2024.02.01
看護学生と企画した「性教育セミナー」を高校で実施!~看護医療学科「母性看護実習」
看護医療学科3回生が学ぶ「母性看護学実習」では、今年度初めての試みで高校での性教育セミナーを実施する機会をいただきました。看護医療学科の岡が当日の様子をレポートさせていただきます。
高校の控え室で最後の打ち合わせ…一緒に参加した担当教員の方がドキドキしています。
奈良県立桜井高等学校の2年生のみなさんに拍手でお迎えいただいて入場し、セミナーが始まりました。まずは自己紹介を兼ね、大学での看護の講義や演習など学修の様子を動画で紹介しました。
寸劇、パワーポイントを使っての説明など、大学生たちはみんなで真剣に、高校生のみなさんに伝えたいことを考えてくれました。例えば、ネットで知り合った人に初めて出会う場面…いきなり手を握られたら、みなさんはどのように感じるか、大切にしたい友達との関係、相手を傷つけずに断るにはどうすればいいのか…。人と人との距離は、それぞれ感じ方があるので、お互いを大切にするにはどうすればいいのか…などを考えるきっかけにしてもらいました。自分のからだを大切にすると同時に、相手のからだも大切にすること…その上で性的なつながりなどを考えていくきっかけにしていただきたいと願って、みんな一生懸命伝える努力をしてくれたと思います。
最後にグループに分かれての体験。男の子、女の子、性別に関わらず誰もが身を守るために大切なこと。
望まない妊娠、性感染症を防ぐために、人を大切にするための実技体験にしてくれました。
恥ずかしいかもしれないけれど「女の子もちゃんと知っていないとダメンズの餌食になっちゃうよ!」という大学生からのメッセージもありました。
続いて、奈良県立西和清陵高等学校の1年生のみなさんの前でもお話しさせていただきました。残念ながら、日程調整上で学生さんたちの参加はかなわなかったので、パワーポイントなど学生さんの作ったものを一部使わせていただきました。
出会い系サイトで出会って、初めて出会った場面の寸劇は、高校の先生が担当くださり、生徒さんたちからの笑いも…。迫真の演技?でした。相手役の先生の戸惑いがリアルでした(笑)
自分が不快に感じることは不快だと伝えることって大切ですよね。相手を不快にさせない断り方も考えるきっかけにできていればいいのですが。
中絶手術が行われていない、昔の様子などもお話ししました。
最後に体験会…抽選で決まった人たちが前に出て体験してくださいました。ちょっと抵抗はあると思うのですが自分のからだと相手のからだを大切に守るために、必要な守りだと思います。完璧なまでにキレイにつけてくれた生徒さんもいました。大切なことですね。
生徒さんの感想の一部です。感想を聞かせてくださってありがとうございました。
「初めて知ったことがいっぱいありました」
「学校ではこういったものに触れにくいので抵抗はありますが真剣に向き合いたいと思います」
「恥ずかしい内容もオープンに聞くことができてとても役に立ったと思った」
「これからの自分たちに大きく関わっていく問題だと思う」
「自分の身を守るために必要なことやお互い知っておいた方が良いことが沢山あるんだと思った」
「年齢的には近いけれど高校と大学では全然違うんだろうなと思いました」
「恥ずかしさがあったが大切でいい機会だった」
「実際に今学んでいる学生さんから直接話を聞けて身近な感じがありわかりやすかった」
「いのちの重みが伝わりました。もっと責任を持ちたいと思います」
「年齢が近い人たちなので親近感があった」
「年齢の近い人に教えてもらえてうれしかった」
「大学の看護の人たちを見てもっと看護師になりたいと思った」
「間違いを犯さないためのいい勉強になった」
「性病は怖いと思った」
「一般的に行われる性教育より、少しプラスの内容が学べた」
「自分の知らない言葉が色々出てきたけど、大切なことを何度も繰り返して話してくれたので、よくわかった」
「将来の自分と相手のための勉強になった」
「とても恥ずかしかったけど、大事な事だったので我慢して聞くことができました」
「避妊薬の値段など知りたかった」
「怖いと思う人はいると思うけど色々な事例をあげるのもいいと思った。危機感持てる」
「人間というか生物に改めて興味が出た。また、義務教育までの浅はかな知識で性について知るよりもこういう講演をしていただけてとても有意義な時間だと思った」
最後になりますが、母性看護学領域では、大学生が中心になり、高校生に向けて少しでもお伝えできるよう、春からはプロジェクトチーム(Sexology Project)を立ち上げる予定です。私たち年配者には思い浮かばないような若い発想で、少し年下の生徒さんたちをサポートできるのは、大学生さんたちの強みだと思います。
興味のある方は畿央大学健康科学部看護医療学科 岡までどうぞよろしくお願いします。
看護医療学科 教授 岡いくよ
看護医療学科 助教 堀井有紗
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