2021年のすべての新着情報一覧
2021.06.22
「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」活動報告ー当事者の方へのインタビュー~認知症ケアサークル「Orange Project®」
Orange Project®とは、熊本県(熊本大学・熊本保健大学・崇城大学)と奈良県(畿央大学)を中心に活動している認知症啓発のための学生ボランティア団体で、“認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献する”をコンセプトに、認知症啓発運動を行っている学生を中心とした団体です。2020年には、ロゴやマークが商標登録されました。 畿央大学の卒業生たちは2019年から、在学中に熊本大学・熊本保健大学・崇城大学と共に、Orange Project®(認知症支援プロジェクト)に参画し、認知症になってもやさしい町づくりなどに、学生主体に取り組み始めました。そして「認知症にやさしい広陵町、認知症に強い畿央大学」となることを目的に2019年9月にサークルとして発足しています。 今回は、畿央大学が「多世代まちづくりプロジェクト2020コンペティション」で参加賞をいただいた企画、「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」の活動の一環を報告させていただきます! この企画では、認知症の当事者の実体験をもとに紙芝居を作成するため、当事者の方からのお話をとおして、情報を得る必要がありました。 そこで、Orange Project®では、 ・2021年5月6日(木)18時より、若年性アルツハイマー病と診断された丹野智文さん ・2021年5月8日(土)13時より、若年性認知症と診断された竹内裕さん に、ZOOMでインタビューをさせていただきました。 【丹野智文さんへのインタビュー】 はじめに、畿央大学「Orange Project®」の活動紹介を行い、多世代の紙芝居を作成していることをお伝えしました。紙芝居は、学生が一から手書きで作成しています。 ぜひ皆さんも、完成をお楽しみにしていてください! 次に参加学生の紹介後、丹野さんより自己紹介を行っていたただいた後、学生から丹野さんへのインタビューTIMEとなりました。 特に3回生は以前に、丹野さんが執筆された書籍『丹野智文 笑顔で生きる-認知症とともに-』を拝読させていただいていたため、実際にお話ができるということで、とてもわくわくしていました。 インタビュー時に出た主な質問内容としては、 ・若くに認知症と診断されたときの心情 ・現在の日常生活で工夫していること ・認知症の方に対してどのようなサポート(声掛け)をするべきなのか というような内容でした。 認知症と聞けば、忘れることが多くなる、できないことが多くなるというようなマイナスなイメージに目を向けがちではありますが、できることはたくさんあります。 その人ができることに目を向け、一緒に考え、一緒に日常生活を工夫してゆくことが大切であると学ぶことができました。 そして丹野さんはオレンジドアという活動も行われています。 認知症と診断されてから引きこもりがちになる方が多く、社会とのつながりが失われることが多いそうです。そのような方が少しでも減少するよう、診察室の近くに丹野さんなどが待機し、認知症と診断されてからすぐ当事者同士でお話する場があり、社会とのつながりをつくっておられます。 また、多くの参加学生が、認知症の人には優しくしなければ、何かしてあげられることはないか、と思っていました。 ですが、それは反対に認知症の方ができることを先回りして支援することになり、できることを奪っていってしまうのだということが、参加学生にとってとても印象に残ることでした。 【竹内裕さんへのインタビュー】 開始前に竹内さんがZOOMに参加できていない!というような、少しハプニングもありましたが、、、(笑) 開始後は、初めに「なんでもきいてください!」とおっしゃってくださり、楽しくインタビューを実施することができました。 質問内容としては、 ・認知症と診断された時の心情 ・認知症と診断されたときの家族の反応 ・日常生活で工夫していること ・どのようなサポートがあると良いか というような、内容を質問させていただきました。 竹内さんは、認知症と診断された後、引きこもることが多くなったそうです。そのような状況から抜け出すきっかけが、旧友との還暦祝いのパーティでした。すなわち、家族以外の人との繋がり、社会との繋がりです。 また、紙芝居についても、幼稚園生や小学生にもなにか認知症の人にできることはないかと考え、その対応の仕方などの意見をいただくことができ、本当に楽しい時間を過ごすことができました。 最期に、丹野さんと竹内さんとのインタビューに共通して、認知症の人が住みやすい、暮らしやすい環境を作るうえで、いかに”人との繋がり”が大切であるのかを実感することができました。 コロナ禍ということもあり、ZOOMでの実施となりましたが、積極的に学生は質問を行い、丹野さんや竹内さんは、快くお答えくださいました。 学生にとっては、認知症に対しての理解を深め、今の私達には何ができるのかを考える良い機会となり、貴重な時間を過ごすことができました。 これからも、認知症についてさらに学び、少しでも多くの認知症の人との繋がりを作り、認知症の人が住みやすい街づくりに貢献できるよう、コロナ禍でもできる活動を続けてまいりたいと思います! Orange Project®に興味がある方は、ぜひご参加ください! 看護医療学科3回生 谷﨑華穂 【関連記事】 認知症ケアサークル「畿央大学OrangeProject®」、2021年度第1回ミーティングを開催! 多世代まちづくりプロジェクト2020コンペティションで「参加者賞」を受賞 ▶オレンジプロジェクトに関連するブログ記事 KIO Smile Blog
2021.06.18
畿央大学×本家菊屋【大学ロゴ焼印もなか】が完成!
畿央大学のオリジナル手土産として、奈良県大和郡山市にある老舗和菓子「本家菊屋」様の協力により、大学ロゴを押印した【畿央大学オリジナルこし餡もなか】が商品化されました。 本家菊屋のもなかは、外側の生地と国産小豆のこし餡の食感が絶妙なバランスです。その逸品もなかに、Kioロゴの焼印を丁寧に押してもらっています。奈良らしい正倉院紋様のパッケージ入りで、奈良県で400年以上愛され続けている老舗御菓子司のもなかは、受け取られた方にもきっと喜んでいただけることと思います。 5個入り箱 1,150円 (税込) 商品は上記5個入りの箱以外に、箱のないバラ売り、追加料金での化粧箱入り等もあり、畿央大学の教職員・大学関係者のみ購入可能です(もなか25個分以上で5日前までに要注文)。 本家菊屋は、大学となりのエコール・マミ(北館)に店舗があります。 学生で購入を希望される方は、店頭での受発注(代金前払い)となります。ぜひ、ご利用ください。
2021.06.18
緊急事態宣言の解除に伴う課外活動の対応について
在学生の皆さん 6月20日(日)をもって大阪府等近隣府県への緊急事態宣言が解除されることを受け、本学では活動制限レベル指針をレベル2に引き下げることとしました。 今回のレベル引き下げにより、課外活動については、「課外活動の段階的な再開のための基準表」STEP2で活動を再開することとします。 感染防止対策については、日々の検温等の体調管理、マスクの着用(学内では不織布マスクの着用を推奨)、アルコール消毒の徹底、三密回避は当然ながら、不特定多数の人が集まるイベントへの参加や飲み会・会食を慎むこと、不要不急の外出は控えるなど、引き続きリスク回避の意識を高めて行動するようお願いします。 畿央大学 学生支援センター
2021.06.16
【研究成果】要支援・要介護高齢者の身体活動量とアパシーとの関連を明らかに~健康科学研究科
定期的な身体活動が早期死亡や慢性疾患、心身機能低下の予防に効果があることはこれまでに多く報告されています。しかし、本邦では運動習慣者や日常生活上の歩数を増加させる取り組みが行われているにも関わらず、長年改善に至っていない現状があります。 これまでの身体活動量に関連する要因についての研究では、一般高齢者を対象にしたものが多く、要支援・要介護高齢者の身体活動量に影響を及ぼす要因について明らかとなっていません。畿央大学大学院健康科学研究科 博士後期課程 武田広道 氏と高取克彦 教授 らは介入研究のベースライン評価のデータを使用し、要支援・要介護高齢者の身体活動量とアパシー(意欲ややる気の著しい低下)、身体機能、心理機能の関連について明らかにすることを目的に本研究を行いました。 この研究成果は(公社)日本理学療法士協会の協会誌「理学療法学」に掲載されています。 研究概要 通所介護事業所を利用している要支援・要介護高齢者65名に対して身体活動量、身体機能、精神心理機能の評価を行い、身体活動量と関連している要因についての分析を行いました。 本研究のポイント ■要支援・要介護高齢者の身体活動量に関連している要因が明らかになった。 ■身体活動量に関連しているのは年齢や性別に関わらず、アパシー(意欲ややる気の著しい低下)と歩行速度が関連していることが分かった。 研究内容 データ解析の結果、身体活動量が高い高齢者と比較し、身体活動量が低い高齢者は、通常歩行速度、意欲低下や無関心を示す指標であるアパシー、健康統制感(Health locus of control: HLC)が有意に悪い値を示していました。 ※HLCとは社会的学習理論に基づくLocus of control(統制の所在)の考えを保健行動の領域に適用したものです.内的統制の者は健康を自分自身の努力によって得られると信じ,外的統制の者は医療従事者や運によって得られると信じる傾向があるとされています。 また、身体活動量に影響を及ぼす要因についての分析では、対象者の年齢と性別を調整した後で、アパシーと通常歩行速度が重要な因子であることが分かりました。 本研究の意義および今後の展開 今回の研究は要支援・要介護高齢者の身体活動量に影響を及ぼす要因について検討したものです。現在は本研究の対象者に12週間の在宅運動プログラムを実施してもらい、要支援・要介護高齢者同士で運動状況のモニタリング、フィードバック、情緒的サポートの介入を行うことの運動継続効果についての分析が済んでいます。また、介入を終了してさらに12週間経過した時点で、介入効果が維持できているかも追跡調査をしています。今後は高齢者の運動継続や身体活動量向上に効果がある取り組みについて、明らかにしたいと考えています。 論文情報 武田広道・高取克彦 要支援・要介護高齢者の身体活動量とアパシーの関連 理学療法学(J-STAGEでの早期公開日:2021年6月9日) 問い合わせ先 畿央大学 理学療法学科 教授 高取 克彦(タカトリ カツヒコ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: k.takatori@kio.ac.jp
2021.06.16
患者教育プログラムは変形性膝関節症患者さんの自己効力感の向上に有効か?~理学療法学科教員
研究成果が、筋骨格系の疾患や障害に関する国際学術誌に掲載されました! ~変形性膝関節症におけるセルフマネージメント教育プログラムの自己効力感に対する効果~ 変形性膝関節症(膝OA)の患者さんに対する患者教育プログラムは患者さんの自己効力感を高めることが出来るのか?という疑問についてシステマティックレビューという手法を用いて調査した研究成果が、筋骨格系の疾患や障害に関する国際学術誌「BMC Musculoskeletal Disorders」に掲載されました。 論文のタイトルは「Effects of self-management education programmes on self-efficacy for osteoarthritis of the knee: a systematic review of randomised controlled trials」(変形性膝関節症におけるセルフマネージメント教育プログラムの自己効力感に対する効果:無作為化比較試験のシステマティックレビュー)です。 膝OAの患者さんに対する理学療法の効果はこれまでに多くの研究で報告されています。例えば運動は膝OA患者さんにとって最も重要で有効な介入手段の一つであることが明らかにされています。しかし同時に運動を継続して行うことが難しいことも多く報告されています。運動が続かない原因については様々な要因が考えられますが、我々はその一つとである“自己効力感”に注目しました。自己効力感とは、“自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できるという、自分の可能性についての認知や自信”のことを言います。 我々の先行研究では自己効力感が高い膝OA患者さんほど日々の身体活動量が多い傾向があることを報告しています。 今回の研究は既に公表されている無作為化比較試験(RCT)など複数の臨床研究を、一定の基準と一定の方法に基づいて集めて、系統的にまとめる、システマティックレビューという方法を用いて行いました。今回は対面で行われる医療専門家による教室形式の患者教育プログラムを対象に研究を行いました。その結果、患者教育プログラムは膝OAの痛みやその他の症状に対する自己効力感を高める可能性が示唆されました。 一方で集められた研究の数が少なく、また研究のデザインがまちまちであったため、研究の疑問に対してはっきりと結論付けることができる結果は得られませんでした。 日本では膝OA患者さん向けの系統立った共通の患者教育プログラムはみられませんが、今後は日本人向けの患者教育プログラムの構築も必要であると考えています。 Uritani D, Koda H, Sugita S. Effects of self-management education programmes on self-efficacy for osteoarthritis of the knee: a systematic review of randomised controlled trials. BMC Musculoskeletal Disorders. 22. 515. 2021. (無料で閲覧、ダウンロードが可能です) 健康科学研究科准教授 健康科学部理学療法学科准教授 瓜谷 大輔 【関連記事】 「変形性膝関節症」に関する共同研究が論文として公表されました!~理学療法学科教員 変形性膝関節症に関する研究の途中経過が学会誌に掲載されました~理学療法学科教員 理学療法学科卒業生の卒業研究が国際学術雑誌に掲載!~理学療法学科 「足趾握力」に関する論文が国際誌に掲載!~理学療法学科教員
2021.06.16
畿友会(学生自治会)だよりvol.70~クラブ・サークル代表者会議、クラス代表者会議を開催!
こんにちは!学生自治会「畿友会運営委員会」です! 例年同時期に開催している各種代表者会議ですが、コロナ禍のため感染リスクを軽減するべく対面とZoomによるオンラインを併用しながら開催しました。 これまでは対面開催が当たり前でしたが、昨年度初めての試みとしてオンライン開催に挑戦しました。今年度もその経験を生かしながら、2021年5月27日(木)にクラブ・サークル代表者会議、2021年5月31日(月)にクラス代表者会議を行いました。 なお、会議当日に登学している方は各自貸与PCを持ち込み、会場でZoomをつなぎながら参加しました。 5/27(木)クラブ・サークル代表者会議 34団体のクラブ・サークル代表者の方々が、オンライン会議に参加いただきました。現在はコロナウイルス感染拡大が続いているため活動停止中ではありますが、今後活動が再開したときにスムーズに活動していけるようにするため、会議を開催しました。 今年度のクラブ・サークル代表者会議では、以下の6つの内容について進めました。 コロナウイルス感染対策に取り組みながら課外活動を行っていくことは、各クラブ・サークル皆さんとの協力が欠かせません。今後も感染対策に取り組みリスクを下げながら活動していけるよう、代表者の皆さん、よろしくお願いします。 5/31(月)クラス代表者会議 52名のクラス代表者の方々に参加いただいたクラス代表者会議ですが、コロナ禍のためZoomのウェビナー機能を使ったオンライン会議を開催しました。会議当日に登学している方は各自貸与PCを持ち込み、会場でZoomに繋ぎながら参加しました。 クラス代表者会議は畿友会の最高議決機関です。この会議では「2020年度畿友会行事と2021年度畿友会行事予定の報告、2020年度収支決算・会計監査の報告と2021年度予算案等の審議、2021年度畿友会執行委員の選出」が審議され、すべて承認されました。 この承認により、畿友会会長をはじめとする執行委員の代替わりを無事行うことができました。 これから1年間よろしくお願いします! クラス代表者の皆さん、会議に参加していただきありがとうございました! 畿友会広報部 現代教育学科3回生 下岸あすか ▶畿友会に関連するブログ記事 KIO Smile Blog
2021.06.16
痛みへの恐怖は運動のプログラム中枢を変容させる~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
ヒトは痛みを怖がるとうまく身体を動かせなくなりますが、その脳メカニズムは明らかになってはいませんでした。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 大住倫弘 准教授、森岡 周 教授らは、東京大学医学部付属病院緩和ケア診療部 住谷昌彦 准教授らと共同で、痛みを怖がりながら運動を継続していく時の脳活動を調べ、身体を動かそうと意識をすると運動プログラム中枢の活動に異常が生じることを明らかにしました。この研究成果は、Behavioural Brain Research誌(Fear of movement-related pain disturbs cortical preparatory activity after becoming aware of motor intention)に掲載されています。 研究概要 痛みを怖がると身体をうまく動かせなくなることは多くの研究で明らかにされてきており、これは運動をプログラムしている “脳” の活動異常によるものだと考えられてきました。しかしながら、具体的に脳にどのような活動異常が生じるのかは明らかにされていませんでした。畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 大住倫弘 准教授らは、健常成人18名を対象に、ボタンを押したら痛みが与えられる実験状況を設定して、ボタンを押すことを怖がっている時(ボタンを押す直前)の脳波活動を計測しました(図1)。 その結果、痛みを怖がりながらボタンを押す条件では、ボタンを押す直前に出現する「運動準備電位」の波形に異常が認められました。さらに詳細に分析すると、この時には、行動抑制の機能がある前頭領域の過活動と、運動プログラム中枢である補足運動野・帯状皮質の過活動が同時に認められました。これは、いわば、『ブレーキを踏みながらアクセルと強く踏んでいるような状態』で、自らで行動を抑制しながらも、無理をして行動を起こしている状態だと考えられます。おそらく、この脳の活動異常が続くことで、運動の異常パターンが出現するのだと考えられます。 加えて、興味深いことに、この実験では、被験者に「自分がボタンを押そうとおもった瞬間」をLibet paradigmで記録しており、上記のような脳の活動異常は「ボタンを押そうと思った」 という自らの意思が顕在化した後から生じていることが明らかになりました。つまり、運動を意識すればするほど、あるいは痛みを意識すればするほど、脳の活動が異常になりやすいことを示唆しています。 参考:Libet paradigm(YouTube) 本研究のポイント ■ 痛みを怖がりながら身体を動かすと運動のプログラム中枢に活動異常が生じる ■ そのような脳の活動異常は、運動の意思が顕在化された後から生じる 研究内容 以下の図1のような手順で実験を進めました。被験者は、目の前に用意された特殊な時計(2550ミリ秒で1周する時計)をみながら、好きなタイミングでボタンを押すように指示されました。ボタンを押すと痛みをともなう電気刺激が与えられ、これを続けると被験者はボタンを押すことを怖がるようになります。また、ボタンを押した後には、「時計の針がどこの時にボタンを押したいと思ったか?」に対して回答をします。多くの被験者は、実際にボタンを押した時間の0.2 – 0.5秒前の時間を回答しました。 図1:実験手順 このような実験タスクをすると、ボタンを押す直前に「運動準備電位」という図2のような波形が観察されました。この運動準備電位は、運動のプログラムを反映しており、この振幅や潜時に異常が生じるということは、運動プログラム中枢に何らかの異常が生じていることを意味します。実験の結果では、痛い条件での運動準備電位は、痛くない条件での運動準備電位よりも振幅が大きかったです。また、この振幅の異常は、自分でボタンを押そうという意思が顕在化した後(=自分の運動意図に気づいた後)に生じていました。 図2:各条件における運動準備電位 この時間帯でSource解析を進めると、図3のような行動抑制の機能がある前頭領域の過活動と、運動プログラム中枢である補足運動野・帯状皮質の過活動が同時に認められました。 図3:痛みへの恐怖によって運動プログラム中枢に認められた異常な脳活動 本研究の臨床的意義 痛みへの恐怖が運動を悪くする脳メカニズムの一端が明らかになりました。また、これは運動の意思が顕在化された後に生じる脳活動の異常であることから、運動/痛みを過度に顕在化させないようなリハビリテーションの重要性を示唆していると考えます。 論文情報 Osumi M, Sumitani M, Nishi Y, Nobusako S, Dilek B, Morioka S. Fear of movement-related pain disturbs cortical preparatory activity after becoming aware of motor intention. Behav Brain Res. 2021 May 26;411:113379. 問い合わせ先 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 准教授 大住倫弘(オオスミ ミチヒロ) Tel: 0745-54-1601 Fax: 0745-54-1600 E-mail: m.ohsumi@kio.ac.jp
2021.06.14
小学生向けに「切り絵で遊ぼう」動画を公開!~2021年度「マミポコ・キッズ」前期 第1回活動
こんにちは、マミポコ・キッズです! 私たち「マミポコ・キッズ」は、畿央大学に地域の子どもたちを招待して、様々な遊びを行ってきました。しかし、現在は新型コロナウイルスの影響により、対面での活動が難しい状況にあります。そこで、子どもたちが何か楽しめることを遠隔で提供できないかと考え、子どもたちが1人あるいはお家の方と楽しめる遊びの動画配信を企画・制作しました。 今回の動画では、折り紙を使った「切り絵」を紹介しています。誰もが遊んだことのある折り紙、子どもたちにも馴染み深いものだと思います。折ったり、線を書いたり…。どんな形が出来上がるでしょうか?続きはぜひ動画をご覧になってください! ▼いろいろな種類の切り絵を作ってみたよ!動画のどこに登場しているかな? ▼折り紙を準備して、作ってみよう! ▼新聞紙でも作ることができるよ! 次回の動画は、6月末に配信する予定です。楽しい企画を考えているので、お楽しみに! 子どもたちのたくさんの笑顔があふれる活動をめざして頑張ります! 今後とも、マミポコ・キッズをよろしくお願いいたします。 現代教育学科3回生 御崎夢乃(ゆめ) 森美月(みー) 【関連記事】 「マミポコ・キッズ」の取り組みはコチラ!!
2021.06.12
児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」
2021年5月20日(木)に「乳幼児の成長・発達」の授業で、奈良県桜井市にある児童養護施設「飛鳥学院」を見学させていただきました。 飛鳥学院では、様々な理由によって、環境上養護を必要とする子どもたちが入所し、自主性、社会性を持って自立することを支援するため、子どもたちへの温かい関わりをされています。 ▼基本理念:二宮尊徳翁(金次郎)の報徳精神。「勤倹」勤勉に働き、倹約すること、「分度」自己の社会的、経済的実力を知り、それに応じて生活の限度を定めること、「推譲」今日のものを明日に譲る、社会のために譲る。 施設は、70年ほど前に建てられた木造建築で重厚感があり、床はピカピカで掃除が行き届いており、木の温かみと清潔感を感じました。また、大きな保育園が隣接しており、とても賑やかで安心感を感じるような雰囲気がありました。 ▼飛鳥学院の玄関 ▼玄関からホールに続く廊下 院長の河村先生や児童指導員の清水先生からは、施設で生活をする子どもたちの教育にとても力を入れられていることをお話していただきました。施設の中には、塾、そろばんをする学習室があり、その他、部活動や子どもたち自身が興味のある習い事にも取り組むことができるような体制が整っています。勉強ができること、自分の強みを見つけられることで、自尊感情を高め、社会に出た時に大きな糧となるような関わりをされていて、子どもたちの将来にとても真剣に向き合っておられることを強く感じました。 職員の方々の関わりによって、子どもたちが社会に適応する力、社会で生きる力を身につけ、自立した生活ができるようになるのだということを感じました。 ▼河村院長 ▼清水先生の講義の様子 ▼こどもたちの学習室 ▼洗濯室(中学生以上は自分たちで洗濯を行っています) 今回の見学を通し、人に真摯に向き合う、誠実で親切な姿勢を忘れずに、子どもやお母さんをはじめとする家族の架け橋となるようなサポートをしていきたいと思いました。 ▼全員で集合写真(※撮影時のみマスクを外しています。) お忙しい中、私たち学生を温かく迎えてくださった河村院長、宮崎副院長、清水児童指導員、職員のみなさま、本当にありがとうございました。 助産学専攻科 寺林香織 安田悠未 【関連記事】 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科 児童養護施設を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」
2021.06.08
親子で簡単にできる手あそび動画を公開!~2021年度「マミポコ・親子ひろば」前期第1回活動
「マミポコ・親子ひろば」は、近隣の未就園児とその保護者の皆さんに遊びと交流の場を提供する取り組みです。親・子・大学生のコミュニケーションの場として、自由遊び、手遊び、絵本の読み聞かせや体操遊びなどを提供し、元気いっぱい活動をしてきました。 現在はコロナ禍により対面での実施が難しいため、「おうちでできる簡単な遊び」を企画・製作しました。是非おうちでお子様と一緒に楽しんでください! 【第1回:5/27(木)】 〇手遊び「かたつむり」 〇ふれあい遊び「ロンドン橋」 〇タッチ遊び「あめふり」 親子一緒にお家で楽しめる遊びを考え、動画配信することになりました。まだまだ皆さんと会うことが難しい中で、少しでも明るく楽しい気持ちになっていただければと思います。 是非ご覧ください! 〈準備の様子〉 ※感染対策を徹底したうえで、練習や準備作業をしています。 ▼こんな感じに出来上がります! 〈撮影の様子〉 これからも、より安心安全に楽しく活動できるような内容を考えていきたいと思います。 子ども達や保護者の方々の笑顔を見られることを楽しみにしています! 動画は順次配信していく予定ですので、チェックしてください! 現代教育学科3回生 荒井斗子 岡村遥佳 【関連記事】 「マミポコ親子ひろば」の取り組みはコチラ!!