2017年5月の記事

2017.05.30

奈良県中央卸売市場連携「ならいちばのキッチン・第6回料理教室」を開催しました。

健康栄養学科の学生プロデュースによる料理教室を開催 今回のテーマは、大和ポークを使った「中華ちまき」 畿央大学は奈良県中央卸売市場と連携して5年目になります。1~2年目は同市場で取り扱われる大和野菜や大和肉鶏、大和ポークなど奈良県産の食材を使ったレシピ作りを行い、食祭市等のイベント出展・試食会を実施してきました。3年目(2015年)には、市場発展のためにデモンストレーションができる厨房施設「ならいちばのキッチン」が完成し第1回~第3回料理教室が開催され、2016年には第4回~第5回料理教室が開催されました。   そして2017年5月27日(土)、毎月最終の土曜日に開催される「食祭市」が大盛況のなか、第6回料理教室が開かれました。   はじめに、畿央大学健康栄養学科(指導教員:上地加容子先生、隅蔵菜海先生)の4回生6名が「大和ポーク」を使った中華ちまきの調理方法について実演を行い、中華ちまきや栄養価について説明しました。     料理教室にはベテラン主婦が多く参加されていましたが、学生たちはしっかりと具体的に説明・デモンストレーションを行っていました。学生たちの笑顔や持ち前の元気良さもあり、参加者から「楽しい料理教室だった」「またぜひ参加したいです」との声をいただきました。     ▼ 参加した学生全員で記念写真   奈良県中央卸売市場(最寄駅:近鉄京都線 筒井駅徒歩10分)の食祭市は、毎月最終土曜日9時~12時のみ一般の方を対象に開催されています。毎回「当日の目玉商品」が設定され、良いモノをお安くお買い求めいただけます。また、食に関するさまざまなイベントも楽しめますので、是非みなさんもご参加ください。   【関連記事】 ・奈良県中央卸売市場連携「ならいちばのキッチン・第5回料理教室」を開催しました。 ・奈良県中央卸売市場連携「ならいちばのキッチン・第4回料理教室」を開催しました。 ・奈良県中央卸売市場連携「ならいちばのキッチン・第3回料理教室」を開催しました。 ・奈良県中央卸売市場連携「ならいちばのキッチン・第2回料理教室」を開催しました。 ・奈良県中央卸売市場連携「ならいちばのキッチン・第1回料理教室」が開催されました。 ・近鉄連携『香芝SAフードコート麺メニュー開発プロジェクト』プレゼンテーション会を開催 ・健康栄養学科の学生が考案した弁当が近商ストアで販売中

2017.05.30

「小学校英語指導法」で立命館小学校の教員による特別講義!~現代教育学科

2017年5月15日(月)、「小学校英語指導法」の講義で立命館小学校英語科の正頭英和先生に来ていただき、『小学生に英語を教えるということ』について教えていただきました。この授業は、小学校教諭免許取得をめざす3回生が受講している講義で、今回は「小学校現場で活躍する教員から学ぶ」という形で特別に行われた授業でした。   正頭先生は英語教育や情報教育などで先進的な取り組みをされており、英語教育関連の書籍の著作も出されるなど英語の授業に定評がある有名な先生です。     はじめに、小学6年生の英語のプレゼンテーションのビデオを見せていただきました。小学生とは思えない英語の発音や堂々とした表現力に驚きました。同時に、このような児童を育てる授業とはいったいどのような授業なのか、興味深くなりました。     実際の授業の様子を見て一番に感じたのは、児童が主体的に授業に参加できる教室の雰囲気です。正頭先生は、「よい授業かよくない授業かを決めるのは子どもたちだ」とおっしゃっていました。児童が意欲的に学習できる授業をつくるには、その授業だけでなく、日頃からの子どもたちとの信頼関係が大切なんだと思いました。オールイングリッシュで進められる授業であるにも関わらず、子どもたちは英語に対する抵抗感もなく楽しんで授業に参加しているのは、教師が子どもの興味や関心をひくような工夫がされていることにも気づきました。   また、先生から大学生のうちに身に付けておくべき力は、『見取り力』だと教えていただきました。一つの事柄をひとつの視点ではなくさまざまな視点から見ることで、見えてくるものがあるんだということがわかりました。これは、英語の授業だけでなく、学校生活のさまざまな場面において共通する教師の力だと思います。     ▼  今回、本学にて講義して下さった立命館小学校英語科の正頭英和先生   授業力を構成する6つの要素は、①発問・指示 ②板書 ③資料 ④話し合い ⑤話術・表情・パフォーマンス ⑥人間力 と教えていただきました。正頭先生の講義は、大学生の私たちにとっても「もっと知りたい!」「考えるのが楽しい!」と思うような、あっという間の90分でした。授業のはじめに先生がおっしゃった「思考力をとめさせない授業」というものが自分の体験からわかったような気がします。今回の講義で学んだことを踏まえて、小学校の英語教育や授業づくりをもっと考えていきたいなと思います。貴重な学びの機会をありがとうございました。     現代教育学科3回生 森上優佳

2017.05.29

第60回日本糖尿病学会総会でプロジェクト研究の成果を発表!~畿央大学健康科学研究所

畿央大学健康科学研究所プロジェクト研究・課題名「アンチエイジング戦略の疫学的・実証的研究」(研究代表者:金内雅夫)の研究成果について発表しました(通算5報目)。   演題名:『地域在住高齢者における腸内細菌叢と食習慣・糖尿病の関連について』 柴田 満(健康栄養学科)、岩村真樹(大学院生・理学療法士)、藤澤弘枝(看護医療学科)、金内雅夫(健康栄養学科)   2017年5月18日~20日に名古屋市の名古屋国際会議場で開催された第60回日本糖尿病学会総会において、柴田助教が「地域在住高齢者における腸内細菌叢と食習慣・糖尿病の関連について」と題して畿央大学プロジェクト研究の成果を発表しました。   ▼ 糖尿病学会総会でポスター発表する柴田助教     本研究班は地域で元気に暮らす高齢者から健康長寿の秘訣を探る目的で、2年前から香芝市のフィールドで調査を実施してきました。1回20~25名の現地調査を行い、これまでに約100名の方のデータを集積しております。   ▼ 今年1月に実施した現地調査の様子     とくに本研究の新規性としては、食習慣の内容、運動機能、身体組成などを調査するとともに「腸内細菌叢分析」と健康長寿の関連を明らかにしようとする点にあります。これまでの研究結果から、柴田助教は高齢者での食習慣と腸内細菌叢の変化は肥満や糖尿病と関連する可能性があることを報告しました。今後さらに症例数を増やして、健康長寿へのかかわりについて詳細に検討していきたいと考えています。   健康栄養学科 教授 金内 雅夫 【関連記事】 第37回日本肥満学会でプロジェクト研究の成果を発表!~畿央大学健康科学研究所 「Atlas of Science」に健康科学研究所プロジェクト研究の成果が掲載されました! 第17回国際嗅覚味覚シンポジウムで健康科学研究所プロジェクト研究の成果を発表! プロジェクト研究の研究成果を発表~畿央大学健康科学研究所

2017.05.29

認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。

5月22日(月)畿央大学にて「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会『認知症高齢者の緩和ケア-メルボルンにおける緩和ケアの実際-』」を開催しました。 この講演会は「文部科学省 基盤研究C(代表 山崎 尚美) グループホームの終末期ケアにおける看護連携を強化する教育支援システムの開発」の助成を受けて開催しています。     講師はJulie Paul氏です。彼女はオーストラリアの緩和ケア分野のナース・プラクティショナー※1であり、メルボルンのBanksia Palliative Care Officeの施設長です。   ※1 ナース・プラクティショナー(NP:Nursing Practicioner) 大学院等において専門的な教育を受け、比較的安定した状態にある患者を主たる対象として、自律的に問診や検査の依頼、処方等を行うことが認められた看護師のこと。       当日は看護医療学科の実習施設の方や介護老人施設の方々はじめ、認知症高齢者の終末期ケアに関心のある方々約71名と本学看護医療学科学生106名、教員を加え200名近くが講演を聴かせていただきました。 日本では「緩和ケア」というと、がん患者さんを対象としたケアをイメージされる方がまだまだ多いのですが、みなさんはいかがでしょうか? 緩和ケアとは生命に関わる病気(HIV感染症、末期の呼吸器疾患や心臓疾患など)や高齢化に伴う課題に直面する(認知症など)、個人とその家族の「QOL(生活の質)」向上へのアプローチであると話されました。では「QOL(生活の質)向上」とは何でしょう? Julie氏は「何が『QOL(生活の質)』向上かはその人が決めること」と言われました。なるほど!と思いました。病気のとき、何が大切なのか、どうしてほしいのかは人それぞれです。決めるのはケアを受けているその方です。     これから認知症の方が増えてくるのは日本もオーストラリアも同じです。認知症の方は日常生活を他者に依存することが多くなること、コミュニュケーションの表現力や受容力に支障が生じやすいので緩和ケアが必要、と話されました。また、どの疾患のケアにも必要な「痛み」についても「看護師の観察」の大切さを説明してくださいました。 90分の講義の間、みなさん真剣な表情で耳を傾けられ、大きな拍手で講演が終了しました。     講演会後はJulie氏を囲んでランチを食べながらの懇親会を持ちました。Julie氏と夫のTim氏、認知症家族会の方、他大学教員、認定看護師、ケア・マネージャー、本学教員も参加させていただいての懇親会でした。     ▼懇親会の前には昨年海外インターンシップでお世話になった看護医療学科の学生がご挨拶   懇親会では、終末期に食べてもらうことがいいのか、自分の終末期について意思表示しておくこと、高齢施設への入居基準、高齢者虐待、子どもへの「死」に関する教育など、オーストラリアも日本も同じような課題を抱えていることがわかりました。そしてオーストラリアも日本も本人、家族、専門職などそれぞれが認知症高齢者その人ののぞむQoLをめざして援助していることもわかりました。   来日頂いたJulieさん、Timさん、わかりやすい通訳してくださった通訳の方、ありがとうございました。 また暑い中ご来校くださった参加者の方々、学生の皆さんにも御礼申し上げます。     看護医療学科 寺田美和子   【関連リンク】 看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地リポートvol.3

2017.05.26

奈良県認知症ケア専門士会第8回研修会が開催されました。

アルツハイマー型認知症は予防できるか? 2017年5月20日(土)に奈良県認知症ケア専門士会 第8回研修会が開催されました。     「認知症ケア専門士」は、人口の高齢化とともに増えゆく認知症の人へのケアに対する技術の向上や保健・福祉に貢献することを目的として平成15年に日本認知症ケア学会総会で決定された資格です。3年以上の経験年数とともに試験に合格することが必要なのですが、さらに認定後も生涯学習に対する義務が課されています。奈良県では2014年に関西で初めての認知症ケア専門士会が設立され、本学看護医療学科山崎尚美教授が会長となりました。その後毎年研修会を開催しています。   2017年度は、5月20日(土)13:00~16:30に第8回研修会のテーマは「アルツハイマー型認知症は予防できるか」で、医療法人社団岡田会介護老人保健施設まきむく草庵の施設長である中野博重氏を講師に講演をしていただきました。27名の参加があり、それぞれ1単位の単位が認定されました。   中野先生は、外科医師として臨床で働かれた後、看護大学で教授として教鞭をとられました。現在は、まきむく草庵で施設長として高齢者とかかわっておられます。講演では、認知症についての近年の動向や主な認知症の診断、症状についてお話しいただきました。その後、「こんなことが脳への刺激となる」こととして、毎日の生活の中で運動をする大切さや食事、社会交流と知的な活動の重要性などについて話をされました。また、2型糖尿病のコントロールや高血圧、高脂血症の改善、望ましい体重の維持などについても話をされました。 運動について、走るのもただ走るのではなく、「記憶力」に効く走り方、「感覚」に効く走り方、「集中力」に効く走り方などがあり、その実行方法について話され、新たな知見を得ることができました。アンケートでも、「わかりやすかった」「認知症について、わかっているつもりだったが、新たな発見があった」などの意見がみられました。 後半は認知症ケア専門士会の講演や活動について意見交換をしました。参加人数が少なかったせいか、質問や意見がしやすい、和やかな意見交換会となりました。     次回は、10月14日(土)に研修会が開催されます。認知症ケア専門士の資格を持っていない方も資格を持っている方もふるってご参加ください。   文責:看護医療学科 南部登志江

2017.05.24

児童養護施設を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」

2017年5月10日(水)に助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」の授業で奈良県桜井市にある児童養護施設飛鳥学院の見学に行かせていただきました。飛鳥学院では、なんらかの理由により家庭で生活ができない子どもに対して、子どもたちが健やかに成長し、自立して社会のなかで生活ができるようになることに重点がおかれ、愛情のこもった関わりを実践されています。     まず、理事長の河村喜太郎先生に講義をしていただきました。昔よりも子育て・育児が重視され、親の責任がより大きくなっていること、離婚件数の増加に伴う親の負担増も虐待の一員になっていることを知り、そういう今だからこそ社会全体での子育て支援が大切であると強く感じました。実際に、児童家庭支援センターではソーシャルワーカーがケースマネジメントを行い「バーベキューの串」の役割を果たすことによって、多職種が連携し対応しています。虐待は1人で発見・対応することは困難であり、様々な機関がそれぞれの視点から関わることで適切な判断へとつながり、子どもの権利を守ることにもつながっていくことを学びました。   続いて、院長河村善一先生にて施設を案内していただきました。施設の見学では、学習塾やそろばんなど勉強のできる環境が充実しており、部活動や習い事にも取り組めるよう体制が整えられています。このような生活環境があることで、子どもたちが学力だけでなく、自分の強みを見つけて自分自身に自信を持てるようになるのではないかと感じました。学習塾では成果により表彰をされており、子どもたちがそれを喜んでいると聞き、こういった関わりが子どもの自尊感情を高めるためにとても効果的であると学びました。施設にいる子どもたちは学習が遅れている子や褒められた経験がない子が多く、勉強して分かるようになる喜びや目標に対する達成感を得ること、それを他者が認め、褒めることは自信につながり、学校での生活や勉強が楽しいと思えるように成長することができると感じました。   地域小規模児童養護施設「いわれ」や「しき」では、子どもたちが一軒家で生活しており、料理などの家事も行っていることから、小中学校を卒業し、今後社会に巣立っていくまでの準備期間として、社会性や生活力を身に着け、自立を支援するための取り組みになっていると学びました。 施設にはつらい過去を経験した子どももいますが、施設を卒業してからも飛鳥学院を実家のように思い、時々顔を見せに来たり、昔の辛かった過去を笑い話にして話したりする子どもたちもいるそうです。過去の出来事を変えることは困難でも、「今が幸せ」と思えるように関わることで過去に対する考え方は変えることができると学びました。また、大人が愛情を持って子どもに関わることがどれほど子どもに影響を与え、重要であるかということを再認識しました。   助産師は家族形成の初期段階に関わる重要な役割を担うため、妊娠期から女性やその家族に対する深く広い観察の視点をもち、産後の生活を予測した支援を行う必要があると実感しました。また、助産師を含む多職種で連携し、さまざまな環境においても子どもが成長・発達していけるよう社会全体で母子をサポートしていくことが重要であると学びました。そして、虐待を受けている子どもが1人でも多く救われ、命を落とすことのないよう、まずは疑わしきは通報する義務、早期発見、介入のために誰しもができることを広く周知していくことが必要だと思います。 今回の見学は虐待について改めて考える機会となり、それを防ぐために助産師としてできることや虐待を経験した子どもに対しての関わりについてなど多くの学びや気づきがありました。今回の学びを今後助産師として働くうえで活かしていきたいと思います。   飛鳥学院の河村喜太郎理事長、河村善一院長はじめスタッフ皆様、あたたかく丁寧な説明をしていただき感謝いたします。     助産学専攻科在籍 甲村弥生・山下夏美

2017.05.23

2017年度「マミポコ・キッズ」第1・2回活動報告!~現代教育学科

こんにちは、マミポコ・キッズです!私たちは畿央大学に地域の子どもたちを招待して、様々な遊びを行っています。今回は、2017年度前期の第1回、第2回活動の様子を振り返ってご紹介します!     第1回では、まず初めになふだづくりで個性豊かな名札を作った後に、となりのとなりというグループの他の子の名前を覚えるゲームをしました。初めての活動ということで子どもたちも大学生も緊張していました。でも、活動が始まると緊張もほぐれ、たくさんの笑顔がみられるようになりました。   【写真左】「ぱんぱんぽーず」でみんなでポーズ!                   【写真右】「なふだづくり」オリジナルなふだ制作中!     第2回では、マミポコ・キッズに少し慣れてきて、みんなで協力するイメージゲームをしました。このゲームはあるお題について、思いつくものをたくさん出していくゲームでした。つまってしまう友だちがいれば、違う友だちがヒントをあげることができました。グループで協力しあうことができ、たくさん会話が弾み、楽しいゲームになりました。   ▼「いめーじげーむ」グループでたくさんのものを思いついたよ!   ▼「にがおえりれー」グループリーダーそっくりの似顔絵ができたよ!   ▼「ぽいぽいぱちぱち」どれだけたくさん手をたたけたかな?   毎回の活動において、多くの当日スタッフの方々に参加していただいています。今後とも、マミポコ・キッズをよろしくお願いします。   現代教育学科  3回生 竹田卓司 2回生 樋口茉悠  元神有未 【関連リンク】 ・マミポコ・キッズ

2017.05.22

平成29年度離島・へき地医療体験実習 宇陀市大宇陀地区実習レポートvol.3~看護医療学科

看護医療学科4回生の必修科目である「離島・へき地医療体験実習」が5月16日(火)~5月18日(木)の3日間行われ、奈良県内5か所の実習地にわかれて学生たちが参加しました。大宇陀地区での実習3日目の様子をレポートします。   最終日(5月18日) 大宇陀での実習も最終日を迎えました。2日間にわたりとてもハードなスケジュールで広い大宇陀の中で活動したため、多少の疲れも見えましたが、この日も朝から病院班・曽爾村班・大宇陀班に別れて元気に実習を開始しました。   ▼大宇陀での訪問看護実習先での思い出の一コマ     大宇陀の大熊地区を訪問しました。そちらに一人で暮らす女性は、「息子たちが隣り町に家を建てて引っ越し、自分も一緒に来るようにと言われたけれど、先祖や亡くなった夫との想い出が詰まったこの村に残る決断をした」と話されました。コミュニティバスを利用して、買い物に出かけて、自分で下ごしらえから手を加えたものを食べることが健康の秘訣、というお話でした。野菜の保存の仕方なども教わり、下宿している学生は「参考になることを教えてもらえてよかった」と喜んでいました。   ▼最終日に訪れた大宇陀の町屋にある老舗旅館【日の出館】   現在は女将が90歳を超えているため旅館は閉じていますが、大宇陀の町が活気づいていた時代の面影がうかがえる門構えや帳場に飾られた品々を目にして、学生は「見たことない物や建物の造りに感激した」と話していました。ここでは、90歳の女将を手伝って、庭木の手入れや廊下の掃除、古くなった障子の張り替えをしました。普段は、玄関や窓も閉められていて静かな旅館に、学生たちが訪れて掃除をしている様子を目にした近隣の方が、「女将に何かあってザワザワしているのでは・・」と気遣って電話を下さるというハプニングもありました(笑)そのハプニングから学生は「近所の人が周囲の人をいつも気遣っている町なんですね」という学びを得ていました。   ▼障子の張替えを手伝う学生たちと女将さん     ▼タクシーの運転手さんも見かねて障子はりを手伝ってくださいました。     ▼日の出館の中庭をプロ顔負けの技で剪定した学生たち     3日間の実習は、あっという間に過ぎて大宇陀を離れる学生は、お世話になった場所で自分たちの学びを再確認し、感謝の気持ちを伝えて帰宅の途につきました。 大宇陀ラガールでご指導いただいた内田俊子主任ケアマネージャーから、「看護を学んで知識や技術を身につけることも大切ですが、生活者としての高齢者の心の叫びを聴きとれる力をみがくことを忘れないでほしい」という言葉をいただきました。   ▼内田俊子主任ケアマネージャー様よりお言葉をいただく学生の様子   3日間の実習、本当にお疲れさまでした。この学びはきっと皆さんの人生を豊かにしてくれると信じています。お世話になった大宇陀の多くの方々や市立病院、曽爾村の方々に深く感謝します。   看護医療学科 急性期看護学 講師 大友絵利香   【関連記事】 平成29年度離島へき地医療体験実習 宇陀市大宇陀地区レポート~vol.1 平成29年度離島へき地医療体験実習 宇陀市大宇陀地区レポート~vol.2 離島・へき地医療体験実習(宇陀市)レポート! ~看護医療学科(平成28年度)

2017.05.22

平成29年度離島・へき地医療体験実習~宇陀市大宇陀地区レポートvol.2

看護医療学科4回生の必修科目である「離島・へき地医療体験実習」が5月16日(火)~5月18日(木)の3日間行われ、奈良県内5か所の実習地にわかれて学生たちが参加しました。大宇陀地区での実習2日目の様子をレポートします。   2日目(5月17日) 2日目は、宇陀市介護予防事業aiクラブにて体力測定や骨密度測定を行い、生活指導をさせていただきました。本学の学生は今年で3年目の訪問ですが、毎年参加してくださる方々が心待ちにしてくださることが大変うれしいです。   ▼aiクラブに足を運んでくださった宇陀市の方々     体力測定の結果と生活習慣や若いころの職業などとの関連性を考え、今後も転倒や骨折を避けて現在の健康レベルを維持するための注意点などについてお話させていただきました。   ▼体力測定の結果を踏まえて、参加してくださった皆さんに健康指導をする様子     ▼参加者のみなさんと一緒に、健康維持のために音楽に合わせて体操     ▼骨密度測定   身体の運動だけでなく、学生が考えた文字ゲームや計算で頭の体操を紹介し、参加者の皆さんも学生と一緒に和気あいあいと計算に挑戦されていました。   ▼実習生も一緒に文字ゲームに参加   夕方は、宇陀キャラバンメイト連絡会の皆様から、「認知症サポーター養成講座」の講義を受けました、認知症予防の体操なども紹介していただき、認知症の方々を理解して温かく見守り続けることについて再考する機会となりました。     大忙しの2日目が過ぎてみんな疲れ気味ですが、地域の方々に温かく接していただき助けられていました。この日は宿のオーナーが屋外でバーベキューを企画してくださり、美味しい宇陀のお肉とおにぎりで満腹になりました。   さあ、明日は最終日です!またそれぞれのグループに別れてたくさんいろんな経験を持って帰りたいと思います。   看護医療学科 急性期看護学 講師 大友絵利香 【関連記事】 平成29年度離島へき地医療体験実習 宇陀市大宇陀地区レポートvol.1 離島・へき地医療体験実習(宇陀市)レポート! ~看護医療学科(平成28年度)

2017.05.22

平成29年度離島・へき地医療体験実習~宇陀市大宇陀地区実習レポートvol.1

看護医療学科4回生の必修科目である「離島・へき地医療体験実習」が5月16日(火)~5月18日(木)の3日間行われ、奈良県内5か所の実習地にわかれて学生たちが参加しました。 そのうちの1か所である宇陀市大宇陀地区には19名の学生が元気いっぱい実習させていただきました。地域の医療職や介護職の方々、交通の便が悪い山中にお住いの高齢者の方々に多大なご協力を得て、たくさんの体験や感動、学びがありました。その様子を報告させていただきます。   初日(5月16日) 爽やかな風が吹き空は真っ青で、正真正銘の五月晴れでした。8時30分に榛原駅に集合した学生は、榛原地区にある宇陀市立病院、大宇陀地区にある大宇陀特別養護老人ホームラガール、宇陀郡曽爾村にある宇陀訪問看護ステーション東宇陀支所にわかれて実習を開始しました。   ▼大宇陀ラガールで、地域の高齢者と歩行訓練をする本学の実習生   大宇陀地区では、様々な社会資源を活用しながら山間部で生活する90歳代独居高齢者のお宅を訪問しました。膝関節の変形や歩行能力の低下がありながらも、段差や畳の生活を余儀なくされる古民家に過ごされている方たちですが、先祖を守りたいという気持ちや自分が生きてきた場所への愛着と生活支援のサポートがあることで、平穏で文化的な生活を送られていました。学生たちは、竹やぶで筍掘りをさせていただいたり、大正琴を教えていただいて合奏するなど楽しい時間を過ごさせていただきました。また、下肢のリンパ浮腫で生活に不自由があるという問題を抱えておられることに対して、自分たちで作成したパンフレットを用いてスキンケアや運動について説明しました。   ▼介護サービスを受けながら、独居を続けている女性宅を訪問する実習生     曽爾村では、蛇行する山坂をのぼり商店や医療機関から離れた場所で慢性疾患を持ちながら暮らす高齢者宅や人工呼吸器を装着した小児を自宅で介護するお宅に伺いました。学生たちは、清潔ケアや生活指導をさせていただきながら、お話を伺うことができたようです。「将来は、この村に住んで訪問看護がしたい。それくらい曽爾村に住まう人が温かくて、健康問題を抱えていても明るく生活している姿に感動した」と訪問先から帰って真っ先に話す学生もいました。ステーションの看護師さんたちは、地域に長く住んでおられることもあって、訪問先の方々とまるで家族のように親密な関係性を構築しておられます。学生はその関わりから、住み慣れた家でずっと暮らし続けるために必要なサポートを学びました。   実習1日目から、盛りだくさんの内容を体験した学生は、宿泊地である大宇陀本郷地区にある椿寿荘に戻り、夕食をいただきました。大宇陀地区は水田が多く水がきれいな土地柄もあり、稲作が盛んな場所として知られています。宿でもつややかでふっくらした御飯に大満足でした。夕食後には、全員で1日目の学びを共有しましたが、想像以上に学生が深い学びを得ていたことに教員は大変うれしく思いました。   明日は、いよいよ実習のメイン行事である「宇陀市介護予防事業 aiクラブ」での体力測定と健康指導が待っています。宿の温泉で疲れをいやして、明日への鋭気を養いました。   看護医療学科 急性期看護学 講師 大友絵利香   【関連記事】 離島・へき地医療体験実習(宇陀市)レポート! ~看護医療学科(平成28年度)