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2024.06.18

パーキンソン病患者における静止立位時の足圧中心の包括的多変量解析~ニューロリハビリテーション研究センター

パーキンソン病患者は、病気の進行とともに姿勢の不安定性や転倒リスクの増加といった姿勢障害を呈しますが、その特徴には様々なサブタイプが存在することが想定されています。畿央大学大学院健康科学研究科 研究生/西大和リハビリテーション病院の藤井 慎太郎 氏、森岡 周 教授、国立障害者リハビリテーションセンター研究所・神経筋機能研究室の河島 則天室長(畿央大学客員教授)らの研究グループは、パーキンソン病患者の姿勢障害を構成する5つの因子を抽出し、抽出された姿勢障害の因子より6つのサブタイプに分類できることを明らかにしました。この研究成果はJournal of NeuroEngineering and Rehabilitation誌に掲載されています。このようなサブタイプ分類により、パーキンソン病患者の姿勢障害のタイプに基づいた適切なリハビリテーション介入の一助となることが期待されます。 研究概要 パーキンソン病患者は、病気の進行とともに姿勢反射応答の低下や体幹の前屈姿勢などが顕著となり、立位姿勢の不安定性や転倒リスクの増加といった姿勢障害を呈することが知られています。ヒトの立位時の姿勢の揺れは、重心動揺計を用いた足圧中心により評価され、揺れの大きさや速さなどから姿勢障害の特徴づけがされています。しかし、姿勢不安定性があるパーキンソン病患者では、単に重心動揺計での揺れが増大しているのみでなく、むしろ揺れが過少となっている症例も存在することが指摘されています。パーキンソン病には、臨床徴候や病歴、発症年齢、疾患進行速度などの違いから異なるサブタイプが存在することが広く知られており、姿勢障害の特徴についても様々なサブタイプが存在することが想定されています。そこで畿央大学大学院研究生/西大和リハビリテーション病院の藤井 慎太郎氏、森岡 周教授、国立障害者リハビリテーションセンター研究所・神経筋機能研究室の河島 則天室長(畿央大学客員教授)らの研究グループは、健常者およびパーキンソン病患者に対して静止立位時の重心動揺を計測し、様々な特徴量を持つ変数に「因子分析」を施すことで姿勢障害の構成要素(因子)の抽出を試みました。その結果、揺れの大きさ、前後・左右・高周波(揺れの頻度)、閉ループ制御(揺れに基づく修正能力)といった5つの因子が特定されました。次いで、抽出された因子を用いた「クラスター分析」を試みることにより、6つのタイプに分類可能であることを見出しました。パーキンソン病の重症度での比較では、姿勢障害を構成する因子に有意差がみられませんでしたが、サブタイプ間においては明確に異なる値を示していました。またパーキンソン病の発症からの期間の長さや症状の重症度についても有意な違いを示しており、この分類はパーキンソン病患者における姿勢障害のサブタイプとみなせることを明らかにしました。 本研究のポイント ■ パーキンソン病患者における静止立位時の重心動揺変数を用いた因子分析およびクラスター分析により、姿勢障害の特徴分類を試みた。 ■ 姿勢障害の構成要素とみなし得る5つの因子が抽出され、因子得点を用いたクラスター分析を行うことによりパーキンソン病患者の姿勢障害が6つのサブタイプに分類できることを明らかにした。 研究内容 パーキンソン病患者は、病気の進行とともに姿勢の不安定性や転倒リスクの増加といった姿勢障害を呈します。ヒトの静止立位時の姿勢の揺れは、重心動揺計を用いた足圧中心(center of pressure: CoP)の評価によって定量化され、揺れの範囲や速度などの時空間変数から姿勢障害の特徴づけが試みられています。しかし、パーキンソン病患者では、単に重心動揺計での揺れが増大しているのみでなく、むしろ揺れが過少となっている症例も存在することが指摘されており、その特徴には様々なサブタイプが存在することが想定されています。そこで本研究では、静止立位時の足圧中心(CoP)時系列データを用いてPD患者における姿勢障害の特徴分類を行うことを目的としました。   対象はパーキンソン病患者127名、健常若年者71名、健常高齢者47名でした。対象者は重心動揺計の上で30秒間の静止立位のCoPを計測しました。計測されたCoP時系列データから、95%楕円信頼面積などの空間変数、平均移動速度などの時間変数、パワースペクトル分析を用いた周波数特性およびフラクタル解析の手法であるStabilogram Diffusion Analysis(SDA)により、短時間領域(Ds)/長時間領域の傾き(Dl)、短時間/長時間領域の切り替え時間(CP)など計23変数を算出しました(図1左)。その後、パーキンソン病患者における姿勢不安定性の特徴を抽出するために、各変数について因子分析を実施しました。その結果、95%楕円信頼面積や平均移動速度などの関連が強い動揺振幅因子や、左右周波数因子、前後周波数因子、高周波因子、SDAの変数であるDlやCPの関連が強い動揺拡散因子といった5因子が抽出されました(図1右)。     図1:計測方法の概要および因子分析の結果 (高解像度の図はこちらをクリック) 左:計測方法およびCoPより算出された変数一覧。重心動揺計の上で30秒間の静止立位のCoPを計測し、計測されたCoP時系列データから30変数を算出した(うち7変数は除外)。 右:算出された23変数を用いた因子分析により、5つの因子が抽出された。   臨床分類として、健常高齢者およびパーキンソン病患者は、健常若年者と比較し動揺範囲因子および高周波因子において有意に高値を示しましたが、PD重症度間では有意差を認めませんでした(図2左)。次にパーキンソン病患者における姿勢不安定性の特徴の違いに基づいてサブタイプを分類するために、抽出された因子を用いたガウス混合モデルによるクラスター分析を行いました。健常若年者を除く174名での5因子を用いたクラスター分析の結果、6つのクラスターに分類されました。これらのクラスター間において、因子得点は明確に異なる値を示しており、この分類はパーキンソン病患者における姿勢障害のサブタイプとみなせると考えられました(図2右)。     図2:臨床分類とクラスター分類間での因子得点の比較(高解像度の図はこちらをクリック) 臨床分類において、PD重症度間(左)では因子得点に有意な違いを示さなかったが、クラスター分類(右)では、各因子得点に明確な違いを示した。   図3は代表的な4症例を提示しています。この4症例は疾患重症度が同程度であるにもかかわらず、因子得点は明確に異なる結果を示しており、それぞれ異なるクラスターに分類されました。このことからも、単に疾患重症度から姿勢制御の問題を捉えるのではなく、それぞれのサブタイプに応じた姿勢制御の病態を捉える必要があると考えられます。     図3:各クラスターの代表4症例(高解像度の図はこちらをクリック) 各クラスターの代表4症例を示す。疾患重症度は同程度であるが、各因子得点は明確に異なっており、それぞれが異なる姿勢制御を示していることが示唆された。 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究により、パーキンソン病患者の姿勢障害のタイプに基づいた適切なリハビリテーション介入の一助となることが期待されます。今後はパーキンソン病患者で生じる体幹の前屈や側弯といった姿勢異常や筋活動特性を包含した姿勢障害の特徴分類を予定しています。 論文情報 Shintaro Fujii, Yusaku Takamura, Koki Ikuno, Shu Morioka, Noritaka Kawashima A comprehensive multivariate analysis of the center of pressure during quiet standing in patients with Parkinson’s disease. Journal of NeuroEngineering and Rehabilitation, 2024 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 研究生 藤井 慎太郎 教授・センター長 森岡 周 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp

2024.06.17

7/14(日)オープンキャンパスを開催します。

2024.06.17

「4大学対抗ピザバトル」に出場しました!&サンプーペーで販売します~ 健康栄養学科・ヘルスチーム菜良

2024年6月15日(土)・16日(日)、イオンモール大和郡山にて開催された「4大学対抗ピザバトル」に本学のヘルスチーム菜良※が出場しました!   ※ヘルスチーム菜良…管理栄養士養成課程を持つ4年制大学(畿央大学・近畿大学・帝塚山大学・奈良女子大学)で構成されており、食育啓蒙活動に取り組んでいます。   古くから奈良県の伝統野菜として栽培されてきた「大和丸なす」を使用したピザを各大学1種類ずつ考案しました。そして、「4大学対抗ピザバトル」と称し、イオン大和郡山店「大和郡山フェア」にて販売しました。   畿央大学「オーロラソース使用!ごろっと大和丸なすと魚介の彩りピッツァ」 近畿大学「たまごたっぷり華麗(カレー)ピッツァ」 帝塚山大学「大和丸なすとオレンジのデザートピッツァ」 奈良女子大学「大葉香る大和丸なすとたらこソースの魚介ピッツァ」 販促用ポスター   レシピ   今回は「どこかありそうでなかった新しいピザ」と「子どもから大人まで楽しめるピザ」の融合を目指しました。 そこで、ピザにオーロラソースを使用し、新しさを見出しました。子どもたちに大人気のオーロラソースですが、ケチャップとマヨネーズだけでは、どこか物足りなさを感じたため、トマトミックスソース、にんにく、塩を加え、旨みやパンチをアップさせました。そのことで、大人でも満足できるピザに仕上がったと思います。 また、色とりどりの野菜、華やかなシーフードを使用し、食欲をそそる見た目に仕上げました。野菜は苦味の少ないものを使用し、野菜嫌いの子どもでも食べやすくしました。大和丸なすとじゃがいもは一度素揚げをし、なすはトロッと、じゃがいもはほくほくとした食感を引き出しました。 さらに、具材の並べ方にもこだわりました。特に、チーズは味が濃く、風味も強いので、半量はソースの上に、もう半量は具材の上にのせることで、味のバランスを整えました。   開発は学生のみではなく、大和郡山市にある石窯焼きピッツェリアサンプーペーさんにもご協力いただきました。また、イオン担当者様が4大学合同で試作をする機会を設けてくださりました。ご協力くださった関係者の皆様に感謝申し上げます。   石窯焼きピッツェリアサンプーペーさんでの試作の様子     合同試食会の様子   当日は、4大学のピザを食べようとたくさんの人にお集まりいただきました。 お客様から直接「美味しそう!」「食べてみたい!」といったお声をいただけてとても嬉しかったです。また、美味しかったとメールをくださる方や2日連続でご購入してくださった方もいらっしゃいました。このようなお客様の反応がとても励みになり、試行錯誤を重ねた日々が報われるような思いになりました。本当にありがとうございました。   ピザバトル当日の様子     バトルの結果は残念でしたが、多くの学びを得ることができました。また、他大学さんのユニークなアイデアに刺激を受けました。この経験を生かし、これからも様々なメニュー開発に挑戦していこうと思います。そして、来年もピザバトルが開催されるなら、リベンジを果たせるよう頑張ります! また、このピザは試作でご協力いただいた石窯焼きピッツェリアサンプーペーさんで本日(6/17)より期間限定(6月末まで。なくなり次第終了)で販売いたします。購入できなかった方、この機会にぜひご賞味ください。     健康栄養学科 2回生 薮田 真歩 関連記事 ヘルスチーム菜良に関連するブログ記事 【ピザを共同開発!】FMヤマトでPR& イオン「大和郡山フェア」で4種類販売します! 【全国4位】フードスペシャリスト資格認定試験で特別表彰!~健康栄養学科 6/2(日)テレビ大阪「発見‼︎“食”遺産」に健康栄養学科上地ゼミの学生が出演します! 2024年山本 隆教授の最終講義が行われました。|KIO Smile Blog度 新入学生研修 学科別レポートvol.4~健康栄養学科 衛生対策商品メーカー、株式会社サンロードとの意見交換・交流会!~健康栄養学科 上地ゼミ 3/21(木)山本 隆教授 最終講義「半世紀以上に及ぶ研究生活を振り返って-味覚とおいしさの研究-」を開催します。 楽しく見るだけで食改善!大学生食提案プロジェクト~健康栄養学科「公衆栄養学実習」 令和5年度 健康栄養学科卒業研究発表会を開催!  

2024.06.17

チームKIOによる快挙!第28回日本ペインリハビリテーション学会学術大会でポスター演題最優秀賞を受賞!~健康科学研究科

第28回 日本ペインリハビリテーション学会 学術大会 において、ポスター演題最優秀賞を受賞しました! 健康科学研究科 客員准教授の生野 公貴です。先日、長崎で開催された第28回日本ペインリハビリテーション学会 学術大会において、私たちの研究がポスター演題にて最優秀賞を受賞しました。   今回我々は「神経障害性疼痛に対するしびれ同調経皮的電気神経刺激による自覚的疼痛強度と脳波の変化:症例報告」というテーマで発表しました。 学会発表内容のご紹介 神経障害性疼痛は、異常感覚やしびれ感などを伴い、生活の質を大きく損なうことがあります。我々はしびれ同調経皮的電気神経刺激(TENS)という新たな介入方法を開発し、その有効性が注目されてきつつありましたが、その作用メカニズムはまだ不明でした。そこで今回の研究では、脊髄炎によるしびれ感や触覚アロディニア(痛覚過敏)を呈する症例に対し、しびれ同調TENSを用いてその効果を脳活動とともに検証しました。その結果、しびれ同調TENSにより自覚的疼痛強度が低下した時の脳波は、脳の前頭領域のアルファ波のパワー値が増大しており、感覚領域からの結合により生じている可能性が示唆されました。   この研究は、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの大住 倫弘准教授や、現在大学院生であり、私の勤務先の同僚でもある井川 祐樹氏、畿央大学大学院出身者で現在客員研究員かつ長崎大学生命医科学域の助教であられる西 祐樹氏との共同研究であり、まさにチームKIOによる研究です。     まだまだ予備的な段階ではありますが、この受賞に恥じないよう、また痛みに困っておられる患者様のお役に立てるよう今後も研究を続けたいと思います。   健康科学研究科 客員准教授 生野公貴   【関連記事】 理学療法学科 海外インターンシップ2024 vol.2~フランスの理学療法士と交流! 理学療法学科 海外インターンシップ2024~タイの理学療法士が来校! 【快挙】大学院生の研究において、脳卒中患者の物体把持の測定における新しいアプローチを開発しました。 その人らしさに寄り添う理学療法~理学療法学科 第11回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」 TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.91~新1回生対象説明会&機器体験会を開催! OARSI2024(世界関節症会議学術大会)で教員が研究成果を発表しました~理学療法学科 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.2~岩佐さん×赤口さん 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.1~淡路さん×渕上さん 2024年度 新入学生研修 学科別レポートvol.2~理学療法学科  

2024.06.17

教員・公立幼保採用試験に向けて、面接練習などが始まりました!

畿央大学では、教員・公立幼保採用試験を受ける学生を対象に、教育学部教員と教採・公務員対策室とが連携し、面接練習を行っています。 学生は、数多くの教員から面接の指導を受け、本番の面接試験で様々な質問に対して自信をもって受け答えができるよう日々頑張っています。 今後は、模擬授業対策や実技試験対策も並行して実施していきます。   兵庫県や奈良県の教員採用試験では集団討論の試験があるため、両自治体の志望者を対象に、集団討論の練習を行いました。 練習開始当初は個人面接や集団面接との違いに戸惑い、話が噛み合わないこともありましたが、練習回数を重ねることにより次第に討論内容が深まってきていました。   また、公立幼保採用試験を受ける学生が、実技対策として、製作した人形等を使った模擬保育の発表を行いました。 絵本の題材が同じでも、スケッチブックを使う学生もいれば、手袋を使った学生もいるなど、一人ひとりのアイデアや工夫がみられました。         採用試験を控えている学生の皆さん、体調に気をつけながら、引き続き頑張っていきましょう!教採・公務員対策室は皆さんを全力でサポートします!

2024.06.17

痛みの性質を観察することで脳卒中後疼痛のリハビリテーション予後を推定できるか?~ニューロリハビリテーション研究センター

脳卒中後疼痛(Post-Stroke Pain:PSP)は、脳卒中を発症した患者の約40%が経験するとされる痛みです。脳卒中後疼痛は、患者の日常生活やリハビリテーション過程に大きな影響を与えるため、その予後を正確に予測し、適切なリハビリテーションを計画する必要があります。畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程1年 浦上 慎司、ニューロリハビリテーション研究センター 大住 倫弘 准教授らの研究グループは、痛みの性質データ(うずくような、しびれたような)を活用すれば痛みのリハビリテーション予後を推定できることを明らかにしました。この研究成果はPhysical Therapy誌(Prognosis of Pain after Stroke during Rehabilitation Depends on the Pain Quality)に掲載されています。 研究概要 脳卒中後疼痛(Post-Stroke Pain:PSP)は、脳卒中を発症した患者の約43%が経験するとされる痛みです。この痛みは肩の痛み、筋肉の痙攣による痛み、神経障害性疼痛など、様々なタイプがあり、患者の日常生活やリハビリテーション過程に大きな影響を与えます。PSPの管理は患者の機能回復にとって重要であり、痛みの質に応じた個別化された治療が理想とされています。今回の研究により、脳卒中後の痛み(PSP)のリハビリテーション予後は、痛みの性質に依存することが明らかになりました。 本研究のポイント ■ 痛みの性質に基づく患者分類: 脳卒中後疼痛患者を4つの異なるクラスターに分類し、それぞれの痛みの性質に基づいて個別のリハビリテーション戦略が提案されました。 ■ リハビリテーション効果の差異: 一部のクラスターでは、従来の運動療法ベースのリハビリテーションが有効である一方、他のクラスターでは追加の治療法が必要とされることが判明しました。 ■ 個別化されたリハビリテーションの必要性: 痛みの性質に応じた個別化されたリハビリテーション戦略が、脳卒中後疼痛の治療に重要であることが示されました。 研究内容 本研究では、脳卒中後疼痛を有する85名の患者を対象に、痛みの質に基づいて4つの異なるクラスターに分類しました(下図の左:こちらをクリック)。クラスター1は「冷たい刺激が痛いグループ」、クラスター2は「しびれがつよいグループ」、クラスター3は「圧痛がつよいグループ」、クラスター4は「深部痛がつよいグループ」で構成されました。患者は、12週間にわたる運動療法ベースのリハビリテーションを受け、痛みの強さを縦断的に観察されました。クラスター4の患者は、従来の運動療法ベースのリハビリテーションにより痛みの強度が有意に軽減されましたが、クラスター1およびクラスター2の患者は痛みの軽減が見られませんでした(下図の右:こちらをクリック)。この研究結果から、症例ごとに異なる痛みの性質によってリハビリテーション予後が異なることが分かりました。痛みの性質は、症例の痛みを発生させている病態メカニズムを表現していると考えられていることから、それぞれの病態によってリハビリテーション予後が異なるということが考えられます。そのため、個別化されたリハビリテーション戦略が重要であり、特に、従来のリハビリテーションが効果的でない場合、追加の治療法(例:経頭蓋直流刺激など)が必要となる可能性があります。 図:脳卒中後疼痛の痛みの性質に基づくクラスター分類とそれぞれのグループのリハビリテーション予後 *高解像度の図はこちらをクリックして下さい。 本研究の臨床的意義および今後の展開 今回の研究では、症例が日常的に表現する痛みの性質(ズキズキなど)を軽んじてはいけないということが再確認されました。また、リハビリテーションの初期段階での痛みの性質の評価をすることで、予後を予測できるだけでなく、リハビリテーションの選択を迅速に提供できるようになるとのことです。 論文情報 Uragami S, Osumi M, Sumitani M, Fuyuki M, Igawa Y, Iki S, Koga M, Tanaka Y, Sato G, Morioka S. Prognosis of Pain after Stroke during Rehabilitation Depends on the Pain Quality. Phys Ther. 2024 Apr 3:pzae055. doi: 10.1093/ptj/pzae055. Epub ahead of print. PMID: 38567849. 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 浦上慎司 准教授 大住倫弘 E-mail: m.ohsumi@kio.ac.jp

2024.06.12

【ピザを共同開発!】FMヤマトでPR& イオン「大和郡山フェア」で4種類販売します!

大和伝統野菜「大和丸なす」主役ピッツァを共同開発 イオン大和郡山店「大和郡山フェア」で4種類販売!   奈良県内の管理栄養士養成課程(畿央大学・近畿大学・帝塚山大学・奈良女子大学)の学生で構成された食育ボランティアサークル「ヘルスチーム菜良(なら)」は、大和の伝統野菜「大和丸なす」を主役にしたピッツァを大和郡山市活性化検討会の依頼のもと、イオンリテール株式会社と共同開発。   「4大学対抗ピザバトル」と銘打ち、イオン大和郡山店「大和郡山フェア」期間中の6月15日(土)・16日(日)に各大学の学生が店頭に立ち、優勝をかけて自分たちが開発したピザをPR販売します。また、奈良県中和エリアをカバーするコミュニティラジオ局である「FMヤマト」に本学の学生が6月13日(木)に出演し、ピザのPR放送をします。   期間中はステージでのプレゼン(15日)と審査会、表彰式(16日)のほか、コロナ前より大人気だった会場での学生ピッツア試食販売(16日)が今年度より解禁されました。   日 時 ①   2024年6月13日(木)14:00~14:54(FMヤマト「民博・健活・昼活トーク」) ②   2024年6月15日(土)・16日(日) (イオン「大和郡山フェア」) ・試食:6月16日(日)11:00~11:30頃、15:00~15:30頃 ・プレゼン:6月15日(土)16:00~ ・表彰式:6月16日(日)17:00~ 場 所 ①   奈良県立民族博物館(大和郡山市矢田町545) ②   イオン大和郡山店(大和郡山市下三橋町741)   大和郡山市三橋地区で戦後まもなくから栽培されている大和の伝統野菜「大和丸なす」は、東京、大阪、京都の料亭などでも用いられる高級食材として好評を得ていますが、地元奈良では販売機会が少なく、知名度アップが課題となっています。また、大和郡山市では地産地消促進計画に基づき、地産地消の推進を、奈良県では特定農業振興ゾーンとして「大和丸なす」の生産地である大和郡山市三橋地区が設定され「新たなレシピ開発による個人消費(大和丸なすファン)の拡大」を目指して取り組んでいます。   本企画は、2017年度から、イオンモール大和郡山で開催される大和郡山フェアにおいて、「大和丸なす」のPRと大和郡山産野菜の摂取量増加をめざし、大和の伝統野菜「大和丸なす」や大和郡山市産野菜を使用したピザ開発に取り組んでおり、今回で7回目となります(2020年度はコロナ禍で中止)。   4大学対抗ピザバトルでは、独創的かつ個性的、また食育における地産地消をいかに考慮されているかとして、①彩り・見た目(SNS映え)の「見栄え」、②新しいアイディア・斬新さ・ネーミングの工夫等の「独創性」、③大和丸なすの素材の良さを生かしているかの「大和丸なす」、④実食による味覚の評価の「食味」、⑤ピザのPRの「プレゼン」、⑥販促物の完成度の「販促物」の6点について、審査委員が試食等を行った上で採点を行い、優勝ピザを決定いたします(2023(昨年度)の優勝は本学)。畿央大学からは、以下のピザを商品開発いたしました。   ▼畿央大学ヘルスチーム菜良:「オーロラソース使用、大和丸なすと魚介の彩りピッツァ」       本ピザのコンセプトは「海の幸と大和の味の融合」です。大和丸なすの美味しさと彩りを主役にするため、シーフードをはじめ、彩り鮮やかで個性豊かな食材をオーロラソースで華やかに美味しくまとめました。多彩=栄養バランスが整うという研究結果からも映えるだけでなく、栄養バランスも考えた自信の逸品となっています。「大和丸なす」を初めて食べる学生も多く、その大きさとしっかりとした食感、美味しさに驚いていました。4大学の個性的な4種類のピザ、ぜひ一度学生のプレゼンをお聞きいただき、試食で食べ比べてお好みのピザを見つけてください。     【問い合わせ先】 畿央大学 健康科学部 健康栄養学科 野原  潤子 Tel: 0745-54-1601   Fax: 0745-54-1600 E-mail: j.nohara@kio.ac.jp

2024.06.12

石川県輪島市でのボランティアレポート!~災害復興ボランティア部HOPEFUL

2024年6月1日(土)、災害復興ボランティア部HOPEFULに所属する2回生2名が石川県輪島市を訪れ、2024年1月に起こった地震により被害を受けた地域での、災害復興ボランティアに参加しました。地震が起こってから5ヶ月たった今の状況やボランティアの様子を報告します。 輪島市は、地震の震源地に近く、揺れが大きい場所だったため、全壊、半壊の建物が多い状況でした。場所によっては水道が通っていない場所もありました。まだ避難所生活の住民の方々がいて仮設住宅があり、街の復興が進んでいない様子が見受けられました。   実際のボランティアの様子         被災地の様子   ▼建物が押しつぶされています       ▼仏壇が見えることから直前まで人が住んでいたことが窺えます     ▼地震で倒壊して跡形もなくなっている家       ▼地震で窓が平行四辺形に変形し、家が前方に歪んでいることがわかります     ▼被災者の買い物支援プロジェクトのポスター     ▼炊き出しの献立     ▼炊き出しの様子       今回訪れた輪島市も含め、能登地方の復旧はあまり進んでいません。過去の震災より遅いと言われています。もっと石川県が復興するために、我々ボランティア部が活動していると言いたいところなのですが、今現在部員が少なく、思ったような活動ができていません。今回の報告で少しでもボランティアに興味を持っていただければ幸いです。   今回掲載した写真はほんの一部です。もっとご覧になりたい方、災害復興ボランティアに興味を持っていただけた方はぜひお問い合わせください!インスタにも活動内容を投稿しています!   毎週月曜日、木曜日に活動しています!体験入部も大歓迎なのでぜひお待ちしています!   Instagram : @kio_hopeful   災害復興ボランティア部HOPEFUL代表 現代教育学科 3回生 西條 志歩   ▶「災害復興ボランティア部 HOPEFUL」活動紹介記事はこちら

2024.06.12

第22回畿央祭実行委員Blog vol.4~学長先生へご挨拶に伺いました!

2024年6月4日(火)に、第22回畿央祭開催に先立って、統括(実行委員長・副実行委員長)が学長先生のもとへご挨拶に伺いました。   実行委員長より、テーマである「燎~かがりび~」に込めた想い、ポスターを描いてくれた統括より、ポスターに描いた想いを伝え、統括から開催に向けての意気込みをお伝えさせていただきました。   なかなかこのような機会はないのでとても緊張していましたが、学長先生もとても気軽に話してくださり、激励のお言葉をいただき、畿央祭に対する気持ちが統括一同、より一層高まる機会となりました。     第22回畿央祭は2024年10月19日(土)、20日(日)の2日間開催です。   昨年度より多くの方が来場してくださることを幹部一同楽しみにお待ちしております。畿央祭実行委員が畿央祭に向けて準備を進めていきますので、応援よろしくお願いいたします!     畿央祭副実行委員長 統括 船田樹希   ▶畿央祭実行委員会に関連するブログ記事はこちら  

2024.06.11

【プロジェクトゼミって何するの?③】建物の歴史的価値を活かして保存再生へ~人間環境デザイン学科 前川ゼミ

人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて様々な課題に取り組みます。それぞれの課題は、建築、インテリア、アパレルデザインのコースに準じた学びであることはもちろん、地域連携、歴史的建造物の保存再生、SDGs等多岐にわたる課題解決にも取り組みます。 このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。 前川 歩先生のゼミにはインテリアデザインコースの学生が多く在籍し、現在、以下の3つの建築物について、その歴史的価値を見出しながら保存再生デザインする方法を模索しています。   1.河合町 旧豆山荘 大正時代に建てられた建物を地域の方が利用できるコミュニティスペースとして活用できるよう、河合町へプレゼンを準備中。地域の方とともに、DIYでリノベーションしつつ、建物の歴史的価値を活かす提案を検討しています。産官学連携の取り組みです。 ▶旧豆山荘に関する以前の記事はこちら   2.田原本町 聖公会田原本聖救主教会 建物の調査を終え、再生活用方法を検討中です。   3.生駒市 近代建築 生駒市の所在する複数の近代建築の実測調査、資料調査を進めています。   本日のゼミは1と2のプロジェクトについて5人ずつのグループにわかれ、準備を進めていました。各プロジェクトの様子を少しご紹介します。 河合町 旧豆山荘グループ 河合町にプレゼンをするための準備を進めていました。5人はさらに「中庭の提案・住民とともに実施するワークショップ・内装インテリアを検討するグループ①」と「資料館となる離れの提案を進めるグループ②」に、3人と2人ずつにわかれて、話し合いながら細かな部分の作業を進めていきます。   グループ①の会話をご紹介します!   学生A:この机の枠、15mmくらいで大丈夫?   学生B:ちょっと薄すぎない?強度的にもう少しあったほうがいいかも…   学生A:25mmくらいかな?(図面の修正を加える)   という具合に、実際に使用することを想像しながら作業を進めています。3Dモデルの作成には「スケッチアップ」というアプリを使用し、慣れた手つきで修正をしていました。   グループ②に職員からも質問をしてみました!   職員:このプレゼン用のパワーポイントはとても分かりやすくてよくできていますが、作成方法はどのようにして学びましたか?   学生C:旧豆山荘のプロジェクトは去年から実施していて、この資料は昨年の3回生と作成しました。私たちはこのプロジェクトを先輩から引き継いで進めています。この資料すごくよくできていますよね。この資料をもとにさらに河合町との打ち合わせで指摘された事項を反映し、プレゼン内容を修正していっています。   先輩からも多くのことを学んでいるようです。7月の提案に向けて少しずつ準備が進んでいます。 田原本町 聖公会田原本聖救主教会グループ 1つのグループで外構やインテリア等の役割分担をして教会のリノベーション案を作成していました。   先生と学生の会話をご紹介します!   前川先生:外構に設置予定のタイニーハウスの試作模型を見せてください。   学生:教会の小屋組みを参考に、この登り梁と斜材をつなげてこのような架構を考えました。   前川先生:んー、ココが安定しないね。どうしたらいいだろう。   学生:そうですね。安定するようにこれを入れたのですが…。   前川先生:なるほど。それなら、こうしたほうが安定するんじゃないかな。       このように、学生の考えを聞きながら「なぜこうしたのか」「どうしたらいいと思う?」と問いかけながら学生と先生が一緒に課題を解決していました。   また、別のタイミングでは…   前川先生:これを組み立てる時、どうやって建てるつもりなの?   学生:このように先にフレームを組み立ててから建てれば2人くらいで建てられるかと思っています。   前川先生:組み立てるとグラグラで安定していないから建てられるかなぁ。   と、現場で組み立てることも想定した確認もしていました。模型では軽々と動かすことができますが、現場の資材ではそうはいかないため、模型と現場の違いについて学生に指導していました。     ▼完成した模型   他にも、図面を確認し、使い勝手や現場の施工を想定した素材の確認や維持管理方法について確認し、「なぜ現状(朽ちている、砂利をしいているなど)のようになったのか」という背景や歴史を理解し、どうすればいいかを考えるようにしていました。   地域のことを考え、実践に即して学べるのが、プロジェクトゼミの魅力ですね!     プロゼミ紹介プロジェクト     【関連記事】 【プロジェクトゼミって何するの?①】明日香村八釣地区「妙法寺」の実測調査Vol.1~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?②】SDGsの視点で地場産業を盛り上げよう~人間環境デザイン学科 村田ゼミ ABCテレビ「やすとものいたって真剣です」に本学教員が設計した住宅が登場!~人間環境デザイン学科 人間環境デザイン学科 学内コンペ「みんなで考える学び舎」レポート vol.4~製作開始! 地域住民と4大学が参加!「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」を開催します!~人間環境デザイン学科 2024年度 新入学生研修 学科別レポートvol.5~人間環境デザイン学科 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.1~台湾から大学生・教員が到着! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.2~課題への取組がスタート! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.3~現地調査や意見交換を進めました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.4~活性化案を発表しました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.5~最終日を迎えました!

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