2022年3月の記事
2022.03.23
第36回日本助産学会でポスター発表!~助産学専攻科
2022年3月19日(土)・20日(日)、第36回日本助産学会学術集会「ウィメンズヘルスを始点とする助産ケア」がオンライン開催されました。 この学会で、先日修了したばかりの助産学専攻科の学生が専攻科で学んできた「手作りのMy胎児人形・臍帯胎盤・乳房を用いた学修」について、学生ポスター発表を行いました。 助産学専攻科の10期生は、コロナ禍で遠隔講義が多くなり、技術演習をリモートで講義するための教材として、学生が在宅で技術練習できる手作り教材(胎児人形・臍帯胎盤・乳房づくり)に取り組みました。 専攻科の演習や臨床実習で、胎盤娩出や分娩介助の練習をするときに何度も繰り返し使用しました。どれも、安価で身近にある材料で作れます。 臍帯は、実際に切ることができるため、実物に近い形で練習できます。胎児人形は、骨盤模型を固定して在宅ワークでも分娩介助の練習をしたり、内診時の先進部の位置を確認するなど大いに活用できました。 【学生の感想】 私達がこの1年活用してきた手作り教材を他大学に紹介できたことを嬉しく思います。また、他大学の発表を聞き、コロナ禍でも試行錯誤して学びを深められている姿に感銘を受けました。よって、今後の助産師活動においても様々な制限があるかもしれませんが、学び、考えることを続けていきたいです。 助産学専攻科 木村優見・辻本詩織 【関連記事】 新生児蘇生法(NCPR)Aコース講習会を受講しました!~助産学専攻科 第10回助産学専攻科事例研究発表会を開催しました。 災害時の行動をロールプレイで学ぶ「地域母子保健論」~助産学専攻科 マタニティヨガ・ベビーマッサージの特別演習~助産学専攻科
2022.03.23
畿央大学付属広陵こども園の園児のためのスツール(椅子)完成!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」
人間環境デザイン学科の1回生対象「立体表現Ⅱ」の授業では、2009年から本格的な家具づくりに取り組んでいます。 今年度からは、2023年4月に開設される「畿央大学付属広陵こども園」に入園する子どもたちのために、小さなスツールを製作しています。 前回のブログでは本番の加工に挑むまでの練習風景をご紹介しましたが、今回は完成までの全過程をご紹介します。 ▶畿央大学付属広陵こども園の園児のためにスツールを製作!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 ●脚と貫の切り出し まずは、脚4本をのこぎりで切り出します。 ▲墨線の1.5㎜程度外を慎重に切っていきます。 脚と脚をつなぐ貫(ぬき)も同様に切り出し土台の部材が揃いました。 ▲加工していく上での基準面を決め、部材がバラバラにならないように印を入れておきます。 ●脚と貫の墨入れ のこぎりで切る部分に、毛引を使って墨を入れていきます。 毛引(けびき)は木材の縁に平行な線をひきたいときに使う道具で、小さな刃で木材に傷をつけて印をつけます。 ▲ほぞ穴とほぞの部分に線をいれていきます。 ●ほぞ穴の加工 毛引で線をひき終わった部材に、ほぞ穴を彫っていきます。 ▲深さや穴を空ける位置などをしっかり確認し、電動ドリルで穴をほります。 ドリルでは彫れない部分は、のみを使い手加工で彫っていきます。 ▲引いた線にそってのみを入れていきます。ほぞとぴったりと組めるよう、垂直に彫っていきます。 脚にほぞ穴が完成しました。 ●貫の加工 脚に加工したほぞ穴にはめる、ほぞを加工します。 貫を組むために相欠き加工をしていきます。 ▲切り目をいれ、切り離す部分にのみを入れると綺麗に割れました。 相欠きした部分を組み、貫部分が完成しました。 ●脚と貫の接合 いよいよ脚を貫を組んでいきます。 ▲ほぞ穴にほぞをはめ、接着します。 ▲接着面にはボンドを塗り、しっかりと固定します。 これで土台が完成しました!!! ●座面の加工 設計図をもとに座面をつくっていきます。 バンドソーで形を切り出し、子ども達がさわっても怪我をしないよう、ヤスリでなめらかに仕上げます。 加工した座面と土台をビスで止め、クリアオイルを塗って完成です!!! 個性あふれる可愛いスツールが完成しました! 完成後は一人ひとり、難しかったところやこだわったところなど、話してもらいました。 ▲教育学部長の前平先生にもご参加いただきました。 昨年までの立体表現Ⅱの授業では、自分のために椅子を制作していましたが、今年は「畿央大学付属広陵こども園」に入園する子どもたちのために、制作しました。 『誰かのためにモノづくりをする』 この経験は、ものづくりに対する楽しさや難しさを改めて考えることができた良い機会になったと思います。 こども園で子どもたちが笑顔で椅子を手にする日を楽しみにしています。 人間環境デザイン学科 助手 中井 千織 【関連記事】 畿央大学付属広陵こども園の園児のためにスツールを製作!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 対面&リモートでマイスツールを製作!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 人間環境デザイン学科学生製作のマイスツールを学内展示
2022.03.22
令和3年度卒業証書・学位記授与式レポート~看護医療学科
2022年3月15日に看護医療学科11期生の卒業証書・学位記授与式が行われました。 ▶卒業証書・学位記・修了証書授与式レポート(全体) 卒業生と初めて出会ったのは、 4年前の新入生宿泊研修でした。それぞれのめざす将来を聞いたことを覚えています。卒業時までに目標に近づいた人、目標が変化した人、新たな目標ができた人、いろいろな人がいます。 しかし、一つ確かなことは、卒業された全員が入学時よりもずいぶんと成長されたことです。もちろん4年の歳月が経てば誰しも成長します。大学で学んだことでより大きな成長ができたものと確信しています。 今後、様々な場で活躍されることと思います。さらに数年経てば、今以上に成長されていることだと思います。そんな時に、今日のような区切りの日を思い出してみるのもいいかもしれません。 「初心忘不可(初心忘るべからず)」 卒業にあたってこの言葉を贈りたいと思います。 蛇足ながら少し説明をしますと、初心というのはそれぞれのレベルでの初心の意味だそうです。つまり、皆さんはこれから次のレベルに進むわけです。次のレベルの初心が今日の日だろうと思います。 ※撮影時のみマスクを外しています。 看護医療学科11期生 担任代表 乾富士男 【関連記事】 令和3年度卒業証書・学位記・修了証書授与式を行いました。
2022.03.08
新生児蘇生法(NCPR)Aコース講習会を受講しました!~助産学専攻科
令和4年3月2日(水)に助産学専攻科学生10名は「NCPR(新生児蘇生法)Aコース」を受講しました。 NCPR講習会は「すべての分娩に新生児蘇生法を習得した医療スタッフが新生児の担当者として立ち会うことができる体制」の確立を目的として実施されており、私たちはその中のAコースを受講しました。 このコースでは、気管挿管・薬剤投与を含めた高度な新生児蘇生法を学ぶことができます。 今回、私たちは小児科・新生児科医である「さの赤ちゃんこどもクリニック」院長、佐野博之先生に講習して頂きました。 はじめに講義を受けました。 その後、新生児蘇生に用いられる流量膨張式バッグの使い方や人工呼吸の手技、気管挿管の実践を1人ずつ行いました。次に、事例を通した演習を行い、NCPRのアルゴリズムに沿って、どのように対応するのかシミュレーションを行いました。 事前にテキストの内容を学習して参加しましたが、実際に実施してみると、状況に合わせて瞬時に判断し、行動することの難しさを感じました。演習では、実施者と介助者の2人1組のペアになり蘇生を行いました。チーム内でそれぞれの役割をもち、連携することにより、的確なケアを実施することができると感じました。 ▲人工呼吸 ▲気管挿管 前期の授業でも新生児蘇生法は学習していましたが、その時点では臨床の現場をイメージすることがあまりできていませんでした。今回、助産学実習後にNCPRの講習を受けたことで、臨床の臨場感や緊迫感を想像しながら実施することができました。自分たちの初期対応が新生児の生命を守り、救命することにつながるため、今後の臨床の場で活かしていきたいと考えます。 ※撮影時のみマスクを外しています 助産学専攻科 桑野 朋佳 寺林 香織 【関連記事】 第10回助産学専攻科事例研究発表会を開催しました。 災害時の行動をロールプレイで学ぶ「地域母子保健論」~助産学専攻科 産婦人科医に学ぶ!会陰縫合理論と縫合技術~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅱ」 熟練助産師から学ぶ分娩介助の応用「会陰保護技術と肩甲難産の分娩介助方法」~助産学専攻科 「分娩異常時の助産診断の実際(母体急変時の初期対応)」~助産学専攻科「生命倫理」 マタニティヨガ・ベビーマッサージの特別演習~助産学専攻科 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」 熟練助産師に学ぶ!母子のための骨盤ケア!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」 産婦人科医に学ぶ!超音波診断法!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」
2022.03.08
第10回助産学専攻科事例研究発表会を開催しました。
2022年3月1日(火)に「助産学専攻科10期生事例研究発表会」を行いました。 助産学実習では、1人の方を妊娠期から産後1か月健診まで継続して受け持たせていただ「継続事例」という実習があります。本年度はコロナの影響もあり殆どの学生が分娩期から継続事例をさせていただきました。 事例研究発表会では、その継続事例での学びや助産ケアなどを論文や文献を用いて振り返り、発表しました。 ▲会場の様子 ▲開会の挨拶 今回の発表会は、私たちの1年の集大成です。 それぞれが事例をまとめるだけでなく、運営方法など学生間で何度も話し合い、より良い発表になるよう力を合わせて頑張りました。 発表会には、実習でお世話になった臨床教授の先生方や、看護医療学科の2〜4回生に参加していただきました。 想像以上にたくさんの方々にご参加いただいたため、とても緊張しましたが、実習で得た学びを整理し、考えや思いが伝わるようにそれぞれが工夫をして発表を行いました。また、会の中で活発な質疑応答や実習で担当頂いた先生方からそれぞれの学生に対してご講評を頂戴し、自分たちが行った助産ケアを見つめ直すことができました。 ▲質疑応答の様子 また、事例研究以外に「めざす助産師像」についても発表しました。1年の学びを通して入学時に考えた助産師像より、より具体的なものになりました。 それぞれのめざす助産師像をご紹介させていただきます。 ★学生それぞれのめざす助産師像★ それぞれの課題は残りますが、助産学専攻科での1年間の学びを糧に、4月から助産師としてそれぞれの新しい道で邁進していきたいと思います。 最後に、実習を通し、学生の受け持ちを快諾していただきました妊産褥婦の皆様、新型コロナウイルスの影響も大きい中で実習を受け入れてくれて下さった病院施設の皆様、温かく熱心にご指導いただきました臨床指導者様、臨床教授の皆様に心より御礼申し上げます。 助産学専攻科 10期生 中田 萌香 安田 悠未 ※撮影時のみマスクを外しています 「めざす助産師像」は、学生が描いた自分のなりたい助産師像です。 入学時から助産師像を意識しながら講義、演習、助産学実習を学修する過程で、様々な体験から自己と向き合い、助産師としてのアイデンティティを育んできました。本日は、その集大成として助産師像の発表となりました。 学生の成長は、継続産婦様との出会い、臨床指導者や臨床教授の皆様が、学生に寄り添い丁寧にご指導をして頂いた賜であり、感謝申し上げます。 助産学専攻科 教員一同 【関連記事】 災害時の行動をロールプレイで学ぶ「地域母子保健論」~助産学専攻科 産婦人科医に学ぶ!会陰縫合理論と縫合技術~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅱ」 熟練助産師から学ぶ分娩介助の応用「会陰保護技術と肩甲難産の分娩介助方法」~助産学専攻科 「分娩異常時の助産診断の実際(母体急変時の初期対応)」~助産学専攻科「生命倫理」 マタニティヨガ・ベビーマッサージの特別演習~助産学専攻科 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」 熟練助産師に学ぶ!母子のための骨盤ケア!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」 産婦人科医に学ぶ!超音波診断法!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」
2022.03.08
災害時の行動をロールプレイで学ぶ「地域母子保健論」~助産学専攻科
令和4年2月14日(月)、「地域母子保健論」の授業の中で災害発生時の助産師の対応についてシミュレーションを行いました。 私たちの中で、災害として印象にあるのは東日本大地震です。テレビで度々重なる余震や家ごと巻き込む津波の映像を見て胸が苦しくなったことを覚えています。そして、その後も熊本地震、大阪北部地震、その他にも洪水などの災害が日本では頻繁に起きています。 今までは一市民としてどのような対策や避難をすればよいのかについて考えていましたが、今回の授業を通して、これからは専門職者として患者さんや地域の方々を助ける側になるのだという責任感を感じました。そのため、これまでの災害および今回の授業を通して得た経験から、早くに避難すること、避難するにあたって事前に避難グッズを用意しておくこと、家族などと避難時の動きについて確認しておくことが重要であると考えました。 演習では、まず、病棟内で地震が発生した場面を想定し、医療者側と患者側に分かれて、それぞれの役割を決めました。そして、決められた役割のアクションカードに基づいて、それぞれが地震発生時にどのような流れで動き、患者およびスタッフを避難させるのかについてグループワークを行いました。 午後からは、それぞれのグループで考えた行動を実際に行ってみて、医療者側と患者側それぞれの立場から感じたことを全員で振り返りました。 ▲医療者側はアクションカードを確認しながら、リーダーへ報告 ▲スリングタイプの災害時新生児避難具を使って避難準備をしています シミュレーションおよび振り返りを通して、助産師は地震が発生した際にはすぐにそれぞれの役割を理解して、効率よく安全に避難できるように協力しあうことが必要であると学びました。 また、患者側の立場を体験したことで、医療者からのこまめな声かけや丁寧な説明により妊産褥婦は不安が軽減し、安心感につながることが分かりました。 また、「避難所で分娩が開始してしまったという設定」で、助産師、看護師、避難所の管理者、避難所に避難していた人など、みんなでそれぞれの役割を考え、避難所にある限られた物品の中で分娩介助の実施、サポートをする演習を行いました。 母児の安全を最優先に考えながら、避難所という公共の場でもプライバシーに配慮した分娩を行うことについて、それぞれの役割のもとで意見交換をし、学びを深めました。 避難所のように、分娩の環境が整っていない場所でお産に関わることも十分に考えられます。そのような場合に備えて、助産師としてどんな分娩体位にも対応できる力を得ておくことが大切であると学びました。 普段の生活の中で、災害について意識をすることが少なかったですが、今回の演習の中で医療者の立場に立って考えたことで、日頃からの準備と訓練が、災害時に命を守る、円滑で安全な行動に繋がるということを改めて考える機会になりました。 助産学専攻科 川﨑 祐衣・安田 悠未 【関連記事】 産婦人科医に学ぶ!会陰縫合理論と縫合技術~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅱ」 熟練助産師から学ぶ分娩介助の応用「会陰保護技術と肩甲難産の分娩介助方法」~助産学専攻科 「分娩異常時の助産診断の実際(母体急変時の初期対応)」~助産学専攻科「生命倫理」 マタニティヨガ・ベビーマッサージの特別演習~助産学専攻科 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」 熟練助産師に学ぶ!母子のための骨盤ケア!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」 産婦人科医に学ぶ!超音波診断法!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」
2022.03.04
1年次配当「小学校一日見学」を実施しました~現代教育学科
今回実施した「小学校一日見学」は畿央大学教育学部が独自に設置し、主に3回生で「小学校教育実習」「養護実習」を履修するための必修の科目で「早い時期に学校の現場を経験すること」をねらいにしています。 平成22年度より新たに開講した「小学校一日見学」は大阪教育大学附属小学校と大阪教育大学のご厚意により、平成30年までは附属天王寺小学校、翌年からは附属平野小学校(以下、平野小学校)で受け入れて頂いてきました。例年は学校を訪問し、午前中4時間の授業参観、午後は副校長先生による教職をめざす学生のための講話、そして1日を振り返るレポート作成というプログラムを実施してきました。一昨年春からの新型コロナ感染拡大に対応するため、昨年は初めてオンライン形式での実施となり、今回も同様の実施となりました。 報道されているように現在は児童生徒への感染が拡大し、どの学校現場でも学級閉鎖や休校せざるを得ない状況が起こり、先生方は児童生徒と先生方ご自身の健康を守りつつ教育活動に取り組んでおられます。平野小学校も例外ではありませんが、大変なご苦労下にも関わらず、今年度も畿央大学の学生のために「小学校一の意を抱きながらこの日を迎えました。 履修学生は実習に臨む身だしなみで9時30分に大学の大教室に集合。距離を取れるよう指定した座席に着席しました。事情により出席がかなわなかった学生にはオンラインで受講できる環境を提供しました。 初めに「小学校一日見学」の目的、流れ、受講についての注意事項の後、動画による授業見学に取り組みました。3年生の算数「間の数」の2時間目です。 45分の授業は「前の時間はどんな学習をしましたか」「どんな問題を解きましたか」との問に児童が答えるやり取りから始まります。そして、先生に席を立って「前に倣え」をするよう促された児童は「並んでいる人数と間の数」の関係を自分たちの身体で感覚的に捉えることにより学習の課題に出合いました。 先生が話す内容は端的で場面は短かめ、児童が考える時間や話し合う機会は十分に取るなど児童主体の学習が進みます。学習の記録や発表にコンピュータや液晶パネルを使う場面も見られ、小学校の現在進行形の授業を参観できました。 後半は平野小学校副校長の岩﨑千佳先生の講話です。 「皆さんにとって『よい教師』とは」との問いかけに学生が考えることから始まりました。岩崎先生はご自身の経験と教育実践から「子どもから学ぶことができる人」「子供を尊重できる人」と話され、平野小学校の1学年が学ぶ姿で解説されました。 平野小学校では文部科学省から研究指定を受け、10年後の教育を見据えて開発している新しい科目「未来そうぞう科」があります。その1年生が、動物を飼うことをめざして、柵をつくることから始まった学習です。 飼いたい動物を子供に聞くと、クマ、アリクイ、ゾウ、ツキノワグマなど思い思いの動物を発表します。子供の素直な思いは大人には無理なことに思えることが多いのですが、それを大人の視点で否定せず、子供が考え、実現可能な計画を検討し、ポニー(ミニチュアホース)の飼育を実行するに至るプロセスを画像や動画を使って解説して頂きました。もちろん1年の児童と担任の先生だけでできるわけではなく、担当教員による検討、職員会議での状況報告、保護者の理解と協力、必要な業者の方の力も得て進む学習は全て児童が自分の思いを実現するために必要な活動を自ら考え実行すること、その過程で自分たちの力になってくれる大人がいることを実感できるようにすることをめざして進みます。 児童主体の学習は児童が自分の思いだけで進むのではなく、子供を取り巻くたくさんの大人の陰の支えによって実現することを学生は実感できたことと思います。 ■報告の最後に、学生による振り返りのレポートを抜粋して紹介します。 (文章には言葉の使い方などで、やや訂正を加えているものがあります) ・印象的だったのは、問題を解くときに友達と話しながら考える子もいれば、一人でする子もいて、それを先生が注意しなかった点です。子どもたちが真剣に取り組んでいれば、方法はある程度自由でいいのだと考えました。 ・子どもたちが授業の内容に興味関心をもてるようにするには、実際に体験したり身近な話題と結びつけて授業を行うことを学んだ。子供たちに「前に倣え」を急にさせることで、なぜ「前に倣え」をさせられたのか、今日の授業とどんな関係があるのかなど子どもが関心を高めている姿が見られた。 ・今回の小学校一日見学は、私が想像していた小学校とは異なることが多いと感じた。まず、授業では「めあて」や「まとめ」を子どもたちの意見を反映させていることや話し合う機会が多くとられていることだ。私は「めあて」や「まとめ」は先生が決めていて、発表の機会はあっても話し合いの時間はあまりないというのが小学校の授業の印象だった。しかし、視聴した授業では、常に子どもたちの考えが飛び交っていて活発な授業だと感じた。 ・今回のお話の中の「ポニー」を飼うというのは不可能なことで、最終的には飼えなかったというお話かなと思っていたのですが、子どもの意見を尊重して、きっと様々な大人の事情があった中で、実現させていたのが、とてもすごいなと思いました。小学校の先生のお話を聞くという機会は今までにあまりなかったため、授業で学んでいることを実践することがどういうことなのか、具体的に想像することができました。 ・岩﨑先生が仰った「自分自身を磨く」「あなたがあなたらしくいる」ことの重要性は、文字だけでは分からなかったのですが「自分で自分を信じられないのに子供に信じられるわけがない」という言葉がすごく染みました。 ・講話を聞いて、もう一度理想のよい教師について考えてみようと思った「誰のため」なのか、「誰にとって」なのかを考えていなかった。実際に教師になった時に、きちんと「子どもから学ぶ」ということができるのかも不安だ。しかし、今日の学校一日見学で見せてもらった授業や、講話から「子どもの意見を尊重する」ということを大切にしようと思った。 【関連記事】 小学校1日見学、2020年度はオンラインで開催!~現代教育学科 小学校1日見学に145名が参加!~現代教育学科 大阪教育大学附属池田小学校を訪問し、「安全で安心できる学校づくり」を考える~現代教育学科 小学校1日見学に159名が参加!~現代教育学科 1回生が大阪教育大学附属池田小学校を訪問!~現代教育学科 小学校1日見学に134名が参加!~現代教育学科
2022.03.03
「4回生に何でも聞いてみよう」オンラインミーティングを開催!~看護医療学科
看護師国家試験を終えた4回生から 大学生活について質問できる オンラインミーティングを実施! 新型コロナウイルス感染防止対策の影響から、部活動やサークル等の課外活動が制限されることもあって、以前と比較すると学生同士が学年を越えてつながることが難しくなっています。 これまでであれば、先輩に聞くことで解消できていた疑問や不安も、同学年だけのつながりでは解消できず「先が見えない状況」に漠然とした不安を感じている学生が多いように見受けられます。 そこで、基礎看護学領域では、これからの大学生活に関する疑問や不安を、先輩にざっくばらんに質問して軽減することができれば…と、看護師国家試験を終えた4回生4名の協力を得て「4回生に何でも聞いてみよう」オンラインミーティングを企画しました。 1回生と3回生合わせて20名が参加し、1回生からは、実習への準備や普段の学修方法について、3回生からは国家試験勉強や就職活動について、それぞれに具体的な質問がありました。 4回生は、うまくいった体験はもちろん、失敗談も交えながら親身になって回答していました。また、国家試験の勉強法については、実際に使用していた参考書やノートのまとめ方の工夫点も紹介してくれました。 参加した学生からは、以下のような感想がありました。 「これから先のことを考え、自分はやっていけるのかなあと不安に思うことがいっぱいあったのですが、先輩方の話を聞き、コツコツと楽しく頑張っていこうと思いました。」 「SNSなどで看護学生向けの情報を見ていても焦るばかりでしたが、先輩方からこの時期にこういうことしていたよということを直接聞けたことで少し安心しました。」 「たくさんのアドバイスを聞くことができてよかったです。他の学生の質問を聞くことでも、不安に思っているのは自分だけではないのだと感じて、不安が少し解消されました。」 「国試や就活についてイメージできていない部分が多かったため、先輩方からお話を聞き、自分の中でどのように進めていけば良いか考えることができました。」 4回生からは 「今、学修していることに無駄なものはないこと」「今、苦しい思いをしていても、必ず将来の自分のためになること」「仲間と協力して乗り越えていくことが大切」といったメッセージがありました。 4月からはそれぞれの学生が新たな局面を迎え、また新たな課題に直面することかと思います。苦しくなった時には今回のメッセージを思い出して、ひとつずつ乗り越えていってほしいと思います。貴重な体験談を語ってくれた4回生のみなさん、ありがとうございました。 看護医療学科 基礎看護学領域 林 有学・須藤 聖子・小林 智子・中西 恵理
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