2008.05.19
Learning by Doing:授業「総合演習」で野菜を好きにさせる料理を考えました
「野菜好きな子どもを育てよう」―小学校「総合的な学習の時間」のテーマを扱う教育学部の授業「総合演習」で、教育学部2回生が野菜料理に挑戦しました。「総合演習」は147名の学生が受けており、栽培・健康生命系(15グループ)、自然を生かす環境系(3グループ)、地域の特色探検系(9グループ)に分かれてそれぞれのテーマで調査研究活動をしています。
調理実習室で料理を作ったのは健康生命系8の学生たちで、「野菜好きな子どもを育てよう」というテーマで「小松菜いっぱいチャーハン」「ピーマン・にんじん・大豆いっぱいソース煮」「タマネギいっぱいチーズ焼き」「ごほうびジュース」というオリジナルレシピを創り、調理実習を行いました。包丁を持つ手が生き生きと動き、調理台の回りを甲斐甲斐しく動く学生は、輝いていました。
食材料の半分以上が野菜であるにもかかわらず、ケチャップや醤油を使って味を濃くし、切り方も微塵切りと野菜本来の姿や形、色が分からないようにしたため、とても食べ易くできました。試食タイムは、格別な笑顔と完食、そして自信に溢れていました。後片付けタイムも学生たちの満足感でみちていました。
しかし、分析タイムになると...。この野菜いっぱいの料理は、野菜好きな子どもを育てられるのだろうかと再考したそのとき、次のような課題が出てきました。
◎野菜本来の味は?・・・ケチャップや醤油を使って食べ易くしたが、実はピーマン、にんじん、小松菜の野菜本来の味をごまかしただけではないのか。野菜の味や香りを生かし、ごまかすことなく野菜嫌いをなくすことが、子どもの生きる力につながっていくのではないのか。
◎野菜本来の形態と食感は?・・・小松菜やピーマン、にんじんを細かく刻んで食べ易くしたが、これは、野菜本来が持つ形態や食感をただ失わせただけのことではないのか。
野菜の本物を食する追究キーワードが見つかりました。「野菜好きな子どもを育てる」キーワードは、「ごまかさない」「本来の持ち味を生かす」だったのです。多くの子どもたちが嫌う野菜の色、形態、食感を残しても野菜嫌いが改善できる方途へのチャレジが続きます。