2025.07.22
衣服の平面構成を学ぶ「アパレル構成実習Ⅲ」~ 人間環境デザイン学科
人間環境デザイン学科アパレル造形コースでは、衣服を構成する立体構成法、平面構成法について学ぶ「アパレル構成実習」という授業を設けています。2回生前期から3回生後期にかけて、アパレル構成実習Ⅰ~Ⅳを順に実践を通じて学びます。
2回生時には、甚平とシャツの製作を通じて、ミシンや関連用具の適切な取り扱い方を習得し、立体構成法と平面構成法の基礎的な設計や縫製技法を学びました。それらの知識を活かし、アパレル構成実習Ⅲでは浴衣の製作に取り組みます。日本の伝統衣装である着物は、平面構成が持つ独自の原理や縫製手法、美しさがあります。伝統的な衣服に対する理解を深め、和裁技術を通じて日本文化の奥深さに触れることが授業の目的です。
浴衣の製作に取り組みます!
授業では、最初に採寸と製図を行います。平面製図は、立体製図に比べて原型からのパターンの変化の再現性が高いです。それを活かし、学生それぞれの身体寸法に合わせた製図に挑戦しました。洋服の立体構成とは全く違った製図方法に戸惑いながらも、反物を無駄にしない平面構成の製図方法には驚きと新しい発見がありました。
縫製は、ほとんどの作業を手縫いで行います。一針一針縫っていく作業には根気が必要ですが、自分で選んだ反物に愛着を持ち、丁寧に作業を進めていきます。和裁独自の縫い方は、先生から教わったリズムで感覚をつかみます。
一部ミシンの力を借りる部分がありますが、単に楽だからという理由ではありません。立ち居動作による損傷が予想される部分(背中からお尻の部分)には、ミシンで2度縫いを行い、補強をします。また、見えない部分の処理や途中のアイロンのかけ方等にも注意を払います。作業を進めていく中で、浴衣の名称も覚えることができました。一つ一つの工程の意味を理解しながら、和裁特有の技術を習得することができました。
浴衣が完成し、着付けをしていただきました!
14回の授業を経て浴衣が完成しました。先生に着付けをしていただき、記念撮影です。自分の寸法に合わせた浴衣は、実際に身に着けてみると一層綺麗なシルエットだと分かります。
最終授業では、浴衣の畳み方や保管方法、手入れについて学びます。また、残りの反物でバッグを制作し、最後まで無駄なく使い切ることができる和裁技術を習得します。日本人の知恵を実践し、より学びを深めてください。
後期の授業ではジャケットを製作します!
3回生後期の「アパレル構成実習Ⅳ」では、ジャケットの製作を通して、パターンから縫製など服飾造形技術の応用課程を学びます。さらなる技術の向上を目指して頑張ってください。
人間環境デザイン学科
助教 小松 智菜美
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