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2021.10.22

第14回理学療法特別講演会「2020東京五輪の活動報告」を開催しました。

東京五輪に参加した教員・修了生による講演+座談会を開催

講演会の【見逃し配信】も決定!

 

理学療法学科卒業生のリカレント教育として、畿桜会(同窓会)主催で実施されている「理学療法特別講演会」。第14回となる今回のテーマは『2020東京五輪の活動報告~理学療法サービス部門としてのレガシー~』とし、TOKYO2020MEDスタッフとして参加した教員・卒業生3名を講師に招いて、2021年10月13日(水)19時30分よりオンライン開催されました。

 

全国的な緊急事態宣言も解除され、徐々に新型コロナウイルス感染者数が減少傾向にありましたが、まだまだ油断のできないコロナ禍であることから、今年はzoomを利用したオンライン開催となりました。例年は卒業生以外の医療関係者にもご参加いただいておりますが、今回は学部学科を問わず、畿央大学の在学生・卒業生・修了生・教職員に限定して募集し、約80名の方々に参加いただきました。

 

同じく東京五輪にスタッフとして参加し、今回は視聴者として参加した理学療法学科5期生の楠元 史さんに、ご自身の体験も交えながらレポートしていただきます!

 

(左から)唄さん、楠元さん、加納さん、福本先生

 

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■講演会について

今回はまず、TOKYO2020オリンピック・パラリンピック大会に参加した理学療法学科准教授の福本貴彦先生に、スタッフ選定から実際の現場での活動の様子についてお話いただきました。

 

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2013年9月、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれたIOC(国際オリンピック委員会)の総会にて、56年ぶりに日本にオリンピック・パラリンピックが開催されることが決まりました。その総会にて当時のジャック・ロゲ会長が「TOKYO」と書かれたカードを裏返す姿は、ニュースなどで多くの方々が目にした光景だと思います。

 

それからの日本は全世界を対象とした「お・も・て・な・し」の体制を整えてきました。しかし、2019年の1月から新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるい、その影響は歴史上初のオリンピックパラリンピックの1年延期というところまで及んできました。

 

世界最大級の大会が日本にやってくるということで、NOC(日本オリンピック委員会)/NPC(日本パラリンピック委員会)から、日本理学療法士協会へ理学療法士派遣の依頼がきて、実際の募集が始まったのは、コロナによるパンデミックが始まる前の2018年でした。

 

 

 

日本理学療法士協会経由で畿央大学関係者から今大会に参加させていただいたのは、福本先生・唄先生・加納先生・楠元(私)の4人でした。その他にも、この大会には畿央大学の卒業生が多く参加したとうかがっています。

 

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スタッフ選定には研修会の参加の有無や英語能力などを問われた書類選考があり、そこから面談形式の選考を経てスタッフとして確定するという長い道のりとなりました。その中で、一番動揺したのが、面談の中で2分間自己紹介を英語でするというものでした。実際の面談が始まった時に告げられた項目ですので、英語で、、、しかも、2分間も自分一人で話し続けなければならないと思うと、逃げ出したくなる気持ちでしたが、なんとかやりきるしかないと腹をくくり、やりきった結果がスタッフとして選ばれるという喜びでした。

 

2019年の12月にスタッフに選ばれたという嬉しいニュースの一方で、本当にオリンピックパラリンピックが開催されるのかという不安もあったのを覚えています。その不安は的中し、1年延期となった2021年になっても活動日程や活動場所の連絡は一向に来ず、大会組織委員会も大変な時期を過ごしていたことが垣間見えました。

 

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そのような状態でしたが、なんとかオリンピックが2021年7月23日に、パラリンピックが8月22日に開会式を迎えることができました。福本先生はオリンピックパラリンピック両方で修善寺分村(トラックサイクリング選手村)・パラリンピックの河口湖分宿(ロードサイクリング選手村)、パラリンピックの富士スピードウェイ(ロードサイクリング会場)という3つの場所で活動され、唄先生はオリンピックパラリンピック期間のほとんどを東京晴海にある選手村本村(よくテレビに映っていた選手村)で、加納先生はオリンピックパラリンピック両方で伊豆ベロドローム(トラックサイクリング会場)・パラリンピックの富士スピードウェイ(ロードサイクリング会場)の2つの会場で活動されていました。私はパラリンピックの河口湖分宿と東京の本村で活動させていただきました。

 

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■座談会

その後、座談会として同じくオリパラに参加された客員研究員(理学療法学科卒業生・大学院修了生)の唄大輔先生と加納希和子先生に加わっていただき、事前に皆さんからいただいた質問に答える形式で、オリパラでの貴重な経験や素敵な出会い、それぞれの現場での活動の内容をお話しいただきました。司会は同じく卒業生・修了生で現在は大阪行岡医療大学医療学部理学療法学科で教員を務める山野宏章先生が担当。座談会にいる4名全員が福本ゼミということで、畿央大学らしい一体感の伝わる場になりました。 

 

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「選手村や会場ではどのようなことをしていましたか?」という質問が多く出ました。唄先生や加納先生も言及されていた通り、どこに問題があり、どうして欲しいのかということをしっかり聞き、物理療法や運動療法などを行い問題を解決していったり、スポーツの現場で遭遇するようなその場でのアクシデントに対応し、担架で運び出したり、手当てをしたりといった普段の臨床や普段のスポーツ現場での対応をそのまま行っていたという言葉がしっくりくると思います。

しかし、少し違っていたのが、そこには日本中から選出された理学療法士や世界の理学療法士またはドクターがいて、普段の臨床では使わない機器があって、アクシデントの大きさも生命に関わるようなものであった、ということでした。それはこのような大きな大会だからこそ体験できる・感じることができるものでした。

 

今大会に参加させていただいた中で、普段の臨床でみたことのないような疾患の方でも(特にパラリンピックにおいて)、その場にいる理学療法士が一丸となって意見を交わし、その選手に対して行える最善のリハビリを提供することや、世界の理学療法士と交流すること、世界的な大会に出場している選手でありながらも物理療法の機器やテーピング・リハビリといったものを一度も受けたことがないといった選手がいるということを経験し、現在の自分の理学療法士としての技量や未熟さに気がつくことができただけでなく、日本の理学療法士の立ち位置も確認することができたのではないかと思います。また、日本中から集められた理学療法士の精鋭と繋がれたこと、理学療法士だけでなく全世界の方に対して心からこの大会を楽しんでほしいという思いをもって参加していたスタッフに出会えたことなど、これらはすべて今後に繋がる大切なレガシー(財産・遺産)となっていくのではないかと感じています。

 

最後になりましたが、このような報告会の場を設けていただき、また、オリンピックパラリンピック参加あたり、参加の前から言語や実技研修会開催や広報の記事を掲載していただくなどサポートいただきました畿央大学や畿桜会、そして、学外におきましても所属病院はじめサポートいただきました皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

理学療法学科5期生(2011年3月卒) 楠元 史

 

 

【アーカイブ(見逃し)配信開始のお知らせ】

都合が合わずに参加できなかったという声を受けて、講演会(約60分)のみアーカイブ配信を行うことになりました。お申込みいただいた方(在学生・卒業生・修了生・教職員)にのみ視聴用URLをお送りしますので、希望される方は下記からお申込みください。視聴期間は11月末までです。

 

▶アーカイブ配信申込ページへ

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