2025年7月28日の記事

2025.07.28

学校の先生になりたい高校生のための特別企画「ほら、“先生”ってステキ!」を開催!~畿央大学現代教育研究所

教員という職業の厳しさに注目が集まる昨今、次世代が目を向けにくい状況となっていることを踏まえ、教職に興味がある高校生にその魅力を伝えることを目的として畿央大学現代教育研究所が開催した特別企画「ほら、”先生”ってステキ!」を担当教員がレポートします。 特別講演会「ほら、“先生”ってステキ!」 【開催日時】2025年7月20日(日)13:10〜14:40 【第1部】 「ほら、“先生”ってステキ!」13:10〜13:50 【講師】岡田京子氏 東京家政大学教授/前文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官     ●  一人一人の子供を大切にしたい。 ●  自分も自分の人生も大切にしたい。   こうした言葉から始まりました。 図画工作科がご専門の岡田京子先生は、初めに小学校1年生が遠足先で楽しんだローラーすべり台を自分なりに表した絵を通して子供が学ぶ姿を紹介されました。色、高さ、昇る階段、全体の形、滑る仕組みなど一人一人の思いによって表現が違うことを取り上げられました。   それぞれの子供にはそれぞれの感じ方があり、それぞれの思いを読み取ることが教師としての力になり、また、違いがあることを知り、違いを受け入れ、子供に知らせる先生になって欲しいとも話されました。一人一人の子供を大切にしたい先生の姿です。     先生は、受けもつ学年に合った学習の目標と内容を把握します。そして授業を計画し、実施すると、その成果としてどのような力がついたか、自分の授業はどうだったかを振り返り、よりよい指導ができるよう改善しようとします。そうした繰り返しにより、自分が高まります。また、片付け中の版画の用具から生き物の形を見付け表した子供の姿で授業時間以外でも学ぶことを示されました。   いろいろな場で子供の学びに出合うことが先生の楽しみであり、子供に答えを教えるのではなく、子供が自分で学び答えに辿り着けるように支えることが先生の仕事だとのことです。先生は大学で学んだことを基に、学校の先生という集団の中で成長します。教育者である先生は、分からないことを教え合い、一緒に考えることができる、学び合う仲間だとおっしゃいました。自分も自分の人生も大切にする先生の姿です。   続いて、高校生や保護者のみなさんが心配されている先生方が働きやすくなるようにすることについて、文部科学省の資料を基に近い将来の取り組みを紹介され、最後に「先生の仲間としてみなさんをお待ちしています」との言葉で講演を終えられました。   「学校の先生をしている畿央大学卒業生の話を聞こう」 【第2部】ディスカッション「学校の先生をしている畿央大学卒業生の話を聞こう」 14:00〜14:40   初めに、先生になって9年目の金沢 千穂先生のお話です。   先生の仕事として、学校生活で最も長い授業時間を楽しいものと工夫すること、子供のことを理解して正しい方向に導くこと、心がけているとのことでした。先生としての喜びでは、子供が自分の信念を理解し行動できるようになることを挙げられました。言葉がなくとも通じ合えるようになるとおっしゃっていました。苦労していることとしては、専門的な知識が少ないことで専門性を高めて先生としての厚みを身に付けたいと話されました。   子供をよく見るとともに自分は明るく振る舞うことを大事にし、将来の社会に貢献する子供を育てることが自らの社会人としての貢献であるとのお話で終えられました。   次に、先生になって16年目の金石考弘先生です。   フロアのみなさんに「好きな教科はありますか」と呼びかけられ、お話を始められました。全ての教科を教える小学校の先生も、一つの教科を専門的に研究でき、その活動を通して他の地域の先生や校園種の違う先生方と交流するなど素敵な場面に出会え、教科の専門性をもつことが先生としての強みになるとお話され、専門にしている図画工作科の授業で、子供の「うれしそうな姿」「挑戦している姿」「成長している姿」を紹介されました。   子供の「先生のこの教科の授業が好き」、卒業生の「先生のこの授業憶えている」「今も作品を家に置いている」との言葉が喜びと話されました。     最後のプログラムはフロアからの質問に岡田京子先生、金沢千穂先生、金石考弘先生が答えるトークコーナーです。   初めの質問は「どうして小学校の先生になったのですか」それぞれに答えておられましたが、みなさんが先生になりたい強い希望をもっていたわけではなく、様々な思いやつながりの結果先生になっていることが分かりました。   「大学生活をどう過ごせばいいですか」には、学習も大事だが学生時代にしかできない趣味や旅行を楽しむことも大事だとのこと、自分の経験から答えてられました。   保護者の方からの「今以上に学校を楽しく過ごせる場所にできますか」との質問には、子供に関わる人が責任を押し付け合うことなく、分かり合い協力し合う努力をすれば楽しくすることは可能との答えがありました。   10分の休憩を挟んでの90分はあっという間に過ぎました。 最後に主催から「人がいる限り、教育は必要です。そして先生がいなくてはいけません。皆さんのように、将来の自分を先生に夢見ている人たちを私達は待っています。」と伝え、全てのプログラムを終えました。     畿央大学現代教育研究所 現代教育学科 教授 西尾 正寛   【関連リンク】 「ほら、先生ってステキ」未来を育てる学校の先生になろう!~現代教育研究所主催 | 畿央大学

2025.07.28

「NCPR(新生児蘇生法)Aコース」を受講しました!~ 助産学専攻科

助産学専攻科学生10名が2025年7月20日(日)に新生児蘇生法「NCPR Aコース」を受講しました。「NCPR Aコース」とは、新生児蘇生法「専門」コースのことで、出生時の新生児蘇生が必要な状況をアルゴリズムに沿って評価・判断し、人工呼吸や胸骨圧迫などの有効な介入を実践できる知識と技術を習得することを目的としています。   講習はまず、プレテストからスタートしました。これまでに行った事前学習の理解度を確認するためのもので、自分の知識を整理し課題を明らかにするための機会となりました。その後、テキストに沿って講義が行われ、新生児の状態評価や蘇生のアルゴリズム、手技のポイントなど、理論的な基礎をしっかりと学ぶことができました。     その後、実習室に移動し、実技演習が行われました。実際の医療機器やシミュレーターを用いて、バッグバルブマスクによる換気、心臓マッサージ、気道確保の方法などの基本手技を繰り返し練習しました。最初は戸惑う場面もありましたが、丁寧に教えていただきながら繰り返し行うことで、少しずつ手技を獲得しました。   続いて、ケースシナリオに基づく演習も実施されました。事例に沿って、赤ちゃんの状態を評価しながら、アルゴリズムに沿って診断・判断・処置を進めていくという実践的な内容でした。学生同士で事前に役割を決めて時間を計測しながら行うことで、臨床現場で求められる迅速な対応力やチームワークの大切さを強く実感することができました。     最後には、ポストテストが行われました。講義と実技で学んだ知識や技術をもとにテストを受けました。緊張感がありましたが、事前学習や講義内容を振り返り、学びを活かしながら受験することができました。   今回のNCPR Aコースの受講を通して、知識や技術の習得だけでなく、「新生児の命を守る責任」を改めて実感する貴重な機会となりました。この学びを、今後の臨地実習や将来の助産師としての実践の中でも活かしていけるよう、日々の学習や練習を大切にしていきたいと思います。   助産学専攻科 谷山 優希、土橋 美月 関連記事 骨盤ケアから学んだ、母子へのフィジカルサポートの大切さ ~ 助産学専攻科 産婦人科医に学ぶ超音波診断法「助産診断技術学Ⅰ」~ 助産学専攻科 児童養護施設「飛鳥学院」を見学! ~助産学専攻科 令和7年度近畿地区助産学生交流会に参加しました!~助産学専攻科