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すべての新着情報一覧

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2021.06.16

患者教育プログラムは変形性膝関節症患者さんの自己効力感の向上に有効か?~理学療法学科教員

研究成果が、筋骨格系の疾患や障害に関する国際学術誌に掲載されました! ~変形性膝関節症におけるセルフマネージメント教育プログラムの自己効力感に対する効果~   変形性膝関節症(膝OA)の患者さんに対する患者教育プログラムは患者さんの自己効力感を高めることが出来るのか?という疑問についてシステマティックレビューという手法を用いて調査した研究成果が、筋骨格系の疾患や障害に関する国際学術誌「BMC Musculoskeletal Disorders」に掲載されました。 論文のタイトルは「Effects of self-management education programmes on self-efficacy for osteoarthritis of the knee: a systematic review of randomised controlled trials」(変形性膝関節症におけるセルフマネージメント教育プログラムの自己効力感に対する効果:無作為化比較試験のシステマティックレビュー)です。     膝OAの患者さんに対する理学療法の効果はこれまでに多くの研究で報告されています。例えば運動は膝OA患者さんにとって最も重要で有効な介入手段の一つであることが明らかにされています。しかし同時に運動を継続して行うことが難しいことも多く報告されています。運動が続かない原因については様々な要因が考えられますが、我々はその一つとである“自己効力感”に注目しました。自己効力感とは、“自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できるという、自分の可能性についての認知や自信”のことを言います。 我々の先行研究では自己効力感が高い膝OA患者さんほど日々の身体活動量が多い傾向があることを報告しています。     今回の研究は既に公表されている無作為化比較試験(RCT)など複数の臨床研究を、一定の基準と一定の方法に基づいて集めて、系統的にまとめる、システマティックレビューという方法を用いて行いました。今回は対面で行われる医療専門家による教室形式の患者教育プログラムを対象に研究を行いました。その結果、患者教育プログラムは膝OAの痛みやその他の症状に対する自己効力感を高める可能性が示唆されました。 一方で集められた研究の数が少なく、また研究のデザインがまちまちであったため、研究の疑問に対してはっきりと結論付けることができる結果は得られませんでした。     日本では膝OA患者さん向けの系統立った共通の患者教育プログラムはみられませんが、今後は日本人向けの患者教育プログラムの構築も必要であると考えています。   Uritani D, Koda H, Sugita S. Effects of self-management education programmes on self-efficacy for osteoarthritis of the knee: a systematic review of randomised controlled trials. BMC Musculoskeletal Disorders. 22. 515. 2021. (無料で閲覧、ダウンロードが可能です)   健康科学研究科准教授 健康科学部理学療法学科准教授 瓜谷 大輔 【関連記事】 「変形性膝関節症」に関する共同研究が論文として公表されました!~理学療法学科教員 変形性膝関節症に関する研究の途中経過が学会誌に掲載されました~理学療法学科教員 理学療法学科卒業生の卒業研究が国際学術雑誌に掲載!~理学療法学科 「足趾握力」に関する論文が国際誌に掲載!~理学療法学科教員

2021.06.16

畿友会(学生自治会)だよりvol.70~クラブ・サークル代表者会議、クラス代表者会議を開催!

こんにちは!学生自治会「畿友会運営委員会」です! 例年同時期に開催している各種代表者会議ですが、コロナ禍のため感染リスクを軽減するべく対面とZoomによるオンラインを併用しながら開催しました。   これまでは対面開催が当たり前でしたが、昨年度初めての試みとしてオンライン開催に挑戦しました。今年度もその経験を生かしながら、2021年5月27日(木)にクラブ・サークル代表者会議、2021年5月31日(月)にクラス代表者会議を行いました。 なお、会議当日に登学している方は各自貸与PCを持ち込み、会場でZoomをつなぎながら参加しました。     5/27(木)クラブ・サークル代表者会議 34団体のクラブ・サークル代表者の方々が、オンライン会議に参加いただきました。現在はコロナウイルス感染拡大が続いているため活動停止中ではありますが、今後活動が再開したときにスムーズに活動していけるようにするため、会議を開催しました。     今年度のクラブ・サークル代表者会議では、以下の6つの内容について進めました。     コロナウイルス感染対策に取り組みながら課外活動を行っていくことは、各クラブ・サークル皆さんとの協力が欠かせません。今後も感染対策に取り組みリスクを下げながら活動していけるよう、代表者の皆さん、よろしくお願いします。       5/31(月)クラス代表者会議 52名のクラス代表者の方々に参加いただいたクラス代表者会議ですが、コロナ禍のためZoomのウェビナー機能を使ったオンライン会議を開催しました。会議当日に登学している方は各自貸与PCを持ち込み、会場でZoomに繋ぎながら参加しました。     クラス代表者会議は畿友会の最高議決機関です。この会議では「2020年度畿友会行事と2021年度畿友会行事予定の報告、2020年度収支決算・会計監査の報告と2021年度予算案等の審議、2021年度畿友会執行委員の選出」が審議され、すべて承認されました。 この承認により、畿友会会長をはじめとする執行委員の代替わりを無事行うことができました。 これから1年間よろしくお願いします! クラス代表者の皆さん、会議に参加していただきありがとうございました!     畿友会広報部 現代教育学科3回生 下岸あすか ▶畿友会に関連するブログ記事 KIO Smile Blog

2021.06.16

痛みへの恐怖は運動のプログラム中枢を変容させる~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

ヒトは痛みを怖がるとうまく身体を動かせなくなりますが、その脳メカニズムは明らかになってはいませんでした。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 大住倫弘 准教授、森岡 周 教授らは、東京大学医学部付属病院緩和ケア診療部 住谷昌彦 准教授らと共同で、痛みを怖がりながら運動を継続していく時の脳活動を調べ、身体を動かそうと意識をすると運動プログラム中枢の活動に異常が生じることを明らかにしました。この研究成果は、Behavioural Brain Research誌(Fear of movement-related pain disturbs cortical preparatory activity after becoming aware of motor intention)に掲載されています。   研究概要 痛みを怖がると身体をうまく動かせなくなることは多くの研究で明らかにされてきており、これは運動をプログラムしている “脳” の活動異常によるものだと考えられてきました。しかしながら、具体的に脳にどのような活動異常が生じるのかは明らかにされていませんでした。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 大住倫弘 准教授らは、健常成人18名を対象に、ボタンを押したら痛みが与えられる実験状況を設定して、ボタンを押すことを怖がっている時(ボタンを押す直前)の脳波活動を計測しました(図1)。 その結果、痛みを怖がりながらボタンを押す条件では、ボタンを押す直前に出現する「運動準備電位」の波形に異常が認められました。さらに詳細に分析すると、この時には、行動抑制の機能がある前頭領域の過活動と、運動プログラム中枢である補足運動野・帯状皮質の過活動が同時に認められました。これは、いわば、『ブレーキを踏みながらアクセルと強く踏んでいるような状態』で、自らで行動を抑制しながらも、無理をして行動を起こしている状態だと考えられます。おそらく、この脳の活動異常が続くことで、運動の異常パターンが出現するのだと考えられます。 加えて、興味深いことに、この実験では、被験者に「自分がボタンを押そうとおもった瞬間」をLibet paradigmで記録しており、上記のような脳の活動異常は「ボタンを押そうと思った」 という自らの意思が顕在化した後から生じていることが明らかになりました。つまり、運動を意識すればするほど、あるいは痛みを意識すればするほど、脳の活動が異常になりやすいことを示唆しています。 参考:Libet paradigm(YouTube)   本研究のポイント ■ 痛みを怖がりながら身体を動かすと運動のプログラム中枢に活動異常が生じる ■ そのような脳の活動異常は、運動の意思が顕在化された後から生じる   研究内容 以下の図1のような手順で実験を進めました。被験者は、目の前に用意された特殊な時計(2550ミリ秒で1周する時計)をみながら、好きなタイミングでボタンを押すように指示されました。ボタンを押すと痛みをともなう電気刺激が与えられ、これを続けると被験者はボタンを押すことを怖がるようになります。また、ボタンを押した後には、「時計の針がどこの時にボタンを押したいと思ったか?」に対して回答をします。多くの被験者は、実際にボタンを押した時間の0.2 – 0.5秒前の時間を回答しました。   図1:実験手順   このような実験タスクをすると、ボタンを押す直前に「運動準備電位」という図2のような波形が観察されました。この運動準備電位は、運動のプログラムを反映しており、この振幅や潜時に異常が生じるということは、運動プログラム中枢に何らかの異常が生じていることを意味します。実験の結果では、痛い条件での運動準備電位は、痛くない条件での運動準備電位よりも振幅が大きかったです。また、この振幅の異常は、自分でボタンを押そうという意思が顕在化した後(=自分の運動意図に気づいた後)に生じていました。     図2:各条件における運動準備電位   この時間帯でSource解析を進めると、図3のような行動抑制の機能がある前頭領域の過活動と、運動プログラム中枢である補足運動野・帯状皮質の過活動が同時に認められました。   図3:痛みへの恐怖によって運動プログラム中枢に認められた異常な脳活動   本研究の臨床的意義 痛みへの恐怖が運動を悪くする脳メカニズムの一端が明らかになりました。また、これは運動の意思が顕在化された後に生じる脳活動の異常であることから、運動/痛みを過度に顕在化させないようなリハビリテーションの重要性を示唆していると考えます。   論文情報 Osumi M, Sumitani M, Nishi Y, Nobusako S, Dilek B, Morioka S. Fear of movement-related pain disturbs cortical preparatory activity after becoming aware of motor intention. Behav Brain Res. 2021 May 26;411:113379.   問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 准教授 大住倫弘(オオスミ ミチヒロ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: m.ohsumi@kio.ac.jp  

2021.06.14

小学生向けに「切り絵で遊ぼう」動画を公開!~2021年度「マミポコ・キッズ」前期 第1回活動

こんにちは、マミポコ・キッズです!   私たち「マミポコ・キッズ」は、畿央大学に地域の子どもたちを招待して、様々な遊びを行ってきました。しかし、現在は新型コロナウイルスの影響により、対面での活動が難しい状況にあります。そこで、子どもたちが何か楽しめることを遠隔で提供できないかと考え、子どもたちが1人あるいはお家の方と楽しめる遊びの動画配信を企画・制作しました。   今回の動画では、折り紙を使った「切り絵」を紹介しています。誰もが遊んだことのある折り紙、子どもたちにも馴染み深いものだと思います。折ったり、線を書いたり…。どんな形が出来上がるでしょうか?続きはぜひ動画をご覧になってください!     ▼いろいろな種類の切り絵を作ってみたよ!動画のどこに登場しているかな?     ▼折り紙を準備して、作ってみよう!     ▼新聞紙でも作ることができるよ!     次回の動画は、6月末に配信する予定です。楽しい企画を考えているので、お楽しみに! 子どもたちのたくさんの笑顔があふれる活動をめざして頑張ります! 今後とも、マミポコ・キッズをよろしくお願いいたします。   現代教育学科3回生 御崎夢乃(ゆめ)  森美月(みー)   【関連記事】 「マミポコ・キッズ」の取り組みはコチラ!!

2021.06.12

児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」

2021年5月20日(木)に「乳幼児の成長・発達」の授業で、奈良県桜井市にある児童養護施設「飛鳥学院」を見学させていただきました。 飛鳥学院では、様々な理由によって、環境上養護を必要とする子どもたちが入所し、自主性、社会性を持って自立することを支援するため、子どもたちへの温かい関わりをされています。   ▼基本理念:二宮尊徳翁(金次郎)の報徳精神。「勤倹」勤勉に働き、倹約すること、「分度」自己の社会的、経済的実力を知り、それに応じて生活の限度を定めること、「推譲」今日のものを明日に譲る、社会のために譲る。     施設は、70年ほど前に建てられた木造建築で重厚感があり、床はピカピカで掃除が行き届いており、木の温かみと清潔感を感じました。また、大きな保育園が隣接しており、とても賑やかで安心感を感じるような雰囲気がありました。   ▼飛鳥学院の玄関       ▼玄関からホールに続く廊下     院長の河村先生や児童指導員の清水先生からは、施設で生活をする子どもたちの教育にとても力を入れられていることをお話していただきました。施設の中には、塾、そろばんをする学習室があり、その他、部活動や子どもたち自身が興味のある習い事にも取り組むことができるような体制が整っています。勉強ができること、自分の強みを見つけられることで、自尊感情を高め、社会に出た時に大きな糧となるような関わりをされていて、子どもたちの将来にとても真剣に向き合っておられることを強く感じました。 職員の方々の関わりによって、子どもたちが社会に適応する力、社会で生きる力を身につけ、自立した生活ができるようになるのだということを感じました。   ▼河村院長       ▼清水先生の講義の様子       ▼こどもたちの学習室       ▼洗濯室(中学生以上は自分たちで洗濯を行っています)     今回の見学を通し、人に真摯に向き合う、誠実で親切な姿勢を忘れずに、子どもやお母さんをはじめとする家族の架け橋となるようなサポートをしていきたいと思いました。   ▼全員で集合写真(※撮影時のみマスクを外しています。)     お忙しい中、私たち学生を温かく迎えてくださった河村院長、宮崎副院長、清水児童指導員、職員のみなさま、本当にありがとうございました。   助産学専攻科 寺林香織 安田悠未   【関連記事】 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科 児童養護施設を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」

2021.06.08

親子で簡単にできる手あそび動画を公開!~2021年度「マミポコ・親子ひろば」前期第1回活動

「マミポコ・親子ひろば」は、近隣の未就園児とその保護者の皆さんに遊びと交流の場を提供する取り組みです。親・子・大学生のコミュニケーションの場として、自由遊び、手遊び、絵本の読み聞かせや体操遊びなどを提供し、元気いっぱい活動をしてきました。 現在はコロナ禍により対面での実施が難しいため、「おうちでできる簡単な遊び」を企画・製作しました。是非おうちでお子様と一緒に楽しんでください!   【第1回:5/27(木)】 〇手遊び「かたつむり」 〇ふれあい遊び「ロンドン橋」 〇タッチ遊び「あめふり」     親子一緒にお家で楽しめる遊びを考え、動画配信することになりました。まだまだ皆さんと会うことが難しい中で、少しでも明るく楽しい気持ちになっていただければと思います。 是非ご覧ください!   〈準備の様子〉 ※感染対策を徹底したうえで、練習や準備作業をしています。     ▼こんな感じに出来上がります!     〈撮影の様子〉       これからも、より安心安全に楽しく活動できるような内容を考えていきたいと思います。 子ども達や保護者の方々の笑顔を見られることを楽しみにしています! 動画は順次配信していく予定ですので、チェックしてください!   現代教育学科3回生 荒井斗子 岡村遥佳 【関連記事】 「マミポコ親子ひろば」の取り組みはコチラ!!

2021.06.04

令和3年度畿桜会Web総会(Web審議)・オンライン役員会を開催しました。

2021.06.04

条件付けられた痛みの恐怖は運動制御を変調させる~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

筋骨格系の障害を持つ患者さんの中には、目標に向かって手を伸ばす動作により繰り返し痛みを感じることで、運動に対する恐怖を感じる方が数多くいます。そのような痛みや運動恐怖は生活の質に大きな不利益をもたらします。畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 西 祐樹と森岡 周 教授らは、東京大学 住谷 昌彦 准教授を中心とする研究グループと共同で、痛みの恐怖条件付けモデルを用いて、痛みに対する予期や恐怖に関連した恐怖によって、到達把握運動の制御が変調することが明らかにしました。この研究成果はScientific Reports誌(Kinematic Changes in Goal-directed Movements in a Fear-conditioning Paradigm)に掲載されています。   研究概要 筋骨格系の障害を持つ患者さんの中には、何かの動作をするたびに繰り返し痛みを経験することで、運動に対して恐怖心を抱くようになります。運動恐怖が生じると、痛みを最小限に抑えるために身体の運動戦略を適応させていきます。例えば、ゆっくり動かすと痛みがマシになるなら、患者さんは肢をゆっくり動かすように適応させていきます。一方で、保護的な運動戦略は、身体の器質的な障害や痛みを助長し、より大きな障害につながることがあります。畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 西 祐樹らの研究チームは、痛みの恐怖条件付けモデルを用いて、目標指向性到達における運動軌跡や筋収縮の変化を調査しました。その結果、運動に伴う痛みに対する予期や恐怖によって、得られた感覚に基づいて運動を調整するフィードバック運動制御が先行して緩慢化し、その後、予測的に運動を遂行するフィードフォワード運動制御が緩慢化することを明らかにしました。また、運動に伴う痛みがなくなると、フィードバック制御が先行して元に戻り、その後、フィードフォワード制御が元に戻りました。加えて、そのフィードフォワードやフィードバック運動制御の変調の背景には主動作・拮抗筋の共収縮が関与していることを明らかにしました。   本研究のポイント ■ 痛みの恐怖条件付けを用いて、到達把握運動の運動軌跡と筋収縮を計測した。 ■ 運動に伴う痛みの予期や恐怖によって、運動が緩慢化し、主動作・拮抗筋の共収縮が増加した。 ■ 運動に伴う痛みがなくなると、運動の緩慢化や共収縮が徐々に元に戻った。   研究内容 到達把握運動における痛みの恐怖条件付けとして、練習段階では痛み刺激は与えられませんが、次の獲得段階では運動に伴って痛みが与えられたり、与えられなかったりしました。その後の消去段階では練習段階と同様に、運動に伴う痛みが与えられませんでした(図1)。     図1.到達把握運動における痛みの恐怖条件付け(© 2021 Yuki Nishi) 被験者は到達把握運動を行い、運動を完了した直後に痛みが与えられる。   運動制御の指標として、到達把握運動をフィードフォワード制御とフィードバック制御に分類し、それぞれに要した時間を算出しました。また、上腕二頭筋と上腕三角筋の筋電図を計測し、時間周波数解析という解析方法を用いて、筋収縮の様相を評価しました。その結果、運動に伴う痛みに対する予期や恐怖によって、得られた感覚に基づいて運動を調整するフィードバック運動制御が先行して緩慢化し、その後、予測的に運動を遂行するフィードフォワード運動制御が緩慢化することを示しました。また、運動に伴う痛みがなくなると、フィードバック制御が先行して元に戻り、その後、フィードフォワード制御が元に戻りました。加えて、そのフィードフォワードやフィードバック運動制御の変調の背景には主動作・拮抗筋の共収縮が関与していることを明らかにしました。これらの結果は、筋骨格系の障害における保護的なフィードフォワードおよびフィードバック運動の異常を説明できる可能性を示唆します。加えて、痛みの慢性化に影響を及ぼす要因を特定するためには、運動制御障害が生じるプロセスを詳しく評価することが重要であるということを示唆しています。   本研究の臨床的意義および今後の展開 筋骨格系の障害における保護的な運動の異常を詳細に説明できる可能性を示唆し、痛みの慢性化に影響を及ぼす要因を特定するために、運動制御障害の獲得過程を評価することの重要性を示しました。今後は筋骨格系の障害による運動制御や筋出力の詳細な分析を行い、その結果に基づいた介入を研究する予定です。   論文情報 Yuki Nishi, Michihiro Osumi, Masahiko Sumitani, Arito Yozu, Shu Morioka Kinematic Changes in Goal-directed Movements in a Fear-conditioning Paradigm Scientific Reports, 2021   関連する論文・記事 Nishi Y, Osumi M, Nobusako S, Takeda K, Morioka S. Avoidance Behavioral Difference in Acquisition and Extinction of Pain-Related Fear. Front Behav Neurosci. 2019 Oct 11;13:236.   問い合わせ先 畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 西 祐樹(ニシ ユウキ)   教授 森岡 周(モリオカ シュウ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: s.morioka@kio.ac.jp

2021.06.03

セルフモニタリングが必要な患者のアセスメント・支援の演習~看護医療学科「慢性期看護学援助論Ⅱ」

看護医療学科3回生対象の授業「慢性期看護学援助論Ⅱ」で、令和3年5月17日(月)、24日(月)に、セルフモニタリングが必要な患者のアセスメントと支援についての演習を実施しました。演習は糖尿病の事例患者を基に2つのブロックに分かれ、1つは血糖自己測定(患者が自分で血糖を測定する)の教育支援、もう1つは事例患者の1日の食事メニューを作成する内容です。 血糖自己測定の教育支援のブロックでは、学生が事前に準備してきた血糖自己測定の説明用パンフレットと行動計画をもとに、患者役と看護師役になり、実施しました。     学生が作成したパンフレットは工夫を凝らした様々なものがあり、教育支援実施後はグループメンバーで共有し、良い点・改善点を話し合いました。     その後、教員が患者役となり学生が看護師役でのロールプレイングを実施しました。他の学生の教育支援を見学することで、事例患者の疾患や背景を考慮した関わり方などを考えた行動計画の立案が必要であることに気付いたようでした。     事例患者の1日のメニュー作成のブロックは、食品カード(そのまんま料理カード)を用いて実施しました。和洋中の様々な食品およびアルコールやパン、ケーキなどのカードもあり、グループメンバーと相談しながら、メニュー作りをしました。     作成後、カードの裏にある栄養成分表を見て再度検討し、メニューを作っていきました。何度も計算を繰り返し、食事療法の制限範囲に収めるメニュー作りの難しさに悲鳴をあげていました。     事例患者とはいえ、糖尿病という慢性疾患を持つ患者が生活していくうえで必要な食事療法と血糖自己測定の教育支援の演習を通して、生活者としての患者の療養を想定した支援が必要であることが理解できたようです。今後は臨床現場で患者に合わせた教育支援を考え、実践できるようになってほしいと思います。   看護医療学科教員(慢性期看護学)對中百合・山本裕子

2021.06.03

畿友会(学生自治会)だよりvol.69~「1・2回生応援企画!畿友会ワードラリー!」結果発表

こんにちは!学生自治会「畿友会運営委員会」です! 2021年4月12日(月)~4月30日(金)に行った「1・2回生応援企画!畿友会ワードラリー!」に参加してくださった皆様ありがとうございました!合計123人の応募があり、とても嬉しいです!! そして、そのワードラリーの応募の中から抽選で、景品当選者が選ばれました!当選された皆様おめでとうございます!! 当選した方々には感染対策をして、直接、豪華景品をお渡ししました。   一部の方に写真撮影の許可をいただき、いい笑顔を撮らせていただきました。 おめでとうございます!(^^)   ▲大切に使っていただいているようで、嬉しいです!!   ワードラリーや大学生活を通して、キャンパス内の場所は少し覚えることができたでしょうか? 少しでも1・2回生のお役に立てたら嬉しいです! 新型コロナウイルスの影響で、遠隔授業が増え、外出自粛の期間が長く、苦しい思いをしている方々がたくさんいると思います。苦しみが少しだけでも楽しさに変わるよう、畿友会はこれからも楽しめる企画を考えていきます! 困ったことや悩んでいること、質問等があれば、いつでも畿友会運営委員に聞いてくださいね!!   畿友会広報部(現代教育学科3回生)下岸あすか

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