2024年のすべての新着情報一覧
2024.08.24
人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.7~【番外編】開催に向けての取組み
畿央大学×成功大学×高雄大学 International Workshop in Asuka 2024 三井田ゼミでは、今年3月に行われた台湾の国立成功大学・国立高雄大学との明日香村国際ワークショップ2024に向けて、ある取り組みを進めていました。学生はワークショップにただ参加するだけでなく、開催にむけた準備として様々な活動を行っていました。今回はその一部をご紹介します。 『明日香村国際ワークショップ2024』について 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.1~台湾から大学生・教員が到着! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.2~課題への取組がスタート! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.3~現地調査や意見交換を進めました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.4~活性化案を発表しました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.5~最終日を迎えました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.6~学内報告会を開催! STEP① 2023年10月頃 台湾ワークショップの課題対象地となった明日香村岡地区のH邸、八釣地区のI邸の実測を開始。この実測からワークショップ資料として使用する図面を作成しました。 2回生にとっては初めての実測調査。3回生の先輩とペアを組み、書き方、測り方など教えてもらいながら作業を進めました。 アルバムを見せていただき、当時の景観などを探りました。 STEP② 2023年12月~2024年1月頃 野帳(やちょう:実測結果を書き記したもの)を持ち帰り、各自でCADを使いデータ化しました。完成した図面データを持ち寄り合わせてみると、数センチのズレではなく、数十センチのズレが見つかることもあります。そうなると、再度現地へ伺い、どの数値が正しいのか確認します。何度も現地へ出向くことも難しいため、学生たちは責任をもって取り組みます。 完成した図面の一部です。建物の全貌を把握することができます。 このように学生が自ら作成した図面をワークショップの資料として使用しました。 実測に参加した学生は、間取りや構造を把握した上でワークショップに参加することができ、提案内容にも大きく影響しました。 STEP③ 2024年1月~3月初旬 今回のワークショップには、台湾の学生が参加しています。そのため、日本家屋の間取りや構造の特徴を図面だけ伝えることはとても難しいと考え、模型を作ることにしました。ただの模型ではなく、日本家屋の特徴を把握しながら作れるクラフト模型です。 模型はA4サイズの厚紙から数か所で固定されたパーツを切り出し、組み立てていきます。誰でもわかりやすい組立て説明書もつくりました。 STEP④ 2024年7月 ワークショップにむけて制作したクラフト模型ですが、今後も明日香村で何らかの形で活用していただきたいと願い、明日香村の森川村長に模型を贈呈しました。細かい箇所まで再現された模型を改めてご覧いただきましたが、とても喜んでくださりました。 また同時に、今回のワークショップの課題である、このような歴史ある古い家屋をどのように後世に守り繋いでいくか、どのような形で活用できるか今後も考える必要があるとお話いただきました。大学でも学生たちと引き続き考えてほしいとご依頼いただきました。 模型は村長室に飾っていただきました。 今回は、明日香村でのワークショップ開催にむけて励んだ学生たちの活動をご紹介しました。 ワークショップ開催に向けての準備にはどのようなものが必要なのか、台湾の学生に日本家屋の特徴をわかりやすく伝えるにはどのような資料があれば良いのかなど、この準備期間までもが学生たちの大きな学びにつながっています。 人間環境デザイン学科では、今後も明日香村をはじめ様々な地域の課題に向き合い、解決に向けて活動していきたいと思います。 関連記事 ▼ 人間環境デザイン学科に関する記事はこちら ▼ 明日香村の屋外居場所の縁台をメンテナンス!~ 人間環境デザイン学科 陳ゼミ 【現代教育学科×人間環境デザイン学科】畿央大学付属広陵こども園の園児のために椅子を製作! 河合町佐味田地区「佐味田みんなの縁側」の増設 板絵の飾り棚および遊び道具の制作活動~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 本学教員が日本繊維製品消費科学会にて「ポスターベスト発表賞」を受賞しました!~人間環境デザイン学科 ▼『明日香村国際ワークショップ2024』に関する記事はこちら ▼ 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.1~台湾から大学生・教員が到着! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.2~課題への取組がスタート! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.3~現地調査や意見交換を進めました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.4~活性化案を発表しました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.5~最終日を迎えました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.6~学内報告会を開催! ▶ プロジェクトゼミに関する記事はこちら
2024.08.22
10/19(土)・20(日)開催!夢ナビライブに本学も参加します!
2024.08.22
10/19(土)第17回理学療法特別講演会「キャリア開拓とマネージメント事始め」を開催します。
キャリア開拓やマネージメントについて悩んだことはありませんか?社会人経験を積むことで、理学療法士に限らず、多くの人がこのような問題に直面すると思います。本講演会では、現在の理学療法士の状況を整理し、今後の予測を共有し、今後私たちが何をすべきか、どのようにマネージメントを進めていくべきかを、大学・病院・訪問看護分野で経験・実績豊富な3名の先生方に学びます。卒業生の方はもちろん、卒業生以外の方もぜひご参加ください!なお、終了後は畿央祭(学園祭)もお楽しみいただけます。 ※キッズスペース等の設置は予定しておりませんが、お子さま連れでも大歓迎です。ぜひご家族でご参加ください。 開催日 2024年10月19日(土) 9:30~11:00 テーマ 「キャリア開拓とマネージメント事始め」 対面×Zoomのハイブリッド開催 講師 畿央大学 健康科学部 理学療法学科長 庄本 康治先生 平成記念病院 リハビリテーション科 徳田 光紀先生(理学療法学科1期生) える訪問看護ステーション 伊藤 潤平先生(理学療法学科6期生) 内容 60分:庄本学科長による講義 30分:講師3名によるディスカッション(参加者からいただいたテーマで) 会場 畿央大学(P201教室)×Zoomによるライブ配信 ※ご来場の際は、公共交通機関をご利用ください。 本学へのアクセス 対象 畿央大学卒業生・在学生、教員、一般の方 参加費 無料 申込方法 事前予約制です。申込フォームに必要事項を入力してお申し込みください。 申込フォーム 主催 畿桜会(畿央大学同窓会) 問合せ先 畿央大学 健康科学部 理学療法学科 助教 瀧口 述弘(理学療法学科5期生) 電話:0745-54-1601 E-mail:n.takiguchi@kio.ac.jp 過去の理学療法特別講演会レポート 【開学20周年】12/3(日)理学療法学科記念講演「PTの歩き方~PTが輝けるNew Spotを見つける旅」 第15回理学療法特別講演会「脳卒中急性期のリハビリテーション」 第14回理学療法特別講演会「2020東京五輪の活動報告」
2024.08.22
【プロジェクトゼミって何するの?⑭】明日香村八釣地区「妙法寺」の実測調査vol.2~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ
人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて活動を行う科目「プロジェクトゼミ」があります。「プロジェクトゼミ」では、建築、インテリア、アパレルのコースに準じた様々な地域課題の発見と解決に取り組んでいます。このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。 三井田ゼミでは、建築・まちづくりコース の学生が多く在籍し、地域の課題解決、環境教育等の課題に取り組みます。今回は、今年3月に行われた明日香村国際ワークショップ2024の対象地、明日香村八釣地区にある「妙法寺」を実測しました。 妙法寺は享保15年(1730年)頃に建立された歴史あるお寺ですが、無住職となって梁や柱も傾いてしまい、建具を動かすこともできません。それでも「日本の原風景として、後世に残していきたい」という地域住民の要望もあり、問題解消に向けて三井田ゼミの学生が実測して「現況図面」を作成中です! ▶前回の実測調査の様子は こちら 実測が完了しました! 現地で書き留めた寸法などを確認しながら各自でデータ化したものを持ち寄り、ズレが生じていないかの確認をします。現地での実測に間違いないはないと思っていても、いざ全ての図面を合わせると、大きな違いがあり、再度現地で確かめないといけない箇所などが出てきます。妙法寺へは、合計3回ほど実測に伺い、やっと図面を揃えることができました。 ▼ jwCAD(無料ソフト)を使って図面化している様子。 本学ではCADの授業もあり、初心者でも在学中に習得できます。 ▼ 図面を合わせ、チェックします。 構造技術者を招いて現地で打合せ 2024年7月5日(金)文化財などの修復などを手掛ける構造技術者を招きました。妙法寺の梁や柱の傾きについて、八釣地区の住民や役場の職員も集まり、今後どのように妙法寺を復興していくのか図面をもとに現地で打ち合わせを行いました。 実測を終えた学生の感想 ● 構造計算する際に必要な図面や計算方法などを教えてもらい、とても勉強になりました。 3回生 角矢 奈央樹 ● 暑い中の実測は大変でしたが、私たちで実測した図面が地域のために少しでも役立てることができて嬉しいです。 3回生 上田 葵生 修復費の確保や修理業者の検討など、たくさんの課題があります。妙法寺復興のために、これから自分たちができることを探りながら引き続き活動していきたいと思います! 関連記事 ▶プロジェクトゼミについての過去のブログはこちら ▼ 三井田ゼミの活動についての紹介記事 【プロジェクトゼミって何するの?⑬】「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」vol.4 ~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?⑩】 「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」vol.3 ~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?④】4大学合同で「奈良きたまち」の地域課題に取り組む!~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?①】明日香村八釣地区「妙法寺」の実測調査Vol.1~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 三井田ゼミの学生が河合町へ空き家の利活用案をプレゼン!~人間環境デザイン学科「プロジェクトゼミ」
2024.08.21
明日香村の屋外居場所の縁台をメンテナンス!~ 人間環境デザイン学科 陳ゼミ
人間環境デザイン学科の陳ゼミでは、明日香村役場と岡地区の皆様と協力して、2021年に、岡地区の民家前に『花縁台』と『花行灯』を制作して、設置しました。2022年に、岡寺前バス停の側に『貫縁台』と『貫店棚』を制作して設置しました。 ▶ 過去記事はこちら:明日香村で、屋外の居場所づくりとオリジナルグッズをプロデュース!~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 地元の方と共にメンテナンスをしました! 今まで、沢山の人に座っていただけたのか擦れて、塗装が剥げていました。2024年6月14日(金)、今後も長く活用できるように、学生が縁台の塗り替えと点検のメンテナンス活動を行いました。今回のメンテナンスは、岡地区の方4名と村役場の方1名にも協力していただきました。 ▼ 塗装前の『貫縁台』 もう一度気持ちよく座ってもらうために塗装を行いました。この大きさのままでは運べないので、一度分解して運べる大きさにしてから塗装する場所まで運びました。 その後、塗料が良く乗るように表面上を雑巾で拭ききれいにしていきます。その時に無くなっている楔や飛び出ている釘がないかなどの確認もしました。拭いているときにも住民の方が手伝ってくださったので素早く工程が進んでいきました。 そしていよいよ塗装の工程に入ります。『貫縁台』と『貫店棚』は大きかったので、二手に分かれて塗装しました。 ▼ 雑巾で拭いているところ ▼『貫縁台』を塗装する様子 ▼『貫縁台』と『貫店棚』を塗装する様子 ▼ ばらした『花縁台』を組み立てるところ 一度外していた紐をもう一度穴に通すときに上手く穴に紐が通らず苦戦しましたが、なんとかつけることが出来ました。『貫縁台』は分解し、設置する場所で組み立てていましたが、順調に分解できたのに、ベンチと棚を組み立てたときは苦戦し、住民の方々と試行錯誤しながら組み立てることが出来ました。 ▼『貫縁台』の組み立て中 ▼ 塗装後、再設置した『貫縁台』と『貫店棚』 何とか塗装と設置が終わり、塗装前の剥げていた部分が目立ちにくくなりました。 ▼ 作業に参加した陳ゼミ3回生の集合写真 暑い中、住民の方と合同で作業をしてとても疲れました。これまで水路居場所と貫縁台と貫店棚が沢山の人から愛されていたのかがわかり、今後もたくさんの人に愛される居場所となるように期待しています。 『花行灯』の貼り替え作業も行いました 2024年6月14日(金)のメンテナンス活動の後、大学で『花行灯』の貼り替えを行いました。今回は3回目の貼り替え作業です。春夏秋冬をイメージして、四季の花(春:サクラ 夏:アジサイ 秋:イチョウ・モミジ 冬:ツバキ)をイメージして、和紙で制作しました。 ▼ 貼り替え前の『花行灯』 ▼ 『花行灯』左:ツバキ(冬)、右:サクラ(春) ▼ 『花行灯』左:アジサイ(夏)、右:イチョウ、モミジ(秋) ▼ 貼り替えた『花行灯』を再設置しました 春夏秋冬のそれぞれの花を何にするか、どうしたら花がきれいに写るかを考えるのに苦戦しました。光を当ててみるとどのようになるのか不安でしたが、きれいに花が写ることができて良かったです。 人間環境デザイン学科 陳ゼミ 3回生 佐々木 皇祐、田路 怜奈、北原 歩莉 関連記事 ▼ 陳ゼミの活動のご紹介 河合町佐味田地区「佐味田みんなの縁側」の増設 板絵の飾り棚および遊び道具の制作活動~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 学生が竹テント制作で関わった明日香スタンドが「場を生むデザイン賞」最優秀賞に選出!~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 河合町佐味田の居場所計画 「佐味田みんなの縁側」制作・発表~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 2023年明日香村竹テントワークショップvol.5 【完成編】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 2023年明日香村竹テントワークショップvol.4【最終日】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 2023年明日香村竹テントワークショップvol.3【2日目】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 2023年明日香村竹テントワークショップvol.2【1日目】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 2023年明日香村竹テントワークショップvol.1【準備編】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ
2024.08.20
【次世代教育センター×教育学習基盤センター】9/11,24 パソコンフォローセミナーを開催します。
日常的に使っている貸与パソコンですが、少し知っておくことで将来役立つ機能やセキュリティ対策について分かりやすく説明します。どこで聞いたら良いか分からないけど、困っていることなども、この機会に相談してください。 プログラム 講座名 パソコンフォローセミナー 対象 本学学生(全学生) 開催日 9月11日(水)、9月24日(火) 会場 E103講義室 参加費 無料 申込方法 事前申込制です。申込フォームに必要事項を記入の上、お申し込みください。 申込フォームはこちら 問合せ先 畿央大学 次世代教育センター E-mail:jisedai@kio.ac.jp 次世代教育センターHPはこちら
2024.08.20
小脳への経頭蓋直流電気刺激が脊髄運動ニューロンおよび前庭脊髄路の興奮性に及ぼす影響~ニューロリハビリテーション研究センター
経頭蓋直流電気刺激(tDCS)は、脳の神経活動を変調させる手法でありリハビリテーションに用いられています。小脳に対するtDCSは小脳皮質の興奮性を変調させることは分かっていますが、小脳と機能的結合を有する脊髄運動ニューロンや前庭脊髄路の興奮性にどのように影響するかは明らかになっていません。畿央大学大学院 修士課程の佐藤 悠樹 氏(畿央大学理学療法学科14期生)と森岡周 教授らは、健常者を対象に小脳へのtDCSが脊髄運動ニューロンと前庭脊髄路の興奮性に与える影響を検証しました。この研究成果は、Experimental Brain Research誌(Effects of cerebellar transcranial direct current stimulation on the excitability of spinal motor neurons and vestibulospinal tract in healthy individuals)に掲載されています。 研究概要 経頭蓋直流電気刺激(tDCS)は脳の興奮性を変調させることができる非侵襲的な脳刺激法の一つであり、リハビリテーションに有効であると考えられています。近年、運動学習や姿勢制御において重要な脳の部位である小脳に対するtDCSの研究が多く実施されています。小脳に対するtDCSは小脳皮質の活動を変調させることができると報告されている一方で、小脳と機能的な連結を有する脊髄運動ニューロンや前庭脊髄路などの興奮性に与える影響は明らかになっておりませんでした。そこで畿央大学大学院 修士課程の佐藤 悠樹 さん、森岡 周 教授らの研究グループは、H反射と直流前庭電気刺激(GVS)などの神経生理学的手法を用いて、小脳へのtDCSが脊髄運動ニューロンと前庭脊髄路の興奮性に与える影響を検証しました。 その結果、小脳へのtDCSは健常者の座位姿勢において脊髄運動ニューロンや前庭脊髄路の興奮性に影響を与えないことが分かりました。 本研究のポイント H反射やGVSを用いて測定した脊髄運動ニューロンや前庭脊髄路の興奮性は小脳へのtDCS刺激前、刺激中、刺激後で変化はみられませんでした。健常被験者の座位姿勢において、小脳へのtDCSは脊髄運動ニューロンや前庭脊髄路の興奮性には影響を与えない可能性が示唆されました。 研究内容 本研究では脊髄運動ニューロンの興奮性を評価するためにH反射と呼ばれる神経生理学的手法を使用しました。これは感覚神経を電気で刺激することで誘発される筋電位であり脊髄運動ニューロンの興奮性を反映しています。また前庭脊髄路の興奮性を評価するために直流前庭電気刺激(GVS)を用い、H反射を誘発するための電気刺激の直前にGVSを通電することでGVS-H反射を測定しました。これはGVSによって前庭脊髄路の興奮性が一時的に上昇し、H反射の大きさが増大する現象を利用したものであり、GVSによるH反射の変化率が大きいほど前庭脊髄路の興奮性が高いことを示します。今回は運動神経を刺激することで誘発される最大のM波(Mmax)、最大のH反射(Hmax)、GVSで条件付けされたHmax(GVS-Hmax)をそれぞれ、tDCS刺激前、刺激中、刺激後の3地点で測定しました。またHmaxをMmaxで正規化したHmax/Mmaxを脊髄運動ニューロンの興奮性、GVSによるHmaxの変化率(%)を前庭脊髄路の興奮性の指標として用いました。tDCSの電極は小脳虫部に貼付し、偽刺激、陽極刺激、陰極刺激の3条件の刺激を同一被験者に対して最低3日以上の間隔を空けて実施しました。 図1:実験プロトコル tDCSは同一被験者に対して偽刺激、陽極刺激、陰極刺激の3刺激条件を最低3日以上の間隔を空けて実施しました。tDCSの刺激前、刺激中、刺激後の3地点でMmax、Hmax、GVS-Hmaxをそれぞれ測定しました。 図2:H反射の測定方法と代表的な波形 (a) 被験者は股関節90°、膝関節20°、足関節90°でベッド上に座り、右ヒラメ筋からH反射を計測しました。 (b) H反射とGVS-H反射の代表的な波形。H反射を誘発するための脛骨神経刺激の100ms前にGVSを与えることによってH反射の大きさが増大します。 図3:各tDCS刺激条件によるHmax/Mmaxの結果(脊髄運動ニューロンの興奮性の評価) tDCSの刺激条件による主効果、測定タイミングによる主効果、交互作用は有意ではありませんでした。 図4:各tDCS刺激条件によるGVSによるHmaxの変化率の結果(前庭脊髄路の興奮性の評価) tDCSの刺激条件による主効果、測定タイミングによる主効果、交互作用は有意ではありませんでした。 本研究の意義および今後の展開 小脳へのtDCSは健常者の座位姿勢において、H反射やGVSなどの神経生理学的手法で測定される脊髄運動ニューロンや前庭脊髄路の興奮性に影響を与えない可能性が示唆されました。この結果には神経細胞の膜電位を変化させるtDCSの神経学的作用メカニズムが本研究の結果に関連している可能性があり、tDCSによって小脳の活動を変調させても、健常者の座位姿勢における脊髄運動ニューロンや前庭脊髄路の興奮性の調節にはあまり影響を及ぼさない可能性があります。今後は、異なるニューロモデュレーション技術や姿勢条件下で、脊髄運動ニューロンや前庭脊髄路に対する小脳の関与を調べる必要があります。 論文情報 Yuki Sato, Yuta Terasawa, Yohei Okada, Naruhito Hasui, Naomichi Mizuta, Sora Ohnishi, Daiki Fujita, Shu Morioka. Effects of cerebellar transcranial direct current stimulation on the excitability of spinal motor neurons and vestibulospinal tract in healthy individuals. Exp Brain Res (2024). 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター センター長 森岡 周(モリオカ シュウ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2024.08.20
理学療法学科『就職合同説明会』を開催しました!
8月3日(土)に理学療法学科4回生を対象に『理学療法士就職合同説明会』を開催し、実習先や卒業生の就職実績のある施設を中心に、38の病院や施設の担当者にお越しいただきました。 説明会は、午前・午後の2部制で実施。全体会で各事業所の概要が説明された後、個別ブースに分かれて事業所ごとにより詳細な説明をしていただき、学生は一日を通して最大8事業所の個別説明を聞きました。 ▼全体会の様子 本学の就職説明会では各事業所で活躍する本学の卒業生も多数お越しいただいています。事業所の紹介や求人情報に加え、施設選びのポイントなど、先輩理学療法士からの様々なお話は、今後の進路を考える貴重な機会になったことでしょう。 また事業所の担当者と近い距離で話せることが本説明会のメリットでもあります。学生は終始熱心な姿勢で説明を聞き、その場で施設見学のアポイントをとったり積極的に質問したりする姿が多くみられました。 ▼個別ブースの様子 終了後には「事業所担当者と近い距離で質問ができて疑問が解消された」「視野が広がった」「施設見学にもっと行ってみようと思った」などの感想が寄せられました。今後は学生個々に病院・施設見学などに参加し、受験先施設を決定していきます。 積極的に活動することで自分自身がここで働きたいと思う就職先を見つけていってもらいたいと思います。 希望進路の実現に向けて頑張って活動していきましょう!
2024.08.19
【プロジェクトゼミって何するの?⑬】「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」vol.4 ~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ
人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて活動を行う科目「プロジェクトゼミ」があります。「プロジェクトゼミ」では、建築、インテリア、アパレルのコースに準じた様々な地域課題の発見と解決に取り組んでいます。このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。 2024年8月9日(金)、4月からご紹介してきた「インターカレッジフォーラム2024in奈良きたまち 」に向けたゼミ生達の取り組みも、いよいよ成果発表会当日を迎えました。 ▶インターカレッジフォーラム2024 in奈良きたまち 過去ブログ vol.1 vol.2 vol.3 インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまちについて 奈良市の旧市街地である「奈良町」の北側、近鉄奈良駅より北の「きたまち」を対象に、畿央大学、同志社女子大学、奈良学園大学、奈良県立大学の学生や教員、地元まちづくり団体や地域住民、行政が関わりながら、まち歩きを実施し、地域に入って調査を行い、地域課題に取り組む課題解決型のプログラムです。4年目を迎えた今年度は『実現できること』を視野に入れた提案が求められています。 いよいよ本番! 畿央大学からは三井田ゼミ2チームと清水ゼミの計3チームが参加しました。会場は近鉄奈良駅からほど近い奈良公園バスターミナル内にあるレクチャーホール。会場では既に到着していたゼミ生達が緊張の面持ちでロビーに集まっています。 ▼ホールの外は、開放感のあるロビー 開会に先立ち、三井田先生が審査員や聴講に来られた方たちに向かって「ご自分のお孫さんお子さんが発表していると思って聴いてください。」と、また学生達には「会場の皆さんが味方だと思って発表しましょう。」と挨拶され、学生たちの緊張を解きほぐしていました。 清水ゼミ:「きたまちでくらそう」の発表 トップバッターは畿央大学の『きたまちづくり』グループ(清水ゼミ)です。タイトルは「きたまちでくらそう」。奈良公園内にある奈良市立鼓阪小学校の統廃合問題や空き家といった課題に触れ、子育て世代をきたまちエリアに呼び込むことを考えました。 実際に移住するつもりで情報収集をしたときに気が付いたのが、自治会の取り組みやまちの古いしきたりといった公的機関が発信しない情報があること。これらの暮らしに必要な情報を集めた冊子を発行し、移住者のミスマッチ防止に繋げます。更には地域住民の方たちと小学校区ごとの冊子を作成し、ホームページやインスタグラムでの発信も提案しました。試作の冊子には移住者に寄り添った情報がたくさん詰まっています。ぜひ実現してほしいですね。 他大学の発表の様子 同志社女子大学、奈良学園大学、奈良県立大学の発表も非常に熱の入ったものでした。 三井田ゼミ Aチーム:「奈良きたまちの歴史資産の魅力再発見」の発表 いよいよ三井田ゼミの出番です。『みんなで守るまちの資産』グループ(三井田ゼミAチーム)の発表が始まりました。タイトルは「奈良きたまちの歴史資産の魅力再発見」です。 Aチームの提案は歴史あるきたまちエリアにたくさん点在する名所の知名度向上です。そういえば、Aチームは今日のために何やら細かい作業を続けていましたが… 本邦初公開!旧鍋屋交番のペーパークラフト模型です。 現在「きたまちの顔」として観光案内所となった建物を1/50サイズのペーパークラフト模型にし、実際に案内所で販売します。手に取った人が持ち帰って模型を組み立てることで楽しんでもらい、完成品を飾ることできたまちで過ごした時間を思い出してほしいという思いが込められています。ちなみに希望販売価格は1,000円(税込)だそうです。この他にも旧奈良監獄の模型があり、ゼミ生は前日の夜、学校が閉まるまで作業をしていました。ぜひ観光案内所での販売を実現してもらいましょう。 三井田ゼミ Bチーム:「路地裏の魅力」の発表 三井田ゼミBチームは『路地裏物語』グループとして発表しました。タイトルは「路地裏の魅力」です。こちらも前日にやっと完成した紙芝居を披露します。 Bチームが取り上げたのは4月の「まち歩き」の際に触れたきたまちの人々の優しさと「路地裏」でした。生活の場でありながらつい入ってみたくなるような独特の魅力、子どもの遊び場などコミュニティ形成の役割を持つ路地裏。Bチームはそこに住む人達の体験談を元に紙芝居を作成し、介護施設や保育所での活用を提案しました。 紙芝居はストーリー仕立てで最後にはクスッと笑える内容です。実現したらぜひ読んでみてくださいね。 ポスターセッションの様子 全ての発表が終了し、ロビーでのポスターセッションが始まりました。学生達には晴れやかな笑顔が戻っています。ポスター前には発表を聞いて興味を持った方たちが学生に話しかけます。大学の枠をこえた交流も多く見られました。 審査発表! 清水ゼミ『きたまちづくり』グループは鼓阪地区自治連合会賞を、三井田ゼミAチーム『みんなで守るまちの資産』グループはなべかつ賞を、三井田ゼミBチーム『路地裏物語』はきたまちコンセント賞を受賞しました。 最優秀賞は逃しましたが、どのグループも着眼点や今後の実用性、どの世代にも親しみやすいツールを活用したこと等、高い評価をいただきました。 発表を終えた畿央生に感想を聞いてみました! 他大学のプレゼン発表を聞くことがあまりない中、インカレのように他大学の発表を聞けてとても勉強になりました。 役割分担や準備計画の難しさを特に感じました。締め切りの前日までギリギリ残って作業をしていてしんどくも楽しさを感じました。 今回は地域の人々がお客様という形を想定して、提案することが出来たので、就職してからの提案力に繋がるのではないかと感じた。また、その後の懇親会において、より仲を深めることが出来た。そのような集まりは苦手なので初めはとても緊張していましたが、時間が経つと共に、楽しく過ごせたので、色んな世代の方との交流をもっと大事にしていかないといけないなと感じた。 約4か月のプロジェクトを通して、ゼミ生達は仲間との連携や協働に必要なコミュニケーション能力、主体性、問題解決を図る能力を身に付けることができたと実感していました。参加した皆さん、本当におつかれさまでした! プロゼミ紹介プロジェクト 関連記事 ▶プロジェクトゼミについての過去のブログはこちら ▼インターカレッジフォーラム 奈良きたまち について 地域住民と4大学が参加!「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」を開催します!~人間環境デザイン学科 【プロジェクトゼミって何するの?④】4大学合同で「奈良きたまち」の地域課題に取り組む!~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?⑩】 「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」vol.3 ~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ ▼人間環境デザイン学科 過去の記事 【現代教育学科×人間環境デザイン学科】畿央大学付属広陵こども園の園児のために椅子を製作! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.6~学内報告会を開催! 河合町佐味田地区「佐味田みんなの縁側」の増設 板絵の飾り棚および遊び道具の制作活動~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 本学教員が日本繊維製品消費科学会にて「ポスターベスト発表賞」を受賞しました!~人間環境デザイン学科 学生が竹テント制作で関わった明日香スタンドが「場を生むデザイン賞」最優秀賞に選出!~人間環境デザイン学科 陳ゼミ
2024.08.19
理学療法学科の就職活動がスタートしています!
理学療法学科は4か月間に渡る臨床実習が終了し、就職活動がスタートしています。本格始動に合わせてキャリアセンターでは様々な就職支援を実施しています! ■8月1日(木)『就職面接マナー講座』 株式会社CAREER LABO小松仁美先生を講師にお招きし『面接マナー講座』を実施しました。学生は全員スーツ着用で参加し、改めて就職活動における身だしなみのチェックを行い、就職試験本番に向けて、面接での基本的なマナーや立ち居振る舞いをレクチャーいただきました。また、質問に対して15~30秒で即答する、即答トレーニングにもチャレンジ。各質問への答え方のポイントなどもアドバイスいただきました。 また同日には希望者を対象に、「就活メイク&パーソナルカラー講座」と「スーツの着こなし講座」も実施しました。それぞれの専門家から“おしゃれと身だしなみの違い”やメイクや着こなしからも相手に与える印象が異なることを、実践を交えながらお話しいただきました。 ■8月7日(水)・9日(金)『グループ面接対策』 『グループ面接対策』では、キャリアセンター職員が面接官となり、4~5名のグループに分かれて模擬面接を行います。学生は就職活動においてよく質問される「自己PR」と「学生時代に頑張ったこと」を準備して臨み、『面接マナー講座』での学びを実践で確認しました。 日ごろあまり経験することのない緊張感のある環境で、それぞれの考えてきたことを自分の言葉で伝えようと一生懸命に努力していました。 学生からは「話したいことを考えていたが緊張すると上手く伝えられなかった」「準備していなかった質問に戸惑った」などの感想があり、実践することで多くの気づきを得られる機会となったのではないでしょうか。 面接官からのアドバイスの後は、入室~退室までの立ち居振る舞いや挨拶などを練習し、第一印象アップについても再度確認しました。 グループ面接対策でみえてきた、それぞれの良かった点、課題点を振り返り、本番に向けてさらにブラシュアップし、自信をもって臨めるよう準備していきたいと思います。 キャリアセンターも皆さんの希望進路実現に向けて、しっかりとサポートしていきます!