2024年10月24日の記事

2024.10.24

”Society for Neuroscience: Neuroscience 2024” においてポスター発表を行いました ~ 健康科学研究科

2024年10月5日(土)~9日(水)にアメリカのシカゴで開催された Society for Neuroscience - Neuroscience 2024 (以下、 SfN2024) にて、私、田中智哉 (博士後期課程2年) と寺澤雄太さん (博士後期課程3年)が以下の演題名にてポスター発表を行いました。 ■ T. Tanaka, S. Morioka: Temporal Relationship between Bodily Self-Consciousness and Acute Pain Following Knee Arthroplasty (10月6日発表)     ■ Y. Terasawa, S. Morioka: Gait factors related to walk ratio in Parkinson’s disease (10月9日発表)     SfNは神経科学の研究を広く扱い、 Journal of NeuroscienceやeNeuroを発刊する学会です。 今回のSfN2024においても、私の研究領域である身体性や痛み、 寺澤さんの研究領域であるパーキンソン病や歩行をはじめ様々な研究領域の発表が行われていました。 SfN2024の参加者は現地参加21,716人、 バーチャル参加632人 (開催最終日発表) であり、 かなりの活気に満ち溢れていました。私は日本において、理学療法関連や痛み関連の学術集会に参加することが多いのですが、SfN2024は明らかにそれらとは異なる学会であると感じました。   それは、日本では講演やシンポジウムに多くの参加者が聴講し、立ち見が出ることもよくあると思いますが、SfN2024はポスター発表が中心となっていたのです。SfN2024のポスター発表は開催期間の5日間を通じて毎日午前4時間と午後4時間で張り替えが行われ、主催者によって指定された1時間フリーディスカッションを行う形式が取られていました。ここまでは日本でも一般的だと思います。しかし、いざSfN2024に参加してみると、多くの発表者はポスターが貼り付けられている4時間常にポスター前でディスカッションが行われていたのです。   一方、講演やシンポジウムにも参加しましたが、かなり空席が目立っており、ほとんどの参加者はポスター発表に参加していることがよくわかりました。なお、以下の写真はポスター会場を撮ったものですが、実際にはこの2~3倍の広さでポスターが張り出されていました。このような風習が日本の学会でも広がれば、学会発表・参加がより有意義な時間となるのではないかと感じました。     私は、 TKAの術後痛と身体性の関係性について発表を行いました。 TKAの身体性に関する発表は他にはなく、 他疾患における身体性との違いなどを意見交換することができ、 有意義な時間となりました。 その意見を取り込みながら論文化を進めていこうと思います。 また、 森岡教授が進められているCREST研究において、 共同研究を行っている明治大学 嶋田教授の研究室に在籍する大学院生 鈴木さん、木室さん、石津さんとも情報交換をすることができました。リハビリテーション分野のみならず、 工学などの他分野と共同して研究を進めていかなければならないことを実感しました。     また、余談ですが会場の隣にはミシガン湖があり、私の地元にある琵琶湖とは比べ物にならないほど非常に大きく、圧巻でした。宿を取ったシカゴ市街地から会場までは少し離れており、MetraやCTAという電車で約20分、ミシガン湖の沿岸を30~40分かけて徒歩で移動したりしていました。 徒歩で移動すると様々な発見がありました。公園では日本では見かけないリスや巨大なカモに遭遇したり、フィールド自然史博物館やソルジャーフィールド (現在のNFLチームにおいて最も古いスタジアム) など歴史ある建物を見ることができました。何よりもミシガン湖と公園の緑、近代的な高層ビルを一望することができ、とても非現実的で、非常に感動しました。 それに加え、アメリカの人々は身長が高く、まるで自分が小さくなったかのような感覚を覚え、はじめの数日は自分自身がそこにいる感じが少し失われている感覚 (身体所有感が少し奪われたような感覚?) を体験することができました。環境との相互作用の中で、私たちの身体の感覚は形成されることを実感しました。   最後になりましたが、今回このような大変貴重な機会を設けていただいた森岡教授、大学関係者の皆様に感謝申し上げます。今回のSfN2024に参加した経験を十分活かしていけるよう精進して参ります。   畿央大学 大学院 健康科学研究科 神経リハビリテーション学研究室 博士後期課程2年 田中智哉 関連記事 第22回日本神経理学療法学会学術大会へ参加しました! 森岡研究室の同門会に院生・修了生49名が参加!~健康科学研究科 本学にて第33回奈良県理学療法士学会が開催されました。~健康科学研究科・理学療法学科 第28回 日本ペインリハビリテーション学会 学術大会で大学院生が一般口述演題奨励賞を受賞しました!~健康科学研究科 【快挙】大学院生の研究において、脳卒中患者の物体把持の測定における新しいアプローチを開発しました。 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.2~岩佐さん×赤口さん 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.1~淡路さん×渕上さん 健康科学研究科の記事 理学療法学科の記事

2024.10.24

畿央祭ウェルカムキャンパス「スマイル交流サロン」活動レポート~ 看護実践研究センター

私たち畿央大学では、在宅医療を受けるケア児や発達障がい児、その家族が安心して過ごせる地域の居場所づくりに取り組んでいます。今回は、畿央祭ウェルカムキャンパスで開催した「スマイル交流サロン」の活動を通じて、どのようにコミュニティの中で支え合い、交流を深めているのかを報告します。 今回は、看護実践研究センターの地域包括ケア部門が推進する「安心感の輪子育てプロジェクト」の一環として、教員や子育て応援ボランティアサークルSmile、卒業研究のゼミ学生が協力し、ウエルカムキャンパスを企画しました。普段、ボランティア活動を行っている、養護施設や放課後等ディサービス、重症児ディサービスのお子様とそのご家族やスタッフ、保健師課程の実習先である特別支援学級の児童とその家族を招待し、交流の場を提供しました。   ▶「安心感の輪子育てプロジェクト」についての関連記事はこちら     初日は医療的ケア児や障がい児を含む子ども14名、大人14名、学生・卒業生14名、教員2名が参加し、2日目は子ども11名、大人11名、学生7名、教員2名、延べ75名の参加者が集まりました。   参加者からは、学生の配慮が高く評価され、「なかなか気軽に遠足に行けないので、とても貴重な機会で学生さん、先生方、みなさまがとても優しくて、安心して過ごすことができました」との声や、「障がいがあってもなくても、みんなで楽しむことができた素敵な時間でした」という感想が寄せられました。   学生たちは、障がい児との交流を通じて子どもの特性に応じたサポートを実践し、教員による障がい児サポーター養成講座で得た知識を活かしました。   学生からは「ボランティアで会ったことがある子どもと、また会うことができて、また、初めての子どもとも関わることができて楽しかったです。参加した子どもも大人の方も楽しんでいる様子をみることができて良かったです」との感想が寄せられました。     スマイル交流サロンは、医療的ケア児や発達障がい児とその家族にとって安心できる場を提供し、参加者同士の絆を深めるきっかけとなりました。今後もウエルカムキャンパスでの交流の場を継続し、地域におけるインクルーシブな支援を提供することを目指します。 *科研費基盤研究C24K14212 の助成を受けたものです   看護実践研究センター  地域包括ケア部門 准教授 田中 陽子、前田 則子 関連記事 畿央祭にて ”がんカフェ「きらめき」” を開催しました!~ 看護実践研究センター 「アルツハイマーデー」啓発活動報告~看護実践研究センター 認知症ケア部門 「認知症の人と家族の交流会 in KIO」を開催!~看護実践研究センター認知症ケア部門 「障がい児の愛着形成支援」について研修会を開催!~看護実践研究センター プロジェクト研究成果発表会を開催しました!~看護実践研究センター 認知症予防講座「歌って、笑って若返り」を開催しました~看護実践研究センター認知症ケア部門 看護実践研究センター認知症ケア部門主催「高齢者看護・ケアに活かすホリスティック・ナーシング」講演会を開催しました。 看護実践研究センター第9回研修会「地域共生社会の実現に向けて~様々な在留資格による外国人介護職受け入れの現状と課題~」を開催しました。