2021年10月5日の記事
2021.10.05
健康科学研究科の庄本康治教授と冬木正紀准教授の発明が特許を取得しました。
本学大学院健康科学研究科の庄本康治教授と冬木正紀准教授が発明したリハビリテーション用肩装具により、冬木学園が特許権を取得しました。この発明は本学が推進している次世代研究開発プロジェクトにおける萌芽的研究の成果であり、脳卒中片麻痺による肩関節下方亜脱臼に対するリハビリテーションの効果を高める発明です。 特許第6940549号「肩装具、肩装具を用いたリハビリテーション方法」 庄本教授と冬木准教授からのコメント 本発明では、脳卒中片麻痺により亜脱臼した肩関節を整復させる力が飛躍的に向上したリハビリ用肩装具を発明しました。 人間の腕は数kg、重い人では10kg程度の重さが有るため、脳卒中により半身が麻痺すると肩関節の亜脱臼が起きます。多くの場合、脳卒中後一定期間が過ぎると麻痺の程度が軽くなり、自分の筋肉の力で腕を動かすことが出来るようになります。しかし、数十%以上の人が肩関節の痛みを抱えたまま脳卒中片麻痺後の人生を送っています。 この肩の痛みは、脳卒中後に上腕の骨が正常に肩関節にはまっていないまま肩や腕の筋肉が固まってしまうため起こります。この痛みを防ぐためには、脳卒中後のリハビリ期間に麻痺した腕を持ち上げて上腕の骨が肩関節にはまるようにしておく(整復しておく)ことが重要です。しかしながら、従来のリハビリ装具では十分な力で腕を持ち上げることが出来ないため、正常に肩がはまっていない状態で関節が固まってしまい、痛みが残る方も多くいます。 従来のリハビリ装具では腕を持ち上げる力が弱い理由は、ベルトを用いて持ち上げているためです。そこで、人間の筋肉と同じくらい収縮し、はるかに収縮力の強い人工筋肉を導入したのが本発明です。 ▲脳卒中片麻痺を原因とする肩関節下方亜脱臼用のリハビリテーション装具 従来の引っ張りベルトの代わりに複数本の人工筋肉を用いることにより、麻痺している腕を持ち上げるための十分な力を得ることが出来ます。 ▲西大和リハビリテーション病院の患者様による、本発明の試作品の装着風景 現在は、西大和リハビリテーション病院にて本発明の試作品を試験して頂いています。同院の生野公貴リハビリテーション部技師長(本学健康科学研究科 客員研究員)、辻本直秀先生(本学理学療法学科卒業生)、中田佳佑先生(本学健康科学研究科修士課程修了)をはじめとするスタッフの方々の御協力のもと、脳卒中後のリハビリテーションにいらっしゃる患者の方々に試作品を装着して頂き、従来品との比較を行っています。患者の方々による使用感の向上、肩関節の安定による上肢運動スキルの向上、そして歩行の向上等が確認されています。今後は試験数を増やし、改善を重ねながら開発を続ける予定です。 また、本装具を装着した状態において肩周囲の筋肉に機能的電気刺激(FES)を加えることにより、リハビリテーションの質のさらなる向上も期待されます。この相乗効果も今後研究する予定です。 【関連記事】 冬木特任准教授の発明が新たに特許を取得しました~教育学習基盤センター 冬木特任准教授の発明が特許を取得しました。~教育学習基盤センター 教育学習基盤センター
2021.10.05
理学療法学科卒業生の研究が国際学術雑誌「The Knee」に掲載!
理学療法学科4期生の佐藤秀幸さんの研究が、国際学術誌「The knee」に掲載されました。 論文のタイトルは「Differences in fatigability of vastus medialis muscle between patients with limb symmetry index of <90% and ≥90% after chronic anterior cruciate ligament reconstruction」(対称性指数90%以上と未満の前十字靭帯再建術後患者間における内側広筋の疲労性の違い)です。 以下、佐藤さんから研究内容をご紹介いただきます! 近年、前十字靭帯再建術(以下、ACLR)後の大腿四頭筋力において、対称性指数(注1)90%以上が競技復帰基準として推奨されていますが、対称性指数90%を境に術側大腿四頭筋の疲労性が異なるかは明らかでありません。 筋の疲労性は筋線維組成に依存し、筋線維組成を測定できる筋生検は侵襲を伴います。一方で、非侵襲的に筋線維組成を予測できる手法として、表面筋電図を用いた周波数パワースペクトル解析があります。 この手法は筋を一定時間等尺性収縮させることで測定できますが、これまで大腿四頭筋における評価(特に内側広筋)(注2)は信頼性が低いとされていました。 それらを踏まえ、理学療法学科4期生の同期である箕島くん(和歌山県立医科大学附属病院リハビリテーション部)が内側広筋に対する評価方法を提案し、その信頼性の高さを立証しました(Minoshima Y, et al. Open J Ther Rehabil. 2017)。 この研究では、箕島くんが確立した手法を用いて、ACLR後患者さんの大腿四頭筋力の対称性指数90%を境に術側内側広筋の疲労性が異なるかを調査しています。 その結果、対称性指数90%未満の術側内側広筋は、90%以上と比べ、易疲労性であることが明らかになりました。このことは、対称性指数90%以上という競技復帰基準に医学的根拠を与えるとともに、大腿四頭筋の筋力が十分に回復していないACLR後患者さんに対して、内側広筋の持久性を向上させるようなトレーニングプログラムの必要性を示唆します。 (注1)対称性指数は、「(患側/健側)×100」で算出され、健側と比較した患側の指標として用いられている。 (注2)大腿四頭筋の中でも内側広筋は、最も膝の安定性に寄与するとされている筋であるものの、膝傷害後、最も萎縮しやすい筋と言われている。 社会医療法人黎明会 北出病院 リハビリテーション科 理学療法士 佐藤秀幸(理学療法学科4期生)
2021.10.05
第19回畿央祭実行委員Blog vol.10~「学内企画部署」夏休み期間中の活動紹介!
こんにちは!第19回畿央祭実行委員学内企画部署です! 学内企画部署は、夏休み中に不思議屋敷(仮)で使う道具の製作を行いました。 不思議屋敷(仮)のテーマは学校です!! 準備物や製作物が多く、難しいことも多いですが、より良いものを作れるようにみんなで考えながらつくることが楽しいです! 10月からは、より細かい部分の製作を行い、当日に臨みたいです! 第19回畿央祭実行委員 学内企画部署長 現代教育学科3回生 荒井斗子 仲洸瑠 看護医療学科3回生 的場芳奈子 【関連リンク】 開催日時:2021年10月23日(土)、10月24日(日)9:30~17:00 実施形態:来場型企画(事前予約制・本学学生限定)、オンライン企画 ※画像をクリックすると、畿央祭HPへリンクします! ●これまでの実行委員Blogはこちらから!
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