2021.08.02
「服飾史」授業レポート~人間環境デザイン学科
人間環境デザイン学科3回生の「服飾史」の集中講義がスタートしました。
この授業では、昔から今日にいたるまでの服飾の変遷を学びます。そして、服飾のはたした機能を知り、その変化の意味を理解することを目標とします。日本服飾史・西洋服飾史・下着の変遷等、各分野の専門の先生にご指導いただきます。
第1回目~5回目は、西洋服飾史の授業です。神戸ファッション美術館学芸員の中村圭美先生にご担当頂き、18世紀から現代までの西洋服飾スタイルについて学びました。
学内での授業では、画像や映像を使って西洋服飾史についての講義をしていただきました。服飾史には、その時代の歴史背景が深く結びついている事、また名前を聞いたことのある有名ブランドのスタイルについても解説していただきました。
▲7月20日の講義風景
2021年7月24日(土)は神戸ファッション美術館で講義を受けました。
はじめに、普段入ることの出来ないファッション資料室で、美術館のコレクションをご紹介していただきました。
昔の手書きのテキスタイル図案などを実際に手に取り、中村先生の説明を聞きました。
西洋のボタンやリボン、レースなどのコレクションや、神戸ブランドファミリアのコレクション、港の町神戸ならではの軍服のコレクションにも触れることができました。目で見て、手に取り、触れることで当時の技術の繊細さを感じることが出来ました。
棚には軍服や有名ブランドのコレクションが並んでいます。着用できませんが、触れることで素材感を確かめることができました。
また、美術館では現在、『ドレスコレクション展「スポーツの祭展@神戸ファッション美術館」』としてコレクション展示がされています。講義で紹介していただいた各時代のドレスを着たマネキンが、現在でもなじみのあるスポーツを楽しんでいる様子が展示されていました。
当時は実際にこのようなドレスを着てスポーツを楽しんでいたそうです。また、360度全方向から見ることが出来るので、写真だけでは分からないドレスの広がり方や動き方が分かりました。
18世紀~19世紀に作られた衣装は、200年近く時がたった今でも擦り切れや色褪せはなく、驚くほど綺麗な状態で展示されていました。今と同じように、当時にもその時代の「流行り」があり、ドレスのデザインから装飾、髪型やお化粧まで再現されています。ミシンなどの機械がない時代にこんな技が出来るのかと驚くものばかりでした。
▲18世紀~19世紀の人々が時空を超えてコラボレーションし、スポーツを楽しむ様子
中村先生に分かりやすく解説していただきながら見学することで、時代ごとに少しずつ変化していくスタイルを学ぶことができました。思わず「可愛い!」と声に出るデザインや装飾を見ていると、時代は違えども、人の好みは共通しているのだなと実感しました。
中村先生、神戸ファッション美術館の皆様、普段の座学では経験できない貴重な機会を作っていただきありがとうございました。お話を聞き、自分の目で見て作品に触れることは、一生忘れることのない学びに繋がります。
特別に見せていただいたたくさんの作品、資料を忘れることなく、1年後の卒業研究に活かしてほしいと思います。
服飾史後半は、日本服飾史、下着の変遷についての講義です。西洋の文化との違いや共通点、現代の私達にどのように繋がっているのか、お話を聞くのが楽しみです。
人間環境デザイン学科 助手 小松智菜美
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