2024年5月19日の記事

2024.05.19

外部講師による講義『食べたい!』を支えるケア ~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」vol.1

令和6年5月10日(金)の3年次配当「老年看護学援助論Ⅱ」の授業では、講師として大和高田市立病院の伊丹 幹人先生を迎えました。伊丹先生は、摂食・嚥下障害看護認定看護師・特定行為研修終了者(在宅・慢性期コース)・DMAT(災害派遣医療チーム/Disaster Medical Assistance Team)で活躍されています。   講義では「口から食べること」を考えることから始まりました。単に生命維持のためだけでなく、日常生活の楽しみという点、生理的・精神的・社会的側面から喜びを得る活動であることを再認識できました。     伊丹先生は、摂食嚥下障害のある患者さんは「看護の力」で食べられるようになると学生に力強く伝えてくれました。学生たちは、解剖生理、摂食嚥下の定義、食べる仕組みを復習し、高齢者の摂食嚥下についての講義を真剣に受けていました。   講義の中で実際に、反復唾液嚥下テストや頚部聴診を行い、嚥下体操や唾液腺マッサージなどを体験する場面もありました。患者さんの「食べる喜び」「生きる喜び」を通して、食べる意味を考え、支えていく必要があり、「看護の力」の凄さを教えていただきました。     講義終了後には、認定看護師、DMATとして活動に興味がある学生たちと伊丹先生を囲んで茶話会を行いました。   認定看護師やDMATになるためにはどうしたらいいのか、能登半島地震ではどんな活動をしたのかなど、学生の質問に対してとても丁寧に話をしていただきました。講義や実習以外でこのような貴重な時間を過ごせたことは、きっとこれから学生たちの未来に何か響くものがあったのではと感じました。     ※講義後の学生感想より 一部抜粋(原文まま) 食事摂取量現象、低栄養、筋力低下・認知機能悪化、嚥下機能低下、という負のサイクルが起こることで、摂食嚥下障害が起こると学んだ。この負のサイクルを断つことが医療者に求められることであり、それをNSTで行っているということが興味深かった。 摂食嚥下の仕組みや障害、ケアについて詳しく知ることができてよかった。摂食嚥下についてあまり深く考えたことはなかったが、口から食べることは生命維持のための栄養摂取だけでなく、楽しみや生きる喜びにつながる重要なものであり、アセスメントするうえでも重要な項目であると感じた。今日学んだことを事例や実習でアセスメントする際に役立てたい。 嚥下という身近なものを意識して体験する時間があって、身をもって学ぶことができてよかったです。上を向いて水分を飲んだ時の嚥下の困難さには驚きました。 聴診器を使って嚥下の音を聞いたことが面白かった。今まで嚥下についてあまり考えたことがなかったが、今日意識して嚥下する演習を行って、食道を通っていく感じや飲み込む際の喉頭蓋が閉じる感じなどを感じ取ることができて面白かった。 授業後にDMATや認定看護師についてお話を聞けて貴重な経験ができました。オーハット(口腔アセスメントシート)は初めて知ったので実習で活用したいです。 看護医療学科 助教 伊藤 千春 【関連記事】 外部講師による講義「看取りを体験した遺族に対する看護の課題」~看護医療学科「終末期ケア論」 外部講師による講義「筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の看護について」~看護医療学科「慢性期看護学援助論Ⅰ」 外部講師による講義「国外における国際看護と国際看護活動に必要な能力について」~看護医療学科「国際看護学Ⅰ」 外部講師による講義「看取りを体験した遺族に対する看護の課題」~看護医療学科「終末期ケア論」 摂食嚥下障害看護認定看護師の講師を招いて 「高齢者の摂食・嚥下のための看護」演習を行いました!~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」