して表彰状および奨励金の授与を行うもので、各学科から1名、合計5名が選ばれました。 また、「畿央大学特別奨励賞」は、学業成績・人物ともに優秀な学生のこれまでの努力を賞し、今後さらなる活躍を期待し表彰状および奨励金の授与を行うものです。2回生~4回生の各学科1名(教育学部は2名)、合計18名が選ばれました。 教職員、在学生が見守る中、冬木正彦理事長より表彰状と奨励金が一人ひとりに手渡されました。 冬木理事長からは、受賞学生の日々の努力を称えられるとともに、「他の学生の模範となり、数理・データサイエンス・AIなどの次世代型教養をも身に付けた、困難な環境のなかでも自主的に仲間と協力をして問題解決のできる人材になってもらいたい。」と、今後の活躍を願う言葉が送られました。 受賞された学生の皆さん、おめでとうございました。
2022.06.29
畿友会(学生自治会)だよりvol.79~クラブ・サークル対象「緊急対応講習会」を開催!
皆さん、こんにちは!畿友会運営委員会です! 2022年6月23日(木)の昼休みに、課外活動団体(運動系クラブ・サークルは参加必須)を対象とした緊急対応講習会を開催し、各クラブ・サークルの代表者や部員の皆さんに参加していただきました。 今年度の緊急対応講習会では、主に6つの内容について説明がありました。 健康支援センターからの講習 ●ケガをした時の初期対応 ●打撲、捻挫など外傷を受けたときのRICE処置方法 ●打撲と骨折の違いや頭部打撲について ●熱中症の対処や対策 学生支援センターからの講習 ●クラブ活動中に急病・ケガをしたときの対処 ●スポーツ安全保険について ▼当日はスライドと資料を元に説明がありました。 コロナ禍でまだまだマスク生活が続いています。暑さも厳しくなっていますが、熱中症や脱水症状にならないようしっかり水分補給を行ってください! 今回の講習会は22団体35名の参加がありました。 講習会に来てくださったクラブ・サークルの皆さんありがとうございました。 畿友会課外活動部 人間環境デザイン学科2回生 花房朋弥 Instagram:@kiyukai_kio Twitter:@kiyukai_kio LINE:https://lin.ee/cecI0Ki
2022.06.29
畿友会(学生自治会)だよりvol.80~エントランスで「七夕-星空に願いを届けよう-」を開催中!
皆さんこんにちは!学生自治会「畿友会運営委員会」です! 厳しい暑さのなか、いかがお過ごしですか? 2022年6月28日(火)から7月7日(木)まで、七夕イベント「七夕-星空に願いを届けよう-」がC棟エントランスホールで開催中です。 大きな願いも小さな願いもぜんぶ、星空へと届けてみませんか?彦星と織姫のように、願いが叶うかもしれません。 皆さんの願いの短冊で笹を彩りましょう!!! 畿友会広報部 現代教育学科2回生 長谷川慈 Instagram:@kiyukai_kio Twitter:@kiyukai_kio LINE:https://lin.ee/cecl0Ki
2022.06.29
第1回エコマミ公開講座に山崎教授と学生が協力!~Orange Project®畿央大学
Orange Project®とは、熊本県(熊本大学・熊本保健大学・崇城大学)と奈良県(畿央大学)を中心に活動している認知症啓発のための学生ボランティア団体で、“認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献する”をコンセプトに、認知症啓発運動を行っている学生を中心とした団体です。2020年には、ロゴやマークが商標登録されました。 畿央大学の卒業生たちは2019年から、在学中に熊本大学・熊本保健大学・崇城大学と共に、Orange Project®(認知症支援プロジェクト)に参画し、認知症になってもやさしい町づくりなどに、学生主体に取り組み始めました。そして「認知症にやさしい広陵町、認知症に強い畿央大学」となることを目的に2019年9月にサークルとして発足しています。 ▲写真左から(香芝市 企画部 部長 福森るり様、株式会社関西都市居住サービス 総合企画本部長 後藤浩様、畿央大学 看護医療学科 教授 山崎 尚美、広陵町 企画部 部長 奥田育裕様) 2022年6月26日(日)に、広陵町にあるエコール・マミにおいて『第1回エコマミ公開講座2022』が開催されました。広陵町・香芝市に住む約50名の方々にご参加いただき、Orange Project®の顧問である山崎教授が「もう怖がらなくていい認知症の話~自分らしく認知症とともに生きる~」というテーマのもと、参加者の方が持たれている認知症に対するイメージや認知症の症状・治療、早期発見の重要性について講義を行いました。講義中は、参加者の皆さんが熱心に資料をみたりメモを取ったりする姿を拝見し、認知症に対する関心は大きいのだと再認識しました。 ▲山崎教授講演の様子 ▲参加者の質問に答える山崎教授 講義の中で、オレンジプロジェクトの学生がサークルの概要や現在活動を広げている紙芝居について紹介させていただきました。学生は、コロナ禍になってから人前で実際に発表することが初めてで、非常に緊張していましたが、発表後は参加者から学生に対して「頑張ってね」や「よかったよ」というお声がけもいただき、とても嬉しく思ったと同時に、このような貴重な機会をいただけたことに感謝いたします。 ▲Orange Project®より紙芝居の紹介 また、畿央大学と広陵町が共同で開発した認知機能を知ることができるアプリ「きおトレ」アプリの紹介もされました。終了時間が迫っていたこともあり「きおトレ」アプリについては詳しく説明できなかったのが非常に残念でしたが、多くの参加者が興味・関心を持たれていました。 ▲「きおトレ」アプリに入力される参加者 以前から畿央大学OrangeProject®では、認知症カフェの実施や「きおトレ」アプリの体験を行っていたのですが、新型コロナウイルス蔓延の影響により活動が難しくなっていました。認知症カフェとは、認知症の方とその家族の方が集まることのできるカフェです。利用者を限定していないため、地域の住民など、大人から子どもまで誰でも参加できます。 今後、感染状況もみながら感染症対策を万全に実施し、認知症カフェも開催していきたいと思いますし、その際には少しでも多くの方に参加いただき、「きおトレ」アプリにも触れていただきたいと強く思いました!今回ご参加いただいた住民の皆様にも感謝申し上げます。 *撮影時のみマスクを外しています。 畿央大学Orange Project®に興味がある方は、ぜひご連絡、ご参加ください! 看護医療学科 4回生 谷﨑 華穂 【関連記事】 畿央大学看護実践研究センター第7回研修会 「地域で・笑顔で 生きるとは」を開催しました。 認知症啓発のための「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」活動報告!~Orange Project®畿央大学 「2021年度Orange Project®記念式典」で学生3名が功労賞を受賞! 広陵中学校の認知症サポーター養成講座にリモートで協力!~Orange Project®畿央大学 多世代まちづくりプロジェクト2021コンペティション、2年連続で「参加者賞」に!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」 広陵町図書館での認知症啓発活動に参加!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」
2022.06.28
第20回畿央祭実行委員Blog vol.1~231名の実行委員が始動!
第20回畿央祭実行委員ブログ 今年のテーマは「紬~つむぐ~」 こんにちは!第20回 畿央祭web制作担当の吉田光大と溝口裕那です。今年から新たにweb制作担当ができ、主に畿央祭Blogや畿央祭ホームページを担当することになりました。 本日から2022年度の畿央祭Blogがスタートしますが、その記念すべき第1弾が今回のブログです! 第20回 畿央祭のテーマは “紬 ~つむぐ~”です。 みんな一人ひとりが畿央祭でたくさんの人と繋がり、糸をつむぐようにして人と人との輪を広げてほしいという願いを込めて、このテーマに決定しました。 今年は300人を超える応募があり、泣く泣く抽選を行った結果214名の実行委員が集まりました。 そして6月15日(水)の畿央祭実行委員「全体会議」で初顔合わせを行いました!総勢231名の実行委員が畿央祭を作り上げていきます!! ▼幹部17名が1人ずつ自己紹介をしました!皆さんいい顔ですね。 気になる開催日程ですが、今年度は10月22日(土)、23日(日)の2日間で行います。また対面企画と一部オンラインでの開催が決定いたしました!(6月15日時点) 新型コロナウイルス感染症の猛威は徐々に落ち着いてはきましたが、感染リスク回避のため、今年も参加者を限定して開催させていただく予定です。 今年度の畿央祭では、実行委員長をはじめとする幹部17名を中心に畿央祭を作っていきます!よろしくお願いいたします。 第20回畿央祭実行委員web制作担当 現代教育学科2回生 溝口裕那・吉田光大 昨年度の様子はコチラ↓ 【プレイバック畿央祭2021】フォトレポートを掲載しました。
2022.06.27
畿友会(学生自治会)だよりvol.78~「1回生応援!! 畿友会ワードラリー2022」が開催されました!
皆さんこんにちは!学生自治会「畿友会運営委員会」です! 4月21日~5月13日の期間、「1回生応援!!畿友会ワードラリー2022」が開催されました! 「1回生応援!!畿友会ワードラリー2022」とは、学内に散らばったキーワードを、ヒントに従って探して集め畿友会の公式LINEに送ると、豪華景品をゲットでき、また参加することで大学内の施設を知ることが出来る、コロナ禍ではじまった新入生歓迎イベントです! 今年もたくさんの1回生の方にご参加いただき、その中で当選された20名の方々に「タフネスウオッチ(G-SHOCK)」や「ワイヤレスイヤホン(audio-technica)」など大学生活で使える豪華景品をお渡ししました。 当選された新入生の方々!おめでとうございます!!(*^ ^*) たくさんのご参加ありがとうございました!! 畿友会広報部 健康栄養学科3回生 松井沙織 Instagram:@kiyukai_kio Twitter:@kiyukai_kio LINE:https://lin.ee/cecI0Ki
2022.06.24
畿友会(学生自治会)だよりvol.77~2022年度の執行委員紹介!
皆さんこんにちは!学生自治会「畿友会運営委員会」です! 今回は、2022年度からの新畿友会執行委員の紹介をさせていただきます。 畿友会とは、畿央大学の学生によって組織、運営される学生自治会で、学生生活の充実のために学園祭や球技大会をはじめとした各種行事を開催し、クラブ・サークルへの補助や活動の調整などを行っています。 会長 現代教育学科 岸 維織 副会長 現代教育学科 堀江 玲那 企画部長 現代教育学科 近藤 一輝 広報部長 人間環境デザイン学科 脇田 うた 課外活動部長 健康栄養学科 松下 菜月 会計部長 現代教育学科 北川 智子 会計監査長 現代教育学科 清水 飛遊 以上7名の執行委員と、46名の運営委員を中心に、これからも活動をさせていただきます!畿友会では、畿央大学の学生が充実した学生生活を送れるように、大学と学生が繋がれる楽しい行事の企画や、クラブやサークルの活動の管理など様々な取り組みをしています! これからも畿友会をよろしくお願いします(^^) 畿友会広報部 健康栄養学科3回生 松井沙織 Instagram:@kiyukai_kio Twitter:@kiyukai_kio LINE:https://lin.ee/cecI0Ki
2022.06.22
畿央大学看護実践研究センター第7回研修会 「地域で・笑顔で 生きるとは」を開催しました。
2022年6月19日(日)13:30から、看護実践研究センター 認知症部門主催(センター長:山崎教授)で、第7回 研修会「地域で・笑顔で 生きるとは」がオンラインで開催されました。この研修会は、奈良県認知症ケア専門士会との共催で行われ、およそ30人の方が参加しました。 前半の講師は、認知症の当事者たちを支援する「たぬき俱楽部」代表で、日本認知症本人ワーキンググループメンバーの竹内 裕 氏でした。竹内氏はご自身も若年性認知症と診断された経験から、当事者目線での様々な活動や講演会を積極的に行っておられ、畿央大学の認知症ケアサークルOrangeProjectにも関わってくださっています。 前半は竹内氏と山崎教授の対談で行われました。参加者の方から、「コロナ禍で認知症高齢者の方の介護を配偶者が1人で抱え込んでしまい、認知症が進行してから相談に来られるケースが増えている。その状態が続くとご家族が疲弊してしまうため公的サービスを使っていただきたいが、当事者の意思もありなかなかサービス利用につながらない。」というお話がありました。コロナ禍で外からの情報があまり入らずにずっとご夫婦のみで生活していると共依存の状態となり、新たな刺激を望まなくなるため、当事者やご家族が行きたいと思える場所が増えるといいという意見から、当事者やご家族に認知症カフェやサロンなどを知っていただき、一緒に出掛けようと思っていただくことが必要だとわかりました。竹内氏は、「一緒に出掛けたいと思える場所とは、当事者がやりたいことをやれる場所であり、それを見つけるためにはまず自分がしたいことを伝える。皆さんには、相手と同じ目線で伝えるということを身につけてほしい」と仰っていました。 ▲オンラインセミナーご参加のみなさん1(写真掲載の承諾を得ています) ちなみに、たぬき俱楽部ではランチカフェやソフトボール、夜の町内会など様々な催しを実費制(自己責任)で行っておられたそうです。ランチカフェに関わる人は民生委員やボランティアで、win-winな関係だから続けることができると仰っていました。地域の方がこうした活動に参加されるのは理解者を増やし、地域の交流を深め、また情報発信源として活躍してくださることで、認知症の人とご家族が暮らしやすいまちづくりにつながっていると感じました。 また、山崎教授は、コロナ禍で制限がかかる状態に慣れてきているが、認知症ケアを行う人は何に対してもコロナ禍のせいにして活動を縮小するのではなく、向き合えるようにお願いしたいと話しておられ、コロナ禍でもできる支援を考え、地域に合わせた方法で実践していくことが必要だと考えました。 ▲オンラインセミナー参加のみなさん2(写真掲載の承諾を得ています) 後半は、「アフターコロナにおける職員のメンタルヘルスケア」と題してグループワークとミニ講義が行われました。グループワークは、コロナ禍において、面会制限や勤務体制の交換などでストレスに感じていることや不安などを吐露する目的で行いました。 グループの中では、認知症啓発活動について、専門職の話よりご本人の話の方が届くので、若年性認知症の方の講演会を企画しているという話や、病院勤務の看護師さんが体験した検査や手術などの際の認知症の方に対する対応について話し合いました。 他のグループでは、施設に入居するとコロナ禍で面会ができないため、入所をためらっている方も多いとの話も出ました。長引くコロナ禍の影響で、認知症ケアの現場にも様々な影響が出ている現状を直に伺い、withコロナ時代において認知症の人とご家族が安心して暮らせるために、認知症に対する正しい知識の普及とお一人おひとりの想いに寄り添ったきめ細やかな対応が必要だと改めて実感しました。 また、グループワークの後、看護実践研究センター 認知症部門の上仲准教授がストレスマネジメントの方法として「言葉の花束交換」についてミニ講義をされました。人は「~ねばならない・~であってほしい」という願望(イラショナル・ビリーフ)を使いがちですが、これは事実に基づいておらず気持ちを惨めにするため、事実に基づいた論理性のある言葉(ラショナル・ビリーフ)「~であるにこしたことはない」という言葉に置き換えると気持ちが楽になるという方法です。自分の短所の見方を変える-私も日々落ち込むことが多いので、ぜひ実践してみます。最後に大きな花束をプレゼントしていただいた気分になりました。 今回の研修会で認知症ケアにもコロナ禍の影響がどのように起こっているのかがわかり地域で支えることの重要性を再認識しました。これらを、認知症ケアを学ぶ学生たちに伝えていこうと思います。 看護医療学科 助教 島岡昌代 【関連記事】 第4回看護医療学科卒後教育研修会「看護における臨床判断」を開催しました。 6/26(日)第1回 エコマミ公開講座で看護医療学科 山崎教授が講演を担当します。 2/1(火)「高齢者住まい看取り研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター 2/21(月)「発達障害の一人称体験オンライン研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター 第3回卒後教育研修会「コロナ禍の看護の現状~やさしさをチカラに変える 現場の声から~」を開催しました。 看護実践研究センター第5回研修会「コロナ禍における認知症ケア」を開催しました。 「VR認知症一人称体験オンラインセミナー」を開催しました~看護実践研究センター
2022.06.21
脳卒中後運動障害は予測誤差と運動主体感の関係性を変容させる~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
「自分が自分の運動を制御している」という感覚である運動主体感は、運動の感覚フィードバックとその内的な予測の比較照合から得られる予測誤差に基づくことが報告されています。畿央大学大学院博士後期課程 修了生の宮脇裕氏(現・国立研究開発法人産業技術総合研究所人間拡張研究センター)と森岡周教授は、仁寿会石川病院リハビリテーション部の大谷武史室長と共同し、2名の脳卒中患者を対象に、脳卒中後の運動障害が予測誤差と運動主体感の関係性に及ぼす影響を検証しました。この研究成果は、Journal of Clinical Medicine誌(Impaired Relationship between Sense of Agency and Prediction Error Due to Post-Stroke Sensorimotor Deficits)に掲載されています。 研究概要 自己由来感覚と外界由来感覚を区別することは自他帰属と呼ばれ、感覚結果を自己帰属したときに「自分が自分の運動を制御している」という運動主体感が生じます。運動主体感は、運動の感覚フィードバックとその内的な予測の比較照合から得られる予測誤差に基づき、この誤差が小さい場合に生じることが報告されています。しかし、脳卒中後患者では、感覚運動障害を通した比較照合システムの破綻により、予測誤差と運動主体感の関係性が変容している可能性が提唱されています。 この可能性を精査するために、宮脇裕氏と森岡周教授は、大谷武史室長(仁寿会石川病院リハビリテーション部)と共同し、2名の脳卒中後患者および3名の健常成人を対象に、脳卒中後運動障害が予測誤差と運動主体感の相関関係に及ぼす影響を予備的に検証しました。その結果、運動障害がごく軽度の患者や健常者に比べて、強い運動障害を有する患者では、自他帰属のエラーが大きく、自他帰属と予測誤差間の相関が低いことが示されました。 本研究のポイント ■運動障害が軽度の患者に比べ、より強い運動障害を有する患者では、自他帰属に大きなエラーを認めた。 ■この患者では自他帰属に対する予測誤差の許容範囲が拡大しており、脳卒中後運動障害が自他帰属と予測誤差の関係性を変容させることが示唆された。 研究内容 中等度の運動障害を有する患者Aと運動障害がごく軽度の患者B、および3名の健常成人が実験に参加しました。本研究では、運動障害の影響を検証するために、高次脳機能障害を招きうる皮質損傷を有さない患者を対象としました(図1)。麻痺肢の運動機能については、上肢の脳卒中後運動障害の包括的評価法であるFugl-Meyer Assessment of upper extremityやAction Research Arm Testなどを用いて評価しました。 図1:患者A・Bの脳損傷部位 参加者は、モニタ上に表示されたターゲットラインをなぞるようにペンタブレット上で正弦曲線運動を遂行しました(図2)。この際、視覚フィードバックとしてカーソルが表示されました。カーソルの動きに、自分のリアルタイムの運動が反映されている場合(SELF条件)と、事前に記録した運動が反映されている場合(FAKE条件)がありました。参加者は、自分の実際のペン運動とカーソル運動の時空間的な一致性に基づいて、カーソルを自分が制御していると感じるかを「1(他者)~9(自己)」のスケールで主観的に判断することを求められました。この課題中に、参加者のペン位置とカーソル位置間の距離を予測誤差の指標として測定し、自他判断スコアとの相関係数を算出しました。 図2:実験セットアップ 結果として、患者Bや健常者に比べて患者Aでは、FAKE条件において自他判断のエラー(誤帰属)が大きく(図3)、予測誤差の指標であるペン-カーソル間距離と自他判断スコアの相関係数が低いことが示されました(図4)。一方で、SELF条件では、参加者間で自他判断のエラーに著明な差を認めませんでした。 図3:SELF条件とFAKE条件における誤帰属 図4:FAKE条件におけるペン-カーソル間距離(予測誤差)と自他判断スコアの相関関係 本研究の臨床的意義および今後の展開 これらの結果は、運動障害を有する患者では自他帰属に対する予測誤差の許容範囲が拡大している可能性を示し、脳卒中後運動障害が予測誤差と運動主体感の関係性を変容させることを示唆しています。さらなる研究により、運動障害を有する患者がどのように自他帰属をなしているのか、またその変容が身体機能などにどのような影響を及ぼすのかを明らかにする必要があると考えられます。 論文情報 Miyawaki Y, Otani T, Morioka S Impaired Relationship between Sense of Agency and Prediction Error Due to Post-Stroke Sensorimotor Deficits. Journal of Clinical Medicine, 2022 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 宮脇 裕 センター長 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 Mail: s.morioka@kio.ac.jp
2022.06.20
広陵町商工会主催「くつしたの町 歩こう会」に学生2名が協力!~人間環境デザイン学科 清水ゼミ
人間環境デザイン学科 4回生 清水ゼミの植山真智と松村理菜です。 私たちは、令和4年5月15日(日)に行われた、広陵町商工会青年部主催の「くつしたの町 歩こう会」に企画の段階から協力させていただきました。 大学のある広陵町は「くつしたの町」として、日本一の靴下生産量を誇る町ですが、生活形態の変化や就職先の多様化の影響で、子ども達が靴下産業に親しむ機会が失われてしまいました。そこで、「広陵町の靴下をもっと子どもたちに知ってもらいたい!」という思いで企画されました。 参加者は、イズミヤスーパーセンター広陵店から出発し、町内の靴下工場3軒を歩いてめぐり 、様々な体験を通じて靴下産業に触れていただきます。ゴールした時には、「くつしたの町」に住んでいるという郷土意識を持ってもらえることをめざしました。 お話を伺ったのは今年の2月頃のこと。昨年12月に私たちが企画実施した「竹馬★クイズラリー」を知った、広陵町商工会青年部の皆さまより、イベントの一部の企画運営のお手伝いのご依頼をいただきました。 私たちが担当したのは、靴下工場「ヤマヤ株式会社」のイベントの企画運営と、歩こう会のゴールでお渡しする、参加者アンケートの作成及び分析です。4月から商工会の方々とオンライン会議を重ね、イベントやアンケートの内容を決定しました。 ▼オンライン会議の様子 イベント当日。靴下工場「ヤマヤ株式会社」に到着した子どもたちは、まず、野村社長から広陵町とくつ下の歴史を学びました。その後、予備知識をつけた状態で、私たちのクイズイベントに参加してもらいました。 私たちが企画したイベントは、『くつしたペアリング・クイズ』です。 広陵町内で生産された種類豊富な靴下の山を前に、スクリーンに映し出された靴下に関する数々のクイズにチャレンジしました。 ▼広陵町でつくられた靴下 子どもたちは、「回答Aと思った人は赤色の靴下を、回答Bと思った人は黄色の靴下を・・・」と色や柄の指示を受けて、バラバラになった靴下の山からペアの靴下を探し出しクイズを解いてもらいました。 付き添いの大人の方々も一緒に、靴下のペアを探すのに苦労しながらも、真剣にゲームに参加し、クイズを通じて靴下に関する様々な理解を深めてもらうことが出来ました。クイズ終了後は、景品として広陵町で作られている靴下をプレゼント! 子どもたちもとても喜んでくれました。 ▼ゲームの様子。子どもたちも楽しんでくれました! 換気や手指消毒など、感染症対策に配慮して実施した、今回のイベントでしたが、アンケート結果からは、他の工場でも、靴下に関する様々な体験を通じて、「くつしたの町」広陵町を目一杯楽しんでくれたようです。自由記述欄は子どもたちの笑顔があふれたコメントで埋め尽くされていました。保護者の皆さんからの回答からも充実した1日だったことがわかりました。「今度は、イベントのお手伝い側に回りたい」や、「大人向けのイベントも行ってほしい」など、次につながる様々なアイデアもいただきました。 イベントの最後に、今回、このような楽しい企画にお声かけをいただいた商工会青年部の皆さんと記念撮影を行いました。今後も、たくさんの地域の輪が広がることを願っています。 最後になりましたが、「歩こう会」に参加していただいた地域の皆様、ヤマヤ株式会社様、そして、商工会青年部の皆様に、心より感謝申し上げます。 ▼広陵町商工会青年部の皆さんとスーパーセンターイズミヤ広陵店『ミニ機関車の乗車体験会』会場にて 人間環境デザイン学科4回生 植山真智、松村理菜 【関連記事】 【広陵町×河合町】小学生を対象とした「竹馬★クイズラリー」を実施しました!~人間環境デザイン学科清水ゼミ 大和高田『きらきら☆ステーション』完成までの道のり~人間環境デザイン学科プロジェクトゼミ 広陵北小学校と連携してまちづくり調査!vol.3~人間環境デザイン学科清水ゼミ 広陵北小学校と連携してまちづくり調査! vol.2~人間環境デザイン学科清水ゼミ 広陵北小学校と連携してまちづくり調査!vol.1~人間環境デザイン学科清水ゼミ 竹取公園ツリーハウス『みんなのひみつきち』披露式典~人間環境デザイン学科プロジェクトゼミ~