SNS
資料
請求
問合せ

ニュース&トピックス

2026.03.06

教職員対象「令和7年度ハラスメント防止委員会および人権教育推進委員会主催学内研修会」を開催しました。

2026年2月26日(木)、本学にて教職員対象の「ハラスメント防止委員会および人権教育推進委員会主催学内研修会」を開催し、70名の教職員が参加しました。

 

今年度の研修では大阪大学名誉教授(教育学博士)の小野田正利先生をお迎えし、「対応困難な保護者対応トラブルとは何か~親の権利と教師の尊厳の両立のために」をテーマにご講演いただきました。

 

 

小野田先生は、保護者や顧客などの苦情の中で無理難題と感じてしまうものを「イチャモン」と呼び、特に学校現場において、学校と保護者の建設的な営みの手がかりがあるとお考えで、その対応のあり方を長年研究されてこられました。退職後の現在でも年に数十の講演活動を精力的に展開されており、本日本学での講演の運びとなりました。

 

 

講演では、近年増加している学校現場での保護者対応の課題について、保護者対応はもはや逃れることは不可避で、単なるクレーム処理ではなく、教育を支える大切な仕事の一つであることが強調されました。小野田先生は、実際に全国の学校現場へ足を運び、教職員への丁寧な聞き取りを重ねてこられた経験をもとに、具体的事例を交えながら説明されました。

 

「現場に行かなければ見えないことがある。」その言葉が示す通り、数字や報告書だけでは把握できない現実があります。当事者の声を直接聞き、その背景を知ることで初めて、本質的な対応の在り方が見えてくるとの説明もありました。

 

 

また、対応困難とされる事例においても、相手の立場に立ち、「なぜその言葉が出ているのか」その背景を考えることが重要だと示されました。同時に誠実な対応をしていくには、感情論に流されるのではなく、法的知識を基盤とし、ICレコーダーやスマホ等によって記録を残すなどの危機管理も不可欠だと強調されました。

また、保護者対応は決して個人で抱え込むものではなく、学校全体で組織的に対応していくことが重要であるとの指摘もありました。教員一人に責任を集中させるのではなく、組織として支える体制づくりこそが、教職員の尊厳を守ることにつながります。

 

後半では、小野田先生監修のビデオを視聴し、実際の対応場面を通して理解を深めました。

 

 

人権とは、権利の主張だけを意味するものではありません。そこには他者の尊厳を尊重しながら共に在るという姿勢が含まれています。

 

対立ではなく対話へ。個人対応ではなく組織対応へ。そして思い込みではなく事実に基づいた誠実な対話を積み重ねることが、信頼される教育環境の基盤となります。とりわけ、教職員が孤立したまま問題を抱え込むことは、心理的にも大きな負担になり、結果としてハラスメントにつながることになりかねません。

 

本日の講演で小野田先生がお話しいただいたことは、健全な教育環境を維持するためのハラスメント防止の観点からも重要であり、組織全体で支え合う環境整備につながるものと考えられます。現場に学び、人に向き合うという積み重ねこそが、安心して教育に取り組める環境を支える基盤であることを改めて考える機会となりました。

この記事をシェアする