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2014年06月11日 一覧

2014年6月11日(水)

2014年5月30日~6月1日に、パシフィコ横浜にて「第49回日本理学療法学術大会」が行われました。

 

基礎理学療法、神経理学療法、運動器理学療法、内部障害理学療法、生活環境支援理学療法、物理療法、教育・管理理学療法と分野が多岐にわたり、演題数は1500程度あります。今学会は、日本における理学療法士の学会で1番大きな学術大会です。

 

その中、「第48回日本理学療法学術大会(昨年度の学術大会での発表に対して)の表彰式」が行われました。

畿央大学から、冷水誠理学療法学科准教授、私(今井亮太)が優秀賞を授与しました。

 

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このような名誉ある賞を受賞でき、本当に心から嬉しく思います。受賞の連絡を頂いたときは、喜びよりも驚きの方が大きかったことを覚えています。私は臨床4年目、また修士課程2年目であり研究歴は非常に短いです。こんな自分が優秀賞を受賞して大丈夫であろうかと、心配になり不安にもなっています。しかし、これに恥じぬように精進していくしかないと思っています。
本学の神経リハビリテーション学研究室では、多岐にわたる分野で研究がされています。そのため、予演会などでは、様々な視点から活発な意見交換が行われます。また本研究室では、他人の研究でも自分の研究のように考えています。このような背景が、優秀賞に導いてくれたと思っています。

 

理学療法学科の冷水准教授は、基礎理学療法部門での受賞であり、演題名は「立位バランス学習における自己運動観察によるフィードバック効果の検証」です。これは、効果的な運動学習をもたらす視覚フィードバックを用い、自分の運動を観察させるビデオフィードバック学習と、他者の運動を観察することで運動学習効果がある観察学習との学習効果の違いに関して、脳活動を含めて明らかにされています。結果、バランス学習において他者観察による観察学習効果ではなく、自己観察によるフィードバックによって有意な学習効果が認められました。これは、自己観察により自己の運動感覚情報との誤差を視覚的に明確に認識することができ、次の試行に対して修正した新たな自己運動イメージを形成することができたことによるものと考えられます。これを裏付けるように、課題試行時の脳活動では、他者観察群が運動イメージに関連した領域の広範な活性化を認めたのに対し、自己観察群ではこれらの限局した領域の活性化が認められていました。理学療法の意義として、健常成人を対象としたバランス学習において、簡便なビデオを用いた自己観察学習が有効である可能性を身体パフォーマンスおよび脳活動レベルにおいて見いだすことができましたので、今後、症例研究を進めることにより、臨床上有用なバランス学習における介入手段への発展に繋がると考えられます。

 

私は物理療法部門での受賞であり、演題名は「撓骨遠位端骨折術後に対する腱振動刺激による運動錯覚が急性疼痛に与える効果」です。これは、術後患者に対し、あたかも自分の手が動いているかのような錯覚を惹起させることで、痛みや不安などの心理面、関節可動域の改善が得られるかどうか検証しています。結果、運動錯覚を生じさせない群よりも運動錯覚を生じさせた群の方が1週間後の痛み、心理面、関節可動域に有意な改善が見られました。また1ヵ月、2ヵ月後まで評価しており、そこでも有意な改善が認められました。手術後翌日より、運動に対する痛み経験や不安を持つ患者に対して、腱振動刺激による運動錯覚を惹起させることで、運動に対する不安や恐怖感を改善させることにより、痛みや関節可動域の改善につながることを確認しました。理学療法の意義として、疼痛理学療法においては、対象の不動期間、痛み経験、破局的思考、不安を考慮することが重要になります。腱振動刺激は痛みの知覚をさせることなく、運動錯覚を惹起させることが可能であり、術後翌日といった早期介入が可能な有効な手段であります。急性疼痛の軽減だけでなく、痛みの慢性化の発生を防ぐことができる可能性があることを臨床研究で示しました。

 

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最後に、研究を最後までご指導し、優秀賞に導いて下さいました森岡周教授をはじめ、本学の神経リハビリテーション学研究室の皆様に深くお礼を申し上げます。ちなみに、森岡教授は発表前から「この演題であれば絶対優秀賞を獲得できる」と言われていました。今後も森岡教授のご指導のもと、少しでも社会に貢献できるように研究室の皆様と切磋琢磨し、取り組んでいきます。

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畿央大学 大学院健康科学研究科 修士課程2年

今井 亮太(畿央大学理学療法学科卒業生)

 

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