2015.06.25
平成27年度「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」に本学が採択されました。
本学が文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に申請していた地域密着型研究プロジェクト「ソーシャル・キャピタル創出とヘルスケアデータ一元化による地域包括ケアシステム研究拠点の形成」が、2015年6月18日付けで採択されました。今後5年間にわたり文部科学省より助成を受け、研究を進めていくことになります。
世界有数の長寿国である我が国では、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもと、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることができるよう「地域包括ケアシステム」の構築を推進しています。効果的・効率的な地域包括ケアを進めるには、住民のヘルスケアデータ(健診データ、体力、認知症等)の蓄積と運用が基盤となりますが、現在それらのデータは分散しており、十分に活用できているとは言えません。
本研究の目的は、地元広陵町と協働してヘルスケアデータの統合一元化(プラットフォームの構築)を進め、そのデータ蓄積の枠組みによる研究基盤を構築するだけでなく、データヘルスの課題だったデータ把握困難者へのアプローチおよびデータ活用実践の方法について、人材育成を手段として進めることで、住民の健康増進および介護・認知症予防に寄与するかを明らかにすることです。
以下4項目の研究を通じて、効果的、効率的な地域包括ケア推進のための実践と知見を得ることを目標としています。
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ヘルスケアデータ統合によるプラットフォーム構築に関する研究
本学と広陵町が協働で行ってきた各種体力・身体測定と運動教室におけるデータ、国民健康保険のレセプト(診療報酬明細)および介護保険のレセプト(介護報酬)、住民調査の結果などを統合しプラットフォームを構築することにより、地域に分散した詳細な住民の健康データを一元化し、蓄積していくことで本研究の基盤を構築する。 -
健康・認知機能低下の効率的なスクリーニング方法およびそのアプリケーションの開発
地域住民が気軽に自身の健康情報や認知機能の低下に関する情報を評価できるようにするため、簡便なスクリーニング法を開発する。これらは高齢者にも比較的容易に操作可能なタブレット端末等の電子デバイスを用いて行う。 -
健康啓発・予防医療推進のための住民リーダー人材育成による効果検証
自身の健康情報を得た後、どのように健康増進あるいは介護予防を行うかが課題であるが、個人では限界がある。そこで、健康啓発・予防医療・介護予防推進、認知症対策のための住民リーダーを養成することによって、ソーシャル・キャピタルを増加させ、地域住民のヘルスリテラシーを向上する。 -
住民への健康支援を多専門分野で構成される学生チームで行うことによる教育効果
健康科学・教育学を学ぶ学生たちが学科の垣根を超え、実際に住民と触れ合い、気づき、実践していくことで得られる効果を検討する。この実践は学習意欲を高め、異なる学科の分野も含まれることから視野の拡大、多世代と関わることからコミュニケーション能力向上にもつながる。また、自分自身の健康行動の改善や、住民支援の方法の理解、地域の課題への認識が高まる。また、住民が若者と関わることへの心身への効果も期待できる。
本学と広陵町は包括連携協定を結び、これまでも連携して介護予防リーダー養成講座、各種運動教室、イベント協力などさまざまな取り組みを進めてきました。今回の採択を受けてこれをさらに強化、発展していくことになります。本プロジェクトが地域密着型研究のモデルケースとなり、また広陵町の皆さんのヘルスプロモーション(健康増進)につながるよう、大学一丸となって取り組んでまいります。
研究プロジェクト名 | ||
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ソーシャル・キャピタル創出とヘルスケアデータ一元化による地域包括ケアシステム研究拠点の形成 |
研究プロジェクトメンバー | ||
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文 鐘聲 |
ヘルスプロモーションセンター 研究部門長(研究代表者) | |
高取 克彦 |
ヘルスプロモーションセンター センター長 | |
福森 貢 |
看護医療学科 教授 | |
山崎 尚美 |
看護医療学科 教授 | |
松本 泉美 |
看護医療学科 教授 | |
福本 貴彦 |
理学療法学科 准教授 | |
瓜谷 大輔 |
理学療法学科 准教授 |
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松本 大輔 |
理学療法学科 助教 | |
宮崎 誠 | 教育学習基盤センター 特任助教 |
【平成26年度 広陵町との主な連携事業】
広陵町・靴下組合の連携企画「靴下ファッションショウ」が開催されました。
TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.10~広陵町体力測定会!
広陵町かぐや姫まつり「ソックアニマルつくり」ワークショップを開催しました!