SNS
資料
請求
問合せ

ニュース&トピックス

2025.03.05

第24回畿央大学公開講座を開催しました。

本学では、地域の皆様に生涯学習の場を提供することを目的とした「畿央大学公開講座」を開催しています。今年度は2025年2月22日(土)に健康栄養学科 准教授の岩田 恵美子先生と看護医療学科 准教授の紅林 佑介先生に講演していただきました。

 

講座① 「野菜のふしぎ」—調味料が色や食感に与える影響—

講師:健康科学部 健康栄養学科 岩田 恵美子 准教授

 

 

今回の講座では、野菜を中心に調味料の添加で料理の色や食感がどのように変化するのかについて、データや画像を使って分かりやすく紹介していただきました。生野菜を使った料理の手順では、「浸透圧」や「半透性」についての説明があり、調理の過程で細胞からの水分の移動を調理に役立てるコツが分かりました。

キャベツの千切りを水に浸すとしゃきしゃきになったり、キュウリのスライスを塩もみすると水分が細胞の外に出ますが、塩分量と出ていく水分の割合をデータをもとに確認することができました。また、重石をすると塩分量を抑えることができることも紹介されました。

そのほか、調理する際に重曹を添加すると水煮より食感が柔らかくなったり、逆にカルシウムイオンを含む牛乳などを使った場合は煮崩れを防ぐことができることが紹介されました。シチューを調理する際は、早い段階で牛乳を加えると具材が軟らかくなりにくいので、具材を充分煮てから仕上げで牛乳を入れた方が良いということです。

最後には大和野菜の一つである「大和丸なす」でジャムを調理した際のお話の中で、よりおいしくなる調合割合をデータに基づいて説明されました。参加者の中には、熱心にメモを取りながら岩田准教授の話に聞き入っておられました。

 

【参加者の声を一部紹介】

  • 野菜の特性や成分に応じた調理法を選択することで、より美味しく色鮮やかに仕上がるということが勉強になりました。
  • 塩もみの適切な塩分濃度(1%)や煮物の軟化度がpHに左右されるなど、今まで意識していなかった知見を得ることができた。
  • 調理について専門的な知識が得られてよかったです。料理をするのが楽しくなりました。」
  • いつも何気なく調理している方法が、昔からの理にかなった方法だということがよく理解できました。
  • ナスをジャムに加工するという発想がすごいと思った。一度試してみたいと思う。

 

 

講座② テーマ:「メンタルヘルスを護る生活習慣」

講師:健康科学部 看護医療学科 紅林 佑介 准教授

 

 

メンタルヘルス上の悩みを抱える人が増加傾向にあり、その治療方法としては、薬物療法やカウンセリング、リハビリテーションが主軸となり、比較的多くの選択肢があるということが説明されました。しかし予防策となると、効果的な方法はまだ限定的だということです。その中で、近年では一部の生活習慣が精神的不調の予防につながるという知見が、特に英豪から出てくるようになったそうです。

生活習慣予防であれば、自身の心がけ次第で実行することができ、心身ともに健やかで張り合いのある生活を長く享受するためにも、自身の生活習慣を見つめなおすだけでメンタルヘルスを護ることができるということがわかりました。

身体疾患患者の1/3にメンタル面の何らかの問題があるといわれていますし、また健常者の13%(8人に1人)は精神疾患を有するということです。生活習慣による発症予防策としてまず挙げられるのは、良質な睡眠をとるということで、良質な睡眠はうつ・不安発症予防、認知機能の低下予防につながるということが説明されました。良質な睡眠は、眠くなるまで寝ない、眠くないのに寝ようとしても良質な睡眠をとることはできない。そして良質な睡眠をとるためには、良質な食事をとることが求められるということでした。

ファーストフードなどの超加工食品を食べれば食べるほど認知症発症リスクが高まるということも紹介されました。また、適度な運動や社会交流が、うつ・不安感の予防効果や認知機能低下予防、良質の睡眠をとるために良いということも紹介されました。

 

【参加者の声を一部紹介】

  • データをもとに分かりやすく説明してくださり、大変勉強になった。このような講座をもっと頻繁に開講してほしい。
  • 生活習慣を見直す良い機会になった。これから精神的にも健康でいられるよう食品選びにも気を付けて生活したい。
  • 日常生活に直結した内容で、とてもよかった。このような素晴らしい講座に参加でき、住民としてとても喜んでいます。
  • 生活習慣を改善する具体的な方法を教えていただけたので、今からすぐにも実践していきたいと思った。
  • メンタルヘルスの維持・向上には生活習慣が密接に関係しており、薬に頼らない改善方法をまず実行すべきと再認識した。

 

講座①②ともに、講演会終了後も質疑応答の時間に質問できなかった皆さんが講演いただいた先生の周りに集まり質問をする様子もあり、参加者の一つ一つの質問に丁寧にお答えにいただきました。

畿央大学では、今後も受講者の皆様にご満足いただける講座を開催してまいります。

 

【関連記事】

第23回畿央大学公開講座を開催しました。

第22回畿央大学公開講座を開催しました。

第21回畿央大学公開講座を開催しました。 

第20回畿央大学公開講座「コロナ時代におけるこれからの認知症ケア」をオンライン開催しました。

第19回畿央大学公開講座「感染症を知ろう~新型コロナウイルスとこれからの生活~」をオンライン開催しました。

第18回畿央大学公開講座「当事者とともに創る認知症ケア」を開催いたしました。

第17回畿央大学公開講座「認知症の正しい理解」を開催しました。

第16回畿央大学公開講座を開催しました。

第15回畿央大学公開講座B・C(2日目)を開催しました。

第15回畿央大学公開講座 講座Aを開催しました。

第14回畿央大学公開講座を行いました。

第13回畿央大学公開講座を開催しました。

第12回畿央大学公開講座「健康長寿のための食と運動」を開催しました。

 

この記事をシェアする