2022年9月1日の記事

2022.09.01

夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.2

畿央大学では夏期、冬期の集中講義として「スポーツ実習Ⅱ・B」(1年次配当・選択科目)を開講しています。今年度からは新たな取り組みとして、アダプテッド・スポーツ、コアトレ・ウォーキング、バスケットボール及びバドミントンの4種目群から1種目を選択して履修します。 アダプテッド・スポーツは、性別や年齢、体力、スポーツ経験の有無に関わらず誰でも気軽に参加して楽しむことができるよう、ルールや用具を工夫し適合(adapt)させたスポーツのこと。講師を務める加納希和子さんは本学の理学療法学科の卒業生かつ大学院健康科学研究科修了生です。現在は大阪市舞洲障がい者スポーツセンターで理学療法士(スポーツ認定理学療法士、中級障がい者スポーツ指導員)として活躍、東京五輪にもTOKYO2020MEDスタッフとして参加されました。     初日の座学での講義に続いて、2日目となる8月31日(水)はいよいよ実技に突入!当日の様子を参加学生にレポートしていただきました。 1限目 体育館での車椅子体験 通常の車椅子だけでなく、バスケットボールなどで使用される競技用の車椅子体験も行いました。   通常の車椅子では、介助者にとってはちょっとした段差を持ち上げているように感じる部分が、体験者(乗っている側)になると身体が後ろに倒れ、物凄い大きな段差を超えたような感覚でした。         また競技用の車椅子は、タイヤに角度がついているため小回りがよく効く上に、ブレーキがないため自らが器用に動かすことができますが、腕力がとても必要でした。               車椅子は座っているため全身の力を上手く使うことが難しく、手や足などどこかが使えない場合1人で動かすには想像以上の力が必要で、今まで知らなかったしんどさを味わいました。     2限目 高齢者体験・  片麻痺体験 P棟1階の理学療法実習室から、ペアで自由に校内をまわりました。 私は片麻痺体験をしたのですが、特に階段を下ることに時間がかかりました。身体が前のめりになり、自分がいつも見ている階段よりも傾斜が高いように感じて怖かったです。   校舎内の階段でも段差の高さや踏み場の幅が異なるものが多いため、体験者自らがその都度足を伸ばして確認する、足を斜めにして上手く上り下りするなどの細かな工夫が必要でした。     ▼高齢者体験の様子       ▼片麻痺体験の様子         3限目 視覚障害体験 2限目と同じく理学療法実習室からペアで自由に校内をまわりました。体験者はアイパッチを付けて介助者の腕や肩に手を乗せて校内を歩きました。         視覚が使えないのなら聴覚といったように、使える他の感覚が普段よりも増して研ぎ澄まされたような気がしました。加納先生から教えていただいたように「あと3段で踊り場に着きます」「9時の方向に曲がりましょう」と常に介助者が分かりやすい言葉に言い換えて体験者に伝えることが大変でした。           今日の実技体験を通して、普段私達があまり気にしていない部分により深く着目することができました。街中で自らが支える側になった際、どんな対応をすれば相手が安心できるのか、また相手がどのようなことをしたい・知りたいのか互いの意思疎通が本当に大切だと学びました。「寄り添う・支える」ということは、一度相手と同じような体験をして知り得た知識の上で周りを見て行動しないと、相手にとっては本当の意味で「寄り添う・支える」ことができていないのではないかと身に染みて感じました。   これから困った人を見つけた際には、この実技体験から学んだことを生かして、先を見通した行動や丁寧な声掛けを相手にできるよう頑張りたいと思います。                                                  健康栄養学科 1回生     【関連記事】 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.1 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。