2022年6月16日の記事
2022.06.16
修了生の幾嶋祥子さんと冬木正紀准教授の発明が特許を取得しました~健康科学研究科
大学院健康科学研究科の修了生である幾嶋祥子さん(修士(健康科学))と冬木正紀准教授が発明した乳汁分泌を促進する装置により、冬木学園が特許権を取得しました。この発明は、幾嶋さんの修士研究および本学の次世代研究開発プロジェクト(萌芽的研究)の成果であり、母乳育児を支援する発明です。 特許第7076079号 「乳汁分泌促進器」 幾嶋さんと冬木准教授からのコメント 本発明では、熟練助産師と同等の乳汁分泌促進マッサージを行える軽量でハンズフリーな人工筋肉リングを発明しました。 わが国では妊婦の約9割が母乳哺育を希望していますが、生後1ヶ月時点での母乳哺育率は5割に留まっています。このギャップは、母乳哺育を確立するまでに生じる様々な困難に起因しています。乳汁分泌促進は、産後早期から頻回に継続的に行うことが重要ですが、産後の母親は心身ともに非常に敏感で、乳汁分泌促進を含めたセルフケアを行うことは容易ではありません。 乳汁分泌促進を助けるツールとして、入院中は吸引式の電動搾乳器がありますが、家庭で使える程にはコンパクトではなく、また、使用時には手で持つ必要があるため、吸引式の電動搾乳器は、家庭で乳児の養育等に忙しい母親が継続的に使用するのは難しいです。 そこで、我々はハンズフリーで使用できる乳汁分泌促進用マッサージ器を発明しました。 下記の本発明の写真をご覧下さい。ウレタン製の3つの軟突起が付いた黒い人工筋肉リングが、滑りにくく通気性の良いウレタン製のメッシュ状固定パッドにより、搾乳トレーニングモデルの乳房に固定されています。写真下部の透明なチューブを通して人工筋肉リングに数気圧の圧縮ガスを給排すると、リングの内径が縮小拡大し、その動きに合わせて、リングの内側に取り付けた軟突起が助産師の指の様に乳房内部の乳管集約部を刺激します。 ▲:本発明の写真 そして、本発明が模倣している熟練助産師の手技の例を下記に示します。(株)MCP製の搾乳トレーニングモデルMC009を用いた熟練助産師の手技との比較実験では、仰臥位と立位に相当する平置きと縦置きの状態の同モデルにおいて、本発明により熟練助産師の手技と同程度量の模擬乳汁の漏出が確認されました。 ▲:本発明が模倣している熟練助産師の手技 本発明は母親が家庭内で日常的に使用することを想定したものですが、病院への適用も望まれます。今後は褥婦の方達によるモニタリングを行い、開発を進める予定です。 【関連記事】 イベントプログラム「これからも『ひと』と『ロボット』は共存できるのか」を開催! 健康科学研究科の庄本康治教授と冬木正紀准教授の発明が特許を取得しました。 冬木特任准教授らの光分解反応に関する洋書が出版されました~教育学習基盤センター 冬木特任准教授の発明が新たに特許を取得しました~教育学習基盤センター 教育学習基盤センター
2022.06.16
第26回日本ペインリハビリテーション学会学術大会で客員研究員が奨励賞を受賞!~健康科学研究科
2022年6月11日~12日に開催されました第26回日本ペインリハビリテーション学会学術大会(神戸)で、森岡周教授、大住倫弘准教授、客員研究員および大学院生が講演・発表して参りました。 本学術大会では、理学療法士、作業療法士といったリハビリテーション職種を中心に、医師、看護師、臨床心理士など多職種が一同に会して様々なトピックスの講演・演題発表があり、多くの意見交換がなされ、痛みには多職種の連携が重要であり、まさに本学会テーマである「疼痛医療の未来を拓く~Interprofessional workのさらなる展開~」を体現した学会内容であったと感じました。 特に、痛み以外にも関連する慢性炎症やフレイルといった様々な病態のメカニズムを理解しつつ、病態メカニズムに基づいた臨床マネジメントをどのように行うべきかといった、現状で明らかにされていることと今後明らかにする必要があることを議論して、どのように現場での対象者の方に還元していく必要があるのかあらためて考えさせられた学術大会でした。 今回の学術大会では、森岡周教授が学会前日のリフレッシャーコースで「慢性疼痛に対する神経リハビリテーション」、大住准教授がミニレクチャー「痛みのニューロリハビリテーション-適応と禁忌―」、共済シンポジウム 疼痛治療up to date「運動療法最前線」、平川善之客員准教授がリフレッシャーコース「ペインリハビリテーションにおける患者教育」、私(重藤隼人:客員研究員)がミニレクチャー「痛みの徒手療法」の講演を行いました。 また客員研究員および大学院生から多くの一般演題発表が行われ、私の一般演題「Neglect-like symptomsは 慢性腰痛患者の特異的運動制御に関連する -ランダムフォレスト後の一般化線形モデル分析-」が奨励賞に選出されました。 本学会には、森岡周教授が大会長を務めた第19回日本ペインリハビリテーション学会学術大会 から参加させていただき、学会後には森岡周教授の研究室を見学させていただきました。私の大学院生活および今日に至るまでの研究が始まり、思い入れがある学会で奨励賞を受賞できたことを嬉しく思います。 最後になりましたが、このような貴重な機会をいただき、いつもご指導をいただいています森岡周教授、畿央大学に感謝申し上げます。 畿央大学 ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 京都橘大学 健康科学部理学療法学科 重藤隼人 【関連記事】 第25回日本ペインリハビリテーション学会学術大会でダブル受賞!!~健康科学研究科 第24回日本ペインリハビリテーション学会学術大会で院生6名が発表!~健康科学研究科 第21回日本ペインリハビリテーション学会学術大会で大学院生が優秀賞に選出!
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