2023年のすべての新着情報一覧
2023.12.15
「精神看護学実習」施設実習レポート!~看護医療学科
看護医療学科3年次後期は臨地実習に行き、急性期・慢性期・母性・小児・精神・老年・在宅看護学・クリティカルケア実習に計15週間の実習を行います。その一つである精神看護学実習では、病院と施設に分かれて2週間の実習を行います。今回、地域実習施設である一般社団法人イーデンホール(生活介護事業・B型就労継続支援事業・訪問看護ステーション)様での実習について、参加学生の感想をお伝えします。 実習へ行く前は、精神看護は難しい、少し怖いというマイナスのイメージがあり不安を感じていました。実際に実習中もコミュニケーションのとり方にとても悩みました。しかし試行錯誤していく中で、コミュニケーションは言葉のキャッチボールだけでなく、同じ空間にいることや、相手に関心を持つこともコミュニケーションであると学び、上手く関わりを持つことができるようになりました。そのことで、精神看護へのイメージを良い方向へ変化させることができました。また、今回の実習で、精神疾患を抱えながら地域に暮らす人達がたくさんいることを実感しました。今後は、今回の実習での学びを自身の看護に活かしていくとともに、疾患を抱えながら地域に暮らす方たちを支えていくために、看護師としてどのような役割があるのか、考えを深めていきたいと思います。 精神看護学施設実習で学んだことは、精神疾患を患っている方とのコミュニケーションです。信頼関係を形成するためには、接する機会を重ね、楽しむことができる世間話をして、徐々に互いの心の距離を近づけていくことが必要です。精神疾患を患っている方には、なかなか自分の思いを発言することができない方もいらっしゃいましたが、徐々に心の距離が近づいていると日々の関わりを通して感じることができました。精神疾患を患っている方も、自分たちと同じように初対面の人には緊張し、人と人が仲良くなっていくように、心の壁を取り除いてくれるのだと感じました。 私たちは精神看護学実習で、疾患を治療する場である病院ではなく、精神疾患を抱える人達が生活する場である生活支援施設で実習をさせていただきました。特に印象に残ったことは、私たちで企画・実施をしたレクリエーションです。普段自分から動かない人が積極的にレクリエーションに参加している姿が見られ、利用者さんの新たな一面を知ることができました。さらに、利用者さんの新たな一面を見られたことで、他の利用者さんや施設の方、私たちもすごく嬉しい気持ちになりました。このレクリエーションを通して、その人にできることを決めつけてしまうことは、持てる力を奪ってしまうということを学ぶことができました。実習では受け持ちの利用者さんと上手くコミュニケーションがとれず、悩むことも多かったですが、実習メンバーや先生、スタッフさんの助力もあり、学ぶことが多かった以上に、楽しんで実習を終えることができました。 利用者のみなさま、施設のスタッフの方々に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。 看護医療学科3回生 福原 拓時、梅澤 津柚乃 小笠原 佳子、谷口 晴美、光吉 彩華 関連記事 ハンセン病療養所を訪問、当事者家族の声を聴き「医療と人権」を学ぶ~看護医療学科「健康学特論」 「地域包括ケア実習」が新しく始まりました!~看護医療学科 外部講師による講義「筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の看護について」~看護医療学科「慢性期看護学援助論Ⅰ」 2023年度 看護医療学科卒業研究発表会を開催! 令和5年度「チーム医療ふれあい実習」実践発表会を開催!~看護医療学科 奈良県看護協会主催「訪問看護インターンシップ」参加レポート!~看護医療学科 JICAでの保健・医療活動の実際を通しての学び②学外演習編〜看護医療学科「国際看護学Ⅱ」 JICAでの保健・医療活動の実際を通しての学び①外部講師による講義編〜看護医療学科「国際看護学Ⅱ」 「薬害の実情」と「患者の人権」を学ぶ~看護医療学科「保健医療福祉システム論Ⅰ」 手術を受けた患者をイメージした「患者モデルの作成」と術後看護演習~看護医療学科「急性期看護学援助論Ⅱ」 4回生から3回生へ学びの伝達「緩和ケア病棟の実際―病院インターンシップ実習を経験した上級生とのディスカッションー」~看護医療学科「終末期ケア論」 「臨死期の看護を学ぶ」エンゼルメイクの演習を実施! ~看護医療学科「終末期ケア論」 外部講師による講義「国外における国際看護と国際看護活動に必要な能力について」~看護医療学科「国際看護学Ⅰ」 2023年度 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポート~看護医療学科 外部講師による講義「看取りを体験した遺族に対する看護の課題」~看護医療学科「終末期ケア論」 2023年度新入生研修 学科別レポートvol.1~看護医療学科
2023.12.15
【開学20周年記念】11/25(土)現代教育学科記念講演&シンポジウム「デジタル社会の教育改革」を開催しました。
2023年11月25日(土)13時より冬木記念ホールにて、畿央大学開学20周年記念イベントとして、第1部の記念講演と第2部のシンポジウムを開催しました。一般参加71名、卒業生16名、在学生17名、教職員30名の134名が出席しました。 現在、教育の現場では、デジタル社会の中で主体的に生きていくことのできる資質・能力の育成をめざした取組が進行中です。畿央大学においても、数理・データサイエンス・AI教育や次世代教育センターの設立などが進められ、教育学部では、2023年度より中高数学教員免許課程が新設されました。 今回の記念講演&シンポジウムは、開学20周年を迎え、これからのデジタル社会における教育についての知見を深める機会として実施しました。 第1部は、オリィ研究所代表取締役所長の吉藤オリィさんによる「教育形態の変化と可能性」をテーマとした記念講演でした。奈良県出身で、分身ロボット「OriHime」や分身ロボットカフェなどで有名なロボット研究者オリィさんが、どのようにロボット研究に歩まれてきたのかを、ユーモアも交えながらお話しいただきました。 「人類の孤独の解消」を研究テーマとするオリィさんのお話の中で、人との出会いがオリィさんの生き方に大きな影響を与えてくれたこと、寝たきりであった方が分身ロボットができたからこそ外に出て人と出会う機会が増えたこと、そして最大のご友人である故・番田雄太さんのビデオメッセージなどから、人と人とのつながりが、これからの社会の中で大切になってくることを強く感じさせていただきました。そして、このことは、本学の今後の歩みに大きなご示唆をいただきました。 参加者からは、「OriHimeの誕生過程を知れただけでなく、オリィさんの哲学から今後の生き方を考えさせられました。オリィさん、滅多にない機会をありがとうございました。」「オリィさんのお話は、とても興味津々に聞かせていただきました。特に、人を癒やすのは人間だ、という言葉が印象に残りました。」「オリィさんのOriHime の活動は、これからの日本を支えていく存在だと思います。」「学びが多く、よいイベントだった。心に響く活動内容に共感しました。」などの感想をいただきました。 第2部は、「数学・理科の融合と学習の多様化の可能性を探る」をテーマとしたシンポジウムでした。 我が国の情報教育現場の最前線にいらっしゃる経済産業省商務・サービスグループサービス政策課教育産業室室長補佐の柴田仁志様(文部科学省から出向)からは、「STEAM教育と教育DX」についてのお話をいただきました。柴田様は、教員の働き方改革、男女共同参画にも携わっておられ、多様な学校内外のリソースを活用した新たな「ビュッフェ型の学び」「学校内外のリソースの活用」「日本の金融資産の状況」「教育投資の増加に向けた幅広い教育の方向性」を具体例と共に分かり易く提示してくださいました。 本学の奥田俊詞教授からは「STEAM教育のいざない」と題して小学校・中学校における「物理現象を解決する教材開発」の提案、横弥直浩教授からは「数学と理科の融合の場面」と題して現場経験を基にした探究活動と生きる力の話題提供、藤井克哉講師からは「数理教育の重要性について−自身の研究領域の視点から−」と題して大学における数学、理科の教科横断的な学習の必要性と教員養成の話題提供がありました。 フロアとの意見交流は途切れなく活発に行われ、日本のデジタル教育やそのシステム投資、STEAM教育実践、児童生徒の関心事にアプローチしていく重要性についての話題が中心となりました。 参加者からは、「STEAM教育は採用試験の勉強の際に知った言葉だが、内容はよく知らなかったため、STEAM教育について深くお話を聞くことができてよかった」「IT技術を利用したSTEAM教育の様々な可能性にとても期待している」「立場の異なる視点からの提案により、教育の多様性を感じることができた」といった感想がありました。 講演、シンポジウム終了後は食堂「カトレア」に会場を移し、第3部として講師やシンポジストも交えた懇親会が開かれました。 オリィさん、柴田様とゆっくりと話ができて嬉しかったという感想の他に、久しぶりに会う本学の教員とゆっくりお話ができたこと、カジュアルな空間が良いこと、軽食としては豪華なこと等の感想がありました。 畿央大学開学20周年における教育学部イベントを通じて、今後もより一層、建学の精神のもと、教育の推進に向けた決意を新たにしました。 【関連リンク】 畿央大学開学20周年特設サイト
2023.12.15
就職レポートNo.747(奈良県/中学英語教諭)現代教育学科
就職活動を終了したばかりの学生のリアルな声を紹介する「就職レポート」、第747弾! 現代教育学科15期生(24卒) R.N さん 奈良県 中学英語教諭 勤務 【あなたが畿央大学を選んで入学した理由を教えてください。】 教育学部に「英語教育コース」が新しく開設され、英語教諭を目指しながらも、6か月間にわたる海外留学ができるところに魅力を感じたからです。 【実際に入学して、畿央大学での学生生活はどうでしたか。】 入学当初はコロナ禍で、大学生活を楽しめるのかな..と不安もありましたが、対面での授業が始まると友達もでき、毎日が充実していました。畿央祭や誕生祭などのイベントがとても楽しかったです!! 【進路について、教師を目指そうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。】 自分の頑張りを認めてくださった先生に憧れたからです。私は英語が苦手だったので、毎日、単語を暗記するようにしていました。その姿を先生が褒めてくださり、自分の頑張りを見てくださる先生がいることに励まされました。そのことがきっかけで、英語が楽しく大好きになり、私もそんな先生になりたいと思いました。 【教師になるために取り組んできたことについて教えてください(ボランティアなど)。】 カナダでのセメスター留学とボランティア活動です。6か月間にわたるセメスター留学では、ホームステイをしながら現地の語学学校に通いました。間違うことを恐れずに自分から積極的に話しかけ、英語力を向上させることができました。また、カナダの日本語学校では、小学生に日本語や日本文化を教えるボランティア活動に参加しました。言語を教えることに難しさを感じましたが、生徒の日本語が上達した時の嬉しさはとても大きかったです。 【教員採用試験対策はどのようにしていましたか。】 筆記試験の対策では、「参考書とプリントを全部覚えるぞ!!」という気持ちでひたすら読み、暗記しました。面接練習では、教採・公務員対策室の先生方が自治体ごとに、熱心にご指導してくださいました。奈良県の集団討論練習では、英語教育コースだけでなく学校教育コース、保健教育コースの学生と一緒に行うため、多様な視点からの意見に触れることができました。 また、英語科の先生方に英語での面接・集団討論練習も行っていただきました。日本語の面接・集団討論とは異なる表現の仕方を学ぶことができました。 教採・公務員対策室の先生方、英語科の先生方、ボランティア先の先生、友人、たくさんの方に面接練習をしていただき、自信をもって本番に臨むことができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。 【後輩のみなさんへメッセージをお願いします。】 私は長時間勉強するのが苦手なタイプなので、場所を変えて、気分転換をしながら勉強するようにしていました。畿央大学には図書館や自習室など、たくさんの学習スペースがあるので、ぜひ活用してください!不安な気持ちになる時もありますが、焦らずに自分のペースで頑張ってください!You can do it!
2023.12.14
就職レポートNo.746(公的病院/看護師)看護医療学科
就職活動を終了したばかりの学生のリアルな声を紹介する「就職レポート」、第746弾! 看護医療学科13期生(24卒) S.H さん 公的病院(看護師) 内定 【その病院に決めた理由】 実習を通して、「自分の看護観」というような考え、価値観などをよく求められてきました。私の周りには、自分のしたい看護が明確にある人も存在し、そのような方々は病院を決めることが早く、決める際の選択肢も多かったと思います。私の場合は、自分のしたい看護がまだ明確ではなかったため、大きな病院で多くの経験をしていくことで、私が本当にしたいことを見つけていきたいという理由で病院を決めていきました。病院の候補を挙げ、先生や先輩に助言をもらい、見学会に行った上で、最終的に内定先の病院に決めました。病院の見学会で知ることのできる雰囲気や環境は一部分ですが、少しでも病院を知ろうと思い、参加しました。 また私が受験を決めた病院は、実習に行っていない病院でした。実習先であれば、エントリーシートや面接で実習での経験や学びを伝えることができますし、私もそのようにしていたと思います。しかし、実習に行っていない病院であっても、なぜ就職したいのかという理由を明確に伝えることができれば、実習に行った他の学生よりも大きなアドバンテージがとれると思いました。実習先以外の病院を就職先の候補に挙げる際は、実際の現場を知っている先生や先輩に情報を得ることも重要だと思いました。 【就職活動を振り返って】 男性看護師が増加していますが、大半が女性の看護師です。その時点で男子学生は、良くも悪くも目立つのではないかと考えていました。そのため、印象に残りやすいように興味を持ってもらうことを意識しました。面接では、質問してもらうことで自分をアピールするために、質問に対して簡潔に答え、その内容に付随する質問に答えられるように準備しました。いわゆる台本を作ってしまうと自然な自分ではなくなることに加えて、想定外のことが起きたときに対応することが難しいと感じていました。そのため、想定できる質問に対して、キーワードだけを準備して臨んだことで、自然な話し方で自分をアピールできたと思います。 また、準備をしていく上で、考えられる質問の中で嫌なものが1つありました。それは、「学生時代に力を注いだこと」です。私は、大学生活を通して力を注いだことは特になく、他の学生との差が生まれやすいと考えました。そのことから、小学1年生から高校3年生までの12年間続けてきたものがあり、それを強みにしようと考えました。勉強やアルバイトは人並みであったため、無理に繕おうとしませんでした。高校まで続けてきたものをなぜ大学では継続しなかったのか、そのことを今後どのように活かしていくことができるのかなど、本来ガクチカでは大学時代のことを述べるところを、高校までの経験を述べることで、他の学生との違いを作り、より印象に残ることができるよう逆算して考え、準備しました。就職活動を振り返って、事前の準備が大切だと思いました。 【就職活動でPRしたポイント】 他の学生は、新人の教育制度や病院理念に基づいた働きやすい環境を理由に病院を決めている人が多いと感じていました。そのことから私は、1年目だけではなく、2年目以降の将来設計も明確にして、この病院で長く勤めたいということをアピールしました。他の病院ではなく、なぜこの病院でないといけないのかという理由が必要になると考え、長く勤めていくための将来設計をより具体的に分析・研究して準備しました。また、私は緊張しなかったので、実際の面接のときに緊張していないことを伝えました。3人いた面接官が、同時に顔を見合わせたときに確かな手応えを感じました。これまでの経験を通して、緊張しないことも大きなアドバンテージになったと思います。 【キャリアセンターと就職サポートについて】 自分の就職に関して真摯に向き合ってくださり、履歴書の添削や相談、面接の練習に付き合っていただきました。自分の良いところを伸ばしてくださり、伝えたくても言語化しにくいことを噛み砕いて言い換えてもらうなど、自分に自信を持たせてくれるように関わってくださり感謝しています。 【後輩へのアドバイス・メッセージ】 今この文章を読んでいるあなたは、他の人より何倍も頑張っていると思います。まずは十分頑張っている自分を誇りに思い、しっかりと評価してあげてください。一息ついて、自分に自信を持って就職活動に挑むことができるよう、あらゆる場面を想定して準備をしましょう。その中で、遊び心も忘れないでください。履歴書やエントリーシートなどは事前に準備しますが、面接では、素直に自分の言葉で伝えることが大切です。そして、最後は気持ちです。落ち着いて、いつも通りいけば大丈夫です。頑張りすぎないように頑張ってください。
2023.12.14
西日本学生軟式野球大会に出場しました!~軟式野球部
こんにちは、畿央大学軟式野球部です。 11月12日(日)から4日間、広島県のアクアスタジムで行われました西日本学生軟式野球大会に出場することができました。 厳しい予選リーグを2位で通過し、西日本大会に出場できたことをとても喜ばしく思います。 西日本大会では、東亜大学と対戦し、惜しくも4-2で初戦敗退してしまいましたが、この西日本大会を通して、様々な経験を得ることができました。 この経験を活かし日々の練習に励んでいきたいと思います。 軟式野球部主務 現代教育学科2回生 小池 和香 【関連記事】 「おじいちゃんの甲子園大会」に今年も運営補助として参加!~軟式野球部 「SS BASEBALL HEROES」大会に出場!~軟式野球部 「おじいちゃんの甲子園大会」に運営補助として参加!~軟式野球部
2023.12.13
亜急性期脳卒中患者の麻痺側上肢の上肢機能に対する使用頻度の傾向~ニューロリハビリテーション研究センター
脳卒中後上肢麻痺への評価においては、運動機能だけでなく生活の中での使用頻度を評価することが重要です。上肢麻痺の評価には、Fugl-Meyer Assessment(FMA)とMotor Activity Log(MAL)の2つの評価法が広く採用されています。FMAの上肢項目(FMA-UE)とMALの間には相関があることが明らかになっていますが、FMA-UEのスコアにおける重症度と使用頻度の傾向の違いについて明らかにした研究はありません。岸和田リハビリテーション病院の平山 幸一郎氏、松田 麻里奈氏、本学客員研究員 渕上 健氏、本学 森岡 周教授らは、FMA-UEのスコアをSegment回帰分析により統計的に分割し、MALにおける麻痺側上肢の使用頻度の傾向の違いを明らかにしました。この研究成果は、BMC Neurology誌(Trends in amount of use to upper limb function in patients with subacute stroke: a cross-sectional study using segmental regression analysis)に掲載されています。 研究概要 脳卒中患者の約33-80%は、発症後3週間以内に上肢麻痺を呈し、麻痺側上肢の不使用はさらなる機能低下を招く可能性が指摘されています。そのため、麻痺側上肢の運動機能のみでなく、日常生活における使用状況の評価も重要です。麻痺側上肢の運動機能と生活における使用頻度は密接に関連することが多く報告されています。一方で、Schweighoferらは、Constraint-induced movement therapyの効果を検証する大規模RCTに参加した被験者のデータを再解析し、コンピュータシュミュレーションに基づく上肢麻痺の回復モデルを検証した結果、治療を受けた1週間後のWolf Motor Function Test(WMFT)スコアが、1年後の麻痺側上肢の使用状況を予測し、ある一定のWMFTの得点を超えるか否かで、使用状況が大きく変化する可能性を示しました。この結果から、上肢麻痺へのリハビリテーションを行う中で、ある程度の運動機能の回復を担保しなければ、生活の中で麻痺側上肢を使用することは困難であることが考えられます。しかし、麻痺側上肢の運動機能の程度に対して、それぞれの運動機能に対する使用頻度の傾向について分析した研究はありません。岸和田リハビリテーション病院の平山 幸一郎氏、松田 麻里奈氏、本学客員研究員 渕上 健氏、本学 森岡 周教授らは、FMA-UEのスコアをSegment回帰分析により統計的に分割し、MALにおける麻痺側上肢の使用頻度の傾向の違いを明らかにしました。 本研究のポイント ■ FMA-UEにおけるMAL-Aの傾向の変化および変化するポイントをSegment回帰分析によって検討しました。 ■ FMA-UE:45.3点を境にMAL-Aの回帰直線の傾きは大きく増加しました。 ■ 亜急性期の脳卒中後上肢麻痺において、FMA-UEが45.3点に達すると、麻痺側上肢の使用頻度の傾向が変化する可能性が示唆されました。 研究内容 初発の発症後3ヶ月以内の脳卒中患者203名を対象としました。対象者のFMA-UE、MALのAmount of Use(MAL-A)を評価し、FMA-UEに対するMAL-Aの傾向の変化を捉えるために、FMA-UEを独立変数、Mal-Aを従属変数として、Segment回帰分析を行いました。Segment回帰分析とは、異なるグループに分類された独立変数が、これらの領域で変数間に異なる関係を示す場合に用いられる統計手法であり、分割された独立変数における領域の区間は変曲点(Break point)として算出されます。Segment回帰分析における変曲点とは、以前に確立されたパターンから変化を示す可能性がある特定の点のことです。Segment回帰分析におけるBreak pointのフィッティングは、Akaike Information Criterion(AIC)を用いて検討しました(図1)。 研究の結果、FMA-UE 45.3点でMAL-Aの傾きが大きく変化し、45.3点以降では、MAL-Aのスコアに大きなばらつきが認められました。つまり、FMA-UE 45.3点を境にMAL-Aのスコアは大きく改善する可能性が示唆されました。 図1:FMA-UEとMAL-Aに基づくSegment回帰分析 FMA-UEとMAL-Aは有意な正の相関を示し、FMA-UE:45.3点で回帰直線の傾きは変化しました。回帰直線の勾配は、変曲点より下でx=0.03、変曲点より上でx=0.12でした。 本研究の臨床的意義および今後の展開 この研究では、初発の亜急性期の脳卒中患者を対象に、FMA-UEとMAL-Aに基づいてSegment回帰分析を行いました。Segment回帰分析では、FMA-UEのスコアを統計的に分割し、MAL-Aにおける麻痺側上肢の使用頻度の傾向の違いを明らかにしました。結果として、FMA-UE:45.3点以上でMAL-Aの傾向は大きく変化し、45.3点を境にMAL-Aのスコアは大きく改善する可能性が示唆されました。この知見は、麻痺側上肢へのリハビリテーションにおいて、機能訓練や生活への参加に向けた介入などの治療戦略を考える上で、非常に有用であると考えています。 論文情報 Koichiro Hirayama, Marina Matsuda, Moe Teruya, Takeshi Fuchigami, Shu Morioka Trends in amount of use to upper limb function in patients with subacute stroke: a cross-sectional study using segmental regression analysis. BMC Neurology, 2023 問合せ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 センター長/教授 森岡 周 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp
2023.12.13
畿友会(学生自治会)だよりvol.96~クリスマスツリー&イルミネーションを飾りました!
こんにちは!畿友会です! 12月になりました。木々は鮮やかなイルミネーションで彩られ、今年の冬も煌びやかです。昨年よりも寒くないと感じますが、みなさんはいかがでしょうか? インフルエンザ等感染症が流行していますので、手洗いうがいを徹底し、体調に気をつけてお過ごしください。 さて、キャンパス内に今年もクリスマスツリーを設置しました!エントランスには昨年と同様、高さ3m60cmの大きなツリーを設置しています。すでに写真を撮っている学生たちもいて嬉しいかぎりです。 また、食堂にもツリーを設置しています。エントランスのツリーよりも飾りが豪華です。 いやぁ、もうすぐクリスマスですね~。12月22日(金)には、畿友会開催のクリスマス会もございます!ぜひご参加ください! また、イルミネーションも点灯しています。黄や青、赤などカラフルにキャンバス内が彩られています。 花壇にはかわいい雪だるまたちもいます。ぜひ見つけてみてくださいね。 なお、クリスマスツリーは12/25まで、イルミネーションは1月下旬まで設置しています。素敵な写真をたくさん撮ってくださいね! 畿友会広報部 現代教育学科3回生 長谷川 慈 Instagram:@kiyukai_kio X:@kiyukai_kio ▶畿友会に関連するブログ記事 KIO Smile Blog
2023.12.12
就職レポートNo.744(ハウスメーカー/技術職)人間環境デザイン学科
就職活動を終了したばかりの学生のリアルな声を紹介する「就職レポート」、第744弾! 人間環境デザイン学科18期生(24卒) O.Y さん ハウスメーカー(技術職) 内定 【その企業に決めた理由】 入職予定先は、大阪市に本社を置くハウスメーカーです。自由設計と先進の技術が強みで、さまざまな研究開発から設計施工・アフターメンテナンス、リフォームまで、一貫して行います。私が内定をいただいた技術職住宅部門(設計)は、戸建住宅・賃貸住宅・医療介護福祉施設・保育所など、各種建築物の設計を担当する仕事です。間取りの作成からインテリアのコーディネートまで住まいに関わる様々な提案を行います。 選んだ理由は「自由設計」と「社風」です。住宅やインテリア、エクステリアメーカーについて企業研究をし、新築リフォーム合わせて計3社のインターンシップに参加した結果、自由設計でお客様を幸せにしたいと思うようになり、新築住宅に絞り込みをしました。絞り込まれた企業のなかで、説明会やインターンシップでの社員の方々の雰囲気が一番自分に合っていると思いエントリーをした結果、内定をいただけたのでこの事業所に即決しました。 【就職活動を振り返って】 スタートの時期は大学3回生の5月頃です。合同説明会に参加し、少しでも気になった企業はとりあえずマイナビからエントリーをしました。おそらく20〜30社程度したと思います。説明会には10社程度、インターンシップには6社にエントリーをし、参加が認められた3社に参加しました。就職活動本番のES提出と面接数は2社です。1社は11月末に、もう1社は2月中旬に内々定をいただきました。 心掛けたことは、採用者の気持ちを意識することです。失敗談として、インターンシップのESでは落選することが多かったです。原因は、「〜してきました」や「〜できます」だけで締めくくり、採用者の目線からすれば「だから?」となる内容のESだったことだと思います。つまり、過去と現在の話しかしていなかったのです。これに気づき、過去と現在に加え、「〜したい」という未来の話を積極的に取り入れることで、ES面接ともに採用者の方々がワクワクできる自己PRを作れたと思います。 【就職活動でPRしたポイント】 授業の「設計演習」と「コンペへの参加」です。自分の怠惰で設計演習の単位を1度落としており、決してアピールできることではありませんでした。しかし、再履修からは本気で設計と向き合い優秀作品に選ばれるまで努力したその行動力をアピールポイントに変えました。友達と参加したコンペでは、役割の分配や積極的な発言をしてきた統率力、そこで得たチームワークの難しさと仲間の大切さもアピールポイントとして伝えました。 【キャリアセンターと就職サポートについて】 辻谷さんを始め、キャリアセンターの方々にはお世話になりました。面接練習に付き合っていただいた時には、自分では気づけない仕草や声の調子などをご指摘いただけてとても助かりました。また、私からの辻谷さんへの単調な報告メール一通であっても、その返信にエールを頂けたことはとても励みになりました。 面倒臭がらず、後ろ向きにならず、ぜひ自分から辻谷さんを頼ってください。きっと今より前へ進めます。 【後輩へのアドバイス・メッセージ】 とにかく誰かに話をしてください。それは希望や不安、理想や現実、進捗や感想など、なんでもいいです。まとまっていなかった自分の考えに整理がついたり、自分では気づけていなかったアドバイスをいただけたりして、視野が広がると思います。その時には聞いてくれる友人や家族、先生などへの感謝の気持ちも忘れないでください。あとは行動するだけです。決して簡単なことではないですが頑張ってください。応援しています。
2023.12.12
就職レポートNo.745(自治体/建築技術職)人間環境デザイン学科
就職活動を終了したばかりの学生のリアルな声を紹介する「就職レポート」、第745弾! 人間環境デザイン学科18期生(24卒) N.Y さん 自治体(建築技術職) 勤務 【その企業に決めた理由】 公務員として建築技術職の採用です。建築の許認可業務、監理業務、耐震対策や都市計画、宅地建物取引など、ルールが守られているかの確認や、安全に生活するための仕事です。配属先としては、本庁か現場土木事務所のいずれかになります。 もの作りが好きで大学で建築を学んだため、それを活かせる仕事に就きたいと思いました。生まれ育った土地で幅広い建築や業務に携わることができ、自身が関わった建物が未来まで形として残り、地域貢献に役立つ仕事はかっこいいと思い公務員を選びました。 【就職活動を振り返って】 最初は企業に就職するつもりだったので、3回生の夏休みに企業の合同説明会に参加し、ハウスメーカー、リフォーム、インテリア系を中心に9月から11月に10社インターンシップに参加しました。12月からエントリーが始まり、そのうち8社インターンシップ参加者対象の早期選考を受け、4回生の4月には3社の内々定をいただきました。就職を進めていく中で全国転勤があることに不安を感じたため、4月頃に公務員を目指すことにしました。企業の選考で使われているSPIと面接で受験し、6月に合格通知をいただきました。 面接は得意では無かったですが、その分笑顔で受け答えをするようにし、上手く答えることができなくても、面接官の目を見て伝えようとすることで、相手もその姿勢を見て評価をしていただけるので、面接では上手く答えることより、落ち着いて自分のペースで答えることを心がけました。 【就職活動でPRしたポイント】 学生時代頑張ったこととして、中学校と高校で吹奏楽部に所属していたこと、また大学では軽音楽部に所属し、幹部として会計に携わっていたので、その活動の中で頑張ったことや成し遂げたことを話しました。自己PRとしては、居酒屋でのホールスタッフと塾講師のアルバイトで難しかったことや工夫したことをアピールしました。またボランティア活動として地域イベントのチラシを作ったことがあったためそのことを話しました。 【キャリアセンターと就職サポートについて】 エントリーシートを書く上で言葉遣いなど何もわからなかったので辻谷さんにアドバイスをいただき、何回も添削をしてもらいました。初めての面接はオンラインでの面接だったので、面接練習もしていただきました。そのおかげでコツをつかむことができ、本番でも落ち着いて面接を受けることが出来ました。集団面接やグループディスカッションの練習機会もあったため参加しました。また公務員対策室の方ではいきなり進路を変えたにも関わらず、すぐに対応していただき、しっかりとサポートしてもらいました。 【後輩へのアドバイス・メッセージ】 私の場合3回生の頃はしたい仕事も明確になかったため、もっと早めに様々な業種のインターンシップに参加し、企業についてじっくりと考える時間があれば良かったと感じています。大学の課題などで忙しいことも多いですが、納得のいく進路を決めるためにも少しずつでいいので早くから始めることが大事だと思います。
2023.12.11
令和5年度「広陵町若者議会」に参加しました!~人間環境デザイン学科清水ゼミ
11月25 日(土)に、広陵町議会議場にて「令和5年度広陵町若者議会」に参加してきました。 広陵町若者議会は、広く子どもや若者の意見を町政に届ける機会づくりのため、広陵町に居住または活動している一般の19歳から32歳までの若者が一日議員になって、町政に対する質問を町長や教育長に投げかける場です。広陵町では初めての試みで、町内で活動している5グループが参加し、わたしたちは「畿央大学清水ゼミ」として、質問させていただきました。 各グループには、現在活躍中の広陵町議会議員の方々がメンターとしてついてくださり、あらかじめ議会場での所作を教えてくださいました。わたしたちについてくださった吉村議員からは、マイクの立て方から議会進行の流れなど、事細かに親切にご指導いただきました。 息つく間も無く、本番が始まりました。私たちは4組中3番目の発表で、竹取公園を中心としたまちづくりについて質問させていただきました。 この質問は、半年間、地域課題について研究してきたもので、広陵町竹取公園周辺地区まちづくり基本計画に基づく事業推進の進行状況や近鉄五位堂駅から竹取公園までの徒歩ルートの提案などを行いました。質問によって、町長や行政職員の方に現在の状況や行っている事業の進捗状況を直接聞くことができました。現在、広陵町では、竹取公園をプロモーションする為にウォーキングマップを作成し配布しているなど様々な取り組みを行っていることを教えていただくことができました。 会場には、広陵町長や教育長など普段出会うことのないような方々が大勢集まっておられ、議会での質問は、初めての経験だったので、議会場の雰囲気に圧倒されて、今までにないほど緊張しました。しかし会場の雰囲気が和やかになるように、皆さんがお気遣いくださったことで、最後はのびのびと発言することができました。 即座に自信を持って答弁される皆さんの姿を見て、憧れと尊敬の感情が湧き、参加してよかったなと強く思いました。 なお、今回の活動は、12月8日奈良テレビ「ゆうドキッ!」でも放送されました! 次回、開催されることがあれば、また参加してみたいです。 人間環境デザイン学科 清水研究室 3回生 永田 拓実、清島 有希也、松井 華音 2回生 神野 陽那汰、橋本 大輝 【関連記事】 人間環境デザイン学科 学内コンペ「みんなで考える学び舎」レポート vol.3~表彰式を実施! 2023年明日香村竹テントワークショップvol.4【最終日】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 人間環境デザイン学科 海外インターンシップ vol.9~最終日、無事に帰国しました! 河合町佐味田の居場所計画 「佐味田みんなの縁側」制作・発表~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 畿央大学付属広陵こども園で使う子ども用スツールが完成しました!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」