2018年7月26日の記事

2018.07.26

ホスピス見学実習での学びを共有!~看護医療学科「終末期ケア論」

看護医療学科3年次の選択必修科目に位置付けられている「終末期ケア論」を4月から開講していますが、その授業も残すところあと1回となりました。 今年度は、およそ80名の学生がこの科目を選択し、4月から「死生観を養う」「終末期がん患者の身体症状マネジメントを理解する」「意思決定を支える」「家族、遺族の悲嘆をケアする」など大変重たい課題に対して、真剣に取り組んで来ました。   今回は、平成30年6月2日(土)に学生有志で田原本町の国保中央病院に併設された「緩和ケアホーム飛鳥」を見学したときの学びを共有するための発表会を行った様子をレポートします。   ▲ホスピス見学での学びを発表する3回生   終末期ケア論は、 1、エンドオブライフ期にある患者を総合的・全人的に理解し、その人らしさを支える看護援助方法について説明できること。 2、エンドオブライフ期での治療を理解し、苦痛の緩和方法について説明できること、 3、看取りをする家族の援助について説明できること。 この3点を卒業時の到達目標として16回の講義内容を構成しています。   死生観の構築や意思決定支援をテーマとした授業では、終末期にあるがん患者を講師に招いて、「死」を自身の問題として向き合う人の心理や社会とのつながり、身体症状のセルフマネジメント、残していく家族への思い、死を迎えるにあたっての意思決定過程についてお話をいただく、がん患者が体験する痛みや倦怠感のマネジメント方法を学ぶ、また臨死期のケアや逝去後のエンゼルメイク(死化粧)の演習を取り入れることで、看護師として必要な援助技術やケア態度を養っています。   ☆ホスピス見学実習は、授業での学びで関心を持ったこと、疑問に感じることを自身の課題として実践の現場で活躍する看護師が展開するホスピスケアプログラムを理解する目的で毎年、見学希望者を募って行っています。 そして、見学実習とほぼ同時期に「病院インターンシップ実習」で国保中央病院飛鳥にて実習を終えた4回生の学生と学びを共有する機会を設けています。   ▲見学実習に参加していない学生にも理解できる内容のプレゼンを行う3回生   まず3回生から実習についてプレゼンテーションを行いましたが、見学した施設の構造の特徴や看護師長から説明を受けたホスピスは、患者やその家族の人格すべてを受け入れチームで答えを探しながらケアの方向性を決定していく場所であること、同じ医療者の中には「治療が終わったのであとはホスピスにでも行きなさい」と患者や家族に十分な説明をすることなく転院を進められる事例を紹介されたことを受けて、学生はより良い最期を迎える障壁となるのは、「医療者の態度」であると伝えていました。「不安の中で、信頼していた医師から十分な説明を受けることなくホスピスに来られる患者さんにホスピスは、最後までその人らしく生き抜く場所であることを伝えることから援助がはじまる」こと「患者・家族がケアの中心にいて、今何を優先すべきかをチームで考えた実践を行う」こと「大切な家族を亡くしたあとの遺族ケアプログラム」などについて丁寧に伝えてくれました。   ▲3回生が気づきを得た終末期の対象を援助する目標   続いて緩和ケアホーム飛鳥で2週間の病院インターンシップ実習を終了した4回生の学生3名による学びの発表です。病院インターンシップ実習とは、病棟師長や看護師の業務・ケアに同行し、病院組織の中での看護管理や看護実践を体験するための実習になっています。4回生はこの実習が病院実習の総仕上げとなるのですが、ホスピスで実習する学生はホスピス緩和ケアに高い関心を持って臨んでいます。   ▲病院インターンシップ実習での学びを伝える4回生   4回生は実習で経験した看護管理や緩和ケアにおけるチーム医療、亡くなった患者さんへの関わりを振り返る「デスカンファレンス」の実際や終末期の患者とその家族へのコミュニケーションの在り方について伝達してくれました。 その中で「奥さんが眠っている間に夫が息を引き取った」という事例を紹介し、「そばにいながら、なぜ気づくことができなかったのかと自分を責める奥さんに皆さんならどのような声をかけますか?」と3回生に投げかけました。   ▲事例について意見を述べる3回生   3回生は、数名のグループになって考えを巡らせていましたが、「奥さんが気づかないくらい苦しまずに亡くなられたのですね」「つらいでしょうけど、ご主人はそっと逝かれたのだと思います」など事例を想定した声かけについてそれぞれの意見を活発に述べていました。 それに対して4回生は「実際に看護師さんは、まず『おつらいですね』と家族の思いを理解していることを伝えて、夫人がこれまでの経過のなかで患者に寄り添ってきた事実を肯定してから、『奥さんがそばにおられたので安心して旅立つことができたのではないでしょうか』とその亡くなり方に意味づけをしていた」と実習での経験を伝えていました。   ▲4回生の発表に対して自分の考えを述べる3回生   4回生の学びを聞いた3回生は、患者・家族の希望に添うケアの実際について活発に質問し、自分の考えを丁寧な言葉におこすことができていました。 また、4回生は実習を終えて「残された時間がわずかになり、エネルギーの消耗も大きい中である患者さんは、訴えを言葉にすることができない場合もあります。しかし、その中でも私たちに何か伝えようとして発信するサインを見落とさない看護師になりたい。」「患者の訴えには‘どうしてそう思うのか?‘と患者さんを理解する態度で応答したい」と緩和ケアホーム飛鳥での実習後に得た《看護観》を語りました。   ▲「訴えを見逃さず、患者・家族中心の看護をしたい」と授業の学びを伝える3回生   日本では、年間約375,000人ががんで死亡しています。そのうちホスピス・緩和ケア病棟で看取られるのは約1割となっています。このような背景から、卒業後に看護師として働く学生は、病院や地域で終末期がん患者のケアをする機会が必ずあるでしょう。その時には、この授業で共有した大切な「ケアの心」を礎に対象が最後までより良く生き抜く過程を支えてほしいと考えます。   看護医療学科講師 對中百合・大友絵利香   【関連記事】 「急性期看護学援助論Ⅱ」患者モデルを想定した援助法~看護医療学科 「第2回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」開催~看護医療学科 緩和ケア病棟を見学実習!~看護医療学科「終末期ケア論」 「エンゼルメイク」の演習を実施!~看護医療学科「終末期ケア論」 がんから学ぶ「生」と「死」~看護医療学科「終末期ケア論」レポート

2018.07.26

第16回畿央祭実行委員Blog vol.9~冬木学長に決意表明&幹部自己紹介!

こんにちは!第16回畿央祭副実行委員長の坂本知香です。 7月後半に入りテスト勉強に忙しいなか畿央祭に向けて、各部署で作業が順調に行われています。 今年は例年と比べ早い段階で準備が進み、新しい企画も考えています!   畿央祭に向け、幹部全員で学長先生に挨拶を行いました。一人ひとり自己紹介をし、学長先生に畿央祭への意気込みを伝えました。     そして学長先生から激励の言葉を頂きました。   遅くなりましたが、畿央祭幹部全員の自己紹介と一言です!   実行委員長 健康栄養学科 千葉茜 今年のテーマ「掌」通り、実行委員をもとに畿央祭を盛り上げてくれる皆さんの全員の手で最高な畿央祭を作り上げていきたいです!よろしくお願いします(・ω・)v   副実行委員長 健康栄養学科 車谷美紅 幹部みんなで協力して最高の畿央祭にしましょう!   副実行委員長 看護医療学科 滝尾愛 今年は実行委員の人数が280人と過去最高に多い人数が集まりました!この280人ひとりひとりが楽しんで、力をあわせて良い畿央祭にできたらと思います!よろしくお願いいたします。   副実行委員長 現代教育学科 仲田航希 学生だけでなく、地域の人にもたくさん来ていただける熱い畿央祭にしたいです!!   副実行委員長 看護医療学科 坂本知香 来場者のみなさま、実行委員、畿央大学の学生、先生、職員のみんなに楽しんでもらえて、さらに「今年はちょっと違うな」と思って頂けるような畿央祭を作らせて頂きます!よろしくお願いします。   模擬部署 現代教育学科 冨永雄太 安全に配慮して最高の畿央祭にします!!!   模擬部署 現代教育学科 直井魁杜 去年度に引き続き、事故の無いように安全第一で来校者の方に楽しんで頂けるように頑張ります!   展示部署 人間環境デザイン学科 奥村綾 今年度は昨年度よりももっと華のある、煌びやかな畿央祭になるよう、全力で展示物の制作に取り組みたいと思います。   展示部署 現代教育学科 野村真子 最高の畿央祭になるように頑張ります!よろしくお願いします!   学内企画部署 現代教育学科 仲井遥 「今年のお化け屋敷が一番怖くて一番楽しかった」と来場者の方々に言って頂けるように、一緒に頑張ってくれる実行委員たちと最高のお化け屋敷を作りたいと思います!よろしくお願いします!   学内企画部署 健康栄養学科 山中理緒 最高の畿央祭だったと言ってもらえるような学祭にしたいです!よろしくお願いします!   舞台部署 健康栄養学科 井上菜々子 みんなの思い出に残るような最高の舞台を作り上げるように頑張ります!   舞台部署 健康栄養学科 田淵日花里 畿央祭を盛り上げるために、最高の舞台を作り上げます!   広報部署 健康栄養学科 植林由里子 部署長として1、2回生を引っ張って、素敵なパンフレットを届けられるように頑張りたいです。   広報部署 健康栄養学科 井上朱音 今年も来場者の皆さま素敵な一冊をお届けできるように頑張ります。よろしくお願いします。   アリーナ部署 現代教育学科 岡田舞香 初めての実行委員ですが、新しいことも始めて、来てくれる人達がみんな笑顔になれるようなアリーナ企画にします!   アリーナ部署 理学療法学科 仲川綾恵 みんなで楽しい畿央祭を作っていきましょう!   以上、畿央祭実行委員幹部17名です!よろしくお願いします!   畿央祭まであと3ヶ月、各部署全力で準備を進めていきます。 ぜひ10月20日(土)、10月21日(日)にお越しください。 お待ちしております!!     第16回畿央祭副実行委員 看護医療学科2回生 坂本知香 ●畿央祭イベント紹介ページ ●これまでの実行委員Blogはこちらから!

2018.07.26

フランスの理学療法学生が来校!~理学療法学科 海外インターンシップ2018 in 台湾

理学療法学科では、昨年に引き続き3回目となる海外インターンシップを行います。教員5名、3回生15名で平成30年9月6日(木)〜12日(水)の7日間の日程で台湾を訪れます。 現地では、国立台湾大学と中国医薬大学の理学療法学科との交流や英語での講義・実習・プレゼンテーションに加えて、実際に台湾の高齢者の方への運動指導などが予定されています。   今年度から英語力アップだけでなく、海外の文化、理学療法の現状を知るために、海外からゲストをお招きし、学生交流やレクチャーを受ける機会をつくっています。前回のマレーシア、タイに続き、今回はフランスのパリにあるÉcole d'Assasという学校から、学生のAlexandre君とDianeさんの2名が大学に来てくれました!     夏でも涼しいパリと比べ、日本は「Too hot!!」と汗をかきながら、食堂で1・2回生とランチをしました。親子丼を選んだDianeさんは、今まで食べた日本料理で一番おいしい!と絶賛していました!(皆さんもぜひご賞味あれ!) その後、学内のヤマザキストアでかき氷づくり体験をしました! Dianeさんはイチゴ、Alexandre君はみぞれと渋いセレクションでした。     その後、ニューロリハビリテーション研究センターをお伺いし、センター長の森岡先生に施設案内をしていただきました。森岡先生はフランスで留学されていたこともあり、「Enchanté(アンシャンテ:はじめまして)」とフランス語での挨拶をされ、二人も驚いていました。実際に授業で、脳科学研究で用いられる実験場面を見学させていただきました。 「授業では聞いたことがあったが、実際に見るのは初めてで貴重な経験ができた」と話していました。     そして、3回生が待つ海外インターンシップの授業へ。英語学習担当の学生が考えてくれたアイスプレイクの一つ目は、二人への質問カードを引いて、答えてもらい、こちらにも質問してもらうものです。彼氏彼女の話や日本人はモテるのか?など、一気に距離が縮まって、次のジェスチャーゲームも大盛り上がりでした!     そして、お二人からフランスの理学療法についてのプレゼンテーションを聞きました。   ・教育:2015年が4年制教育(1年間は基礎医学を勉強してから理学療法教育課程に進むので、5年に近い)に移行され、実習時間は日本の約2倍。 ・就職:約80%近くはクリニックを開業している(日本は70~80%は病院に勤務し、開業権はない) ・その他の専門職:PEDICURIE-PODOLOGIEというフットケアの専門家がリハビリテーション専門職に含まれる   海外と日本との違いを知ることで、日本の現状・課題について深く考え直す機会になりました。     終了後は畿央大学のオリジナルグッズをお渡しして、いつもの集合写真をパシャリ!!終わった後も、それぞれ話したり写真を撮ったり楽しい時間を過ごすことができました。短い時間でしたが、理学療法士になるために同じように頑張っている海外の仲間ができたことは、今後の人生の糧になるのではないかと思います。     最後に、この猛暑の中、フランスからわざわざ来てくれたAlexandre君とDianeさん、この企画をサポートしてくれましたÉcole d'Assasの先生、スタッフの方々、また、見学等に協力してくださった先生方、学生のみなさんに感謝申し上げます。ありがとうございました。   Merci beaucoup!(ありがとうございました!)   理学療法学科助教 松本大輔   【関連記事】 理学療法学科 海外インターンシップ2018 in 台湾に向けて! 海外インターンシップ先の中国医薬大学(CMU)の教員・学生が来学!~理学療法学科   ●昨年度の海外インターンシップはコチラ!