2021.02.10
ひらめき☆ときめきサイエンス「身体と脳との不思議な関係~身体運動の脳科学~」をオンライン開催しました。
オンラインで学ぶ「脳と運動」の関係性
令和3(2021)年2月6日(土)、『ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~』を実施しました。
「ひらめき☆ときめきサイエンス」は、文部科学省所管の独立行政法人日本学術振興会からの助成を受けて実施されるイベントで、本学ではこれまで小学校高学年の児童を対象に平成21年から毎年実施しており、昨年度に引き続き高校生を対象に開催いたしました。大学は教育研究機関として、国の科学研究費の助成を受けて社会に役立つ様々な研究を行っています。その成果を高校生にも知ってもらい、未来の科学者を育てていくのがこのイベントの目的です。
通算12回目の開催となる今回は新型コロナウイルス感染症拡大の防止のため、対面式での講座ではなく、Zoomを用いて「オンライン」での初開催となりました。
この日のプログラムは「身体と脳との不思議な関係~身体運動の脳科学~」と題し、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの信迫悟志准教授、大住倫弘准教授が講師を務め、脳と運動との密接な関係性を学んでもらいました。
はじめに事務局からZoomの動作確認とこの事業の目的と科研費についての説明、その後信迫先生からも視聴画面の確認や音声の確認を行ったあと、「身体運動の脳科学」と題して脳の構造や簡単な運動を通して“脳科学”の導入を講義してもらいました。
2時間目からは学生スタッフにも登場してもらい、様々な実験機器を使用した実験をLive配信し、画面越しに参加者の皆さんに実験を“疑似体験”していただきました。まず実験1として「映像遅延下運動課題」「両手干渉課題」「運動観察干渉課題」「スプリット・トレッドミル歩行課題」、実験2として「ラバーハンド錯覚課題」「腱振動錯覚課題」「視線計測課題」、最後の実験3は「運動中の脳活動測定」と題し、fNIRS(機能的近赤外分光法)と脳波を使用した運動中の脳活動実験を行いました。1つ1つの実験が終わるごとに画面上で実験の解説を行い、時折専門用語も混ぜつつ、高校生の皆さんにも理解できるように分かりやすく丁寧に説明しました。
▼Live実験の様子
▼Live配信の画面(視聴者側)
▼その他実験の様子
全ての講義が終了した後は参加者にも声を出してもらい、質問タイムのコーナーを設けました。担当教員からは、今後の進路を選択する高校生へ向けて自身の昔話や、高校と大学での学修の違い、また大学生の先輩でもある学生スタッフからも実際の大学での学生生活について話をしてもらいました。
参加者からは「(オンラインではなく)実験などを実際にしてみたかったが、説明もわかりやすく映像での実験も様子がわかりやすかった」「高校生にも理解できるように噛み砕いて教えて下さったので理解しやすかった」等の感想をいただきました。コロナ禍においてほとんどの大学で授業形態の1つとなった“遠隔授業”も、今回の講座を通して高校生のみなさんに体験していただけたのではないでしょうか?
今回の体験を通して参加者の皆さんが科学に対してさらに興味を深めてくれることを願うとともに、次回はぜひ対面でのイベントが開催できるようコロナウイルス感染症が終息していることを祈っています。
ぜひまた畿央大学でのイベントにご参加ください!
【過去のひらめき☆ときめきサイエンス】
2017年「運動中の体の不思議を探る~健康をつくる運動と栄養のサイエンス入門~」
2016年「運動中のからだのしくみを発見しよう~健康をたもつ運動と栄養の科学~」
2015年「運動するとからだの中はどうなる?~健康をつくる運動と食事のサイエンス~」
2014年「運動中のからだの不思議を科学する~健康を支える運動と食事を学ぼう~」
2013年「世界から注目される『日本料理』のおいしさをサイエンスするーおだしの文化の調理科学実験ー」
2012年「お母さんの手作り料理の味は一生忘れないってホント?調理科学の不思議体験」