2024年6月6日の記事

2024.06.06

【プロジェクトゼミって何するの?②】SDGsの視点で地場産業を盛り上げよう~人間環境デザイン学科 村田ゼミ

人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて活動を行う科目「プロジェクトゼミ」があります。「プロジェクトゼミ」では、建築、インテリア、アパレルのコースに準じた様々な地域課題の発見と解決に取り組んでいます。このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。 村田浩子先生のゼミにはアパレル・造形コースの学生が多く在籍し、地元広陵町の地場産業である靴下製造に関わっています。生産量の減少により縮小している靴下産業を盛り上げようと、その方法をゼミで検討しています。 残糸の活用 靴下の製造の過程では「残糸」が発生します。靴下工場ではメーカーの依頼により靴下の製造を行いますが、その商品を作製するために購入した糸が大量に残ります。これを「残糸」と呼びます。村田ゼミではこの「残糸」をSDGsの観点から活かす取り組みを行っています。   例えば2024年11月末に大学隣の商業施設「エコール・マミ」で、近隣住民を対象に残糸を使ったワークショップの実施を予定しています。7月には広陵町に残糸を使ったラグやバッグの提案をするため、ゼミ生が作品づくりに取り組みます。糸のことを知り、初心者でも扱いやすい作品を目標に、相談しながら黙々と作業を進めています。   本日のゼミでは、残糸を束ね、ラグを試作していました。試作の次は実際にラグやバッグを作っていきます。「残糸」はとても細くきれいな糸です。この「残糸」がどのような作品に生まれ変わるのか、乞うご期待!       デザイン実習室には糸や布をつくる道具がたくさんあり、今日はその一部をご紹介します。綿を手紡ぎで糸にする「糸車」や半機械的に糸にする「ガラ紡機」など、今では製造されていないモノや使える職人さんがいなくなってしまったモノ、使う機会がなくなり譲っていただいたモノも多くあります。   ▼糸車     ▼ガラ紡機     村田ゼミではこれらを活用し、糸紡ぎ、染色、織り、縫製まですべての行程を経験します。木枠には、卒業研究で学生がつくった糸が残っています。   ▼木枠       人間環境デザイン学科では、これらを卒業研究で実際に使用して作品を作ることができます。前述の通り、今年の11月末には「エコール・マミ」にて「残糸」を使ったものつくりワークショップを開催予定です。「織り機」の出番もあるようです。興味のある方は、ぜひお立ち寄りください。   ▼織り機     プロゼミ紹介プロジェクト   【関連記事】 【人間環境デザイン学科】プロジェクトゼミって何するの?① 明日香村 八釣地区 「妙法寺」の実測調査Vol.1 -プロジェクトゼミ三井田研究室- ABCテレビ「やすとものいたって真剣です」に本学教員が設計した住宅が登場!~人間環境デザイン学科 人間環境デザイン学科 学内コンペ「みんなで考える学び舎」レポート vol.4~製作開始! 地域住民と4大学が参加!「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」を開催します!~人間環境デザイン学科 2024年度 新入学生研修 学科別レポートvol.5~人間環境デザイン学科 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.1~台湾から大学生・教員が到着! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.2~課題への取組がスタート! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.3~現地調査や意見交換を進めました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.4~活性化案を発表しました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.5~最終日を迎えました!  

2024.06.06

【プロジェクトゼミって何するの?①】明日香村八釣地区「妙法寺」の実測調査Vol.1~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ

人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて活動を行う科目「プロジェクトゼミ」があります。「プロジェクトゼミ」では、建築、インテリア、アパレルのコースに準じた様々な地域課題の発見と解決に取り組んでいます。このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。 三井田ゼミでは、建築・まちづくりコースの学生が多く在籍し、地域の課題解決、環境教育等の課題に取り組みます。今回は、今年3月に行われた明日香村国際ワークショップ2024の対象地 明日香村八釣地区にある「妙法寺」を実測しました。   妙法寺は、享保15年(1730年)頃に建立されたお寺です。あるポスターには、日本の原風景として妙法寺や周囲の農家が写されています。しかし、現在は無住職のお寺となり、梁や柱も傾いてしまい建具を動かすこともできません。地域の方たちも一度は取り壊しを検討しましたが、やはりこれからも日本の原風景として、後世に残していきたいという思いをもたれています。   ▼立派な石垣の上に建つ妙法寺     ▼梁が沈んでしまい閉ざされたままの戸     梁や柱の傾きをどのようにして解消していくのかを検討するには、現況図面が必要です。しかし、当時の資料も図面も残念ながら残っていません。そこで、三井田ゼミに所属する学生たちの手で妙法寺を実測し、現況図面を作成することにしました。   実測1日目 平面図(間取り)、断面図(建物を垂直に切断した面を横から眺めた図)、立面図(建物の外観)などのチームに2人1組で分かれて実測します。主にこのような道具を使用し、建物を方眼紙に描き写したものに寸法を記載していきます。   ▼「①下げ振り(傾きを計測)」「②レーザー測距計」「コンベックス」などを使い寸法や傾きを測ります。     ▼高い箇所も脚立を用いて正確に測ります。     ▼下げ振りは、円錐型の重りを下ろし、上部と下部で紐と柱との距離を比較し、柱の傾きを計測します。     ▼屋根裏へも登り、小屋組み(屋根裏の構造)を確認します。     ▼お寺の隣には調理場が併設されており、当時は餅つきや炊き出しなども行われにぎわっていたようです。     ▼おいしい苺を差し入れしてくださり、実測後にいただきました。     1日では測りきれないので、次回の実測日までに手書きの図面はCADを使ってデータ化しておきます。不明な箇所や図り忘れた箇所が必ずでてくるので、それらは次回に再度確認します。 実測に参加した学生のコメント ●柱の傾き具合に驚きました。「下げ振り」も初めて使い、とても勉強になりました。(人間環境デザイン学科3回生 上田 葵生)   ●実際に実測をしてみると、建物は小さいが間取りが分かれていて壁など骨組みがたくさんあり大変でした。やりがいがあって楽しかったです。(人間環境デザイン学科3回生 角矢 奈央樹)   今回は、実測風景をご紹介しました。自分の目で見て、自分の手で建物を測ることにより、柱の太さや、柱の間隔など様々な寸法や構造を把握することができ、教科書や写真では決して得られない学びがあったと思います。次回のブログでは、実測後にCAD化したデータをご紹介します。   人間環境デザイン学科 助手 中井 千織   【参考記事】 ABCテレビ「やすとものいたって真剣です」に本学教員が設計した住宅が登場!~人間環境デザイン学科 人間環境デザイン学科 学内コンペ「みんなで考える学び舎」レポート vol.4~製作開始! 地域住民と4大学が参加!「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」を開催します!~人間環境デザイン学科 2024年度 新入学生研修 学科別レポートvol.5~人間環境デザイン学科 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.1~台湾から大学生・教員が到着! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.2~課題への取組がスタート! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.3~現地調査や意見交換を進めました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.4~活性化案を発表しました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.5~最終日を迎えました! 旧豆山荘(旧河合町役場)の保存再生デザイン報告会〜人間環境デザイン学科前川ゼミ