2023.02.26
1回生131名が「小学校一日見学」に参加しました~現代教育学科
「小学校一日見学」は畿央大学教育学部が独自に設置している「小学校教育実習」「養護実習」を履修するための必修科目です。早い時期に学校の現場を経験することをねらいにしています。
平成22年度より大阪教育大学附属小学校並びに大阪教育大学のご厚意により、平成30年度までは附属天王寺小学校、翌年からは附属平野小学校で受け入れていただきました。一昨年度、昨年度は新型コロナ感染対策のためオンライン形式で実施しましたが、今年度は学校を訪問して実施することができました。例年、午前中4時間の授業参観、午後は副校長先生による講話と1日を振り返るレポート作成というプログラムで実施してきました。今回は、コロナ感染防止対策として午前のみの実施としました。参加者は131名でした。
3時間の授業参観と1時間の副校長先生による講話が主なプログラムです。保健教育コースの学生には授業参観のうち1時間は養護の先生による講話をしていただきました。
授業参観は1年生から6年生の配当された学級で、学習の様子を参観させていただきました。教員の立場から1時間毎に異なる教科の指導を目にする、とてもよい機会となりました。4時間目は、南副校長先生の講話です。まず、参観した授業から「小学校教員の魅力」「小学校教員の責務」「小学校教員の職務内容」についてお話があり、「教師の場作り・働きかけのよさ」「子どもが『光っている』瞬間」を視点としてグループ討議を行いました。そして、目の前の子どもたちの気付きから学習がはじまること、子どもの興味・関心を喚起し、自力解決できるよう支えていくことが教師の役割であること、教師の仕事には専門性と同時に人間性が求められることなど、教師の役割とやりがいについて語ってくださいました。
学生は帰宅してから半日を振り返りレポートをまとめました。今日の出来事を言葉で表現することによって、教職への思いを一層強くしたことでしょう。
半日の様子を写真と学生の感想で紹介します。
◇授業の参観
●3限目に見学した理科の授業では、果敢に実験し、成功しなかったときに何故成功しなかったのか、どこが問題だったのかを自分で発見し、解決策を探している姿が多くあった。教師がすべて教えるのではなく子ども達自身で発見し、解決策を見つけることがより良い成長につながることがよくわかった。
●児童が積極的に発表できる環境の大切さです。私が小学生の頃は、恥ずかしくてクラスのみんなの前で発表することにとても消極的でした。しかし、今回参観したクラスではどの児童も物怖じすることなく積極的に発表していました。その背景には、発表した児童の意見に対して先生が「どうでしょう?」とクラス全体に問いかけ、反応やさらなる意見を求めていたことがあるのではないかと思いました。クラスのみんなが何かしらの反応をしてくれることで発表した児童に自信がついたり、次も間違えることなどを恐れずに発表できるのではないかと思いました。
◇子どもへの対応
●授業中、私の想像以上に教室の中に飛び交う子どもたちの私語は多かった。ただ先生の捉え方は違っていた。先生が話す前に児童が喋っていると、少し静かにするよう合図を送るものの、その中から必要な情報(言葉)を的確に拾っていた。ある児童の問いに対して、これは他にも同じ疑問を持っている子がいそうだなと思われる発言は、全員に共有したうえで問いかけていた。勿論先生は答えを知っているけど、それを答えるのではなく、児童の疑問は児童が解決することで、さらなる深い学びにつながっているとわかった。
●今回の見学を通しての反省点を挙げるとするならば、長い休み時間の時に「周りの輪に入って行けずに15分間一人で過ごしていて寂しかった」と休み時間終わりに訴えた子が居た。その子が一人で居ることに気付いてあげることができなかったのは、自分にとって大きい反省点である。3回生で教育実習に行く際は、この反省点を踏まえて行動したいと考えている。
◇ICT
●子どもたちの学習活動について私たちの小学生時代と大きく異なっていたのは、PCを用いた授業が当たり前となっていた事であった。分からない事を調べるだけでなく、画像をクラスで共有したりページを見やすく矢印で繋げる作業をしたり、大学生の私たちが行うような事を小学生の頃から行っている今の子どもたちのICTへの適応力に驚かされた。また、先生方もPCを活用した授業づくりをしっかり行っており先生方の授業づくりに対する努力がみられ、大学生の私たちは今のうちからよりPCに慣れ当たり前に授業に盛り込めるような技術をつけなければいけないと痛感した。
◇養護教諭
●養護教諭の先生が実際に工夫して行っている取り組みについてです。養護教諭は保健室で、全児童の心身の健康をサポートすることになります。しかし、全てを担っていては保健室がうまく回らなくなり、児童にも良い影響を及ぼさないことが、養護教諭の方のお話から伝わってきました。そのため、他の先生方にも連携・協力してもらい、頼ることを肯定的に捉える視点が必要だと学びました。
●養護教諭の役割は、大学の授業で取り扱われて、知識としては知っていたが、自分の想像していたものとは違った点もいくつかあった。
養護教諭になりたいという思いはより強くなり、また小学校教員の魅力もよく感じたことによって、自分の進路についてまた見つめ直す良い機会となった。
◇講話を聞いて
●副校長先生の講話の「教師は子どもたちと同じ方向をむいて、ともに進む伴走者であり、共同探究者である」という言葉である。教師は子どもたちに教えるというイメージが強く、子どもたちを将来へと導くのが役割であるという考えが残っていると思う。しかし、今日の見学のたった3時間でも、がやがやしていても先生が「切り替え」と言ったらすぐに切り替えができるのだと学んだり、私よりもたくさんの折り紙の折り方を知っている子など、子どもたちから学ぶこともたくさんあった。毎日子どもたちを一緒にいる先生は、毎日子どもたちが学んでいるのと同じくらい、それより多く学びがあるのだと思った。
●副校長先生のお話であったように、今回の実習では小学校教員の①魅力、②責務、③職務内容の3つを習得することが出来たと思う。具体的には、まず魅力については、正直なところ、この実習に行くまで、教員にはなりたいが想像がつかず、めざすことへの不安感があった。しかし、今回の実習で実際に子供と触れ合い、授業も受けることができたことで、それらへの楽しさを感じることができ、自分と一回りも違うかわいい生徒たちに愛着が持て、この子たちに勉強を教えてあげたいと思った。そしてそれはすごくやりがいのあることだということも感じることができ、教員志望の気持ちがすごく高まった。
◇一日を通して
●今回の実習を通して、短い時間でもたくさんのことを学んだり気づくことができ、教員になることに対する自分のモチベーションが向上しました。副校長先生のお話でもあったように、時代に対応した教員としての専門性を身につけるだけでなく、人間性を磨き高めることが大切だと思いました。
●小学校一日見学を通して、たった3限だが、改めて教師の仕事のやりがいと大変さを知らされた。子どもたちの本当に貴重な時間を任される責任を改めて認識し、子どもたちと共に学び成長していけるような教師になることを目標にして、2回生からの授業に気合いを入れて挑もうと思うことができた。
最後に、学生に貴重な学びの場をご提供くださった大阪教育大学並びに附属平野小学校に深く感謝申し上げます。
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