2021年7月9日の記事

2021.07.09

トルコからの留学生Burcu Dilekさんの研究成果が国際雑誌「Clinical EEG and Neuroscience」に掲載!~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

2019年5月~8月に畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター(以下、ニューロリハ研究センター)へ短期留学していたBurcu Dilekさんとの共同研究が国際雑誌Clinical EEG and Neuroscienceに掲載されました。 この研究は、ヒトが痛みを怖がっている時の脳波活動を記録・解析したもので、痛みを怖がると運動プログラムが破綻することが明らかになりました。この研究は、留学中に計画・実施したものであり、その成果がこのように公表されることを嬉しく思います。 ちなみにBurcu Dilekさんは畿央大学へ留学する前にトルコで「運動をイメージするリハビリテーション」の研究をしており、痛みを有する患者さんに運動をイメージさせると痛みが低減することを明らかにしていました。 【参考】Dilek B, Ayhan C, Yagci G, Yakut Y. Effectiveness of the graded motor imagery to improve hand function in patients with distal radius fracture: A randomized controlled trial. J Hand Ther. 2018 Jan-Mar;31(1):2-9.e1.) 2019年の留学では、そんな彼女自身の研究経緯と、畿央大学のアイディア・研究設備が見事に相互作用して、良い研究成果が生まれたのだと思います。とはいえ、Burcu Dilekさん自身は脳活動の計測は初めてのことだったようで、非常に苦労しました。実際には、畿央大学で計測したデータをトルコで解析して、解析して、そして解析して....の繰り返しでしたが、持ち前の好奇心、行動力でそれらを乗り越えてくれました。留学から2年間が経ちますが、ここまで継続した努力に敬意を表したいです。彼女の今後の活躍を楽しみにしています。 【留学時の様子】 畿央大学に短期留学中のトルコ人研究者にインタビュー!後編~ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学に短期留学中のトルコ人研究者にインタビュー!~ニューロリハビリテーション研究センター トルコ人研究者に日本や理学療法のあれこれを聞いてみた!~Burcu Dilekさんロングインタビュー  ちなみに、現在は、トルコのトラキア大学(Trakya University)のHealth Science Faculty Occupational Therapy Departmentに助教として勤務しているようです。そんな彼女のコメントと現在の写真が届いていますので、紹介させていただきます。  【Burcu Dilekさん コメント】 When I first visited the laboratory, which was established under Prof. Morioka's leadership, I was very excited and also motivated that I should work with the team. His team's research areas were very unique to me. All of them were talented and well-equipped scientists in their fields. Dr. Osumi helped to design the study in line with his experiences. Dr. Nobusako supported me in other technical and hardware aspects. Other employees of Kio University always had a smiling face and always found a solution when I had any problems. I quite adopted the study subject proposed to me and in the following periods, I want to continue working in this research area with Prof. Morioka's team. I am very happy that all our efforts have paid off. I want to thank all the staff of Kio University, especially Prof Morioka, Dr. Osumi and Dr. Nobusako. 森岡教授のリーダーシップのもと設立されたニューロリハ研究センターを初めて訪問した時、とても興奮して「このチームと一緒に働くべきだ」と意欲を掻き立てられました。研究分野は私にとって非常にユニークで、全員が各分野で才能にあふれ、かつ専門的な知識をそなえた研究者した。大住准教授はご自身の経験に沿って研究のデザインを手伝ってくださいました。信迫准教授はその他の技術的・ハード的な面で私をサポートしてくださいました。畿央大学の他の教職員もいつも笑顔で、問題に直面した時には必ず解決策を見つけてくれました。提案された研究テーマをかなり採用しましたし、今後も森岡教授のチームと研究を続けていきたいと思っています。私たちの努力が報われてとても嬉しく思っています。畿央大学のすべてのスタッフ、特に森岡教授、大住准教授、信迫准教授に感謝いたします。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 健康科学研究科 准教授 大住 倫弘 【論文情報】 Dilek B, Osumi M, Nobusako S, Erdoğan SB, Morioka S. Effect of Painful Electrical Stimuli on Readiness Potential in the Human Brain. Clin EEG Neurosci. 2021 Jul 2:15500594211030137.