2017年のすべての新着情報一覧
2017.05.22
平成29年度畿桜会(同窓会)役員会・総会・懇親会を開催しました。
畿桜会(きおうかい)は、畿央大学、畿央大学短期大学部、桜井女子短期大学の卒業生約1万人のための同窓会組織です。2017(平成29)年5月21日(日)、総会および懇親会が開催され115名の卒業生・教職員が参加しました。 総会の前には役員会が行なわれ、34名の役員により、事業報告等の総会議案の確認と畿桜会グッズの検討、今後の畿桜会(同窓会)と畿央大学の発展のための意見が積極的に交わされました。 総会は11時より食堂棟1階(なごみ)で、鈴木慶一代表幹事(健康栄養学科1期生)の議事進行のもと行なわれました。冒頭には唄畿桜会長(理学療法学科2期生)、続いて冬木正彦理事長先生のご挨拶があり、卒業生の皆さんの協力を得ながらこれからも力強く発展していく覚悟を示されました。 事業報告では、昨年度行われた同窓会関連の事業(総会・同窓会サロン・理学療法特別講演会・冬木学園70周年への寄付)が報告され、昨年の総会で作成が承認された、第1号のグッズ(畿桜会ロゴ入りジェットストリームボールペン)を受付で配布しました。 事業計画では、平成29年度の取り組みとして、10月21日(土)・22日(日)に畿央祭同窓会サロンを開催すること、11月26日(日)に理学療法特別講演会を実施すること、今年度新たな取り組みとして、9月9日(土)に「健康栄養卒業生交流会(仮)」を開催することが決議されました。 なお、卒業生の皆さんから好評を博している同窓会開催補助については、補助の人数枠の下限上限を増やし、様々な形態の同窓会を支援し、補助金を継続することが承認されています。 参加人数 補助金額 畿央大学 畿央大学 短期大学部 助産学専攻科 桜井女子 短期大学 畿央大学 大学院 5名~9名 10,000円 - - ● ● ● 10名~14名 20,000円 ● ● ● ● ● 15名~19名 30,000円 ● ● ● ● ● 20名~24名 40,000円 ● ● ● ● ● 25名~29名 50,000円 ● ● ● ● ● 30名~34名 60,000円 ● ● ● ● ● 35名~39名 70,000円 ● ● ● ● ● 40名以上 80,000円 ● ● ● ● ● ※詳細は同窓会開催に関わる補助についてをご覧の上、お申込みください。 その後、平成28年度決算・事業結果報告、平成29年度予算・事業計画が承認され、最後に新役員紹介がありました。 正午からは、カフェ カトレアに会場を移して、松井駿士(津野)代表幹事(健康栄養6期生)による司会のもと、懇親会からご出席いただいた冬木智子名誉学園長によるご挨拶で懇親会がスタートしました。料理は昨年から学食を運営している不二家商事にお願いして、見た目も美しい食事とスイーツ、アルコール類も豊富に用意しました。今回の同窓会には、退職された先生方を含め総勢34名の教職員がご出席くださいました。久しぶりの大学、恩師や旧友との再会に終始笑顔の絶えない楽しい時間を過ごしました。 懇親会恒例となっているビンゴゲームの司会は、新任代表幹事2名に務めていただきました。今年の1等は「3万円分の旅行券」、2等「USJ年間パスポート(1名分)」、3等「ナノイードライヤー」、4等~25等には調理家電、お酒、スタバカード、QUOカード、図書カード、マックカードなど、総勢25名に豪華景品が当たりました。見事ゲットされた皆さま、おめでとうございました! 来年度の総会は2018(平成30)年5月20日(日)に決定しました。多数のご参加お待ちしております。
2017.05.22
平成29年度離島・へき地医療体験実習 宇陀市大宇陀地区実習レポートvol.3~看護医療学科
看護医療学科4回生の必修科目である「離島・へき地医療体験実習」が5月16日(火)~5月18日(木)の3日間行われ、奈良県内5か所の実習地にわかれて学生たちが参加しました。大宇陀地区での実習3日目の様子をレポートします。 最終日(5月18日) 大宇陀での実習も最終日を迎えました。2日間にわたりとてもハードなスケジュールで広い大宇陀の中で活動したため、多少の疲れも見えましたが、この日も朝から病院班・曽爾村班・大宇陀班に別れて元気に実習を開始しました。 ▼大宇陀での訪問看護実習先での思い出の一コマ 大宇陀の大熊地区を訪問しました。そちらに一人で暮らす女性は、「息子たちが隣り町に家を建てて引っ越し、自分も一緒に来るようにと言われたけれど、先祖や亡くなった夫との想い出が詰まったこの村に残る決断をした」と話されました。コミュニティバスを利用して、買い物に出かけて、自分で下ごしらえから手を加えたものを食べることが健康の秘訣、というお話でした。野菜の保存の仕方なども教わり、下宿している学生は「参考になることを教えてもらえてよかった」と喜んでいました。 ▼最終日に訪れた大宇陀の町屋にある老舗旅館【日の出館】 現在は女将が90歳を超えているため旅館は閉じていますが、大宇陀の町が活気づいていた時代の面影がうかがえる門構えや帳場に飾られた品々を目にして、学生は「見たことない物や建物の造りに感激した」と話していました。ここでは、90歳の女将を手伝って、庭木の手入れや廊下の掃除、古くなった障子の張り替えをしました。普段は、玄関や窓も閉められていて静かな旅館に、学生たちが訪れて掃除をしている様子を目にした近隣の方が、「女将に何かあってザワザワしているのでは・・」と気遣って電話を下さるというハプニングもありました(笑)そのハプニングから学生は「近所の人が周囲の人をいつも気遣っている町なんですね」という学びを得ていました。 ▼障子の張替えを手伝う学生たちと女将さん ▼タクシーの運転手さんも見かねて障子はりを手伝ってくださいました。 ▼日の出館の中庭をプロ顔負けの技で剪定した学生たち 3日間の実習は、あっという間に過ぎて大宇陀を離れる学生は、お世話になった場所で自分たちの学びを再確認し、感謝の気持ちを伝えて帰宅の途につきました。 大宇陀ラガールでご指導いただいた内田俊子主任ケアマネージャーから、「看護を学んで知識や技術を身につけることも大切ですが、生活者としての高齢者の心の叫びを聴きとれる力をみがくことを忘れないでほしい」という言葉をいただきました。 ▼内田俊子主任ケアマネージャー様よりお言葉をいただく学生の様子 3日間の実習、本当にお疲れさまでした。この学びはきっと皆さんの人生を豊かにしてくれると信じています。お世話になった大宇陀の多くの方々や市立病院、曽爾村の方々に深く感謝します。 看護医療学科 急性期看護学 講師 大友絵利香 【関連記事】 平成29年度離島へき地医療体験実習 宇陀市大宇陀地区レポート~vol.1 平成29年度離島へき地医療体験実習 宇陀市大宇陀地区レポート~vol.2 離島・へき地医療体験実習(宇陀市)レポート! ~看護医療学科(平成28年度)
2017.05.22
平成29年度離島・へき地医療体験実習~宇陀市大宇陀地区レポートvol.2
看護医療学科4回生の必修科目である「離島・へき地医療体験実習」が5月16日(火)~5月18日(木)の3日間行われ、奈良県内5か所の実習地にわかれて学生たちが参加しました。大宇陀地区での実習2日目の様子をレポートします。 2日目(5月17日) 2日目は、宇陀市介護予防事業aiクラブにて体力測定や骨密度測定を行い、生活指導をさせていただきました。本学の学生は今年で3年目の訪問ですが、毎年参加してくださる方々が心待ちにしてくださることが大変うれしいです。 ▼aiクラブに足を運んでくださった宇陀市の方々 体力測定の結果と生活習慣や若いころの職業などとの関連性を考え、今後も転倒や骨折を避けて現在の健康レベルを維持するための注意点などについてお話させていただきました。 ▼体力測定の結果を踏まえて、参加してくださった皆さんに健康指導をする様子 ▼参加者のみなさんと一緒に、健康維持のために音楽に合わせて体操 ▼骨密度測定 身体の運動だけでなく、学生が考えた文字ゲームや計算で頭の体操を紹介し、参加者の皆さんも学生と一緒に和気あいあいと計算に挑戦されていました。 ▼実習生も一緒に文字ゲームに参加 夕方は、宇陀キャラバンメイト連絡会の皆様から、「認知症サポーター養成講座」の講義を受けました、認知症予防の体操なども紹介していただき、認知症の方々を理解して温かく見守り続けることについて再考する機会となりました。 大忙しの2日目が過ぎてみんな疲れ気味ですが、地域の方々に温かく接していただき助けられていました。この日は宿のオーナーが屋外でバーベキューを企画してくださり、美味しい宇陀のお肉とおにぎりで満腹になりました。 さあ、明日は最終日です!またそれぞれのグループに別れてたくさんいろんな経験を持って帰りたいと思います。 看護医療学科 急性期看護学 講師 大友絵利香 【関連記事】 平成29年度離島へき地医療体験実習 宇陀市大宇陀地区レポートvol.1 離島・へき地医療体験実習(宇陀市)レポート! ~看護医療学科(平成28年度)
2017.05.22
平成29年度離島・へき地医療体験実習~宇陀市大宇陀地区実習レポートvol.1
看護医療学科4回生の必修科目である「離島・へき地医療体験実習」が5月16日(火)~5月18日(木)の3日間行われ、奈良県内5か所の実習地にわかれて学生たちが参加しました。 そのうちの1か所である宇陀市大宇陀地区には19名の学生が元気いっぱい実習させていただきました。地域の医療職や介護職の方々、交通の便が悪い山中にお住いの高齢者の方々に多大なご協力を得て、たくさんの体験や感動、学びがありました。その様子を報告させていただきます。 初日(5月16日) 爽やかな風が吹き空は真っ青で、正真正銘の五月晴れでした。8時30分に榛原駅に集合した学生は、榛原地区にある宇陀市立病院、大宇陀地区にある大宇陀特別養護老人ホームラガール、宇陀郡曽爾村にある宇陀訪問看護ステーション東宇陀支所にわかれて実習を開始しました。 ▼大宇陀ラガールで、地域の高齢者と歩行訓練をする本学の実習生 大宇陀地区では、様々な社会資源を活用しながら山間部で生活する90歳代独居高齢者のお宅を訪問しました。膝関節の変形や歩行能力の低下がありながらも、段差や畳の生活を余儀なくされる古民家に過ごされている方たちですが、先祖を守りたいという気持ちや自分が生きてきた場所への愛着と生活支援のサポートがあることで、平穏で文化的な生活を送られていました。学生たちは、竹やぶで筍掘りをさせていただいたり、大正琴を教えていただいて合奏するなど楽しい時間を過ごさせていただきました。また、下肢のリンパ浮腫で生活に不自由があるという問題を抱えておられることに対して、自分たちで作成したパンフレットを用いてスキンケアや運動について説明しました。 ▼介護サービスを受けながら、独居を続けている女性宅を訪問する実習生 曽爾村では、蛇行する山坂をのぼり商店や医療機関から離れた場所で慢性疾患を持ちながら暮らす高齢者宅や人工呼吸器を装着した小児を自宅で介護するお宅に伺いました。学生たちは、清潔ケアや生活指導をさせていただきながら、お話を伺うことができたようです。「将来は、この村に住んで訪問看護がしたい。それくらい曽爾村に住まう人が温かくて、健康問題を抱えていても明るく生活している姿に感動した」と訪問先から帰って真っ先に話す学生もいました。ステーションの看護師さんたちは、地域に長く住んでおられることもあって、訪問先の方々とまるで家族のように親密な関係性を構築しておられます。学生はその関わりから、住み慣れた家でずっと暮らし続けるために必要なサポートを学びました。 実習1日目から、盛りだくさんの内容を体験した学生は、宿泊地である大宇陀本郷地区にある椿寿荘に戻り、夕食をいただきました。大宇陀地区は水田が多く水がきれいな土地柄もあり、稲作が盛んな場所として知られています。宿でもつややかでふっくらした御飯に大満足でした。夕食後には、全員で1日目の学びを共有しましたが、想像以上に学生が深い学びを得ていたことに教員は大変うれしく思いました。 明日は、いよいよ実習のメイン行事である「宇陀市介護予防事業 aiクラブ」での体力測定と健康指導が待っています。宿の温泉で疲れをいやして、明日への鋭気を養いました。 看護医療学科 急性期看護学 講師 大友絵利香 【関連記事】 離島・へき地医療体験実習(宇陀市)レポート! ~看護医療学科(平成28年度)
2017.05.20
平城京天平祭「さくら茶会」に参加しました!~茶道部
5月3日(水・祝)~5日(金・祝)の3日間にわたり、平城旧跡・大極殿で開催された「平城京天平祭」が開催されました。 天平祭初日に、畿央大学茶道部(指導顧問:健康栄養学科冬木啓子先生、部員、OB・OG、あわせて20名以上)が、「さくら茶会」に参加しました。畿央大学は、2011年から毎年参加しており、今回で7年目です。 今年も300名を超すお客様をお迎えし、お一人お一人に寄り添える心を大切にして、お茶席を務めさせて頂きました。普段の練習の成果をこのような機会に披露できることは、私たち学生にとって大きな励みになります。スタッフの皆様はじめ多くの方々にお見守り頂きながら、おもてなしの心の大切さを学ぶことができる貴重な体験ができましたことを感謝しております。 健康栄養学科2回生 井戸上優希 【関連記事】 平城京天平祭2017「天平行列」に参加!
2017.05.20
第52回日本理学療法学術大会で約30演題を発表!~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
2017年5月12日(金)〜14日(日)に幕張メッセで開催された第52回日本理学療法学術大会に参加・発表してきましたので、私(水田直道 健康科学研究科 修士課程)がレポートさせて頂きます。 本大会は理学療法士学会・各分科学科が合同で開催される最後の大会であり、参加者は約6500人と非常に多くの先生方が参加されました。本大会のテーマは『理学療法士の学術活動推進』と題され、講演では研究デザインや研究意義、質の高い理学療法研究の進め方、理学療法教育など学術活動に即した内容が充実していました。3日間の会期中には、ニューロリハビリテーション研究センターから約30演題の研究成果が報告されました。 (演題一覧は2017年度研究業績(国内学会)をご参照下さい) 中でも、今回は森岡周センター長から『脳卒中片麻痺上肢における運動イメージ能力と運動機能ならびに身体使用頻度との関係』のタイトルで、運動イメージ能力が片麻痺上肢の運動機能や麻痺肢の使用頻度に関係するかという視点で研究成果の紹介が行われました。発表セッションの構成から発表時間、質疑時間とも10分間と他の発表演題と比較して与えられた時間が豊富であり、非常に充実したディスカッションの場であったように感じました。 ニューロリハビリテーション研究センター特任助教の大住倫弘先生が日本運動器理学療法学会学術集会 学術集会長賞を受賞されました。大住倫弘先生は運動器疼痛疾患のリハビリテーションに関する臨床研究を中心に行っており、このような内容が学会で認められたことは、本学のニューロリハビリテーション研究を推し進めていくうえで、非常に大きな原動力になるものと感じます。また基礎理学療法学会が企画する『若手研究者(U39)による最先端研究紹介』でシンポジストとしても登壇され、幻肢痛や複合性局所疼痛症候群(Complex Regional Pain Symdrome:CRPS)に出現する運動異常の解析結果を報告されました。 ちなみに私は、神経理学療法学会で『脳卒中患者における歩行のTrailing Limb Angleの構成因子-予備的研究-』というタイトルで発表させて頂きました。神経理学療法学会では脳卒中症例の歩行改善に向けた取り組みが多く発表され、近年急速に普及しているロボットリハビリテーションや装具療法に関する発表も散見されました。この分野は介入研究による科学性の追求に加え、歩行の病態特性に応じたサブタイプに分類を通してそれぞれの特性に応じた介入戦略を検証していく必要があり、ロボットリハビリテーションに代表される『練習量』に焦点を当てた戦略に加えて歩容や歩行パターンなど『質』まで包含した検証を取り組んでいく必要があると強く感じました。本学会を通して多くを学ぶことができましたが、特に同じ領域の研究をされている方々と未来志向的にディスカッションできたことが一番の収穫でした。今後は自身の研究の質をさらに高め、リハビリテーションという文脈の中で社会的に意義のある研究に挑戦していきたいと思います。 最後になりましたが、このような貴重な経験ができたのは、畿央大学の研究活動に対する手厚い支援と森岡周教授をはじめとする多くの方々のご指導やご協力があってのものです。このような環境で学ばせて頂いたことに深く感謝致します。ありがとうございました。 畿央大学大学院健康科学研究科修士課程 水田直道
2017.05.20
経頭蓋直流電流刺激によって社会的認知機能が向上することを明らかに~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
経頭蓋直流電流刺激により社会的認知機能が向上することを明らかに 自閉症スペクトラムに関連する社会性の神経メカニズムを説明する基礎的知見へ 「自他区別」、すなわち自分の思いや考えと他者の思いや考えは異なることがあると理解した上で、他者の考えや意見を参考にしつつ、自身の考えや意見をより良いものにしていく能力は、社会生活において重要です。一方で、「視点取得」すなわち他者の視点に立って物事を考える能力は、他者の意図や感情といった心的状態を適切に理解する上で重要です。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの信迫悟志らは,経頭蓋直流電気刺激(transcranial Direct Current Stimulation:以下,tDCS)を用いて、右頭頂-側頭接合部および右下前頭皮質の神経活動を促進すると、「自他区別」や「視点取得」といった社会的認知機能が向上することを明らかにしました。これは、社会性の神経基盤を説明する基礎的知見になるものと期待されます。この研究成果は、Frontiers in Behavioral Neuroscience誌(Transcranial direct current stimulation of the temporoparietal junction and inferior frontal cortex improves imitation-inhibition and perspective-taking with no effect on the Autism-Spectrum Quotient score)に掲載されています. 研究概要 自閉症スペクトラムは、主に社会性に困難を認める発達障害です。自閉症スペクトラムの神経科学的な説明として、右頭頂-側頭接合部(Temporo-Parietal Junction:以下、TPJ)や右下前頭皮質(Inferior Frontal Cortex:以下、IFC)の機能不全が指摘されています。TPJは他者の心的状態を見出したり推論したりする能力(メンタライジング)の中核領域とされています。IFCは、模倣や共感の神経基盤とされるミラーシステムの主要領域です。 「自他区別」や「視点取得」のような社会的認知能力を客観的かつ定量的に測定するのには、困難が伴います。そんな中、自他区別能力を反映する課題として、模倣抑制課題(図1)があります。この課題は、画面上に表示された数字に従って、人差し指か中指を持ち上げる課題です(①なら人差し指、②なら中指)。その際、指示と動画が一致している条件と異なっている条件があります。通常、ヒトは目前の他者の運動を真似ることよりも、他者の運動と異なる運動をすることの方が難しくなります。これは模倣や共感を担うミラーシステムの自動的活性化によるためとされています。したがって、ミラーシステムの働きによって、一致条件の反応時間や正答率は促進され、逆に不一致条件では他者運動に干渉を受けて、反応時間が遅くなったり、正答率が低下します。つまり他者の運動につられてしまうわけです。この影響を「模倣干渉効果」と呼び、それが小さくなるほど自他区別がしっかりできていることの一指標となります。 図1:模倣抑制課題 また視点取得課題(図2)では、素早く他者の視点に立って物事を見る能力を定量的に測定することができます。図2の視点取得条件をご覧ください。あなたはラックの手前に立っています。ラックの向こう側では、男性があなたに向かって「1番大きなコップに触れてください」と指示を出しています。実際、1番大きなコップは青丸で囲んだコップですが、この条件では指示を出している男性からはそのコップが見えていないことに気が付く必要があります。そして、男性が言っている1番大きなコップとは、赤丸で囲んだコップだと認識する必要があります。 図2:視点取得課題 信迫らの研究グループは、DCSという脳活動を修飾することできるニューロモデュレーション技術を用いて、自閉症スペクトラムにおいて機能不全が指摘されているTPJとIFCの脳活動を一時的に促進させた際の模倣抑制、視点取得、そして自閉症スペクトラム指数(Autism spectrum Quotient:以下,AQ)に与える影響について検討を行いました。AQとは、個人の自閉症傾向を測定するスクリーニング検査です。その結果、TPJ刺激とIFC刺激の両方において模倣抑制と視点取得が促進されることが示されました。一方で、AQには影響を及ぼさないことも示されました。 本研究のポイント tDCSによるニューロモデュレーション技術によって、自他区別や視点取得に関係する大脳皮質領域を明らかにした。 研究内容 本研究ではtDCSを用いて、TPJとIFCの神経活動を一時的に促進する手続きを加えることで示される模倣抑制や視点取得、AQへの影響を検討しました。実験では、右TPJを刺激する群と右IFCを刺激する群の二群を設定し、それぞれプラセボ刺激(脳活動に影響を及ぼさない刺激)を加え、模倣抑制課題と視点取得課題の正答率、反応時間およびAQを測定しました。その結果、TPJ刺激とIFC刺激の両方の群において、AQに対しては影響を及ぼさないものの、模倣抑制と視点取得の反応時間を促進することが示されました(図3,4). 図3:模倣抑制課題の結果 図4:視点取得課題の結果 模倣抑制は、眼前の他者運動を抑制して指示に従う必要があるため、他者を抑制し、自己を促進する課題とも言えます。一方で、視点取得は自分の見えを抑制して他者の視点に立つ必要があるため、自己を抑制し、他者を促進する課題とも言えます。このように一見すると対照的な課題ですが、本研究ではTPJとIFCの両方が両課題に関与していることが示されました。この研究結果に対して研究グループは、IFC(ミラーシステム)とTPJ(メンタライジング)は社会的認知において競合するシステムではなく、所与の行動的状況において適切な社会的相互作用を確実にするために、お互い相乗的・相補的に働くシステムであると考察しています。 本研究の意義および今後の展開 本研究成果は、自閉症スペクトラムに関連する社会性の神経メカニズムを説明する基礎的知見のひとつになるものと期待されます。本研究により、TPJとIFCの両方が自他区別と視点取得に貢献していることが明らかになりましたが、自閉症スペクトラム傾向を反映するAQとの関連については未だ明らかになっておらず、この点に対する更なる研究が望まれます。また、本研究成果は、模倣抑制や視点取得といった運動・行動課題による訓練が社会性の向上につながる可能性も示唆しており、今後は社会性向上を目指したニューロリハビリテーションに関する研究も望まれています。 論文情報 Satoshi Nobusako, Yuki Nishi, Yuki Nishi, Takashi Shuto, Daiki Asano, Michihiro Osumi, Shu Morioka. Transcranial direct current stimulation of the temporoparietal junction and inferior frontal cortex improves imitation-inhibition and perspective-taking with no effect on the Autism-Spectrum Quotient score. Frontiers in Behavioral Neuroscience. 2017 問合せ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 特任助教 信迫 悟志(ノブサコ サトシ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.nobusako@kio.ac.jp
2017.05.20
近鉄連携「香芝SAフードコート 麺メニュー開発プロジェクト」プレゼンテーション会を開催!
健康栄養学科2回生13グループ46名が考案したメニューをプレゼン! 畿央大学は今年も株式会社近鉄リテーリングと連携して、西名阪道 香芝SAで提供する「メニュー開発」に取り組んでいます。昨年は「丼メニュー開発」に携わり、グランプリ受賞の「大和ポークねばねばアボカ丼」、準グランプリ受賞の「まほろば大和のうるわし豚丼」は香芝SAのフードコートで、特別賞受賞の「1杯で2度美味しい一石二豚丼」、「ヤマトポークのトントン丼」は岸和田SAで人気メニューとして現在も販売されています。 そして、今年は「麺メニュー」をテーマとして、平成29年5月18日(木)健康栄養学科の食品開発に興味のある2回生13組46名(指導教員:中谷 友美先生、米田 武志先生、小西 佳奈先生)がプレゼンテーション会に挑みました。 課題は「フードコートで販売する麺メニュー」で、奈良らしさを感じるメニューで繁忙時の現場オペレーションに耐えうるレシピ(簡単かつ短時間調理)等の厳しい条件をクリアする必要があります。今回のプレゼンテーション会では、㈱近鉄リテーリングの取締役SA事業部長 岩崎 雅浩氏、香芝SA支配人 山中 久次氏、同副支配人 永田 敦史氏の前で、先日開催された香芝SA見学会で得た情報を元に構想したメニューを発表しました。 グループの発表後には近鉄リテーリングの皆様から貴重なコメント、評価を述べていただきました。さらに全発表が終了した後に岩崎氏から総評として、「例年と比べても非常に高いクオリティの提案が多かった」と評していただき、今後について「コスト面を意識した上で商品の価値について深く考えてほしい」とのお言葉を頂戴しました。 ▼㈱近鉄リテーリングの取締役SA 岩崎事業部長をはじめとする香芝SAの方々 学生たちは、実際に企画や販売をされる現場の方たちの貴重なコメントに対して熱心にメモをとり、今後のメニュー開発に活かしていこうと意欲的でした。 今後のスケジュールは、6月8日(木)にメニュー質問会、6月22日(木)にレシピ検討会、そして7月8日(土)にコンテストを実施し、10月頃には西名阪道 香芝SA上下線にて発売開始予定です。ご期待ください! 【関連リンク】 近鉄連携「香芝SAフードコート 麺メニュー開発プロジェクト」でサービスエリアを見学! 近鉄連携「香芝SAフードコート 麺メニュー開発プロジェクト」が始動しました。 近鉄連携 西名阪自動車道香芝サービスエリアで畿央生が作った「大和ポークを使った丼メニュー」が発売されます。 近鉄連携 阪和自動車岸和田サービスエリアで畿央生が作った「大和ポークを使った丼メニュー」が発売されます。
2017.05.19
2017年度「マミポコ親子ひろば」初回の活動報告!
近隣の未就園児の親子を対象に、第2、第4火曜日の午前10:00から畿央大学の和室を親・子・大学生のコミュニケーションの場として提供している「マミポコ親子ひろば」。自由遊び、手遊び、絵本の読み聞かせ、体操遊びなどをして元気いっぱい活動しています。 5/9(火)に、今年度最初の「マミポコ親子ひろば」を開催し、以下の内容で交流を楽しみました。 ◯自由遊び ◯絵本『だるまさんの』 ◯ふれあい遊び『ひっつきもっつき』 ◯体操『わ~お!』 当日は、1組の親子が参加してくださいました!子どもの人数よりも学生数が多かったのですが、滑り台やままごとセットなどで楽しそうに遊んでくれていたのでとても良かったです。 これから参加してくださる親子が増えてくると、保護者同士、子ども同士など様々な交流の場になっていけると思います。 多くの方に参加していただけるように頑張りますのでよろしくお願いします。 次回の活動は、5月23日(火)に和室で行います。ご参加をお待ちしております! なお、今年度は定員にまだ余裕がありますので新規のご参加を受付しています。お申し込みはコチラから、お願いします。 現代教育学科3回生 笹井綾子
2017.05.19
お笑い芸人「コロコロチキチキペッパーズ」がビーチラグビー部を直撃取材!
5月18日(木)、お笑い芸人「コロコロチキチキペッパーズ」のナダルさん・西野創人さんと、「ヒガシ逢ウサカ」の高見雄登さんが、畿央大学ビーチラグビー部の取材で来学しました! これは、ケーブルテレビ KCNファミリーチャンネル 毎週月曜9時放送「コロコロチキチキペッパーズのやっべぇぞ!!」という番組で、学校の部活動などに戦いを挑む…という企画内容です。 コロチキの二人は、部員と一緒に練習で汗を流しながら、ビーチラグビーを初体験。無茶振りや突然のインタビューにもしっかり受け答えする畿央生の姿に驚きを隠せない様子でした。 ▼試合前の練習風景 練習が終わってからは、いよいよ「全国大会で2連覇を果たした女子チーム」対「コロチキの2人を擁する男子チーム」とでガチンコ勝負へ! ▼試合前の両チーム ▼ナダルさんに果敢にタッチに向かう女子チーム ▼ナダルさんへ向けパスを出し、ゴールを狙う男子チーム ▼ビーチラグビー部員も全員で応援!! 炎天下の暑さに負けないくらいに白熱した試合に!結果は果たして!?…6月の放送をご期待ください! 試合後には、各チームのキャプテンに試合の感想と今後の抱負をインタビュー。 ▼今年の抱負を語るビーチラグビー部員 【左:人間環境デザイン学科3回生 清水真夏さん / 右:現代教育学科4回生 伊藤涼さん】 ▼全員で記念撮影!!! 畿央大学ビーチラグビー部は女子が現在、全国大会で2連覇を果たし、男子は昨年B2トーナメントで優勝を果たしています。女子は3連覇、男子は全国大会出場権の獲得という目標に向けて頑張っているところです。応援よろしくお願いします!! ▼撮影後には、ビーチラグビー部からのサインのお願いにも丁寧にご対応いただきました。 ナダルさん、西野さん、高見さん、畿央大学までお越しいただきありがとうございました! 「コロコロチキチキペッパーズのやっべぇぞ!!」6月の放送(下記の日程で放送します)で畿央大学ビーチラグビー部が登場します。KCNに加入されていない方も、後日KCNホームページでご覧になれます。 【放送日時】 放送チャンネル:地上11CH KCNファミリーチャンネル 初回放送:6月1日(木)12:30~ 再放送:6月15日まで 放送時間:月曜 21:00~ 火曜 8:00~、24:30~ 水曜 19:00~ 木曜 12:30~ 金曜 22:30~ 土曜 なし 日曜 21:30~ 【関連リンク】 ビーチラグビー部女子チーム、全国大会2連覇を達成! https://www.kio.ac.jp/information/2016/08/30-27.html KCNホームページ http://tv.kcn.jp/