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健康科学研究科

2026.05.08

活躍する大学院修了生vol.10~松田 総一郎さん(国立長寿医療研究センター 研究所勤務/健康科学研究科博士後期課程修了)

働きながら学べる畿央大学大学院を経て、現場で活躍する修了生をご紹介!大学院への進学を考えている方、あるいは研究に興味をお持ちの方に向けて、これまでのキャリアや大学院での経験、研究の魅力などを振り返っていただきました!   松田 総一郎さん(健康科学研究科 博士後期課程 2024年3月修了)   現在のお仕事・研究を教えてください! 国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 予防老年学研究部の特任研究員として、臨床研究に従事しています。 これまでのキャリアを教えてください! 履正社医療スポーツ専門学校を卒業後、摂南総合病院に勤務しながら修士課程へ進学し、博士課程3年目に現職へ就きました。現在は、地域在住高齢者を対象としたコホート研究をはじめ、さまざまな研究プロジェクトに携わっています。 これまで取り組んできた研究、また今関心のある研究テーマ・キーワードは? 主に高齢者の慢性疼痛に関する研究を進めてきました。高齢者にとって痛みは身近な症状の一つですが、痛みのメカニズムや、痛みが健康状態の悪化に及ぼす影響については、まだ不明な点が多く残されています。そのため最近は、痛みが健康状態の悪化に及ぼす影響を明らかにするとともに、痛みを予防する方法や、たとえ痛みがあっても健康状態が悪化しにくくなる要因について研究しています。   研究キーワードは、「老年学」、「神経科学」、「認知科学」、「慢性疼痛」です。     大学院に進学したきっかけや目的は? 摂南総合病院で理学療法士として勤務していた際に、指導教員の大住先生と出会いました。当時、痛みに悩む患者様や、脳卒中後に原因不明の痛みを抱える方を担当する中で、「痛みに困る人を少しでも減らしたい」「自分の知識と経験を生かしたい」という思いが強くなりました。そこで、痛みの研究に取り組まれていた大住先生のもとで学びたいと考え、大学院進学を決めました。 大学院での時間を一言でいうと? 今の自分を形づくる土台を築いた時間だったと思います。大学院での学びは研究だけにとどまらず、仕事を進める上で必要となる、さまざまな力を養う機会にもなりました。   また、大学院では学術的に物事を捉え、問いを立て、根拠をもって考える姿勢を身につける時間になります。こうした学びは決して簡単なものではありませんが、その分、自分の理解が深まっていくことに大きな充実感がありました。新しい知見に触れたり、自分なりに考えたことが少しずつ形になったりする経験は、大学院ならではの魅力だったと感じています。   特に畿央大学大学院は、指導教員との距離が近く、相談や指導を受けやすい環境が整っています。また、意欲の高い方が多く、互いに刺激を受けながら研究に取り組める点も大きな魅力だと感じています。   今の仕事や研究に、大学院での学びはどう活きていますか? 現在の職場では、研究だけでなく企業との連携も多い立場で仕事をしています。   研究を進めるうえでは、最終的な成果報告を見据え、綿密に計画を立てて着実に進めていく必要があります。規模の大きいプロジェクトは個人の力だけでは進めることが難しいため、チームで協力して進めます。他の研究者や企業の方々と議論を重ねながらプロジェクトを円滑に進めるためには、さまざまな力が求められます。   さらに、物事を感覚的に捉えるのではなく、根拠に基づいて整理し、課題を明確にしていく姿勢は、大学院で学術を修めたからこそ身についたものだと感じています。   こうした研究を遂行するための基礎となる力を大学院で身につけることができたのは、大きな財産だと日々感じています。これは研究者に限らず、どのような仕事をするうえでも欠かせない力だと思います。 これから大学院進学を考えている方へのメッセージを! やりたいことを見つけ、それを形にしていくには、大きな努力や苦労も伴います。しかし、畿央大学大学院には、それを乗り越えるための環境と、支えてくださる先生方がそろっています。少しでも皆さんの進路選択の参考になれば幸いです。        

2026.05.08

活躍する大学院修了生vol.9~藤井 廉さん(九州大学大学院 医学研究院勤務/健康科学研究科博士後期課程修了)

働きながら学べる畿央大学大学院を経て、現場で活躍する修了生をご紹介!大学院への進学を考えている方、あるいは研究に興味をお持ちの方に向けて、これまでのキャリアや大学院での経験、研究の魅力などを振り返っていただきました! 藤井 廉さん(健康科学研究科 博士後期課程 2022年9月修了) 現在のお仕事・研究を教えてください! 九州大学大学院 医学研究院 医療経営・管理学講座 の特別研究員、医療法人田中会 武蔵ヶ丘病院 武蔵ヶ丘臨床研究センター の主席研究員、また畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの客員研究員として、臨床研究に従事しています。 これまでのキャリアを教えてください! 熊本県の専門学校である九州中央リハビリテーション学院を卒業後、急性期病院や回復期リハビリテーション病院で臨床経験を積みました。その後、臨床4年目に畿央大学大学院健康科学研究科の修士課程へ進学し、修了後はそのまま博士後期課程へ進みました。   博士号取得後は、「臨床と研究をつなぐ基盤をつくりたい!」という思いから、当時の勤務先であった武蔵ヶ丘病院において武蔵ヶ丘臨床研究センター(文部科学省科学研究費助成事業指定研究機関)を立ち上げ、センターの運営・管理に携わってきました。   さらにその後、九州大学の公衆衛生専門職大学院に進学し、公衆衛生学やデータベース疫学を学びました。   現在は、所属を九州大学大学院 医学研究院 医療経営・管理学講座に移し、畿央大学で培った【人の行動を科学的に捉える視点】と、九州大学で学んだ【疫学的視点】を統合し、生体情報と医療ビッグデータを組み合わせた研究に取り組んでいます。 これまで取り組んできた研究、また今関心のある研究テーマ・キーワードは? 畿央大学では森岡 周先生のご指導のもと、慢性疼痛患者を対象にした運動学的研究に取り組んできました。三次元動作解析装置という特殊なカメラと解析ソフトを用いて、人が運動している際の生体情報をマーカー座標から取得し、「痛みを有すると身体の動かし方がどのように変化するのか?」を明らかにしてきました。   現在は、こうした生体情報の活用を臨床レベルにとどめず、疫学レベルへ発展させた研究に取り組んでいます。   具体的には、行政と連携しながら住民単位で生体情報(デジタルデバイスを活用したライフログデータなど)を収集し、それらをレセプトデータなどの医療ビックデータと統合することで、健康状態の把握や疾病予防、医療・介護分野への応用可能性を検証しています。最終的には、これらの知見をリハビリテーション医療の発展に役立てたいと考えています。   「個人の身体機能を深く捉える視点」×「集団の健康を広く捉える視点」の両方を大切にしながら、リハビリテーション医療への応用を見据えた研究を進めています。   大学院に進学したきっかけや目的は? 新人理学療法士の頃、指導教員である森岡 周先生の講演を聞き、ニューロリハビリテーションの理論やその背景にある根拠に強く惹かれました。その後、臨床で患者さんと向き合う中で、痛みを抱える患者の病態を理解するには神経科学的な視点が欠かせないのではないかと感じるようになりました。こうした臨床的疑問を明確にし、学術的に探求したいと考え、大学院への進学を決めました。     大学院での時間を一言でいうと? 一言でいうと、「かけがえのない学びの時間」だったと思います。   憧れていた森岡 周先生から直接ご指導をいただけたこと自体が本当に幸せな時間であり、今でも私にとって大切な宝物です。   森岡研究室では研究テーマが多岐にわたり、私は「痛み」をテーマにしていましたが、ほかにも高次脳機能や歩行、姿勢制御など、さまざまなテーマに取り組む方がいました。そのため、自分のテーマについても多様な視点からコメントをもらうことができ、研究をより発展的に深めることができました。   また、私は修士課程の頃から自宅の熊本から通っていましたが、遠方であることを感じさせないほど、きめ細やかな環境・サポート体制が整っており、博士課程を修了するまで安心して、充実した研究ライフを送ることができました。   畿央大学大学院の魅力は、質の高い研究指導と、多様な視点に触れながら研究を深められる温かな学びの環境にあると思います。   今の仕事や研究に、大学院での学びはどう活きていますか? 森岡 周先生からは、「引用される研究をしなさい(論文を書きなさい)」とご指導いただきました。これは、自分の知的好奇心を満たすためだけの研究ではなく、その研究が社会課題の解決にどうつながるのか、どのように社会実装へ結びつくのかまで考えることの大切さを意味していたと受け止めています。   自己満足で終わる研究ではいけない、という姿勢は、今の仕事や研究の根幹となっています。先に述べた研究センターの立ち上げは、まさにその学びを実践に活かせた一例です。もともと研究基盤が十分に整っていない環境の中で、現場のスタッフや上層部と対話を重ねながら、「研究の力で組織に何が貢献できるのか」を模索し、形にしていくことができました。   このように、大学院での学びは、研究手法や知識だけでなく、「社会に役立つ問いを立て、それを周囲と協働しながら形にしていく姿勢」として、今の実務・研究の両方に活きています。   これから大学院進学を考えている方へのメッセージを! 大学院は、単に知識や研究手法を身につける場ではなく、自分の中にある問いを深め、それを社会にどう役立てるかを考える場でもあります。畿央大学大学院での学びは、自分の可能性や将来の選択肢を広げてくれる貴重な経験になると思います!        

2026.05.08

活躍する大学院修了生vol.8 ~ 鳥居 美里さん(千里中央病院 勤務/健康科学研究科 修士課程修了)

働きながら学べる畿央大学大学院を経て、現場で活躍する修了生をご紹介!大学院への進学を考えている方、あるいは研究に興味をお持ちの方に向けて、これまでのキャリアや大学院での経験、研究の魅力などを振り返っていただきました!   鳥居 美里さん( 健康科学研究科 修士課程修了 2026年3月修了) これまでのキャリアを教えてください! 大学卒業後、千里中央病院に勤務しました。病院勤務5年目に大学院に進学し、研究活動を進めました。現在は、客員研究員として畿央大学の地域リハ研究室に所属しています。 これまで取り組んできた研究や、今関心のある研究テーマ、研究キーワードは? 修士課程在籍中は、回復期リハビリテーション病院に入院されている運動器患者の転倒恐怖感について研究していました。   今は、入院中と退院後の転倒恐怖感の変化や、入院患者のみならず地域高齢者についても関心があります。 大学院に進学したきっかけや目的は? 病院内で大学院に進学し臨床現場の第一線で活躍し研究をされている上司のお手伝いを行い始めたのがきっかけでした。   研究のお手伝いをしながら、研究まではいかずとも病院内での取り組みや学会発表をしていく上で上司から大学院進学の道を進めてもらいました。そこで、自身が主となり研究を行うことで自身のスキルアップにもつなげたいと思いました。費用面の心配もありましたが、病院自体が大学院進学に前向きで奨学金の支援などもあったため進学を決心しました。   大学院での時間を一言でいうと? 人脈形成や意見交換ができたことが大きいと思います。   また、研究、臨床の視点のみならず、人として相手を尊重することを学び、視野が広がりました。   今の仕事や研究に、大学院での学びはどう活きていますか? 研究において、臨床疑問に対して、PICOに基づいて解決に向けての道筋を立てることが可能になり、研究を実践するハードルが下がりました。   仕事の現場においては、現在、後輩指導や学生指導を行う立場になっています。そこで大学院の教授や同じ研究室の先生方から学んだ、相手を尊重しデスカッションを行う意識が付き、一方向での指導ではなく時には複数で検討したり、後輩からの意見を取り入れる指導を実践できています。 これから大学院進学を考えている方へのメッセージを! 大学院進学となると少しハードルが高く一人で研究を進めていけるのかと不安に思う方も多いかもしれません。実際の大学院では指導教員のみならず同じ研究室の仲間がいるため、決して一人で最初から最後まで進めていくということはなく相談して形を作っていきます。   研究は行ってみたいが一人で研究を行う不安を抱いている方こそ、大学院に進学することで協力し一緒に頑張る仲間ができ自身の人脈形成や視野が広がるきっかけになると思います。是非一歩踏み出してみてください!新しい世界が広がると思います。  

2026.04.23

合同ゼミ懇親会を開催!~ 健康科学研究科 地域リハビリテーション研究室

畿央大学大学院 健康科学研究科 地域リハビリテーション研究室では、合同ゼミ懇親会を開催しました。当日は、新入生をお迎えし、修士課程7名、博士課程3名、客員研究員2名、教員4名が参加し、軽食やドリンクを囲みながら、和やかな雰囲気の中で交流を深めました。   多様なバックグラウンドが集まる学びの場 本研究室の特徴の一つは、働きながら大学院で学ぶ社会人大学院生が多いことです。 所属先は、急性期病院、回復期病院、通所リハビリテーション、介護老人保健施設、行政など多岐にわたり、臨床経験も3年目から15年以上までと幅広い人材が在籍しています。それぞれの現場で感じた疑問や課題を出発点とした研究テーマは、実践につながる可能性を秘めています。 1枚スライドに込めた「想い」 懇親会では、一人ひとりが1枚のスライドを用いて自己紹介を行いました。研究テーマだけでなく、これまでのキャリア、家族、趣味なども共有され、普段のゼミでは見えにくい一面を知る機会となりました。それぞれの発表からは、「なぜこの研究に取り組むのか」という想いが伝わり、参加者同士の理解とつながりが一層深まりました。会は終始温かい雰囲気に包まれ、あっという間の2時間となりました。   臨床と研究をつなぐ教育体制 地域リハビリテーション研究室では、奈良県を中心に以下のような研究・活動を展開しています。   地域高齢者の健康増進・介護予防 要介護高齢者の生活機能とQOLに資する研究・実践 アクションリサーチによる地域実践 ビッグデータを活用した地域特性分析 フレイル予防に関する研究 リハビリテーション専門職としての視点を大切にし、「研究を現場に還元する」ことを重視しています。   充実した指導体制 本研究室は、高取 克彦教授、松本 大輔准教授に加え、今年度より石垣 智也准教授が新たに参画されました。さらに、健康イノベーション教育研究センターの土井 剛彦教授にもご協力いただき、多角的な指導体制のもとで研究を進めることができます。   議論を深め、視野を広げるゼミ運営 ゼミは、指導教員との個別指導に加え、月1回の合同ゼミを実施しています。異なる専門・経験を持つ院生同士が議論することで、新たな視点や気づきを得ることができ、研究の質を高める環境が整っています。 院生からのメッセージ 私は現在、県外の遠方から通っていますが、毎回のゼミが楽しみで仕方がありません。 授業はオンデマンド中心なので、仕事や家庭など生活のリズムを守りながら学べることも畿央大学の魅力です。 他大学出身の私も仲間は温かく迎え入れてくれました。今回の懇親会でも、研究の枠を超えて家族や趣味の話で盛り上がり、仲間の意外な一面を知ってさらに絆が深まったと感じています。 修士に行きたいけれど、自分に両立ができるだろうかと、一歩踏み出せずに悩んでいる方も多いと思います。正直、両立は楽ではありません。でも、同じように悩み、現場を良くしたいともがく仲間の存在は、何よりの支えになります。もう一度、大人の青春してみたい方をお待ちしております。 健康科学研究科 地域リハビリテーション研究室 修士課程2年 平川 雄太 大学院進学を考えている方へ 「臨床で感じた疑問を、研究として深めたい」 「専門性を高め、次のキャリアにつなげたい」 「地域に貢献できる理学療法士として成長したい」 そのような想いを持つ方にとって、本研究室は最適な学びの場です。働きながらでも学び続けられる環境と、志を同じくする仲間との出会いがあります。興味がある、また相談したい方は、気軽にご連絡ください。 お待ちしております! 健康科学研究科 地域リハビリテーション研究室 准教授 松本 大輔 地域リハビリテーション研究室 関連記事 地域リハビリテーション研究室教員・院生が国際学会で発表 ~ 健康科学研究科・ウェルネス共創研究センター 言葉を超えたケアのかたちを探る研究が学術変革領域研究(A)に採択 ~ 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 第25回認知神経リハビリテーション学会学術集会にて本学関係者が学会長・多数登壇!~ ニューロリハビリテーションセンター CREST「マルチセンシング」研究領域の領域会議が開催されました!~ ニューロリハビリテーション研究センター 地域リハビリテーション研究室大学院生・研究員の学会での活躍をご紹介~健康科学研究科 第23回日本神経理学療法学会学術大会にて本学関係者が多数登壇・受賞しました! 第35回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会で2年連続となる「医療の質特別賞」を受賞! ~ 健康科学研究科

2026.04.21

畿央大学名誉教授 山本隆先生の研究成果が国際学術誌に掲載されました

このたび、本学の山本隆名誉教授による総説論文が、国際学術誌 International Journal of Gastronomy and Food Science(Background mechanisms of palatable foods: roles of taste substances, kokumi substances and their interactions) に掲載されました。   本論文では、食べ物のおいしさ(嗜好性)がどのように形成されるのかについて、甘味・塩味・うま味といった基本味に加えてコクという概念に着目し、これまでの味覚研究の成果と、その背景にある科学的メカニズムを最新の研究に基づいて整理しています。   甘味は、基本味の中でも本能的に快として感じられる特徴を持ちますが、他の味は単独では必ずしもおいしさにつながるとは限りません。食べ物のおいしさはひとつの味で決まるものではなく、いくつかの味や香り、食感が重なり合って、おいしさが生まれます。   だしや発酵食品を使った料理が深みのある味わいになるのは、うま味とコクの働きによるものです。こうした日常的な味覚の背景にある仕組みが科学的に説明されています。特に、うま味とコクの相互作用が、味の深みや広がり、持続性といった感覚を生み出し、おいしさを高める重要な要因であることが示されています。こうした研究成果は、食品開発や調理の実践への活用にもつながります。   本論文の発表は、山本隆名誉教授の長年にわたる味覚研究の成果に基づくものであり、本学にとっても大変喜ばしい報告となりました。   健康栄養学科教授 永澤 健     論文情報 Takashi Yamamoto Background mechanisms of palatable foods: roles of taste substances, kokumi substances and their interactions - ScienceDirect International Journal of Gastronomy and Food Science Volume 44, June 2026, 101467 関連記事 山本 隆教授の最終講義が行われました。|KIO Smile Blog 健康栄養学科の山本 隆教授がNHK「ほっと関西」に出演!「冬アイス」の疑問に答えます!|KIO Smile Blog 科学雑誌「Newton」に健康栄養学科の山本隆先生の記事が掲載されました!|KIO Smile Blog    

2026.04.20

地域リハビリテーション研究室教員・院生が国際学会で発表 ~ 健康科学研究科・ウェルネス共創研究センター

2026年4月11日(土)、12日(日)に韓国のSuwon Convention Centerで17th Asian Confederation of Physical Therapy (ACPT) 2026 Congressが開催されました。地域リハビリテーション研究室から私、健康科学研究科 博士後期課程2年の池本 大輝と松本 大輔准教授が参加し、研究発表を行いました。 ACPTとは、アジアにおける理学療法の専門性の向上を目的とした学会で、今回は12ヶ国、1250名が参加し、327もの演題が集まりました。     Opening ceremonyは、理学療法学科の海外インターンシップでお世話になっている国立台湾大学教授でもある、世界理学療法学会 副会長 Suh-Fang Jeng先生のご挨拶から始まりました。     私たちの演題は以下の通りです。 博士後期課程2年 池本 大輝: “Ultrasound-Derived Anterior-Thigh Muscle Thickness Shows a Stronger Association with Life-Space Mobility than Appendicular Skeletal Muscle Index”(e-Poster) 「超音波による大腿前面筋厚は、四肢骨格筋量指数よりも生活空間移動能力と強く関連する」 ※通所リハ利用者の生活行動範囲と筋評価(超音波エコーと体組成計)の関連性についての研究   松本 大輔准教授: “Physical Therapist–Led Outreach Assessment Accurately Identified Intrinsic Capacity Decline in Resident-Led Community Exercise Groups in Japan”(e-Poster) 「理学療法士によるアウトリーチ評価は、地域の運動グループにおける内在的能力低下を正確に同定できる」 ※理学療法士による地域高齢者の内在的能力低下(身体・精神機能も)の評価の精度についての研究       ▲同じセッションの発表者の皆さん   私は、昨年のWorld Physiotherapy Congress 2025(東京)に続いて2回目の国際学会での発表でした。しかし、海外で開催される学会への参加は今回が初めてで、やはり、慣れない土地と言語での発表で緊張しましたが、国際学会ならではのオープンでフレンドリーな雰囲気で、無事に終えることができました。   ▶World Physiotherapy Congress 2025(東京)の様子はこちら     松本准教授は演題発表だけでなく、2つのe-Posterセッションで座長を務められ、発表後のディスカッションを円滑に取りまとめられていました。   また、交流を目的としたNetworking sessionにも参加し、自分と関心のある領域(超音波エコー評価)が近い韓国の理学療法士と話すことができ、アジアでも広がってきていることを実感しました。       今回のACPTは、近隣の韓国での開催であったためか、日本から非常に多くの方が参加されていました。国内の学会では、知り合えないような日本の先生方ともお話することができ、交流の幅を広げることができました。 一方で、同年代の先生方が英語でコミュニケーションを取られている姿は大変刺激となりました。対照的に伝えたいことを伝えられない自分の英語力の未熟さからくる歯がゆさは、今後の英語学習へのモチベーションとなりました。今回の経験を通して、自身の成長とともに今後の課題も明確になりました。 大学院での学びは、研究力だけではなく、国際的な視野、将来のキャリアの選択肢を広げ、挑戦できる環境が整っていることも大きな魅力です。これからも国際交流を深め、学術発展や臨床現場への実装に携わりたいと思います。   最後に、今回の発表に多大なご指導をいただきました松本准教授、地域リハビリテーション研究室、職場のスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。   畿央大学大学院 健康科学研究科 博士後期課程 2年 池本大輝   地域リハビリテーション研究室 関連記事 言葉を超えたケアのかたちを探る研究が学術変革領域研究(A)に採択 ~ 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 第25回認知神経リハビリテーション学会学術集会にて本学関係者が学会長・多数登壇!~ ニューロリハビリテーションセンター CREST「マルチセンシング」研究領域の領域会議が開催されました!~ ニューロリハビリテーション研究センター 地域リハビリテーション研究室大学院生・研究員の学会での活躍をご紹介~健康科学研究科 第23回日本神経理学療法学会学術大会にて本学関係者が多数登壇・受賞しました! 第35回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会で2年連続となる「医療の質特別賞」を受賞! ~ 健康科学研究科        

2026.03.19

第15回日本リハビリテーション栄養学会学術集会において大学院生が最優秀YIA賞を受賞 ~ 健康科学研究科

2026年3月14日(土)に石川県の金沢市文化ホールで開催されました第15回日本リハビリテーション栄養学会学術集会において、演題名「骨格筋量評価における浮腫の影響を補正した新指標『標準化骨格筋量』の検討」を発表し、最優秀YIA(Young Investigator Award)賞を受賞しました。 発表内容の紹介 入院心不全の患者さんでは「低栄養」や「サルコペニア」を高率に合併し、再入院率や身体機能・QOLなどの臨床的アウトカムに悪影響を及ぼすことが知られています。これらの診断には骨格筋量の評価が必須ですが、推奨されているBIA法は体水分量の影響を受けやすく、浮腫を呈する心不全患者では骨格筋量を過大評価してしまうという弱点がありました。   そこで今回、生体内の細胞内外の水分比率を用いて浮腫の影響を補正した「標準化骨格筋量」を新指標として提案し、その指標が解剖学的実態を反映しているか、また低骨格筋量の判定に影響するかを検証しました。   その結果、標準化骨格筋量はCTやエコーなどの画像評価指標と関連し、従来の指標よりも多くの対象を低骨格筋量として検出できることが明らかとなり、これまでの栄養評価における見逃しを改善できる可能性を報告しました。   今後への展望 今後は、本研究成果を論文化し、より多くの方に発信していけるよう努めてまいります。また、本研究は健康科学研究科の田平 一行 教授のご指導のもと進められました。この場を借りて深く感謝申し上げます。     畿央大学大学院 健康科学研究科 修士課程2年 関根 敏生   関連記事 第35回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会で2年連続となる「医療の質特別賞」を受賞! ~ 健康科学研究科 第15回呼吸・循環リハビリテーション研究大会を開催しました!~健康科学研究科 田平研究室 第65回日本呼吸器学会学術講演会で『トラベルアワード』を受賞 ~ 健康科学研究科   

2026.03.17

第13回 日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会に参加しました!~理学療法学科 瓜谷ゼミ

2026年2月28日(土)~3月1日(日)に北海道文教大学で開催された、第13回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会に理学療法学科の瓜谷ゼミの学部生・院生が参加しました。学会で参加者として学びを深めた3名の学生から、コメントをいただきましたので紹介させていただきます。             第13回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会に参加させていただきました。さまざまな講演や発表を聴講し、春から実際に臨床に立つことへの意識をより一層高める機会となりました。昼食をとりながら講演を受けるランチョンセミナーや、1つのテーマについて数名の専門家が討論を行うシンポジウムなど、とても新鮮で刺激的でした。 特に、スマートフォンのみで動作解析が可能となるSPLYZA Motionというアプリの紹介が印象的で、今後の臨床現場で実際に活用していきたいと感じました。 このような貴重な機会をくださり、学会発表までご指導くださった瓜谷先生、ならびに研究室の方々に感謝いたします。今回の学会参加で得た経験を、臨床に活かしていけるよう努めてまいります。 理学療法学科 4回生 奥野 沙菜     第13回筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会に参加しました。開催地である千歳は雪が積もり、北海道らしい冬の景色が広がっていました。初めての学会への参加で不安もありましたが、それ以上に多くの刺激を受け、非常に充実した時間を過ごすことができました。講演では、クリニカルリーズニングや疼痛に対する患者教育について聴講しました。どの先生方のお話も、4月から臨床に出るにあたってとても有意義な内容で、どういった姿勢で介入するべきか改めて考えさせられる機会となりました。また、和気藹々と活発に議論されている先生方の姿を見て、自己研鑽を積むにあたっては、同じ職場の人だけでなく様々なコミュニティでのつながりを広げていくことの大切さを感じました。 このような機会を与えてくださった瓜谷先生をはじめとする研究室の皆様、および研究に協力してくださった皆様に深く感謝いたします。 理学療法学科 4回生 寺西 真理華     第13回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会に参加させていただき、大変貴重な経験をさせていただきました。さまざまな大学や病院の先生方によるポスター発表や教育講演を通して、臨床における具体的な評価の視点や治療の考え方を学ぶことができました。普段の講義では触れることのできない実践的な内容も多く、非常に刺激を受けました。また、先生方が日々の臨床で生じた疑問を大切にし、活発にディスカッションを行われている姿勢が強く印象に残っています。 4月から理学療法士として働くにあたり、今回の学びを活かし、患者様一人ひとりに丁寧に向き合いながら、根拠に基づいた理学療法を実践できるよう努力してまいりたいと考えております。 このような貴重な経験を学生のうちにさせていただけたのは、瓜谷先生をはじめ、卒業研究にご協力くださった皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。 理学療法学科 4回生 森口 愛南   関連記事 ▼瓜谷ゼミの過去の記事はこちら 第13回 日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会で学生が研究成果を発表しました!~理学療法学科 瓜谷ゼミ 第12回日本運動器理学療法学会学術大会に参加しました~健康科学研究科・理学療法学科 瓜谷ゼミ 第12回日本運動器理学療法学会学術大会で発表した院生レポート!~健康科学研究科 瓜谷研究室 ▼理学療法学科の関連記事はこちら 無印良品イオンモール橿原「あさかつ」に理学療法学科・健康栄養学科の学生が協力しました。 無印良品あさかつレポート 第2弾「呼吸と姿勢で整うチェアヨガ」 無印良品あさかつレポート第3弾 「爽やかモーニングストレッチ」「おくらと生姜のスープ試食」 無印良品あさかつレポート第4弾 代謝アップでぽかぽか!冬の「筋トレ&コンボウォーク」を開催しました! 無印良品あさかつレポート第5弾 「効果実感!肩こり・腰痛予防のためのダイナミックストレッチ&きおまる」を開催しました! TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.102 ~ 大盛況御礼!畿央祭ウェルカムキャンパスにてTASK健康チェックコーナーを出展しました! TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.101 ~東生駒地域包括支援センターとのコラボ「TASK介護予防教室」を開催!!

2026.03.17

第13回 日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会で学生が研究成果を発表しました!~理学療法学科 瓜谷ゼミ

2026年2月28日(土)~3月1日(日)に北海道文教大学で開催された、第13回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会に理学療法学科の瓜谷ゼミの学部生・院生が参加しました。その中で発表を行いました4回生の松田 拓実さん、武本 遥輝さんの2名に発表した感想をいただきましたので紹介させていただきます。 【口述発表】 カスタムメイドインソールがジャンプ着地動作時の膝関節アライメントに及ぼす影響   初めての学会発表ということもあり、ドキドキとワクワクの入り混じる複雑な感情で、飛行機に乗り北海道に向かいました。結果的にはとても貴重な経験をすることができ、有意義な時間を過ごせました! 卒業研究発表の時とは比べ物にならないギャラリーの数。意表をついて次から次へと来る質問。どれもが新たな発見・気づきの連続でした! 練習通りに上手くいかないこともありましたが、なによりこの経験をできたことが自分自身のレベルアップに繋がったのではないかと思います。 4月から入職することになりますが、学会で得た”経験”と”成長”を活かすとともに、新たな景色で”ワクワクドキドキ”に揉まれながら成長していきたいと思います!!   理学療法学科 4回生 松田 拓実 【ポスター発表】 足底へのラバーパッド貼付が歩行時の足関節周囲筋活動に及ぼす影響   第13回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会にて、卒業研究をポスター発表しました。初めての学会参加に緊張もありましたが、ありがたいことに多くの方から質問をいただき、自分たちの研究への関心の高さを直に感じることができました。また、自分にはなかった別角度の視点や臨床的な妥当性に関する示唆をいただくなど、非常に多くの学びがありました。 この貴重な経験を今後の研究活動に活かしていきたいと思います。指導教員の瓜谷先生をはじめ、支えてくださった研究室の皆様に心より感謝申し上げます。 理学療法学科 4回生 武本 遥輝   関連記事 ▼瓜谷ゼミの過去の記事はこちら 第13回 日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会に参加しました!~理学療法学科 瓜谷ゼミ 第12回日本運動器理学療法学会学術大会に参加しました~健康科学研究科・理学療法学科 瓜谷ゼミ 第12回日本運動器理学療法学会学術大会で発表した院生レポート!~健康科学研究科 瓜谷研究室 ▼理学療法学科の関連記事はこちら 無印良品イオンモール橿原「あさかつ」に理学療法学科・健康栄養学科の学生が協力しました。 無印良品あさかつレポート 第2弾「呼吸と姿勢で整うチェアヨガ」 無印良品あさかつレポート第3弾 「爽やかモーニングストレッチ」「おくらと生姜のスープ試食」 無印良品あさかつレポート第4弾 代謝アップでぽかぽか!冬の「筋トレ&コンボウォーク」を開催しました! 無印良品あさかつレポート第5弾 「効果実感!肩こり・腰痛予防のためのダイナミックストレッチ&きおまる」を開催しました! TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.102 ~ 大盛況御礼!畿央祭ウェルカムキャンパスにてTASK健康チェックコーナーを出展しました! TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.101 ~東生駒地域包括支援センターとのコラボ「TASK介護予防教室」を開催!!

2026.03.17

日仏国際共同研究CREST-ANR NARRABODY 1st International Conferenceが開催されました!

フランス・ボジョレーにて日仏国際共同研究CREST-ANR NARRABODY 1st International Conference “(Re)Integrating Selves” が開催されました。本研究会は、日仏共同研究プロジェクト NARRABODY(CREST-ANR) の一環として開催されました。NARRABODYは、身体化された自己(embodied self)と物語的自己(narrative self) の関係を「ナラティブ・エンボディメント(narrative embodiment)」という概念から探究し、特にリハビリテーションへの応用可能性を検討する研究プロジェクトです。今回の会議では、このナラティブとエンボディメントの関係をより広い視点から捉え、自己統合(self-integration)というテーマのもとで議論が行われました。 CREST:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による戦略的創造研究推進事業 ANR:フランス国立研究機構(The French National Research Agency:ANR) NARRABODY:Narrative embodiment: neurocognitive mechanisms and its application to VR intervention techniques(ナラティブ・エンボディメントの機序解明とVR介入技術への応用)   CRESTは国内の競争的科学研究費としてはトップに位置するもので、本学 森岡 周 教授らの日仏合同研究チームが2.74億円(5年6ヵ月/3研究室合同)の研究費を取得しています。   【プレスリリース】森岡周教授らの共同研究が2023年度 CRESTに採択されました。 主な論点は以下の4つです。     自己の理論的統合:embodied self,narrative self,minimal self など,多様な自己概念をどう統合的に理解できるか 自己と他者の関係(間主観性):自己は孤立した存在ではなく,他者との関係の中で構成されるという視点 病理における自己の回復:脳卒中などの疾患によって分断された自己を,どのように回復・再統合するか 環境との相互作用:自己は環境に適応すると同時に,環境を取り込みながら拡張していくという視点     本会議には日仏を中心に多くの研究者が参加しました。特にゲストスピーカーとして、Shaun Gallagher 教授(University of Memphis)、Pier Francesco Ferrari 教授(CNRS)、Anne Giersch 研究主任(INSERM)、Somogy Varga 教授(Aarhus University)、入來 篤史 特任教授(帝京大学)、牛場 潤一 教授(慶應義塾大学)らが招かれ、哲学、神経科学、リハビリテーション科学の観点から「自己統合(self integration)」に関する講演が行われました。 本会議を主催するNARRABODYプロジェクトのメンバーとして、日本側からは嶋田 総太郎 教授(明治大学)、森岡 周 教授(畿央大学)、田中 彰吾 教授(東海大学)をはじめ、多くの共同研究者や大学院生が参加しました。また、畿央大学からは森岡 周 教授に加え、大住 倫弘 准教授、高村 優作 研究員(Paris Brain Institute)、林田 一輝 客員研究員(宝塚医療大学助教)、三枝 信吾 博士後期課程(東海大学CREST特任研究員)、大西 空 CREST特任研究員が参加しました。フランス側からは、Yves Rossetti 教授(Lyon Neuroscience Research Center)、Jean-Michel Roy 教授(ENS Lyon)、Gilles Rode 教授(Université Claude Bernard Lyon 1)など、多くの研究者および大学院生が参加しました。   1日目 THURSDAY 5 Welcome Session Sotaro Shimada,Yves Rossetti Opening remarks Osamu Ogata Consul of Japan SESSION 1 Self Integration as Narrative Embodiment Part 1: Narrabody – Recent Developments Embodiment-Based Rehabilitation for Phantom Limb Pain Michihiro Osumi Effects of the Modulation of the Optical Flow During Walking on Self-Efficacy: Preliminary Report of a Series of Experiments (FLY Study) Sébastien Matteo, Yuanliang Zhu Embodiment and Narrativity in Post-Stroke Walking – A Longitudinal Qualitative Study – Shingo Mitsue   Part 2: Narrabody – Theoretical Framework Toward a Conceptual Framework of Narrative Embodiment Sotaro Shimada Response: Narrative Embodiment and the Logic of Self Fragmentation Jean-Michel Roy Collective Discussion   ▼ 大住 倫弘 准教授(畿央大学)   ▼ 三枝 信吾氏(東海大学CREST特任研究員)   ▼Jean-Michel Roy 教授(ENS Lyon)   初日は「Self Integration as Narrative Embodiment」をテーマとしたセッションが開催されました。本セッションでは、大住 倫弘准教授が幻肢痛に対する身体化に基づくリハビリテーション研究を紹介し、三枝 信吾氏が脳卒中患者の歩行経験を対象とした現象学的研究など、身体経験とナラティブの関係を多角的に検討する研究が報告されました。 休憩後には、NARRABODYプロジェクトの理論的枠組みに関する講演が行われました。嶋田 総太郎 教授はナラティブ・エンボディメントの概念的枠組みを提示し、続いて Jean-Michel Roy 教授 がナラティブ自己と身体自己の関係について哲学的観点から応答を行いました。   2日目 FRIDAY 6 SESSION 2 Self Integration as Unification of Self Theory Part 1: The General Issue The Hermeneutics of Disordered Self-Narratives Shaun Gallagher The Self as “Aida” (Betweenness): Toward a Non-Reductive Framework of Self-Integration Shogo Tanaka   Part 2: Focus Integrating Levels of Selfhood: Ontological Lessons from Narrative Embodiment Camille Lepingle Anosognosia: A Multifaceted Phenomenon Probing the Unity and Plurality of Self-Consciousness Hugo Ardaillon   SESSION 3 Self Integration as Intersubjectivity Impersonal Memories and the Phenomenology of Quasi-Remembering Pierre‑Jean Renaudie From Action to Intersubjectivity: The Neural Roots of Self-Other Integration Pier Francesco Ferrari Ritualizing Intersubjectivity: A Xunzian-Enactive Account of Social Understanding Jing He   ▼ Shaun Gallagher 教授(University of Memphis)   ▼ Pier Francesco Ferrari 教授(CNRS)   2日目は、自己統合を自己理論および間主観性の観点から検討するセッションが行われました。午前のセッションでは、Shaun Gallagher 教授が精神疾患などにおける自己ナラティブの変容について解釈学的観点から講演しました。また田中 彰吾 教授は、日本哲学の「間(Aida)」の概念を手がかりに、自己を関係性の中で捉える理論的枠組みを提示し、自己統合をめぐる理論的議論が展開されました。午後のセッションでは、記憶の現象学に関する研究や、ミラーニューロン研究に基づく自己と他者理解の神経基盤についての講演が行われました。特に Pier Francesco Ferrari 教授は、感覚運動システムの共有が自己と他者理解の基盤となる可能性について神経科学的観点から議論しました。 3日目 SATURDAY 7 SESSION 4 Self Integration as Self Restoration The Self-Portrait as an Interaction between the Narrative Self and the Embodied Self Gilles Rode Beyond Restoration: Temporal Self-Reconstruction and Motor Ecology After Stroke Shu Morioka Time Experience and Sense of Self in Schizophrenia: New Therapeutic Pathways? Anne Giersch Self-Integration: Narrative Identity, Core Commitments and Epistemic Agency Somogy Varga   SESSION 5 Self Integration as Environment Adaptation and Absorption Restoration of Embodiment: Insights from Brain-Computer Interface Research Junichi Ushiba Adaptation and the Dialogue Between Bodily- and Narrative-Selves Yves Rossetti, Yuanliang Zhu Embodying Tools and (Rubber) Hands: What Does That Mean? Alessandro Farnè Many Plausible Paths: Beyond Optimality in Complex Systems Atsushi Iriki   ▼ Gilles Rode 教授(Université Claude Bernard Lyon 1)   ▼ 森岡 周 教授(畿央大学)   ▼Yves Rossetti 教授(Lyon Neuroscience Research Center)   3日目の午前は「Self-Integration as Self Restoration」をテーマとしたセッションが開催されました。Gilles Rode 教授は神経心理学的症例における自己肖像画の分析を通して身体表象の障害と自己認識の関係を紹介しました。さらに、森岡 周 教授は脳卒中後の回復過程を時間的自己の再構成として捉える枠組みを提示し、Anne Giersch 研究主任は統合失調症における時間知覚と主体感の関係について講演しました。午後のセッションでは、身体と環境の相互作用に焦点を当てた研究が紹介されました。牛場 潤一 教授はブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)研究の成果を報告し、Yves Rossetti 教授らは身体自己とナラティブ自己の相互作用について議論しました。またAlessandro Farnè 教授は道具使用に伴う身体表象の拡張について講演し、最後に入來 篤史 教授が複雑系における因果関係の新しい枠組みとしてPath-Integral Causality を提案しました。 総括 本ワークショップでは、ナラティブと身体性の関係を基盤とした「自己統合(self-integration)」というテーマのもと、哲学、認知神経科学、神経心理学、リハビリテーション科学など多様な分野の研究者による学際的な議論が行われました。特に、身体経験とナラティブの相互作用を通じて自己がどのように形成・変容するのかという問題について、理論的・実証的な観点から多くの新しい視点が提示されました。その中でも、リハビリテーション科学の観点から身体経験と自己の再構成を探究する研究は国際的にも高い関心を集め、畿央大学の研究グループによる取り組みは、本テーマの発展に重要な示唆を与えるものとなりました。今後は、国際的な概念や定義の作成に向けて研究を重ね、国際共著として出版する予定です。   これまでのミーティングを通して議論が重ねられてきましたが、本カンファレンスではナラティブとエンボディメントの関係を「ナラティブ・エンボディメント」として捉える概念的枠組みについて、研究者間で一定の共有が形成されたことが大きな成果の一つとなりました。 本カンファレンスは,NARRABODYプロジェクトを通じた日仏研究交流をさらに深化させるとともに、自己研究と神経リハビリテーション研究を結びつける学際的研究の発展に向けた重要な一歩となりました。   関連記事 JST CREST領域内研究交流報告 ― 内受容・予測的処理とNarrabody理論の接点 ― ~ ニューロリハビリテーション研究センター|KIO Smile Blog 森岡周教授らの共同研究が2023年度 CRESTに採択されました。  日仏国際共同研究CREST-ANR NARRABODY 1st Meetingが開催されました!~ニューロリハビリテーション研究センター 日仏国際共同研究CREST-ANR NARRABODY 2nd Meetingが開催されました!~ニューロリハビリテーション研究センター 日仏国際共同研究CREST-ANR NARRABODY 3rd Meetingが開催されました!~ニューロリハビリテーション研究センター フランス・リヨン神経科学研究センターのHugo ARDAILLON 氏が畿央大学を訪問されました!~ ニューロリハビリテーション研究センター CREST「マルチセンシング」研究領域の領域会議が開催されました!~ ニューロリハビリテーション研究センター