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教育学研究科

2026.05.01

活躍する大学院修了生vol.7 ~ 宮崎 貴耶さん(大阪府公立小学校 教諭/教育学研究科 教育実践学専攻修士課程修了)

働きながら学べる畿央大学大学院を経て、現場で活躍する修了生をご紹介!大学院への進学を考えている方、あるいは研究に興味をお持ちの方に向けて、これまでのキャリアや大学院での経験、研究の魅力などを振り返っていただきました!   宮崎 貴耶さん(教育学研究科 教育実践学専攻修士課程 2024年9月修了) これまでのキャリアを教えてください! 畿央大学卒業後、現在の大阪府の公立小学校で勤務を始めました。8年目に勤務を続けながら畿央大学 大学院へ入学しました。   3年半(1年間は育児休暇と重なっています。)をかけて修了し、現在は、教諭として13年目の教員として勤務を続けながら、大阪府・他府県にて道徳教育及び道徳科の研修講師、指導助言者として活動を重ねています。 これまで取り組んできた研究や、今関心のある研究テーマ、研究キーワードは? 私は大学院において、島先生のもとで「哲学対話を取り入れた道徳科授業」について研究を行いました。哲学対話の実践と研究を通して、子どもたちが問いを深めながら物事の本質に迫っていく過程に大きな可能性を感じるとともに、自身の教育実践についても本質的な視点から振り返ることの重要性を実感しました。   現在も大学院での研究を基盤に実践を重ねており、子どもたちの本質を見つめる力を育む授業の在り方に関心をもっています。特に、道徳科の授業で育まれる資質・能力が、学校全体の道徳教育とどのように結びつき、相互に作用し合うのかという点に着目し、道徳科と道徳教育のより密接な関係性について研究を進めていきたいと考えています。   大学院に進学したきっかけや目的は? 私は、大学院進学以前より研修講師としてお話しする機会をいただいていました。しかし当時は、畿央大学の道徳科の学習会や外部研修で学んだ内容をもとに話を構成することが多く、自身の実践や考えに基づいて語ることには課題を感じていました。   そうした中で、単に知識を伝えるだけでなく、自分自身の視点や根拠に基づいた発信を行うためには、改めて学びを深め、「研究とは何か」を捉え直す必要があると考えるようになりました。これが大学院進学を決意した大きな理由です。   進学後は、自らの実践を理論的に捉え直す中で、自分の考えをより明確に持つことができるようになりました。現在では、外部で得た知識に依拠するだけでなく、自身の研究に基づいた見解として人前で話すことができています。自分自身の視点から語ることのできる内容を確立したいという思いが、大学院進学の根底にはありました。     大学院での時間を一言でいうと? 「さいこう〜最高・再考・再構〜」です。   まず、勤務しながらの大学院生活を受け入れ、その経験を「実践の場を持つ強み」として捉える大学院の理念は、私にとって「最高」の環境でした。休職せずに学んだからこそ、実践と研究を往還しながら学びを深めることができ、この経験は現在の大きな強みとなっています。   次に、これまでの実践や経験を理論と結び付けて見直す「再考」の時間となりました。感覚的な振り返りにとどまらず、自分の実践を言語化し、その価値や課題を明確にすることで、より質の高い実践へとつなげることができました。   最後に、新たな知識や視点を取り入れながら自己を更新していく「再構」の時間でもありました。これまでの自分を見つめ直し、再構築するプロセスを通して、教員としてだけでなく一人の人間としても成長できたと感じています。     今の仕事や研究に、大学院での学びはどう活きている? 大学院での学びは、現在の実務・研究・発信のすべての場面において活かされています。   まず、教員としての実践においては、理論に基づいて授業を構想・実践することができるようになり、「自分らしい実践」を根拠をもって積み重ねることができています。   また、研究面では、学会への参加や文章の寄稿など、学びを外部に発信する機会にもつながっています。大学院で培った視点や方法論が、自身の実践を研究として捉え直す基盤となっています。   さらに、職業人としての在り方を見つめ直すとともに、これまでの実践に自信をもって向き合えるようになりました。大学院での学びは、日々の実践を支えるだけでなく、自分自身の生き方をより前向きに捉えることにもつながっていると感じています。   これから大学院進学を考えている方へのメッセージを! 担任をしていた子どもたちと道徳科の授業で「目標を持つことはどうして大切か」を考えた時間がありました。その際、子どもたちから「目標を持つことで自分らしく生きられる」という言葉が出てきたことが強く印象に残っています。   当時の私は、社会の中で求められる「大人」や「教員」という姿にとらわれ、自分の目標を明確に持てないまま日々を過ごしていました。   しかし大学院への進学を決意し、学びを積み重ねる中で、自分自身の目標が少しずつ明確になっていきました。   目標が定まることで、学びや実践に意味が生まれ、試行錯誤の一つ一つが自分を形づくる経験になっていきました。その結果、以前よりも自分らしく、納得感をもって生きられているという実感があります。   大学院での学びは、修了というゴールのためのものではなく、自分の在り方を問い直し続ける過程でした。もし進学を迷っているのであれば、その迷い自体が新しい学びの入口だと思います。踏み出した先には、これまで知らなかった自分に出会える時間が待っています。      

2026.05.01

活躍する大学院修了生vol.6 ~ 塩家 崇生さん(帝塚山大学教育学部 こども教育学科 准教授/教育学研究科 教育実践学専攻修士課程修了)

働きながら学べる畿央大学大学院を経て、現場で活躍する修了生をご紹介!大学院への進学を考えている方、あるいは研究に興味をお持ちの方に向けて、これまでのキャリアや大学院での経験、研究の魅力などを振り返っていただきました!   塩家 崇生さん( 教育学研究科 教育実践学専攻修士課程修了 2022年3月修了) これまでのキャリアを教えてください! 大学卒業後、陸上自衛官や中学校教員などの職を経て、兵庫県伊丹市の公立小学校教諭として採用されました。その後、伊丹市教育委員会での指導主事を経験し、直近では伊丹市の小学校にて主幹教諭を務めておりました。   2026年3月末に同校を退職し、同年4月より帝塚山大学教育学部こども教育学科の准教授として着任いたしました。   現在は大学において、道徳教育やICT教育を中心に教員養成に携わりながら、子どもたちが「できる・わかる」実感を持てる授業づくりを追求し、日々研究・教育活動を続けています。   これまで取り組んできた研究や、今関心のある研究テーマ、研究キーワードは? 大学院では、道徳科の授業において一人一台端末をどのように効果的に活用し、学びを深めるかについて研究を重ねてきました。現在はその知見を土台とし、さらなる授業の質向上をめざして「深い学び」のある授業づくりを追求しています。   特に、言語によるやり取りだけでは思考を深めることが困難な子どもたちであっても、思わず「考えたくなる」「参加したくなる」授業を実現するため、演劇的手法を取り入れた実践研究に注力しています。   近年は道徳科にとどまらず、国語科や総合的な学習の時間など、他教科においても演劇的手法を用いた授業実践を行い、研究の幅を広げています。   研究キーワードは、「道徳教育」、「演劇的手法を用いた授業デザイン」、「ICT活用」、「深い学び」です。 大学院に進学したきっかけや目的は? 教育委員会で指導主事を務めていた際、受講した研修を通して「道徳教育の面白さ」に改めて気づかされたことが、本格的に研究を志す大きな転換点となりました。   進学にあたっての最大の決め手は、道徳科における「深い学び」のある授業づくりの第一人者である島 恒生先生の存在です。「島先生のもとで直接学び、理論と実践を深めたい」という強い思いが、畿央大学大学院を選ぶ決定打となりました。   実際に入学してみると、島先生はもちろんのこと、他にも高い専門性を持った諸先生方と出会い、多角的な視点からご指導をいただくことができました。特定の専門領域を深めるだけでなく、多様な分野の知見に触れられたことは、今の私にとってかけがえのない財産となっています。 大学院での時間を一言でいうと? 「実践家と研究者の視点が融合した、濃厚な自己変革の時間」です。   平日の日中は小学校教諭として教員を務め、夜は大学院生としてレポートや修士論文の執筆に没頭する。この過酷とも言えるサイクルの中で、昼間に教室で直面した課題を、その日の夜には学問的な知見と照らし合わせて分析するという、二つの立場を絶え間なく往還する日々を過ごしました。   このプロセスを通じて、論文を書くということが、自身の教育実践を深く振り返り、論理的に再構築する極めて重要な営みであると実感しました。大学院在学中から、培った視点をもとに積極的に教育実践論文コンテスト等へ応募し、外部からの客観的な評価を得ようと挑戦する「新たな自分」が生まれた場所でもあります。   こうしたハードな挑戦を支えてくれたのは、同じように現場に立ちながら学ぶ仲間の存在と、実践に寄り添いながら理論的な価値づけをしてくださる先生方の存在でした。実務と研究を切り離すことなく、その同時並行を全力で後押ししてくれる環境こそが、畿央大学大学院の最大の魅力だと感じています。   今の仕事や研究に、大学院での学びはどう活きていますか? 大学院での学びは、自分の授業スタイルを改善してくれただけでなく、教育に対する見方を根本から広げてくれました。   自分の授業を客観的に見つめ直す経験をしたことで、他の先生方の授業に対しても、どこが素晴らしいのか、どこに課題があるのかがより深く理解できるようになりました。現在、他の先生にアドバイスをする際にも、単なる経験談ではなく、理論に裏打ちされた具体的な提案ができるようになっています。   何より、研究を通して自分自身の根底にある思いを再確認できました。それは、「子どもを主役にした授業をつくる」ことを何よりも大切にしたい、という強い信念です。大学院での時間は、この思いを改めて自覚する貴重な機会となりました。   現在は大学で、未来の先生を育てる仕事に携わっています。大学院で得た学びと現場での経験を活かし、「子どもたちが素敵な先生に出会えるように」という一心で、学生たちの育成に全力を注いでいます。   これから大学院進学を考えている方へのメッセージを! もし今、大学院パンフレットを見て「どうしようか」と迷っているのなら、ぜひ勇気を持って一歩踏み出してみてください。   仕事と学びの両立には大変なこともありますが、そこで得られる理論や新しい視点は、あなたの実践をより確かなものにしてくれます。そして、あなたが学びを深めた先には、もっと成長したあなた自身と、それによって輝く「子どもたちの幸せ」が必ず待っているはずです。   私も今は大学という新しい舞台で、子どもたちのために挑戦を続けています。皆さんと切磋琢磨しながら、日本の教育をより良くしていけることを楽しみにしています。

2026.04.20

小学校一日見学を実施しました 〜 現代教育学科

「小学校一日見学」は、畿央大学教育学部が独自に設置している必修科目です。本科目は、学生が早い段階で学校現場を経験することを目的としています。   本取り組みは、平成22年度より大阪教育大学のご協力のもと実施しており、令和元年度からは大阪教育大学附属平野小学校において実施しています。今年度は、午前に4時間の授業参観を行い、午後には吉松副校長による講話および一日の学びを振り返るレポート作成を実施しました。参加者は148名でした。   午前中の授業参観では、1年生から6年生までの各学級に分かれて授業を見学しました。時間ごとに異なる教科の授業を教員の視点で観察することができ、学生にとって非常に有意義な機会となりました。また、グループ活動に参加して子どもと関わる学生や、子どもの言葉に耳を傾ける学生の姿も多く見られました。       午後には、吉松副校長による講話があり、「子どものつぶやきや気付きからのめあての設定」「個別(自力解決)と協働のメリハリをつけた学習展開」「子どもの学びを点ではなく線で捉えること」など、授業づくりにおける重要な事項や、教師に求められる「専門性」と「人間性」について学びました。また、グループごとに授業参観を振り返り、感じたことや考えたことを共有しました。     講話後、学生は一日の学びを振り返り、レポートを作成しました。 学生のレポートの一部を紹介します。 授業について 学校としての方針を踏まえて授業見学をしていると、その方針を実現できているように見えた。(中略)授業のめあてに「〜のやり方を説明しよう!」と書かれていたことに驚いた。説明するということは自分が理解したことを他者に伝えるという、まさしく「一人で考え、ひとと考える」そのものだと感じた。それだけでなく、児童に学習を行ってもらうための工夫にも感動した。自分たちで発見させる学習を積極的に行っていたのだが、それにやる気を持って取り組んでもらうための導入がよく考えられていた。はじめから長々としゃべるのではなく、児童が活動できる場を早く与えていたのだ。それも、目的にたどりつくよう声かけが行われ、主体は子どもだが、その場は教師がコントロールしている。自分もそんな授業をしてみたい。 「一人で考え、ひとと考える授業」について、ほとんど全ての授業で、一人でかんがえる時間と班で共有する時間が取られていて、はっきり区別して取り組んでいるように感じた。また、班で考える時間では先生はほとんど介入せず、児童たちの好きなように進めていた。これらのことや、副校長先生の話を聞き、個別で進める学習と協働して学ぶ学習の両方がとても大切だと学んだ。協働して学ぶためには、自身の個人の意見が必要であり、それらの多様な視点や価値観を理解し合うことで、最適解を見つけることが学習なのだと改めて実感した。今の社会では多様という言葉が様々な場面で使われているが、様々な行動を全て肯定することは多様性ではないと感じており、多様性という言葉の線引きがとても難しいと感じた。実際に授業中には、良くない行動についてはルールを確認し注意する場面が多く、怒るべきところでは怒っていたのが印象的だった。今後、この多様性について、何でもOKではなく、様々な視点や価値観を受け入れるという意味として使われるように、子どもたちと考えたいと感じた。 教師の働きかけについて 私は今回、先生がどのような意図を持って、発言や行動をしているのかを理解することを主なめあてとして参観した。その中で気がついたことが2つある。1つ目は、先生が大事なことをすぐに言わないことである。算数や理科などの時間に先生がすぐに答えを言うのではなく、子どもたちに考えさせていた。その中で、良い意見を黒板に書き、少しずつ答えに近づけるように子どもたちを導いていた。そして最後に、今回の授業のまとめを先生がわかりやすく言うことで子どもたちが今回の授業で何を学んだのかを明確化している。なぜ先生がすぐに答えを言わずに、1時間かけていたのかを考えると、先生がすぐに答えを言うと、授業が進むスピードが速いが、子どもたちが自分で考えることが少なくなったり、記憶に定着しにくいからだと考えた。私は高校の数学の教員を目ざしていて、数学はどうしても系統的に教えてしまうことが多くなってしまう。今回の授業を見ると、経験することに重きを置いているように感じたため、今日学んだことを生かして生徒たちが楽しく、わかりやすい授業を作れるようにしたいと感じた。 主体性とは、積極的に発言・発表をすることというイメージがあったが、1人で書く活動をがんばっている児童にも主体性はあり、点ではなく線でとらえることが重要だということも学んだ。私が教師になったときは、平野小学校の先生方のように、児童たちが気づきや関心・興味をもって授業に参加してもらえるような行動や問いかけを意識していきたいです。また、児童一人ひとりに目を向け、児童たちと共に考えていける教師を目ざしたいです。 「〇〇くんが泣いている」といった子どもに「泣いているときはどんな言葉をかければいいの」と質問している場面を見かけた。こうすることで、子どもたちは、ただ言われたことをするのではなく、自分たちで考え解決する力を身に付けているように感じた。 先生と子どもたちの関係について、大人同士の関係のように一人の人としての関係ができていると気がついた。授業中の離席については、なぜ離席したのかを観察し、ただ離席を注意するのではなく、離席の理由を見ていた。そこには「今、あの子には〇〇が必要だから離席をしている」というような信頼関係があった。 子どもの姿から 班での活動も、言葉のキャッチボールが非常に上手く、自分が小学校6年生の頃、これほど充実した会話ができていたのだろうかと思えるほど衝撃を受けました。先生に立ち歩いて見てもらってもいいように許可をもらい、見て一番印象にのこっているのは、「未来」の授業でマンダラチャートを用いてポスターを作成している児童を見たことです。マンダラチャートは、中心に重要なテーマをおき、そこから周りに関連するものを書いていくというもので、それを踏まえたポスターの完成度がすごく良く、驚きを隠せませんでした。「どうしてこう考えたの?」という自分の質問にも、端的でかつ、わかりやすく答え返してくれたので、すべてを踏まえて、本学校の教えが非常によいものだということに気づかされました。改めて、教師の偉大さに気づくことができて本当によかったです。 教職について 将来自分が教師になった時に、児童や生徒との信頼関係を大切にし、子どもに自らが考えられるような環境作りを、教員生活を通してずっと学び続けることのできる先生になりたいと思った。 「小学校一日見学」を通して、学生は教職への思いをさらに強めたことと思います。最後に、本取り組みにあたり貴重な学びの機会をご提供いただきました大阪教育大学ならびに附属平野小学校の皆様に、心より感謝申し上げます。   現代教育学科 講師 増永 雄一郎   関連記事 ▼ 小学校一日見学についての過去の記事 ▼ 小学校一日見学を実施しました 〜 現代教育学科 小学校一日見学を実施しました ~ 現代教育学科 1回生が大阪教育大学附属池田小学校を訪問しました ~ 現代教育学科 1回生131名が「小学校一日見学」に参加しました ~ 現代教育学科   ▼現代教育学科についての過去の記事 ▼ 身近すぎて、その価値に気づかないものを地域全体で学習しよう! ~ 現代教育学科 小さなことからコツコツとーできることから始めるまちおこし~ 現代教育学科 畿央生が学会発表デビュー!全国地理教育学会でポスター発表! ~ 現代教育学科岡田ゼミ 学会にて奈良の魅力を案内!~ 現代教育学科岡田ゼミ 畿央大学✕野迫川村連携事業 【夏の笑顔★大集合!~ 畿央大学と野迫川村のきずな~】開催!vol.2 畿央大学✕野迫川村連携事業 【夏の笑顔★大集合!~ 畿央大学と野迫川村のきずな~】開催!vol.1    

2026.02.26

「教育における生成AIの役割と課題」を開催しました~畿央大学大学院教育学研究科プロジェクト研究会

2026年2月8日(日)に、教育学研究科プロジェクト研究会「教育における生成AIの役割と課題」を開催しました。当日は、朝から雪が舞うあいにくの悪天候でしたが、幼児教育から高等教育機関、そして特別支援学校、教育委員会、塾などさまざまな教育関係者や保護者、卒業生、学生など100名を超える方々にご参加いただきました。   畿央大学教育学研究科では、現代的教育課題の中から「生徒指導」「特別支援教育」「ICT」の3分野に焦点を当て、教育実践力の育成と教育課題の解決に向けたプロジェクト研究に取り組んでいます。本年度の研究会は、「ICT」グループの企画によるものです。   今回の研究会は、この数年、爆発的に使われるようになった「生成AI」をとりあげ、教育における役割と課題について考え、議論することを目的としました。文部科学省は、2024年12月に「初等中等教育段階における生成 AI の利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」を公表するとともに、教育活動や校務において生成AIの活用に取り組む生成AIパイロット校を指定し、効果的な教育実践の創出をすすめています。   文字通り日進月歩の技術の進歩とともに、文章だけではなく画像や動画までも生成されるようになり、コンピュータやスマートフォンなど日常的に我々が使う情報端末にも生成AIが標準搭載されるなど、生成AIはもはや日常的なツールの一つになったといっても過言ではないでしょう。しかし、生成AI利用の年齢制限もあるなか、近い将来子どもたちが扱うことについては、実際にどのように授業の中にとりいれていくべきか、思考力や判断力の育成、情報モラルの醸成などもふくめ、課題はたくさんあると言えます。   前半は、小学校での教職経験が長く、文部科学省の「学校DX戦略アドバイザー」も務めておられる、安井 政樹氏(札幌国際大学)に講演講師をお願いしました。参加者の間で話し合う時間も設けていただきつつ、「知識は更新されるもの」であることや、子どもたちの「○○したい」という目的のために使うものであることをわかりやすくお話しいただきました。特に、子どもたちの発達段階に応じて、「教師が生成AIを使用した実践を行う」「児童がAIと対話する」「生徒がAIを操作する」などさまざまな段階があることをご教示いただきました。また、最後にご講演の感想を、参加者のスマートフォン経由で収集され、その場で生成AIを活用し歌詞をつくり、さらに別のAIで作曲をして披露されました。     休憩時間には、実際に生成AIを使った実践をされておられる実践者の方や、生成AIを活用したドリル作成システムを開発されておられる企業の方などのポスター発表も行われ、参加されている皆さんのあいだにも活発なコミュニケーションが行われました。   後半は、安井先生にはそのままお残りいただき、奈良県で高校の教員をされ、奈良県立教育研究所、奈良県教育委員会事務局を経て、奈良市の教育CIO補佐官もされておられる小﨑 誠二氏(奈良教育大学)、畿央大学大学院教育学研究科准教授の小山内 秀和との3人でパネルディスカッションを行いました。さらに、指定討論者として、弊学学長の冬木 正彦も加わり、生成AIの身体性、認知負債、教師の役割の変化などさまざまな視点からの白熱した議論が行われました。     このプロジェクト研究会は、一つのグループが2年にわたって担当します。よって、来年度も、「ICT」グループからの企画になる予定です。この1年間で、生成AIがどのように変化し、また、教育現場の中でどのように活用されていくかについて実践研究を行い、来年度の研究会では、学校現場の先生はもちろんのこと、児童・生徒の皆さんからも、生成AIを活用した学習の成果を是非発表していただきたいと考えています。   ご講演いただいた安井先生、パネルディスカッションに登壇いただいた小﨑先生、ご参加・ご協力いただいた皆様方に改めて感謝申し上げます。     なお、2014年に畿央大学大学院教育学研究科が開設され、12年経ちました。今回の研究会では、修士修了生諸君に本研究会の運営をご助力いただきました。さらに現在、小学校や特別支援学校などで教員をしている、弊学教育学部の卒業生も数多く参加しておりました。   畿央大学大学院教育学研究科では、今後もプロジェクト研究を深め、その成果を広く発信し、次の世代の子どもたちを育てるという使命のもと、学校現場へ研究成果を還元していきたいと考えております。   教育学研究科 教授 西端 律子 関連リンク 「不登校の子どもの気持ちと支援」を開催しました。~ 畿央大学大学院教育学研究科プロジェクト研究会

2025.05.15

活躍する大学院修了生vol.4~飯野 薫さん(大阪市立公立小学校 教諭 勤務/ 教育学研究科 教育実践学専攻修士課程修了)

働きながら学べる畿央大学大学院を経て、現場で活躍する修了生をご紹介!大学院への進学を考えている方、あるいは研究に興味をお持ちの方に向けて、これまでのキャリアや大学院での経験、研究の魅力などを振り返っていただきました! 飯野 薫さん 教育学研究科 教育実践学専攻修士課程 2024年9月修了)   現在のお仕事・研究を教えてください! 大阪市立公立小学校教諭。現在は勤務校にて3年生の担任しています。その他に研究部長も担当しています。 これまでのキャリアを教えてください! 畿央大学を卒業後、大阪市の小学校に7年間勤務し、8年目に畿央大学大学院 教育学研究科に入学しました。その後、3年半かけて修士号を取得しました。 これまで取り組んできた研究、また今関心のある研究テーマ・キーワードは? 学院では、道徳教育における体験的な活動(構成的グループエンカウンターを取り入れた道徳科の授業の在り方)について、島先生のもとで研究をさせていただきました。修了してからも、日々の道徳の学習の仕方についてあれこれ考えながら実践を行っています。研究と呼べるようなものではないかもしれませんが、日々楽しんで道徳の実践をすることができています。 大学院に進学したきっかけや目的は? 自分の学級経営の在り方がこれでいいのか、また、道徳をもっと勉強したいという思いが背景にありました。そして、同じような思いで一緒に大学院に進学しようと声を掛けてくれた友人がいたのも進学に大きく影響したと思います。 大学院での時間を一言でいうと? 一言で言うと、「楽しい」ものでした。先生方の講義で学んだことを次の日の授業や学級経営にすぐ生かすことができたのが大きな魅力だったと思います。また、大学院には様々な年齢、職業の人たちがいたので、自分の世界や価値観が大きく広げられました。リモートで講義に参加することができたので、働いている自分にとってはとてもありがたかったです。課題ももちろん出ますが、それも教授たちが働きながらだと大変だということで相談しながら進めていくことができ、自分のペースで進めていくことができました。 今の仕事や研究に、大学院での学びはどう活きていますか? 大学院での学びは、学級経営の場面で非常に役立っています。振り返ると、それまでの学級経営は自分の考えに固執してしまうところがあったかと思います。もちろん一生懸命はやっていたのですが、、、大学院で学んでからは、以前より柔軟に対応ができるようになったかなと思っています。特に、大学院では特別支援や心理学に関係する講義が多かったので、そういったアプローチの仕方があるのかと、大変勉強になりました。   また、今は勤務校で研究部長をしているので、研究の進め方などは大学院での学びが非常に役立っています。大学院での研究テーマとは全く違う教科で苦労していますが(笑) 修士論文を書いた時の経験や研究のアプローチの仕方を生かして、勤務校で頑張っています。 これから大学院進学を考えている方へのメッセージを! 畿央の大学院は、同じ院生はもちろん、先生方との距離が非常に近いので、困っているときにいつでも相談に乗っていただけました。自分のペースで研究を進めていくことができるので、働きながらでも行くことができます。仕事との両立で不安なこともあるかもしれませんが、行ったことでマイナスになったことは何一つありませんでした。大学院は、これまでの自分自身の経験と講義の内容が繋がっていき、大きく成長することができる場でしたね。仕事をしながらも大学院への進学を考えている方は、ぜひ。

2025.02.25

「不登校の子どもの気持ちと支援」を開催しました。~ 畿央大学大学院教育学研究科プロジェクト研究会

2025年2月11日(火・祝)に、教育学研究科研修会「不登校の子どもの気持ちと支援」を開催しました。当日は、学校や教育委員会などの関係者や保護者、不登校支援者、学生など約100名の方々にご参加いただきました。   畿央大学教育学研究科では、現代的教育課題の中から「生徒指導」「特別支援教育」「ICT」の3分野に焦点を当て、教育実践力の育成と教育課題の解決に向けたプロジェクト研究に取り組んでいます。本年度の研修会は、「生徒指導」グループの企画によるものです。   今回は、2016年に公布された「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(いわゆる「教育機会確保法」)において、不登校児童生徒への支援等が明記されたことや、2023年度の不登校児童生徒数が過去最多となったことを受けて、「不登校」をテーマにしました。また、プロジェクト研究会の目的は、不登校に関する政策動向と、不登校の子どもや保護者、教職員等の支援に関わる人たちの思いを知り、学校や地域での不登校支援の在り方について考えることとしました。講師は、伊藤美奈子先生(奈良女子大学教授、文部科学省「不登校に関する調査研究協力者会議」委員)です。     講演に先立ち、髙田恵美子(畿央大学大学院教授)より、「子どもの敏感さと不登校」についての話がありました。「いわゆる化学物質過敏症」「感覚過敏」「HSP」などの敏感さにより、学校環境に困難を生じ、登校できない子どもがいるのではないかという視点を持つことも、不登校の子ども理解や支援につながるのではないかという話題提供が行われました。     伊藤先生のご講演では、不登校の指針である「不登校というだけで問題行動とみなしてはいけない」「学校復帰がすべてではない」ということについて、「問題じゃない」のは子ども自身であって、支援は必要であり、そのためには複数の視点からのアセスメントと複数の職種による支援が必要であること、「学校復帰」を望む子どもには復帰を支えることなどを強調されました。また、支援の目標とされている「社会的自立」とは、依存しないことや支援を受けないことではなく、適切に他者に依存したり、自らが必要な支援を求めたりしながら、社会の中で自己実現をしていくという意味をご教示くださいました。     参加者からは、「不登校児童生徒のその後を知りたい」というご質問がありました。伊藤先生からは、不登校生徒に関する追跡調査から、不登校経験者の高校進学率の増加や、不登校の経験を振り返りながら前向きに進んでいる子どもたちの様子をお話しくださり、不登校は「自分自身や将来のことを考えるためのターニングポイント」と考えることも大切であると話されました。   参加者は、伊藤先生の温和なお人柄に加え、国の最新の動向や、リアルなエピソードに引き込まれ、「ロープの先を持つ」子どもとの程よい関係と、伴走者として寄り添う思いを強くした貴重な研修となりました。ご講演いだいた伊藤先生、ご参加いただいた皆様、ご協力いただいた皆様に改めて感謝を申し上げます。     畿央大学教育学研究科では、今後も、プロジェクト研究を深め、広く発信して参りたいと考えています。   教育学研究科 教授 髙田 恵美子 関連リンク 教育学研究科

2019.06.13

書評:教育学部大久保准教授執筆「行動問題を解決するハンドブック~小・中学校で役立つ応用行動分析学」

教育学部現代教育学科大久保賢一准教授が執筆した「行動問題を解決するハンドブック~小・中学校で役立つ応用行動分析学」について、同じく教育学部で特別支援教育を専門とする小野尚香教授より書評が届きました。     本書は、「何のためにその行動を変えるのか?」という問いからはじまる。「行動の問題」に対する"みたて"と"てだて"について、応用行動分析学の理論や技法に基づき、小学校教員歴3年の先生とのQ&Aを用いたレクチャー方式を取り入れて解説したハンドブックである。   子どもが健やかに暮らし、そして未来を主体的に生きていく力をはぐくむために、専門職は何ができるのであろうか。その一つは、子どもを人として大切にすること、そして子どものこころに寄り添うことであろう。本書は、「いま」を生きている子どもと向き合うからこそできる、「行動の問題」に注目した"みたて"と"てだて"があると示しているようである。   行動には理由がある。本書では、その子どもの行動を理解するために、「行動」とともに、行動前の「先行事象」と行動後の「結果事象」の3つに分けて整理して仮説を立て、「望ましい行動」に向けて、3つのそれぞれに呼応した「効果的な解決策」に結び付けていく。   第1章では、「望ましい行動を育てる3ステップ」についてである。1)「スモールステップの目標設定」として「シェイピング」ならびに「課題分析とチェイニング」、2)子どもが自分で行動できるようにするための「プロンプト」、3)「望ましい行動を起こしやすくする」ための「強化」、「強化子のアセスメント」、「トークンエコノミー」について、それぞれのステップをどのように理解し、どのように計画的に指導していくのかがイラストや表を示しながら説明されている。   第2章では、「問題となる行動を解決する3ステップ」についてのレクチャーへと展開する。1)「問題となる行動の機能をつかむ」ためのアセスメント、2)短期目標としての「代替行動」(目標設定)、そして、3)「機能的アセスメント」に基づいた「予防」「行動を教える」「行動後の対応」である。これらの方略は、子どもの行動を理解する3つのポイント「先行事象」、「行動」、「結果事象」に呼応している。そして、行動支援のための計画と実施後の評価ならびに修正のコツを説いている。第3章では、それまでの取り組みの成果を広げるための「般化」や「チームワークづくり」について、第4章では取り組みの事例が示されている。   教育的支援は、子どもが努力をするための道標となる。見守られ、ときには一緒に考え、頑張るためのヒントを与えられ、スモールステップで「できた」ことを認められ、ほめられるプロセスは、子どもの自己理解にもつながり、自尊感情をはぐくむプロセスとなるであろう。それはまた、教員や支援者にとって、応用行動分析学を活用することで子どもの行動に対する理解を深め、子どもに向き合い、子どもに効果的な支援を行うことができたという自信へとつながっていくであろう。   書くという作業が自分の研究アイデンティティを確認する作業であるとすれば、本書に織りなされている子ども観や教育観、そして子どもに向き合う姿勢は、著者がこれまで子どもたちに支援を行い、子どもに関わる専門職への指導を重ねてこられた経験値や経験則に基づくものであろう。冒頭の「何のためにその行動を変えるのか?」は、著者自身が問い続けてこられたテーマでもあろう。   本書の行(くだり)から映し出されているのは、発達に課題があっても行動上の問題があっても、「先生」の温かいまなざしとラポールを基底とした教育的支援によって、次のステップに自ら歩みだそうとする子どもの姿である。「先生」という存在は、子どもをエンパワメントする生きた教材かもしれない。本書でいう「幸せに生きる子どもの姿」を意識しながら、学校という社会で、子どもの「望ましい行動」の土台となる主体性や自律性をはぐくむためにも、「何を問題と捉え、何を目標に設定するのか」という問いを心に留めておくことは大切である。   応用行動分析学を活用した、子どもが健やかに暮らし生きていくことを力づけるメソードとして読んでいただきたい一冊である。   ●その他の本学教員執筆図書および書評はこちらから

2019.02.07

大学オリジナルグッズの販売を始めました!

畿央大学では、昨年秋に在学生アンケートを行い、出てきた学生の意見を参考にして、『畿央大学オリジナルグッズ』を作成しました。このたび、商品が完成し、学生食堂地下の売店(ヤマザキYショップ)で販売することになりました。   第1弾として販売するのは、5アイテム!! 「ボールペン(赤・黒)@140」と「シャープペンシル(シルバー・バイオレット)@430」と「クリアファイル@80」です。 全てのアイテムに、「KIO UNIVERSITY」名入れがされています。     ボールペンは三菱鉛筆の「ジェットストリーム0.5mm」で、普段使いはもちろん、履歴書等の細かい書類の記入などにも使いやすい芯径です。 シャープペンシルは三菱鉛筆の「クルトガ0.5mm」で、芯が回って尖り続けるのが人気の商品です。 「クリアファイル」はA4サイズ、本学のシンボルでもある時計塔をデザインした畿央大学オリジナルアイテムで、オープンキャンパスでも配布する予定です。 一般の方でも購入できますので、大学オリジナルグッズをゲットしてみてくださいね。     また、グッズ第2弾として、4月以降に畿央大学ロゴ入りバインダー(クリップファイル)を販売開始する予定です。実習や演習等にも活用できる便利な商品です。お楽しみに!

2018.06.22

書評~森岡周教授著「コミュニケーションを学ぶ -ひとの共生の生物学-」

畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター長の森岡教授(理学療法学科教授)が執筆された「コミュニケーションを学ぶ -ひとの共生の生物学-」が出版されました!     本書は、【社会人類学的視点からみた人間のコミュニケーション】【神経科学からみた人間のコミュニケーション】【人間のコミュニケーション行動】の3部構成になっており、人間のコミュニケーションを生物学的あるいは神経科学的に学べることはもちろんのこと、現代のコミュニケーション文化についても語られていますので、シンプルに楽しめる本です。最初のページをめくると、『人間はおしゃべり』とだけ綴られたページがあり、なんとも森岡教授らしい仕掛けとなっています。特に、コミュニケーションにおける“無駄”なことについても言及されており、我々のコミュニケーション行動の本質についても触れられているように思いました。 本書は、現代社会のコミュニケーションについて考える機会を与えてくれるものになっており、医療・教育・経営などの分野で幅広く読まれることになる一冊と思いますので、ご一読いただければ幸いです。   畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 助教 大住倫弘   【畿央大学教員執筆図書の紹介】 ・DVDで学ぶ助産師のわざ「母乳育児支援」に執筆協力!~助産学専攻科教員 ・書評~教育学部西端律子教授執筆「誰でも使える教材ボックス」 ・書評「看護学生のための疫学・保健統計」(看護医療学科松本泉美教授 編著) ・書評『教育の質の平等を求めて―アメリカ・アディクアシー学校財政制度訴訟の動向と法理―』 ・『サルコペニアとフレイル』書評 ・書評:森岡周教授執筆「発達を学ぶ~人間発達学レクチャー」 ・「養護教諭のための発達障害児の学校生活を支える教育・保健マニュアル」をご紹介! ・書評『リハビリテーションのための神経生物学入門』 ・書評「おいしさの科学シリーズ~生きていくための味覚の役割」 ・書評「Pain Rehabilitation(ペインリハビリテーション)」 ・石川裕之著『韓国の才能教育制度』を読む

2018.02.08

大学院修了生の現役エンジニアによる「教育×ICT」特別講義!~現代教育学科

「情報処理演習Ⅱ」で特別講師による講演!   「情報処理演習Ⅱ」(1年生後期配当必修)では毎年、テクノロジーと教育に関する最新情報や世界の流れを、ゲスト講師の方にお話しいただいています。今年は、畿央大学大学院の修了生の廣瀬一海氏(日本マイクロソフト株式会社)に来ていただきました。 廣瀬さんのお話を聞いて考えさせられたことは大きく分けて3つあります。 まず、1つ目はフィリピンの現状についてです。日本との物価の差、労働状況、生活の様子、教育の実態といったさまざまな角度からフィリピンについて話してくださいました。特に教育の実態については驚きを隠せませんでした。私たちは、小学校、中学校が義務教育学校であることは当たり前のことだと思っています。むしろ「勉強するのが面倒」「学校に行くのがだるい」と思っている児童生徒が多いぐらいかもしれません。 しかし、学校に行って授業を受けるというのは決して当たり前のことではないのです。フィリピンの子どもたちの中には、金銭的な問題で小学校を途中でやめざるを得ない子どもがたくさんいます。学びたくても学べない。そんな状況の子どもはフィリピンだけに限った話ではありません。世界には戦争によって学校に通えない子どもだってたくさんいるでしょう。今回、フィリピンという一つの国の現状を知ったことで、もっともっと他の国の教育の実態について知りたいと思うようになりました。また、改めて私たちがどれほど恵まれた環境の中で教育を受けていたのかということに気づかされました。 2つ目は、Surfaceと投票やコメントができるシステム「Mentimeter」を使った参加型授業についてです。この授業形態により、リアルタイムでみんなの意見を見ることができたり、写真などを見ながら授業を聞いたりと、集中力を持続させることができました。自分が思っていることを恥ずかしがって言えない子どもも、この授業形態なら意見を述べやすいし、教員自身も子どもたちが今考えていることを把握するにはとてもいい方法だと思いました。しかし、残念ながらふざけた解答をする人が出てくるなど、リアルタイムだからこその問題もありました。このような問題をどのように解決していくかが、これからの課題だなと思いました。 このように、実際にテクノロジーを使った参加型授業を受けたことにより、この授業形態のメリットとデメリットがよく分かりました。将来教員になった際には、今回分かったメリットとデメリットをきちんと理解した上で、Surfaceなどのテクノロジーを一つのツールとして授業に取り入れていけたらいいなと思いました。また、これからさまざまなツールを手に入れ使いこなせるようになりたいとも思いました。 最後は、今後の大学生活をどのように過ごしていくかについてです。 「日本は少子化が進んでいるから、この先もしかしたら教師は海外で仕事をすることになるかもしれない。だから、英語ぐらいは話せたほうがいいですね」という廣瀬さんの発言は、私の心に残りました。すでに、フィリピンでは英語の教師として海外で活動している人もいるということを聞いて、より現実味が増しました。少子化が進んでいるのは事実だし、今後教師にどんな仕事がまわってくるのかは誰にも予想ができません。だからこそ、今後の大学生活の間にもっと色んなことに興味を持ち自分の幅を広げ、どのようなことが起こっても対応できるような柔軟な人になれるように努力しようと思いました。 廣瀬さん、今回はお仕事お忙しい中、わざわざおいでいただき、ありがとうございました。大学院の先輩ということもあり、非常にお話がわかりやすく、心に残りました。あと3年、Surfaceを使って、さまざまな事を学んでいきたいと思いました。 教育学部現代教育学科1回生 野村真子    【関連記事】 日本マイクロソフト社の「エバンジェリスト」によるドローン体験と特別講義!~現代教育学科 マイクロソフト コーポレーションのステファン・ショストローム氏が本学を訪問しました。 教育学部 西端律子教授が「Microsoft MVP for Surface」を受賞しました。 ゲスト講師による「教育×ICT」~教育学部キャリア形成セミナー