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2025.08.04
健康工学部長に就任予定の村松先生が、マーケティングに関する書籍を出版!
はじめまして、伊﨑です。 健康工学部(2026年4月開設予定/設置認可申請中)の学部長に就任予定の村松潤一先生が編集されたマーケティング書籍『価値共創マーケティングの深化』(同文舘出版)を紹介させていただきます。同書は、2015年に刊行された村松先生編著の『価値共創とマーケティング論』の続編として出版されました。『価値共創とマーケティング論』では、サービス・ドミナント・ロジック(S-Dロジック)に基づいて、顧客との相互作用を通じた価値の共創という考え方をマーケティングに取り入れた先駆的な書籍でした。 その続編にあたるのが、今年3月に刊行された『価値共創マーケティングの深化』です。本書は理論編と事例編の二部構成となっており、前著の理論的枠組みをふまえつつ、文脈価値、資源統合マネジメント、カスタマー・ドミナント・ロジック(C-Dロジック)などの新たな視点を加えることで、価値共創の実践と応用をより立体的に捉えています。ポスト・コロナ社会やデジタル化の進展を背景に、マーケティングの枠組みを再考するうえでも重要な知見が詰まっています。 事例編に収められた第16章「ヘルスケア・ビジネスにおける価値共創」は、私が担当しました。本章では、医療・健康用品業界における価値共創の成果に着目し、共創活動がどのような変化や価値の創出につながるかを具体的な事例に基づいて論じています。特に、顧客との対話やデータ活用を通じて、文脈依存的に価値が生成されるプロセスに焦点を当て、「成果」の視点から共創を捉える重要性を示しました。 本書は、価値共創マーケティングの理論と実務を架橋する試みとして、企業実務家はもちろん、マーケティングやサービス科学に関心を持つ研究者にとっても多くの示唆を与えてくれる一冊です。またこれからマーケティングを学ぶ学生にとっても、価値創造の考え方を深く理解するための格好の教材です。単なる売買の枠を超えて、企業と顧客がどのように価値を一緒につくり上げているのかを知ることで、マーケティングの面白さと社会的意義を実感できると思います。 最後になりましたが、2026年4月に開設予定の健康イノベーション学科(設置認可申請中)ではこのような「価値共創」などについて横断的に学修し、健康をキーワードに価値あるモノやサービスを広く社会に届ける学びを展開していきます。オープンキャンパスでは魅力ある学びを体験することもできるので、ぜひ遊びに来てください! 現代教育学科 講師 健康イノベーション学科 ※ 就任予定 伊﨑 翼 ※2026年4月開設予定/設置認可申請中 オープンキャンパス情報はこちら 健康イノベーション学科(仮称)を詳しく見る 健康工学部長(就任予定) 村松潤一先生のメッセージ
2025.08.04
日常生活に不可欠な“両手を同時に独立して動かす能力”の発達変化~ニューロリハビリテーション研究センター
一方の手で定規を押さえながら、他方の手で線を引く。一方の手で紙を持ちながら、他方の手でハサミで切る。あるいは、一方の手でお皿を保持しながら、他方の手でスプーンで食べ物をすくう。このように、両手を同時に異なる動きで使う“両手同時独立制御能力(Simultaneous Independent Bimanual Coordination)”は、日常生活において不可欠な動作スキルであり、その発達には運動制御や注意機能など多様な神経基盤が関与しています。しかしこの能力が、子どもにおいてどのように発達するのかについては、これまで十分に解明されていませんでした。畿央大学大学院健康科学研究科の信迫悟志 教授らの研究チームは、5〜13歳の定型発達児150名を対象に、両手で同時に異なる描画を行う「両手結合課題(bimanual circles–lines coupling task)」を用いて、この能力の発達過程を詳細に検討しました。その結果、年齢の増加とともに“両手を同時に独立して動かす能力”が徐々に向上することが明らかになりました。また、この課題で得られた指標は、標準化された微細運動技能テストによって測定された“両手協調運動技能”の得点とも有意に関連していることが示されました。 この研究成果は、Frontiers in Human Neuroscience誌(Developmental Changes in Independent Bimanual Coordination: Evidence from the Circles–Lines Coupling Task in Children Aged 5–13 Years)に掲載されています。 本研究のポイント 両手を同時に別々に動かす「両手同時独立制御能力」は、5〜13歳の間に徐々に向上することが示された。 「両手同時独立制御能力」は、両手を協調させて目的を達成する両手協調運動技能と有意に関連していた。 両手結合課題(BC課題)は、特別な設備を必要とせず短時間で実施可能であり、発達期における両手協調運動技能の評価ツールとして有用である。 研究概要 本研究では、5〜13歳の定型発達児150名を対象に、両手を同時に異なる動きで使う「両手同時独立制御能力(Simultaneous Independent Bimanual Coordination)」の発達変化を調査するため、両手結合(bimanual circles–lines coupling task: BC)課題を実施しました。この課題では、以下の2条件を設定しました(図1) 片手条件:利き手でタブレット上に垂直線を繰り返し描く(図1_左) 両手条件:同様に利き手で垂直線を描きながら、同時に非利き手で紙の上に円を反復描画する(図1_右) 図1. BC課題 本研究に参加した8歳の右利き女児の例。通常、図の両手条件にあるように、利き手で描いた垂直線は、非利き手の円運動の影響を受けて、楕円形に歪んでしまう。したがって、両手条件でこの歪みの程度が少ないことは、両手を同時に別々に動かす能力が高いことを表す。 通常、両手条件においては、非利き手による円運動のプログラムからの干渉(影響)により、利き手で描かれた直線が楕円状に歪む現象が見られます。本研究では、この線の歪みの程度を楕円化指数(Ovalization Index: OI)として算出しました。OIは、0に近いほど直線性が保たれ、100に近いほど正円に近づくことを意味します。さらに、両条件間のOIの差分を両手干渉効果(Bimanual Coupling Effect: BCE)として定量化しました。BCEの値が小さいほど、両手を同時に独立して動かす能力が高いことを示します。さらに、協調運動技能の標準化検査の手先の器用さテストを実施し、BCEとの関連も検討しました。 研究内容 本研究では、5〜13歳の定型発達児150名を対象に、両手で異なる運動を同時に行う能力を評価するためのBC課題(図1)および微細運動技能検査(利き手スキル、非利き手スキル、両手スキル、利き手の運筆スキル、総合)を実施しました。BC課題(片手条件、両手条件)で測定された利き手の運動軌跡の歪みをOIとして算出し、両条件間のOIの差をBCEとして定量化し、年齢との関係性および微細運動技能との関連性を検討しました。その結果、全ての年齢群において両手条件のOIは片手条件よりも有意に高く、BCEの存在が確認されました。そして、片手条件および両手条件のOIは年齢とともに有意に低下し、運動軌跡の直線性が向上していくことが示されました(図2)。また、BCEも年齢と有意な負の相関を示し、年齢の増加に伴い干渉効果が弱まり、両手を同時に独立して制御する能力が徐々に発達することが示唆されました(図3)。 図2. 年齢群間比較結果 図3. 年齢とBC課題変数との相関関係 さらに、年齢を統制したうえでの偏相関分析では、BCEおよび両手条件でのOIが、両手協調運動技能と有意に関連していることが明らかとなりました(図4)。 図4. 年齢を制御したBCEと両手協調運動技能との偏相関関係 本研究の臨床的意義および今後の展開 本研究では、両手で異なる運動を同時に行う「両手同時独立制御能力」が、5歳から13歳にかけて徐々に発達することが、行動レベルで明らかになりました。またこの能力は、左右の手を協調させてひとつの目的を達成する「両手協調運動技能」とも有意に関連していることが示されました。 この「両手同時独立制御能力」の発達には、前頭−頭頂ネットワーク、前頭前野(実行機能・注意制御)、脳梁を介した左右の大脳半球間の情報伝達・抑制機構、という3つの神経的成熟が関与すると考えられており、本研究結果は、これらの神経基盤の発達過程を行動的に捉えたものと位置づけることができます。 さらに、既存の標準化された協調運動技能検査では、年齢に応じて異なる課題や道具を用意する必要がありますが、BC課題はタブレットと紙、ペンのみで実施可能であり、年齢にかかわらず同一の手順で短時間に評価が可能です。こうした特徴から、BC課題は発達期における両手協調能力の発達段階を簡便かつ定量的に評価できる実用的な手法として有用である可能性が示されました。今後は、この課題を特別な支援を必要とする子どもたちにも応用することで、運動機能のより的確な評価や、リハビリテーション、運動学習支援への実践的な活用が期待されます。 論文情報 Nobusako S, Hashizoe K and Nakai A (2025) Developmental changes in independent bimanual coordination: evidence from the circles–lines coupling task in children aged 5–13 years. Front. Hum. Neurosci. 19:1620941. doi: 10.3389/fnhum.2025.1620941 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科 教授 信迫悟志 Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.nobusako@kio.ac.jp
2025.08.04
緩和ケア病棟での実習を経験した4回生とのディスカッション ~ 看護医療学科「終末期ケア論」
「終末期ケア論」は、看護医療学科3年次前期に必修科目として開講しています。この授業では、終末期における症状緩和の援助方法や精神的ケア、全人的ケア、グリーフケア(家族・遺族への支援)を考えるなど、終末期ケアを行う看護師として学びを深めることをめざした授業構成になっています。 その一つに、緩和ケア病棟で病院インターンシップ実習を経験した4回生から、3回生に現場での学びを紹介する授業がありましたのでご紹介します。 学びの紹介 1.3回生の発表 ● 国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥の見学 メンバー:二宮 央・山本 華・新谷 咲耶・藤田 有里・鈴木 万琴・高田 有紗・黒田 瑞姫・川上 菜央 2.4回生の発表 ● 国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥のインターンシップ実習 メンバー:内海 茜・九十九 璃子・中西 春水 3.4回生の発表 ● 東大阪市立医療センター メンバー:車路 瞳 飯沼 虹美 橋本 心 1.では、授業を受講している3回生の有志が参加した「国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥の見学」で、病棟紹介を主に発表してくれました。 2.3は、6月に実施された「インターンシップ実習」において、緩和ケア病棟で実習した2施設6名の4回生が実習での学びについて発表してくれました。 それぞれがパワーポイントの資料をもとに発表を行い、緩和ケア病棟の概要や行われている看護、実習で受け持った終末期にあるがん患者の看護の実際について紹介しました。 質疑応答の中では活発な意見交換がされました。飛鳥に実習に行った4回生は「ネガティブなところもその人らしさであることを知った。患者の気持ちを大切にした看護を行うことができた。その人らしさを尊重するために患者の背景を考えて、医療者の当たりまえを押し付けないことが大切だと実習を通して学んだ。死期が迫る中で生きる意味の尊さに気づいた」など率直な思いを語ってくれました。 聴講していた3回生からは「終末期の実際を知ることができた。その人らしさを学ぶことができた」など感想が聞かれました。 東大阪市立医療センターに実習に行った4回生からは「患者が何を考えているのかアセスメントすることは難しいが、私たちは患者の発言を聞いてしっかり考える必要がある。この実習では死を身近に考えた。病気が完治しないということがどういうことか知った。患者に残された時間について患者とともに考えていくことが大切である。最期に向かってどうしていくのか、患者のニードに寄り添うためにも、患者のまとまらない思いをまとめることが看護師に必要なことだと思った」と3回生に学びを伝えていました。 3回生からは「授業でその人らしさを尊重することが大事だと習ったが、患者を目の前にするとしないといけないことが多くあって、その人らしさを忘れて自分中心の看護になってしまっていた。しかし、この発表を聴講して患者の声をしっかり聴いて援助したいと思った」と意見がありました。 グループワーク 授業の後半は4回生から事前に配布された質問紙に沿ってグループワークを行いました。4回生が司会となってグループワークでは活発な意見交換がされました。 「あなたは‘‘どこで死にたい‘‘と思いますか」の質問にはついては、「病院で死にたい理由は家族に迷惑かけたくないからだ」「病院に迷惑をかけたくない。家族に看取られたいから、家がいい」など様々な意見があり、4回生からは「どんな病気で死ぬかわからないけど、がんなら緩和ケア病棟がいい。自分を尊重してくれるから」という意見がありました。 また、「あなたは人生の最期に誰にそばいて欲しいですか」という質問に対しては、「友達、どこかに遊びに行き、(友達が)トイレに行った時に、(自分が)死んで、後から気付いてもらいたい」「家族とか大切な人、好きな人にそばにいて欲しいと思います。理由は家族に最後まで大切な人に一緒にいて欲しいと思うから」「結婚していたら旦那さん。子供。理由は一番安心感がある状態で死にたい」「病院ならお世話になった看護師さんに見守って欲しい。自分の希望も聞いてもらえそうなので看護師さんを選んだ」など様々な意見が出されました。 終末期の看護について学ぶことは難しいことですが、身近な学生が実際に緩和ケア病棟を見学したり、実習を経験することで得た学びを共有することで終末期看護について考えることができました。実習を体験した4回生の思いも3回生には伝わり、それぞれの看護観や死生観を深めるきっかけとなったこと思います。 看護医療学科 准教授 對中 百合 助教 福田 都美恵 関連記事 ▼▼ 「終末期ケア論」に関する記事 ▼▼ 看取りを体験したご遺族の語り ~ 看護医療学科「終末期ケア論」 国保中央病院 緩和ケア病棟「飛鳥」の見学に行きました。~ 看護医療学科「終末期ケア論」 ▼▼ 看護医療学科に関する記事 ▼▼ 後期からの臨地実習に向けて!~看護医療学科「老年看護援助論Ⅱ」|KIO Smile Blog 先輩から後輩へ、看護のバトンをつなぐ!~精神看護学研究室の卒業生と4回生が授業に参加! 公衆衛生看護学管理論 奈良県統括保健師講義~ 看護医療学科 「フィールドワーク:自分たちにできること、共生社会の在り方を考えよう」~ 看護医療学科「認知症ケア論」
2025.07.30
パパのためのベビークラスを開催します~畿央大学看護実践研究センター
チラシデータ 申込はこちら
2025.07.30
学習会「図画工作を味わう―今までとこれから―」を開催 ~ 畿央大学 現代教育研究所
2025年7月20日(日)15時10分から、東京家政大学 岡田 京子先生をお招きしての学習会を開催しました。奈良県を中心に、近畿圏から18名の方にご参加いただきました。 「図画工作を味わう―今までとこれから―」 メディアで学習指導要領次期改訂の報道が見られるようになりました。「資質・能力の三つの柱」と各教科等の「見方・考え方」、「主体的・対話的で深い学び」等の基本的な考え方を重視しつつ、それらの共通理解と各学校の状況の応じた実施の一層の推進を示すように読めます。 そこで、「図工の授業がどう変わるか」を待つ前に「私たちは図画工作科の授業をどう変えたいか」を考える学習会を設定しました。平成29年の改訂を行われ、その後も現場の状況をご覧になってきた岡田京子先生に学び、共に考える時間にしたいと考えました。 学習指導要領改訂時のポイントの復習 初めに司会から、現行の学習指導要領改訂時のポイントの復習をしました。 ● 育成を目指す資質・能力の明確化 ● 個別の感じ方や考え方等に応じて、他の学習や生活の場面でも活用できる知識及び技能。 ● 知識・技能を活用しながら未知の場面でも課題を解決できる思考力、判断力、表現力等。 ● 主体的に学習に取り組む態度、メタ認知等と協働する力、持続可能な社会づくり、感性・人間性等含む学びに向かう力、人間性等 ● 教科の特質に応じた物事を捉える視点や考え方である「見方・考え方」 ● 主体的・対話的で深い学びの実現の向けた授業改善の推進 そして学習指導要領実施後に提示された、 ● 指導と評価の一体化 現在進行している検討事項として、 ● 資質・能力の教育の共有と一層の充実 ● 中核的な概念や方略の明確化 などを提示しました。 その後、参加者の皆さんに4人ごとのグループに分かれていただき協議に進みました。 現在取り組まれている授業の成果と課題を出し合い、今後どのような児童を育てたいと考え、どのように授業を変えていきたいかをホワイトボードに掲示しました。初めて出会った先生のグループもありながら活発な協議が行なわれ、多くの意見が出されました。 報告で出ていた意見をご紹介します。 児童について ● 自分で課題を解決できる。 ● 自分を知り、他者を知り、認め合う。 ● 答えがないチャレンジを楽しめる。 ● あふれる情報から最適解を見付けることができる。 ● 感動し、自分の素敵を見付けられる。 ● 最後まで活動し、最後を自分で決める。 授業について ● 授業で子供を育てる。 ● 感性を働かせ、自分に表現し、認め合える。 ● 幸せに生きる力を育てる。 ● 選択肢があり、自己決定できる造形遊びを核とする。 ● 学習との素敵な出会いをつくる。 ● 児童の主体性が働く仕組みがある。 岡田京子先生の講話 まず、学校の先生は有能だということ、『話をする』、『話を聞く』、『情報をまとめる』、『相手を思いやる』、『展開を予想する』など様々な行為を必要に応じて行いつつ瞬間に思考し選択し、決定しているのが先生の能力だと指摘されました。 そこで、あるグループで話題になっていた「特別な支援が必要な児童」が主体的に活動できる図画工作科の授業は何かを参加者に問われました。実際に図画工作の時間では「特別な支援が必要な児童」が主体的に活動できることが多くあります。その理由を考えればだれもが主体的に学習できる時間になるでしょうと。 参加者からは「自分が主体だから」「答えに向かう指示が少ないから」などの意見が出ました。 そうした話題を継ぎ、授業改善のポイントになるのは指導が特に難しい児童ではないとのこと。なぜならその児童には先生は指導に注力するので成果は出やすい。指導の必要性は特にないが大きな成果も残さない児童に注目し、授業改善を試みることが授業を充実する方法ではないかと話されました。また、コロナ禍で実体験ができない時期があったことから、その学年よりも前学年の目標を設定した授業が見られることを危惧し、例え前学年的な活動から始めても、学習活動中に学年にふさわしい活動になるよう教師が計画することが必要と話されました。 中央教育審議会で検討が進んでいる事項の資料を紹介され、「決まってはいないが、注目しておくことも必要」と伝えられました。 最後に、学習指導要領が改訂されると新しい考え方や方法が提案され、理解し馴染むのに苦労するように感じるが、新しい考え方や方法はも実は現場の先生方が長く取り組まれてきた指導であることが多く、近い将来の新しい授業像は実は有能な先生方の日常にあることを共通理解し、会を終えました。 畿央大学現代教育研究所 現代教育学科 教授 西尾 正寛
2025.07.30
後期からの臨地実習に向けて!~看護医療学科「老年看護援助論Ⅱ」
看護医療学科の「老年看護援助論Ⅱ」(3年次前期必修科目)では、高齢者看護に必要とされる生活機能の視点を重視したアセスメントや看護技術、紙面上の事例による看護過程の展開を通して、高齢者の日常生活の維持に必要な看護技術を演習形式で学びます。 今回は、紙面上の事例を用いて看護過程の展開をし、対象者の強みに着目した目標を一人ひとりが考え、看護計画を立案・実践していきます。模擬患者になる学生は、「高齢者疑似体験」の装具を装着し、加齢に伴う身体的・精神的変化を体験する貴重な機会ともなりました。 今回は、右上下肢麻痺の高齢者を対象に車いすへの移乗や口腔体操、アクテビティケアを実施する計画が多く立案されました。たとえば、臥床している対象を端座位にする場面(ベッドで横になっている状態から椅子の端に腰掛け、足を床につけた姿勢にする場面)では、頭の中で描いたイメージと実際の動作が一致せず、考えれば考えるほど迷いが生じている様子が見られました。車いす移乗も、これまで学んできた看護技術が上手く活かせず、戸惑う場面が多く見受けられました。 きっと右上下肢に麻痺のある患者さんをイメージすることが難しかったのもあると思いますが、患者さんの強みを活かすためにどのように見守るべきか、どこまで援助したら良いのかの戸惑いもあったのかと思います。患者さんの病態や現在の状況を把握し、どこまで介入すべきか、どのような環境を整えるべきかを考えていけるといいなと思います。今回の演習では、「基本の大切さ」を実感する機会になったのではないかと思います。みなさんが患者さんのために、一生懸命悩み、考え、行動する姿はとても頼もしく、心から応援したくなる時間でした。 後期からは、いよいよ臨地実習が始まります。対象者を包括的に理解し、適切な看護を実践するための基本的知識をつけていく努力が必要になります。きっと、多くの悩みや困難に直面することもあると思いますが、実習先には皆さんを待っている患者さんや指導者の方々、そして教員がいます。これまで培ってきた知識と技術を十分に発揮できるよう、一緒に頑張っていきましょう。 看護医療学科 助教 伊藤 千春 関連記事 先輩から後輩へ、看護のバトンをつなぐ!~精神看護学研究室の卒業生と4回生が授業に参加! 学生企画【セクソロジープロジェクト】高校生とともに性について考える~YMCAインターナショナルハイスクール性教育プロジェクト実施報告 看取りを体験したご遺族の語り ~ 看護医療学科「終末期ケア論」 公衆衛生看護学管理論 奈良県統括保健師講義~ 看護医療学科 国保中央病院 緩和ケア病棟「飛鳥」の見学に行きました。~ 看護医療学科「終末期ケア論」 「フィールドワーク:自分たちにできること、共生社会の在り方を考えよう」~ 看護医療学科「認知症ケア論」
2025.07.30
看護・医療・薬系9大学合同進学相談会
チラシデータ 来場申込はこちら
2025.07.28
「NCPR(新生児蘇生法)Aコース」を受講しました!~ 助産学専攻科
助産学専攻科学生10名が2025年7月20日(日)に新生児蘇生法「NCPR Aコース」を受講しました。「NCPR Aコース」とは、新生児蘇生法「専門」コースのことで、出生時の新生児蘇生が必要な状況をアルゴリズムに沿って評価・判断し、人工呼吸や胸骨圧迫などの有効な介入を実践できる知識と技術を習得することを目的としています。 講習はまず、プレテストからスタートしました。これまでに行った事前学習の理解度を確認するためのもので、自分の知識を整理し課題を明らかにするための機会となりました。その後、テキストに沿って講義が行われ、新生児の状態評価や蘇生のアルゴリズム、手技のポイントなど、理論的な基礎をしっかりと学ぶことができました。 その後、実習室に移動し、実技演習が行われました。実際の医療機器やシミュレーターを用いて、バッグバルブマスクによる換気、心臓マッサージ、気道確保の方法などの基本手技を繰り返し練習しました。最初は戸惑う場面もありましたが、丁寧に教えていただきながら繰り返し行うことで、少しずつ手技を獲得しました。 続いて、ケースシナリオに基づく演習も実施されました。事例に沿って、赤ちゃんの状態を評価しながら、アルゴリズムに沿って診断・判断・処置を進めていくという実践的な内容でした。学生同士で事前に役割を決めて時間を計測しながら行うことで、臨床現場で求められる迅速な対応力やチームワークの大切さを強く実感することができました。 最後には、ポストテストが行われました。講義と実技で学んだ知識や技術をもとにテストを受けました。緊張感がありましたが、事前学習や講義内容を振り返り、学びを活かしながら受験することができました。 今回のNCPR Aコースの受講を通して、知識や技術の習得だけでなく、「新生児の命を守る責任」を改めて実感する貴重な機会となりました。この学びを、今後の臨地実習や将来の助産師としての実践の中でも活かしていけるよう、日々の学習や練習を大切にしていきたいと思います。 助産学専攻科 谷山 優希、土橋 美月 関連記事 骨盤ケアから学んだ、母子へのフィジカルサポートの大切さ ~ 助産学専攻科 産婦人科医に学ぶ超音波診断法「助産診断技術学Ⅰ」~ 助産学専攻科 児童養護施設「飛鳥学院」を見学! ~助産学専攻科 令和7年度近畿地区助産学生交流会に参加しました!~助産学専攻科
2025.07.28
学校の先生になりたい高校生のための特別企画「ほら、“先生”ってステキ!」を開催!~畿央大学現代教育研究所
教員という職業の厳しさに注目が集まる昨今、次世代が目を向けにくい状況となっていることを踏まえ、教職に興味がある高校生にその魅力を伝えることを目的として畿央大学現代教育研究所が開催した特別企画「ほら、”先生”ってステキ!」を担当教員がレポートします。 特別講演会「ほら、“先生”ってステキ!」 【開催日時】2025年7月20日(日)13:10〜14:40 【第1部】 「ほら、“先生”ってステキ!」13:10〜13:50 【講師】岡田京子氏 東京家政大学教授/前文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官 ● 一人一人の子供を大切にしたい。 ● 自分も自分の人生も大切にしたい。 こうした言葉から始まりました。 図画工作科がご専門の岡田京子先生は、初めに小学校1年生が遠足先で楽しんだローラーすべり台を自分なりに表した絵を通して子供が学ぶ姿を紹介されました。色、高さ、昇る階段、全体の形、滑る仕組みなど一人一人の思いによって表現が違うことを取り上げられました。 それぞれの子供にはそれぞれの感じ方があり、それぞれの思いを読み取ることが教師としての力になり、また、違いがあることを知り、違いを受け入れ、子供に知らせる先生になって欲しいとも話されました。一人一人の子供を大切にしたい先生の姿です。 先生は、受けもつ学年に合った学習の目標と内容を把握します。そして授業を計画し、実施すると、その成果としてどのような力がついたか、自分の授業はどうだったかを振り返り、よりよい指導ができるよう改善しようとします。そうした繰り返しにより、自分が高まります。また、片付け中の版画の用具から生き物の形を見付け表した子供の姿で授業時間以外でも学ぶことを示されました。 いろいろな場で子供の学びに出合うことが先生の楽しみであり、子供に答えを教えるのではなく、子供が自分で学び答えに辿り着けるように支えることが先生の仕事だとのことです。先生は大学で学んだことを基に、学校の先生という集団の中で成長します。教育者である先生は、分からないことを教え合い、一緒に考えることができる、学び合う仲間だとおっしゃいました。自分も自分の人生も大切にする先生の姿です。 続いて、高校生や保護者のみなさんが心配されている先生方が働きやすくなるようにすることについて、文部科学省の資料を基に近い将来の取り組みを紹介され、最後に「先生の仲間としてみなさんをお待ちしています」との言葉で講演を終えられました。 「学校の先生をしている畿央大学卒業生の話を聞こう」 【第2部】ディスカッション「学校の先生をしている畿央大学卒業生の話を聞こう」 14:00〜14:40 初めに、先生になって9年目の金沢 千穂先生のお話です。 先生の仕事として、学校生活で最も長い授業時間を楽しいものと工夫すること、子供のことを理解して正しい方向に導くこと、心がけているとのことでした。先生としての喜びでは、子供が自分の信念を理解し行動できるようになることを挙げられました。言葉がなくとも通じ合えるようになるとおっしゃっていました。苦労していることとしては、専門的な知識が少ないことで専門性を高めて先生としての厚みを身に付けたいと話されました。 子供をよく見るとともに自分は明るく振る舞うことを大事にし、将来の社会に貢献する子供を育てることが自らの社会人としての貢献であるとのお話で終えられました。 次に、先生になって16年目の金石考弘先生です。 フロアのみなさんに「好きな教科はありますか」と呼びかけられ、お話を始められました。全ての教科を教える小学校の先生も、一つの教科を専門的に研究でき、その活動を通して他の地域の先生や校園種の違う先生方と交流するなど素敵な場面に出会え、教科の専門性をもつことが先生としての強みになるとお話され、専門にしている図画工作科の授業で、子供の「うれしそうな姿」「挑戦している姿」「成長している姿」を紹介されました。 子供の「先生のこの教科の授業が好き」、卒業生の「先生のこの授業憶えている」「今も作品を家に置いている」との言葉が喜びと話されました。 最後のプログラムはフロアからの質問に岡田京子先生、金沢千穂先生、金石考弘先生が答えるトークコーナーです。 初めの質問は「どうして小学校の先生になったのですか」それぞれに答えておられましたが、みなさんが先生になりたい強い希望をもっていたわけではなく、様々な思いやつながりの結果先生になっていることが分かりました。 「大学生活をどう過ごせばいいですか」には、学習も大事だが学生時代にしかできない趣味や旅行を楽しむことも大事だとのこと、自分の経験から答えてられました。 保護者の方からの「今以上に学校を楽しく過ごせる場所にできますか」との質問には、子供に関わる人が責任を押し付け合うことなく、分かり合い協力し合う努力をすれば楽しくすることは可能との答えがありました。 10分の休憩を挟んでの90分はあっという間に過ぎました。 最後に主催から「人がいる限り、教育は必要です。そして先生がいなくてはいけません。皆さんのように、将来の自分を先生に夢見ている人たちを私達は待っています。」と伝え、全てのプログラムを終えました。 畿央大学現代教育研究所 現代教育学科 教授 西尾 正寛 【関連リンク】 「ほら、先生ってステキ」未来を育てる学校の先生になろう!~現代教育研究所主催 | 畿央大学
2025.07.26
SECOND STAGE SPRING GAMES 2025に出場!~ 男子バスケットボール部 LOOSE
こんにちは!男子バスケットボール部LOOSEマネージャー、現代教育学科3回生の杉岡 果穂です。私たち男子バスケットボール部は2025年6月28日(土)~6月29日(日)に(株)セカンドステージ主催「SECOND STAGE SPRING GAMES 2025」に参加しました! 今回、私たち男子バスケットボール部は、AチームとBチームの2チームに分かれての参加となりました!AチームBチームともに、素晴らしい試合結果になりました。 また最終日には、いくつか観光スポットもめぐり、楽しみまくりの最高の2日間になりました。 男子バスケットボール部 現代教育学科3回生 杉岡 果穂 関連記事 SECOND STAGE SPRING GAMES 2025 に出場しました!!~ 女子バスケットボール部 LOOSE ビーチラグビー白浜大会2025に参加しました!~ビーチラグビー部「Unlache」 災害復興ボランティア部HOPEFULが、FMヤマトに出演! 第37回フィンスイミング日本選手権大会に出場しました!~水泳部 広陵町町制施行70周年記念イベントに書道部と軽音学部が参加!