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2025年のすべての新着情報一覧

2025.08.06

10月25日(土)・26日(日)第23回畿央祭「緒~いとぐち~」を開催します。

  今年も畿央祭に向けて、244人の実行委員が一丸となって準備中です! プログラムや企画などの詳細は、決まり次第このページで随時知らせしていきます。 小さなお子さまからご年配の方まで、幅広い年代の方に楽しんでいただけるよう、さまざまな企画をご用意しています。 皆様のご来場を、実行委員一同心よりお待ちしております! 第23回畿央祭について イベント 第23回畿央祭「緒~いとぐち~」 開催日時 2025年10月25日(土) 10:00~17:00 2025年10月26日(日) 10:00~16:00 会  場 畿央大学 アクセス方法 ご来場の際は公共交通機関をご利用ください。 近隣の商業施設等への駐車はご遠慮ください。 同時開催 ウェルカムキャンパス(地域の皆さま対象) ミニオープンキャンパス(高校生・受験生対象) 同窓会総会・同窓会サロン(卒業生対象) 最新情報 実行委員のSNSやブログをご覧ください! インスタグラム 実行委員ブログ(KIO Smile Blog)     プログラム 決まり次第、お知らせします! 大人もこどもも楽しめる!(学内企画部署) まだまだ暑さが残る10月、今年も地下食堂にて“ひんやり背筋が凍るようなお化け屋敷”を開催します🤡👻 今年はさらにパワーアップして帰ってきました!! お化け屋敷だけでなく、クイズなど大人も子どもも楽しめる企画もご用意しています🙌 たくさんのご参加をお待ちしております!!   こども向け企画(アリーナ部署) 去年に引き続き、みんなが楽しめるような射的、ボーリングなどをたくさん用意しています!🌸みんな来てねーー!今年はボールプールではなく、大きいふわふわです🐏   出演者と一緒に畿央祭をもりあげよう!(舞台部署) 吉本お笑いライブが今年も日曜日に開催決定!中庭ステージにて行われます!盛り上がること間違いなし!是非ご覧ください!   もぎもぎビンゴ(模擬部署) 昨年大好評だった模擬ビンゴが、パワーアップして帰ってきます! 何度でも参加できて、豪華景品も盛りだくさん!! お一人様でもお友達と一緒でも楽しめる企画なので、ぜひご参加ください!   畿央祭を彩る作品(展示部署) 展示部署は校内の様々なところに部署の全員で作り上げた作品を展示します!今年は、正門前の看板、渡り廊下に飾るステンドグラス、大学交差点前に飾る横断幕を作成する予定です。今年のテーマ「緒-ITOGUCHI-」に沿ったデザインとなっています。どの作品も部署の全員で想いを込めて作成していますので、ぜひ作品と一緒に写真を撮って畿央祭での思い出を作ってください!お待ちしております✨   地域の皆さま向け「ウェルカムキャンパス」も開催! ※準備中   実行委員長からのメッセージ 2025年度 第23回畿央祭を開催できることを心から嬉しく思います。今年のテーマは「緒〜いとぐち〜」です。このテーマには「つながり」と「はじまり」の意味が込められています。畿央大学の学生と来場者が畿央祭を通じて繋がり、すべての人が楽しめるイベントにしたいという想い、そして畿央祭に関わる全ての人にとって新たな人生の可能性を見つけるきっかけや分岐点になればとの願いを込めて決定しました。この2日間に向けて多くの学生が一層パワーアップした畿央祭を作るために試行錯誤を重ねています。沢山の方々のご協力のもと、実行委員244名一同、心を一つにして作り上げてまいります。第23回畿央祭、ぜひ皆さんお誘い合わせのうえ、ご来場ください。 2025年度畿央祭実行委員長 奥山 愛麗   関連リンク 【昨年のフォトレポート】第22回 畿央祭・ウェルカムキャンパスを開催しました 実行委員がつくり上げる畿央祭ってどんな感じ?(1分でわかる畿央大学ムービー)

2025.08.05

8月開催のオープンキャンパスご来場のみなさまへ(暑さ対策のお願い)

  8月のオープンキャンパス当日は、厳しい暑さが予想されます。ご来場のみなさまには、熱中症予防のため、以下の点にご留意いただき、安全にご参加いただけますようお願いいたします。   【具体的な暑さ対策】 ・会場ではミネラルウォーターやお茶をペットボトルでご用意していますが、必要に応じて水筒や飲み物をご持参いただき、こまめに水分や塩分の補給を心がけてください。 ・教室では冷房をつけておりますが、体温調節のしやすい服装でお越しください。高校の制服を着用する必要はありません。 ・キャンパス内での移動のご案内をする場合もありますので、帽子や日傘、冷却グッズなど必要に応じご準備ください。 ・体調不良を感じた場合は、無理をせず、近くの大学スタッフにお声がけください。看護師が常駐しており、対応いたします。 ・事前に体調に不安を感じられた場合は、無理せず参加をお控えください。 ・当日は路線バス等も活用し、時間に余裕を持ってお越しいただき、こまめに休憩を取りながらオープンキャンパスをお楽しみください。   本学教職員一同、みなさまにとって有意義で安全な一日となるよう、オープンキャンパス運営に努めてまいります。 みなさまのご来場を心よりお待ちしております。   ▼参考:厚生労働省「熱中症予防のための情報・資料サイト」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/

2025.08.05

「薬害の実情」と「患者の人権」を学ぶ ~ 看護医療学科「保健医療福祉システム論Ⅰ」

看護医療学科4年次生必修科目である「保健医療福祉システム論Ⅰ」では、医療と公衆衛生、そして社会福祉のシステムとそのあり方を学んでいます。 7月21日(月)の授業では外部講師として全国薬害被害者団体連絡協議会 副代表世話人の勝村 久司氏をお招きし、「『薬害の実情』と『患者の人権』~医療倫理や患者安全について考えながら~」と題した内容について講演いただきました。薬害問題は、2022年度から高校「公共」の授業でも取り上げられており、医療人としても必ず知っておかなければならない問題です。 勝村氏は、「陣痛促進剤(子宮収縮剤)」の被害に遭い、9日間しか生きられなかった娘さんの星子さんのことがきっかけで、医療裁判を起こしました。一審では敗訴しますが、二審では逆転勝訴します。それらの経験から、その後は薬害被害に関する活動を展開されることになりました。その活動の成果から、全ての人への診療報酬明細書発行に至っています。     講演の中では、薬害の原因は、単なる副作用被害ではなく、故意や無作為等の人災により、防げたはずの被害が拡大したものであること、陣痛促進剤は感受性の個人差がかなり大きい(人によって効き目が200倍異なります)がその理解が医療従事者の中でも十分ではないことを強く訴えられました。 最後に、薬害等の不誠実な医療を防止するためにはリスクマネジメントがとても重要であり、また、患者のための医療者でいてほしいということを切々と訴えられました。また、講演終了後の質疑応答では、母子が安全に出産できる環境を整備するために、質の高い助産師の数を増やすことが大事である旨、おっしゃっておられました。   学生たちは今回の講演の内容を重くそしてしっかりと受け止めていました。学生たちの感想から一部紹介したいと思います。 講義後の学生の感想より 医療とは何なのか、だれのために、何のために行うのか再度考える必要があると考えた。また、,自分が将来病院で働いた際に自分の行うケアが当たり前だと過信せず、常に自分の行動を内省し、対象者の最善の利益になっているか考え続ける必要があると考えた。 病院での出産は土曜日、日曜日よりも平日の方が多く、特に火曜日が多いということや、昼間の時間帯が最も多く産まれており、曜日や時間によって分布に差があるということを初めて知った。その一方で、助産所での時間別出生数の分布にはほとんど差がないということも知り、病院は1981年の統計を取り始めた頃から現在まで変わらず、病院側の都合などで出産日をコントロールしているということに驚いた。 陣痛促進剤による被害や現在の日本の分娩状況の実際など、教科書では知ることができなかった事実を知ることができ、医療従事者として理解しておかなければならないこと、医療従事者が持つべき倫理観や心構え、患者に対する姿勢を改めて考える良い機会となった。 講演の感想を聞いて、一番印象に残った言葉が「薬害の原因は薬だと思っていませんか」という言葉です。薬は治療の促進になるものでもあるが、一方で副作用が出てしまうこともあるという風に今まで習っていました。薬害について、考えることがあまりなく、勝村さんの実体験を聞くことで薬害ということをしっかり頭に刻むことができました。 私は助産学専攻科に進学するが、助産師として、妊産婦さんとの関わりにおいても医療者側の利益を優先するのではなく、妊産婦さんが自然なお産ができるように、環境を整え、痛みや苦しみが当たり前と捉えるのではなく、一人一人の痛みや苦しみを感じ取り、母親の訴えに耳を傾け、少しでも異変を感じたらすぐに対応することを心がけていきたい。そのためには、医療者都合のケアではなく、患者さんの思いや価値観を尊重し、患者さんの利益を優先した倫理観をこれからも養っていきたいと強く思った。   学生たちは、あと半年で医療の現場に飛び込んでいきます。あるいは、助産学専攻科に進学する学生もいます。学生たちの感想にもありますように、今回の勝村氏の講演は学生たちにとって非常に大きな学びとなりました。勝村先生にはこの場を借りて改めて厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。   畿央大学 健康科学部 看護医療学科では質の高い看護師、保健師、助産師を輩出できるよう、これからもたゆまぬ努力をしてまいります。   看護医療学科 教授 文 鐘聲 関連記事 緩和ケア病棟での実習を経験した4回生とのディスカッション ~ 看護医療学科「終末期ケア論」 後期からの臨地実習に向けて!~看護医療学科「老年看護援助論Ⅱ」 先輩から後輩へ、看護のバトンをつなぐ!~精神看護学研究室の卒業生と4回生が授業に参加! 看取りを体験したご遺族の語り ~ 看護医療学科「終末期ケア論」 公衆衛生看護学管理論 奈良県統括保健師講義~ 看護医療学科

2025.08.05

教職員対象 学校行事等での安全に関する講習会 ~ 学生の命を守る学校(大学)安全体制の構築と整備について ~

畿央大学では、2016年に発生した水泳実習中の事故を教訓とし、この事故のあった7月29日を「二度と命を失うような事故を起こさない」という思いを全教職員で共有し、安全について確認し合う大切な日と定めています。 今年度は、7月29日(火)に、奈良県教育委員会事務局体育健康課健康教育係の学校安全担当の南岡宏樹指導主事を講師にお迎えし、教職員を対象に「学校行事等での安全に関する講習会 ~ 学生の命を守る学校(大学)安全体制の構築と整備について ~」を実施しました。 当日は、非常に暑い日にもかかわらず奈良県庁から南岡先生がわざわざお越しくださいました。また、授業の最終週でしたが、教職員77名が参加し、会場となった講義室はほぼ満席となりました。     講演では、教育現場で実際に起こり得る様々な危機事例やその対策等について、映像資料も交えながらわかりやすくご説明いただきました。 本学の安全管理体制についても触れていただき、セルフチェックリスト等を用いて、一人ひとりが自身の危機管理意識を振り返る機会を与えていただきました。     南岡指導主事は「安全は設備だけでは守れない。安全を作るのは『人』」と強調されました。また、学校安全の基本として、「安きに居りて危きを思う」、すなわち、「平時から危険を考え、備えておくこと」の大切さや、学校安全の基本姿勢として、「空振り」は許されるが、「見逃し」は許されないという姿勢をご紹介いただきました。 ※「空振り」とは…備えたけれども、結果的に危険が起こらなかったこと。 「見逃し」とは…危険を察知していながら、対策を講じなかったこと。   本学では、今回の講習会を通して得た学びを今後の教育活動に活かしながら、教職員一人ひとりが高い危機管理意識を持ち、学生の安全の確保に努めてまいります。

2025.08.05

<理学療法学科 4回生> 学内就職合同説明会を開催しました!

2025年8月2日(土)、本学にて理学療法学科4回生を対象とした「学内就職合同説明会」を午前と午後の2部制で開催しました。 全国から45の病院にご参加いただき、大変充実した内容となりました。まずは全体会として各病院から2分間づつ、病院の概要や特徴についての説明があり、学生たちは各病院の雰囲気や方針を比較しながら話を聞くことができました。 その後は食堂に移動してブース形式での個別説明が行われ、学生は関心のある病院のブースを訪れ、採用担当者の方から直接お話を伺うことができました。 現場のリアルな声を聞き、現場の雰囲気、待遇条件や新人教育など、より詳しい情報を得ることができ、就職活動に向けた理解を深める良い機会となりました。 参加した学生からは、 「就職について本格的に考えることができるようになった」 「病院選択の視野が広がった」 「HPでは得られない情報を得ることができた」 などといった声も聞かれ、充実した時間となったようです。 ご参加いただいた病院の皆様、ご協力ありがとうございました。そして学生の皆さん、今回の学びを今後の進路選択に是非活かして頑張ってください!   【全体会の様子】   【個別ブースの様子】

2025.08.04

健康工学部長に就任予定の村松先生が、マーケティングに関する書籍を出版!

  はじめまして、伊﨑です。 健康工学部(2026年4月開設予定/設置認可申請中)の学部長に就任予定の村松潤一先生が編集されたマーケティング書籍『価値共創マーケティングの深化』(同文舘出版)を紹介させていただきます。同書は、2015年に刊行された村松先生編著の『価値共創とマーケティング論』の続編として出版されました。『価値共創とマーケティング論』では、サービス・ドミナント・ロジック(S-Dロジック)に基づいて、顧客との相互作用を通じた価値の共創という考え方をマーケティングに取り入れた先駆的な書籍でした。   その続編にあたるのが、今年3月に刊行された『価値共創マーケティングの深化』です。本書は理論編と事例編の二部構成となっており、前著の理論的枠組みをふまえつつ、文脈価値、資源統合マネジメント、カスタマー・ドミナント・ロジック(C-Dロジック)などの新たな視点を加えることで、価値共創の実践と応用をより立体的に捉えています。ポスト・コロナ社会やデジタル化の進展を背景に、マーケティングの枠組みを再考するうえでも重要な知見が詰まっています。     事例編に収められた第16章「ヘルスケア・ビジネスにおける価値共創」は、私が担当しました。本章では、医療・健康用品業界における価値共創の成果に着目し、共創活動がどのような変化や価値の創出につながるかを具体的な事例に基づいて論じています。特に、顧客との対話やデータ活用を通じて、文脈依存的に価値が生成されるプロセスに焦点を当て、「成果」の視点から共創を捉える重要性を示しました。   本書は、価値共創マーケティングの理論と実務を架橋する試みとして、企業実務家はもちろん、マーケティングやサービス科学に関心を持つ研究者にとっても多くの示唆を与えてくれる一冊です。またこれからマーケティングを学ぶ学生にとっても、価値創造の考え方を深く理解するための格好の教材です。単なる売買の枠を超えて、企業と顧客がどのように価値を一緒につくり上げているのかを知ることで、マーケティングの面白さと社会的意義を実感できると思います。   最後になりましたが、2026年4月に開設予定の健康イノベーション学科(設置認可申請中)ではこのような「価値共創」などについて横断的に学修し、健康をキーワードに価値あるモノやサービスを広く社会に届ける学びを展開していきます。オープンキャンパスでは魅力ある学びを体験することもできるので、ぜひ遊びに来てください! 現代教育学科 講師 健康イノベーション学科 ※ 就任予定 伊﨑 翼   ※2026年4月開設予定/設置認可申請中   オープンキャンパス情報はこちら 健康イノベーション学科(仮称)を詳しく見る 健康工学部長(就任予定) 村松潤一先生のメッセージ

2025.08.04

日常生活に不可欠な“両手を同時に独立して動かす能力”の発達変化~ニューロリハビリテーション研究センター

一方の手で定規を押さえながら、他方の手で線を引く。一方の手で紙を持ちながら、他方の手でハサミで切る。あるいは、一方の手でお皿を保持しながら、他方の手でスプーンで食べ物をすくう。このように、両手を同時に異なる動きで使う“両手同時独立制御能力(Simultaneous Independent Bimanual Coordination)”は、日常生活において不可欠な動作スキルであり、その発達には運動制御や注意機能など多様な神経基盤が関与しています。しかしこの能力が、子どもにおいてどのように発達するのかについては、これまで十分に解明されていませんでした。畿央大学大学院健康科学研究科の信迫悟志 教授らの研究チームは、5〜13歳の定型発達児150名を対象に、両手で同時に異なる描画を行う「両手結合課題(bimanual circles–lines coupling task)」を用いて、この能力の発達過程を詳細に検討しました。その結果、年齢の増加とともに“両手を同時に独立して動かす能力”が徐々に向上することが明らかになりました。また、この課題で得られた指標は、標準化された微細運動技能テストによって測定された“両手協調運動技能”の得点とも有意に関連していることが示されました。 この研究成果は、Frontiers in Human Neuroscience誌(Developmental Changes in Independent Bimanual Coordination: Evidence from the Circles–Lines Coupling Task in Children Aged 5–13 Years)に掲載されています。   本研究のポイント 両手を同時に別々に動かす「両手同時独立制御能力」は、5〜13歳の間に徐々に向上することが示された。 「両手同時独立制御能力」は、両手を協調させて目的を達成する両手協調運動技能と有意に関連していた。 両手結合課題(BC課題)は、特別な設備を必要とせず短時間で実施可能であり、発達期における両手協調運動技能の評価ツールとして有用である。   研究概要 本研究では、5〜13歳の定型発達児150名を対象に、両手を同時に異なる動きで使う「両手同時独立制御能力(Simultaneous Independent Bimanual Coordination)」の発達変化を調査するため、両手結合(bimanual circles–lines coupling task: BC)課題を実施しました。この課題では、以下の2条件を設定しました(図1) 片手条件:利き手でタブレット上に垂直線を繰り返し描く(図1_左) 両手条件:同様に利き手で垂直線を描きながら、同時に非利き手で紙の上に円を反復描画する(図1_右) 図1.  BC課題   本研究に参加した8歳の右利き女児の例。通常、図の両手条件にあるように、利き手で描いた垂直線は、非利き手の円運動の影響を受けて、楕円形に歪んでしまう。したがって、両手条件でこの歪みの程度が少ないことは、両手を同時に別々に動かす能力が高いことを表す。 通常、両手条件においては、非利き手による円運動のプログラムからの干渉(影響)により、利き手で描かれた直線が楕円状に歪む現象が見られます。本研究では、この線の歪みの程度を楕円化指数(Ovalization Index: OI)として算出しました。OIは、0に近いほど直線性が保たれ、100に近いほど正円に近づくことを意味します。さらに、両条件間のOIの差分を両手干渉効果(Bimanual Coupling Effect: BCE)として定量化しました。BCEの値が小さいほど、両手を同時に独立して動かす能力が高いことを示します。さらに、協調運動技能の標準化検査の手先の器用さテストを実施し、BCEとの関連も検討しました。   研究内容 本研究では、5〜13歳の定型発達児150名を対象に、両手で異なる運動を同時に行う能力を評価するためのBC課題(図1)および微細運動技能検査(利き手スキル、非利き手スキル、両手スキル、利き手の運筆スキル、総合)を実施しました。BC課題(片手条件、両手条件)で測定された利き手の運動軌跡の歪みをOIとして算出し、両条件間のOIの差をBCEとして定量化し、年齢との関係性および微細運動技能との関連性を検討しました。その結果、全ての年齢群において両手条件のOIは片手条件よりも有意に高く、BCEの存在が確認されました。そして、片手条件および両手条件のOIは年齢とともに有意に低下し、運動軌跡の直線性が向上していくことが示されました(図2)。また、BCEも年齢と有意な負の相関を示し、年齢の増加に伴い干渉効果が弱まり、両手を同時に独立して制御する能力が徐々に発達することが示唆されました(図3)。   図2. 年齢群間比較結果   図3. 年齢とBC課題変数との相関関係   さらに、年齢を統制したうえでの偏相関分析では、BCEおよび両手条件でのOIが、両手協調運動技能と有意に関連していることが明らかとなりました(図4)。   図4. 年齢を制御したBCEと両手協調運動技能との偏相関関係   本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究では、両手で異なる運動を同時に行う「両手同時独立制御能力」が、5歳から13歳にかけて徐々に発達することが、行動レベルで明らかになりました。またこの能力は、左右の手を協調させてひとつの目的を達成する「両手協調運動技能」とも有意に関連していることが示されました。 この「両手同時独立制御能力」の発達には、前頭−頭頂ネットワーク、前頭前野(実行機能・注意制御)、脳梁を介した左右の大脳半球間の情報伝達・抑制機構、という3つの神経的成熟が関与すると考えられており、本研究結果は、これらの神経基盤の発達過程を行動的に捉えたものと位置づけることができます。 さらに、既存の標準化された協調運動技能検査では、年齢に応じて異なる課題や道具を用意する必要がありますが、BC課題はタブレットと紙、ペンのみで実施可能であり、年齢にかかわらず同一の手順で短時間に評価が可能です。こうした特徴から、BC課題は発達期における両手協調能力の発達段階を簡便かつ定量的に評価できる実用的な手法として有用である可能性が示されました。今後は、この課題を特別な支援を必要とする子どもたちにも応用することで、運動機能のより的確な評価や、リハビリテーション、運動学習支援への実践的な活用が期待されます。   論文情報 Nobusako S, Hashizoe K and Nakai A (2025) Developmental changes in independent bimanual coordination: evidence from the circles–lines coupling task in children aged 5–13 years. Front. Hum. Neurosci. 19:1620941. doi: 10.3389/fnhum.2025.1620941   問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 教授 信迫悟志 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.nobusako@kio.ac.jp

2025.08.04

緩和ケア病棟での実習を経験した4回生とのディスカッション ~ 看護医療学科「終末期ケア論」

「終末期ケア論」は、看護医療学科3年次前期に必修科目として開講しています。この授業では、終末期における症状緩和の援助方法や精神的ケア、全人的ケア、グリーフケア(家族・遺族への支援)を考えるなど、終末期ケアを行う看護師として学びを深めることをめざした授業構成になっています。   その一つに、緩和ケア病棟で病院インターンシップ実習を経験した4回生から、3回生に現場での学びを紹介する授業がありましたのでご紹介します。 学びの紹介 1.3回生の発表 ● 国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥の見学 メンバー:二宮 央・山本 華・新谷 咲耶・藤田 有里・鈴木 万琴・高田 有紗・黒田 瑞姫・川上 菜央   2.4回生の発表 ● 国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥のインターンシップ実習 メンバー:内海 茜・九十九 璃子・中西 春水   3.4回生の発表 ● 東大阪市立医療センター メンバー:車路 瞳 飯沼 虹美 橋本 心     1.では、授業を受講している3回生の有志が参加した「国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥の見学」で、病棟紹介を主に発表してくれました。     2.3は、6月に実施された「インターンシップ実習」において、緩和ケア病棟で実習した2施設6名の4回生が実習での学びについて発表してくれました。   それぞれがパワーポイントの資料をもとに発表を行い、緩和ケア病棟の概要や行われている看護、実習で受け持った終末期にあるがん患者の看護の実際について紹介しました。     質疑応答の中では活発な意見交換がされました。飛鳥に実習に行った4回生は「ネガティブなところもその人らしさであることを知った。患者の気持ちを大切にした看護を行うことができた。その人らしさを尊重するために患者の背景を考えて、医療者の当たりまえを押し付けないことが大切だと実習を通して学んだ。死期が迫る中で生きる意味の尊さに気づいた」など率直な思いを語ってくれました。   聴講していた3回生からは「終末期の実際を知ることができた。その人らしさを学ぶことができた」など感想が聞かれました。     東大阪市立医療センターに実習に行った4回生からは「患者が何を考えているのかアセスメントすることは難しいが、私たちは患者の発言を聞いてしっかり考える必要がある。この実習では死を身近に考えた。病気が完治しないということがどういうことか知った。患者に残された時間について患者とともに考えていくことが大切である。最期に向かってどうしていくのか、患者のニードに寄り添うためにも、患者のまとまらない思いをまとめることが看護師に必要なことだと思った」と3回生に学びを伝えていました。   3回生からは「授業でその人らしさを尊重することが大事だと習ったが、患者を目の前にするとしないといけないことが多くあって、その人らしさを忘れて自分中心の看護になってしまっていた。しかし、この発表を聴講して患者の声をしっかり聴いて援助したいと思った」と意見がありました。 グループワーク 授業の後半は4回生から事前に配布された質問紙に沿ってグループワークを行いました。4回生が司会となってグループワークでは活発な意見交換がされました。     「あなたは‘‘どこで死にたい‘‘と思いますか」の質問にはついては、「病院で死にたい理由は家族に迷惑かけたくないからだ」「病院に迷惑をかけたくない。家族に看取られたいから、家がいい」など様々な意見があり、4回生からは「どんな病気で死ぬかわからないけど、がんなら緩和ケア病棟がいい。自分を尊重してくれるから」という意見がありました。   また、「あなたは人生の最期に誰にそばいて欲しいですか」という質問に対しては、「友達、どこかに遊びに行き、(友達が)トイレに行った時に、(自分が)死んで、後から気付いてもらいたい」「家族とか大切な人、好きな人にそばにいて欲しいと思います。理由は家族に最後まで大切な人に一緒にいて欲しいと思うから」「結婚していたら旦那さん。子供。理由は一番安心感がある状態で死にたい」「病院ならお世話になった看護師さんに見守って欲しい。自分の希望も聞いてもらえそうなので看護師さんを選んだ」など様々な意見が出されました。     終末期の看護について学ぶことは難しいことですが、身近な学生が実際に緩和ケア病棟を見学したり、実習を経験することで得た学びを共有することで終末期看護について考えることができました。実習を体験した4回生の思いも3回生には伝わり、それぞれの看護観や死生観を深めるきっかけとなったこと思います。   看護医療学科 准教授 對中 百合        助教 福田 都美恵 関連記事 ▼▼ 「終末期ケア論」に関する記事 ▼▼ 看取りを体験したご遺族の語り ~ 看護医療学科「終末期ケア論」 国保中央病院 緩和ケア病棟「飛鳥」の見学に行きました。~ 看護医療学科「終末期ケア論」   ▼▼ 看護医療学科に関する記事 ▼▼ 後期からの臨地実習に向けて!~看護医療学科「老年看護援助論Ⅱ」|KIO Smile Blog 先輩から後輩へ、看護のバトンをつなぐ!~精神看護学研究室の卒業生と4回生が授業に参加! 公衆衛生看護学管理論 奈良県統括保健師講義~ 看護医療学科 「フィールドワーク:自分たちにできること、共生社会の在り方を考えよう」~ 看護医療学科「認知症ケア論」    

2025.07.30

パパのためのベビークラスを開催します~畿央大学看護実践研究センター

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2025.07.30

学習会「図画工作を味わう―今までとこれから―」を開催 ~ 畿央大学 現代教育研究所

2025年7月20日(日)15時10分から、東京家政大学 岡田 京子先生をお招きしての学習会を開催しました。奈良県を中心に、近畿圏から18名の方にご参加いただきました。 「図画工作を味わう―今までとこれから―」 メディアで学習指導要領次期改訂の報道が見られるようになりました。「資質・能力の三つの柱」と各教科等の「見方・考え方」、「主体的・対話的で深い学び」等の基本的な考え方を重視しつつ、それらの共通理解と各学校の状況の応じた実施の一層の推進を示すように読めます。   そこで、「図工の授業がどう変わるか」を待つ前に「私たちは図画工作科の授業をどう変えたいか」を考える学習会を設定しました。平成29年の改訂を行われ、その後も現場の状況をご覧になってきた岡田京子先生に学び、共に考える時間にしたいと考えました。 学習指導要領改訂時のポイントの復習 初めに司会から、現行の学習指導要領改訂時のポイントの復習をしました。   ●  育成を目指す資質・能力の明確化 ●  個別の感じ方や考え方等に応じて、他の学習や生活の場面でも活用できる知識及び技能。 ●  知識・技能を活用しながら未知の場面でも課題を解決できる思考力、判断力、表現力等。 ●  主体的に学習に取り組む態度、メタ認知等と協働する力、持続可能な社会づくり、感性・人間性等含む学びに向かう力、人間性等 ●  教科の特質に応じた物事を捉える視点や考え方である「見方・考え方」 ●  主体的・対話的で深い学びの実現の向けた授業改善の推進   そして学習指導要領実施後に提示された、 ●  指導と評価の一体化   現在進行している検討事項として、 ●  資質・能力の教育の共有と一層の充実 ●  中核的な概念や方略の明確化 などを提示しました。   その後、参加者の皆さんに4人ごとのグループに分かれていただき協議に進みました。   現在取り組まれている授業の成果と課題を出し合い、今後どのような児童を育てたいと考え、どのように授業を変えていきたいかをホワイトボードに掲示しました。初めて出会った先生のグループもありながら活発な協議が行なわれ、多くの意見が出されました。   報告で出ていた意見をご紹介します。 児童について ●  自分で課題を解決できる。 ●  自分を知り、他者を知り、認め合う。 ●  答えがないチャレンジを楽しめる。 ●  あふれる情報から最適解を見付けることができる。 ●  感動し、自分の素敵を見付けられる。 ●  最後まで活動し、最後を自分で決める。 授業について ●  授業で子供を育てる。 ●  感性を働かせ、自分に表現し、認め合える。 ●  幸せに生きる力を育てる。 ●  選択肢があり、自己決定できる造形遊びを核とする。 ●  学習との素敵な出会いをつくる。 ●  児童の主体性が働く仕組みがある。 岡田京子先生の講話 まず、学校の先生は有能だということ、『話をする』、『話を聞く』、『情報をまとめる』、『相手を思いやる』、『展開を予想する』など様々な行為を必要に応じて行いつつ瞬間に思考し選択し、決定しているのが先生の能力だと指摘されました。   そこで、あるグループで話題になっていた「特別な支援が必要な児童」が主体的に活動できる図画工作科の授業は何かを参加者に問われました。実際に図画工作の時間では「特別な支援が必要な児童」が主体的に活動できることが多くあります。その理由を考えればだれもが主体的に学習できる時間になるでしょうと。     参加者からは「自分が主体だから」「答えに向かう指示が少ないから」などの意見が出ました。   そうした話題を継ぎ、授業改善のポイントになるのは指導が特に難しい児童ではないとのこと。なぜならその児童には先生は指導に注力するので成果は出やすい。指導の必要性は特にないが大きな成果も残さない児童に注目し、授業改善を試みることが授業を充実する方法ではないかと話されました。また、コロナ禍で実体験ができない時期があったことから、その学年よりも前学年の目標を設定した授業が見られることを危惧し、例え前学年的な活動から始めても、学習活動中に学年にふさわしい活動になるよう教師が計画することが必要と話されました。   中央教育審議会で検討が進んでいる事項の資料を紹介され、「決まってはいないが、注目しておくことも必要」と伝えられました。   最後に、学習指導要領が改訂されると新しい考え方や方法が提案され、理解し馴染むのに苦労するように感じるが、新しい考え方や方法はも実は現場の先生方が長く取り組まれてきた指導であることが多く、近い将来の新しい授業像は実は有能な先生方の日常にあることを共通理解し、会を終えました。     畿央大学現代教育研究所 現代教育学科 教授 西尾 正寛      

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