2024年7月11日の記事
2024.07.11
「臨死期の看護を学ぶ」エンゼルメイクの演習を実施! ~看護医療学科「終末期ケア論」vol.3
「終末期ケア論」は、看護医療学科3年前期に必修科目として開講しています。この授業では、人生の終末期を迎えた対象の心理過程や、がん終末期の身体症状とそれに対する緩和ケアについて、また、死が迫った対象とのコミュニケーション、家族や遺族へのケアなど多彩な内容を取り上げています。 今回の授業では、臨死期、死亡前後のケアとしてエンゼルメイク演習を実施しました。 エンゼルメイクとは・・ 生前の面影を可能な範囲で取り戻すための死化粧のことで、日本人は死後もその人らしい顔を残すことを重んじるという死生観をもっています。そのため、大切な人を亡くした家族にとっては重要なグリーフケア(悲嘆のケア)の一つになります。 臨死期のケアとして、身体的変化や予後予測のツール、倫理的課題について講義し、臨死期に大切なことについて考えてもらいました。また、死亡前後のケアとして家族が平穏に死を迎えるための準備やDNR(do not resuscitate;患者の容態が急変して心停止してしまっても、心肺蘇生を行わないこと)の再確認、看取りが近い身体症状と臓器障害を学び、息を引き取ったあとの家族への関わりについて考えてもらいました。 患者が亡くなった後すぐに実施されるのがエンゼルケアです。エンゼルケアとは、遺体を整える、感染予防、旅立の支度、お顔を整え故人に敬意を払うことを目的に実施します。実際の事例写真をもとに、レクチャーを受けたあと、モデル人形の顔を使用し、グループに分かれて演習しました。 ▼普段、化粧をしない男子学生も自然な表情を目指して演習していました。 ▼メイクは、その時代の流行や特徴が表れ、今年のトレンドは、明るいベースに薄い口紅の自然なメイクのようでした。 多死社会を迎える現在、今後多くの「死」を体験することになると思います。患者が最後まで、その人らしく生きられるようにケアするとともに、亡くなった後も、故人や遺族へのケアを重視した看護を実践してほしいと思います。 ▼メイク後のモデル人形を披露しあう様子 看護医療学科 准教授 大友 絵利香 准教授 對中 百合 関連記事 外部講師による講義「看取りを体験した遺族に対する看護の課題」~看護医療学科「終末期ケア論」 ホスピス見学実習に行きました!~看護医療学科「終末期ケア論」 vol.2 フレンドリーをめざす「認知症ケア論」のご紹介!~看護医療学科 外部講師による講義「若年性認知症の理解とその支援の実際」~看護医療学科「認知症ケア論」vol.2 「当事者主体で環境改善を目指す!」フィールドワークで学びを深めました~看護医療学科「認知症ケア論」vol.3 外部講師による講義『食べたい!』を支えるケア ~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」vol.1 『実習に活かす高齢者看護技術』高齢者の個別性に合わせた援助を考える~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」Vol.2 「どこでもシート」の魔力~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」vol.3
2024.07.11
【プロジェクトゼミって何するの?⑧】生駒市近代建築「静養院断食療養所」実測調査~人間環境デザイン学科 前川ゼミvol.4
人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて様々な課題に取り組みます。それぞれの課題は、建築、インテリア、アパレルデザインのコースに準じた学びであることはもちろん、地域連携、歴史的建造物の保存再生、SDGs等多岐にわたる課題解決にも取り組みます。 このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。 前川 歩先生のゼミにはインテリアデザインコースの学生が多く在籍し、現在、以下の3つの建築物について、その歴史的価値を見出しながら保存再生デザインする方法を模索しています。 河合町 旧豆山荘 田原本町 聖公会 田原本聖救主教会 生駒市 近代建築(現在生駒市で進めておられる『生駒市史』編纂事業の一環で、前川先生が生駒市に所在する近代建築の調査研究を委託され、前川ゼミで市内の主要な近代建築の実測調査、資料調査を行っています。) 1. 2.のプロジェクトについてのブログはこちら! 【旧豆山荘&聖公会田原本聖救主教会】建物の歴史的価値を活かして保存再生へ 【旧豆山荘】 保存再生プロジェクト 【旧豆山荘】 保存再生プロジェクト② 今回のブログでは3. 生駒市 近代建築の調査の一環で6月12日(水)・19日(水)に実施された「静養院断食療養所」実測調査の様子についてご紹介します。 生駒市 近代建築「静養院断食療養所」 心地良い初夏の風の中訪れた「静養院断食療養所」は生駒山の中腹にあり、生駒市街を見晴らすことができました。 到着後、早速先生から「静養院断食療養所」の建物について説明を受けました。現存する建物は昭和初頭に建てられ、昭和11年頃さらに増築されたものです。表現主義風のポーチの造りが特徴的で、当時の雰囲気をよく伝えており、またこれだけ大規模の木造建築が当時のまま残っていることも珍しいそうです。 建物に入り、院長様に断食療養所という珍しい施設のそれぞれの場所を案内していただきました。学生は話を聞きながら、建築の造りに注目し、1つ1つの柱や間取りをしっかり確認していました。先生が建物内の柱を指し、「この建物は内部が真壁構造だから平面図がとても描きやすいね」と話をされ、ゼミ生は頷いていました。 ▼真壁構造:柱や梁などを見せて納めている壁のこと。これは日本の伝統的な壁の納め方で、主に和風建築や和室などの壁に用いられている。 まずは、この建物の平面図を描いていきます。画板、方眼用紙、ヘッドライト(建物内は電気がつきません)、三色ボールペンを準備しました。先生から、「土壁は二重線で」、「窓は引き違いとわかるように」、「壁種や木枠の窓とアルミサッシの窓の違いがわかるよう記号を付記すること」等の指導の後、学生は分担場所に向かっていきました。初めて実測調査に臨むと話していた学生も、巡回される前川先生の指導のもと、1時間半も経たないうちに分担箇所の平面図を仕上げました。 ▼先生から指導を受ける様子 建物内の平面図が仕上がれば次に寸法を計測し、それを平面図に落とし込んでいきます。 ▼平面図 ▼寸法を記載した平面図 ▼計測する学生の様子 平面図が終わり、今度は断面図、立面図、配置図を分担して実測していきます。断面図を描くには天井の点検口を開けて屋根の小屋に潜る必要があります。小屋にもぐってみると当時のままの小屋組みの状況が残っており、時代によってその構造を変えていることもわかったようです。 ▼小屋組みの様子 学生たちは熱中症に注意して作業に取り組みます。また、自然豊かな環境の中、虫と格闘しながら作業をする学生の姿もありました。 今回の実測調査の結果が 『生駒市史』編纂事業にどのように活かされていくのか、今後の報告がとても楽しみです。 プロゼミ紹介プロジェクト 関連記事 【プロジェクトゼミって何するの?①】明日香村八釣地区「妙法寺」の実測調査Vol.1~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?②】SDGsの視点で地場産業を盛り上げよう~人間環境デザイン学科 村田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?③】建物の歴史的価値を活かして保存再生へ~人間環境デザイン学科 前川ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?④】4大学合同で「奈良きたまち」の地域課題に取り組む!~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?⑤】旧豆山荘 保存再生プロジェクト~人間環境デザイン学科 前川ゼミvol.2 【プロジェクトゼミって何するの?⑥】旧豆山荘 保存再生プロジェクト~人間環境デザイン学科 前川ゼミvol.3 【プロジェクトゼミって何するの?⑦】南都銀行現本館 利活用コンテストに参加!~人間環境デザイン学科 前川ゼミ 学生が竹テント制作で関わった明日香スタンドが「場を生むデザイン賞」最優秀賞に選出!~人間環境デザイン学科 陳ゼミ ABCテレビ「やすとものいたって真剣です」に本学教員が設計した住宅が登場!~人間環境デザイン学科 地域住民と4大学が参加!「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」を開催します!~人間環境デザイン学科
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