畿央大学の教育・研究・キャンパスライフをリアルタイム配信!

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畿央大学×地域連携

2019年5月27日(月)

こんにちは!健康支援学生チームTASK、理学療法学科2回生の春木彩那です。平成31年4月20日(土)に畿央大学の体育館で20歳~60歳までの地域住民の方を対象にした「広陵町身体体力測定会」を行いました。

 

TASKThink,Action,Support,for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を超えながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。

 

TASK「広陵町身体体力測定会」1-1

 

この測定会は、畿央大学と広陵町が連携して行っている「広陵町×畿央大学KAGUYAプロジェクト」の一環として、年に2回実施されるものです。測定内容は体組成・骨密度・血管機能・腹囲・握力・長座体前屈・ファンクショナルリーチテスト・立ち上がり歩行測定・足趾握力・膝伸展筋測定です。

 

今回の測定では、10月の測定に参加してくださった方や初めて参加された方合わせて100名くらいの方に参加していただきました。皆さんの結果はどうだったでしょうか?

 

TASK「広陵町身体体力測定会」2-1

▲ファンクショナルリーチテスト

 

TASK「広陵町身体体力測定会」3-1

▲足趾握力(足の指の握力)の測定

 

TASK「広陵町身体体力測定会」4-1

▲膝伸展筋測定

 

今回私は、握力と長座体前屈の測定を行いました。長座体前屈では私自身が硬いので結果が伸びない話をしていると住民の方に「腰を折るように曲げるといい」と聞いたので、これから測るときは意識するようにしようと思いました。地域の方々とコミュニケーションをとる機会は少ないのでとても貴重な経験になりました。半年後に地域の皆様にお会いできることを楽しみにしています!

 

TASK「広陵町身体体力測定会」5-1

▲最後は恒例みんなでTASKのTポーズ!

 

理学療法学科2回 春木彩那

 

●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。

「広陵町×畿央大学KAGUYAプロジェクト」

2019年5月24日(金)

山添村のへき地実習でコミュニティナースの役割について学びました

 

 

看護医療学科4回生の必修科目である「離島・へき地医療体験実習」の現地実習が2019年5月14日(火)~5月16日(木)の3日間で行われ、学生たちは奈良県内4か所の実習地にわかれて参加しました。そのうちの1か所である山添村には24名の学生が参加しました。地域の方々、山添村役場保健福祉課、2カ所の村立国保診療所をはじめとする村内各機関のみなさまのご協力のもと、素晴らしい実習ができました。特に、コミュニティナースについて、多くを学ぶことができました。3日間の様子をご報告いたします。

 

1日目(514日)

初日は、山添村の保健医療の概況を知ることから始めました。山添村役場保健福祉課の前川課長と社会福祉協議会の浦局長から山添村の概況や健康課題のお話をお伺いしました。

 

離島・へき地医療体験実習(山添村)1-1

 

その後、バスで村内を移動し、コミュニティナースの荏原さんより村内を案内していただきながら日常の活動についてお伺いしました。あいにくの雨だったので、観光スポットでもある「めえめえ牧場」で羊とたわむれることはかないませんでしたが、井久保工房にお邪魔して昼食をいただきました。

井久保さんは退職後、子どもを対象とした木工体験を行っていらっしゃいます。村民の方にあたたかく迎えていただき、木の温もりを感じながらほっこりとした時間を過ごしました!

 

離島・へき地医療体験実習(山添村)2-1

 

午後は、東山診療所と波多野診療所を見学しました。

村の医療の現状や、隣接している市の医療機関の先生方と顔の見える関係を築き、連携しながら医療を提供していることや、必要に応じて往診を行い地域に密着した活動を行っていることをお聞きしました。水口先生、大久保看護師に講話を行っていただき、山添村へき地医療について学びを深めることができました。ご協力感謝いたします。

 

 

離島・へき地医療体験実習(山添村)3-1-side

 

2日目(5月14日)

2日目は、お茶摘みや農業体験、地域の活動や集会に参加させていただき、山添村の方々の仕事や日々の暮らしを伺い交流を深めました。

 

山添村は古くからの大和茶の産地です。保育所跡地を活用した「かすががーでん」ではお茶摘み体験をさせていただきました。斜面いっぱいに広がる緑の中で「一芯二葉」のやわらかいお茶っ葉を一枚一枚摘んでいきます。摘んだ茶葉は釜煎りし、3日目の骨密度測定会に来てくださった地域の方々に召し上がっていただくことにしました。

昼食は、地域の伝統食であるフキ俵や、その場で調理してくださった旬の野菜をおいしくいただきました。このフキ俵は、学生自身にも包む体験をさせてくださり、よい体験となりました。

「かすががーでん」では、県外の人に向けた地域活性化のイベントも積極的に行っていました。

 

離島・へき地医療体験実習(山添村)5-1-tile

 

お昼からは、各班に分かれ農作業体験や、特定非営利活動法人どうで、地域の女子会での交流、ガソリンスタンドではコミュニティナース疑似体験をしました。

 

離島・へき地医療体験実習(山添村)9-1-side

▲(農業体験)元気に育ってね! 愛情をこめて育てています。

 

離島・へき地医療体験実習(山添村)11-1-side

▲写真左:(どうで)人生初の巻き割り! 写真右:(女子会)初対面とは思えない盛り上がり!

 

離島・へき地医療体験実習(山添村)13-1

▲(農協ガソリンスタンド)ここは幅広い年代のお客さんが声をかけてくれます。コミュニティナースの活動拠点です。 

 

山添村で暮らす方々の生活や思いを肌で感じ、病院実習だけでは経験できない学びができた貴重な一日となりました。ご協力いただきました皆様方、本当にありがとうございました。

 

3日目(5月16日)

3日目最終日の午前中は学生が準備に最も時間をかけた骨密度測定会が公民館で実施されました。

測定会では、骨密度のほかに足趾力、握力も測定し、百歳体操を住民の皆さんと一緒に行いました。測定会は前日の宣伝もあり、34名の方々に来ていただきました。測定会場に設けた休憩コーナーでは、2日目に学生が摘んだ手もみ新茶がふるまわれ、好評を博しました。

 

離島・へき地医療体験実習(山添村)14-1-down

 

コミュニティナースの活動のお話を聞いたのち、お昼は山添村で営業されているレストランにお願いしたお弁当をいただきました。

 

離島・へき地医療体験実習(山添村)16-2-down

 

午後に訪問した児童館では、館長さん自ら手書きの色紙で温かく迎えていただきました。村内には下校後、自宅で一人になる子供が少なくなく、小学生47名、保育園児1名が現在利用しています。村内の子供の数は減っていますが、児童館の利用数は増えているという現状です。児童館は子供の居場所であり、社会性を育む場として重要な役割を担っていることを学びました。

 

離島・へき地医療体験実習(山添村)18-1

 

離島・へき地医療体験実習(山添村)19-1

 

3日間のへき地実習で学生たちは多くのことを学びました。今後、看護職に就いた後もこの経験は役に立つと思います。

最後になりましたが、この実りある3日間の実習のために多くのご協力を賜りました関係者の皆様、地域の皆様に深く感謝いたします。

 

看護医療学科 准教授 文鐘聲 堀江尚子

 講師 田中陽子 助手 髙橋朝江

 

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2019年5月20日(月)

宇陀市の高齢化に伴う医療・介護の課題に向き合うことができました!

 

看護医療学科4回生の必修科目である「離島・へき地医療体験実習」の現地実習が2019年5月14日(火)~5月16日(木)の3日間で行われ、学生たちは奈良県内4か所の実習地にわかれて参加しました。そのうちの1か所である宇陀市大宇陀地区には20名の学生が参加しました。地域の医療職や介護職の方々、交通の便が悪い山中にお住いの高齢者の方々に多大なご協力を得て、たくさんの体験や感動、学びがありました。その様子を報告させていただきます。

 

1日目(5月14日)

朝から小雨の降る中、学生は宇陀郡曽爾村と大宇陀地区に分かれて実習に向かいました。曽爾村では2名の学生が、奈良県看護協会宇陀訪問看護ステーション東宇陀支所の訪問看護師さんに同行し、限界集落で疾患を持ちながら生活されている高齢者の訪問看護を見学しました。大宇陀地区に向かった学生18名は、まずこの実習の拠点となる大宇陀特別養護老人ホームラガールに向かいました。ラガールは1999年に開設された特別養護老人ホームで、玄関を入るとすぐに開放感のある広いホールが広がっています。大きなこいのぼりも私達を出迎えてくれました。

 

離島・へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)レポート1-1

 

ラガールでは乃美施設長が、宇陀市の高齢化に伴う医療・介護の課題や行政との連携などを踏まえた地域全体での高齢対策の取り組みをわかりやすく説明してくださいました。また、へき地における高齢者施設としての役割や目標についても明確に提示して頂き、学生は真剣な表情でメモを取っていました。

 

離島・へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)レポート2-1

▲ラガール・乃美施設長の講義の様子(左)と訪問記念写真(右)

 

施設長の説明の後は、ラガールのデイサービスを利用しておられた皆さんに対して、生活調査や体力測定をさせていただきました。

 

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午後からは、訪問入浴に同行するグループ、引き続きデイサービスで体力測定などを行うグループ、高齢者の自宅訪問をするグループに分かれて実習を行いました。

デイサービスに残ったグループは、利用者さんと一緒に理学療法士の方が行う体操に参加した後、自分達で準備した食生活の話や歌詞抜きカラオケ、ズンドコ体操などを披露し、利用者さん達との交流を深めました。

 

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高齢者の自宅訪問グループは、2件のお宅にそれぞれ4人ずつ伺い、へき地で暮らす高齢者の生活状況を見聞させていただきました。

1件のお宅は、独居暮らしの90歳代の女性でした。よく片付いて掃除の行き届いたお宅は、「2人の嫁が月ごとに交代しながら、毎週帰ってきて掃除をしてくれる」と仰ってました。食事は毎食自分で調理し、家の近所を毎日30分ほど散歩するのが日課だそうです。また、近くに弟や従姉妹が住んでいて、病院に連れて行ってくれたり、食事に誘ってくれたりするそうです。「デイサービスに参加するときは歩いて行き、帰りは弟と待ち合わせて風呂に入って、車で送ってもらう」と仰っていました。公共交通機関が十分でない地域でも、まわりのサポートを受け、工夫しながら不自由なく生活しておられる姿に感銘を受けました。

学生が、準備していたちぎり絵をしはじめたときには、「指先がしびれてできへんわ。」と仰っていましたが、「じゃあ私が小さくちぎります。」「私は台紙に糊をつけていくので、ここにちぎった色紙を張ってください。」と役割分担をし、どんどん朝顔の花が出来上がっていきました。

 

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するとみるみるうちに興味を持ったのか「こんなんしたの初めてや。楽しいな。」と笑顔になられ、出来上がった朝顔を見て「ええわ。きれいやな。」と作品を眺めながら何度も繰り返しておられました。さすがは4回生!!対応力が素晴らしい!

 

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最後は出来上がった作品とともに記念写真です。

学生を温かく迎え入れてくださり、貴重なお話を聴かせていただいたことに感謝いたします。

 

2日目(5月15日)

この日は前日の雨もあがり、新緑が眩しいくらいの天気になりました。前日に曽爾村へ行っていた2名も合流し、朝から介護予防事業会場の準備グループと、グループホーム ラガールに行くグループとに分かれて活動しました。

グループホームでは、デイサービスを利用される方たちに対してバイタルサイン測定、体力測定、骨密度測定を行いました。

 

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グループホームでは仲の良い利用者さん同士、和気あいあいと会話を楽しんでおられました。

午後からは、宇陀市介護予防事業『マダヤール』で介護予防をさせていただきました。『マダヤール』って何語?と思ったら、“まだまだやるよ!”の『マダヤール』で、体力と機能維持を目的とした取組みだからこのネーミングだと伺って納得しました。

マダヤールでは、2時間半の持ち時間で学生が企画から準備・実施・片付けまですべて主体的に行う、実習のメイン行事でした。

 

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▲準備に抜かりはありません。笑顔もバッチリ!準備オッケーです。

 

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▲参加者さんが来られました。問診をとる姿も落ち着いています。(左)バイタルサイン測定もこの笑顔!(右)

 

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▲骨密度測定は慣れたもの。手際よく測定し、説明も完璧!?

 

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▲お一人ずつに測定結果と、生活上の注意点をわかりやすく説明します。

 

測定が終わったら、認知症予防の内容に入ります。

 

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▲参加者の方々とやり取りしながら司会進行を行います。

 

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▲認知症予防には食事と運動、脳への刺激が大切であることを、図を用いながら講義してくれました。

 

次は体操です。氷川きよしの“ずんどこ節”に合わせて振付を準備し、参加者と学生が2人一組になって踊るズンドコ体操をしました。

 

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▲ズンドコ体操の様子。

 

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▲指を使った脳トレです。

 

カラオケで“高校3年生”“上を向いて歩こう”を歌い、すっきりした後は全員で交流会を行いました。

 

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▲交流会の様子。

 

交流会では、人生の先輩としてのアドバイスなども飛び出し、とても和やかで楽しい時間を過ごすことができました。

介護予防事業を終えた学生達は、少し周辺を散策した後、再びグループホームへ戻り宇陀市キャラバンメイト連絡会主催の認知症サポーター養成講座に参加しました。これは、畿央大学が実習に来ると知って、学生のために企画してくださったもので、特別養護老人ホームの介護支援員でキャラバンメイトの川北様がご講演をしてくださいました。川北様は、自身が体験した認知症の人を取り巻く他市町村の現状をお話しされ、「地域の支えあいという言葉をよく耳にするが、もっとみんなが認知症のことを理解しないと地域で支えることはできない」と熱く語っておられました。また、宇陀市医療介護あんしんセンターの紹介やICT宇陀けあネットの紹介などもしていただきました。遅くまでかかった講義でしたが、学生の態度がとても熱心で感心したとお褒めいただきました。

 

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3日目(5月16日)

最終日は、高齢者の自宅訪問に行くグループ、道の駅宇陀路阿騎野で健康調査出張診断に行くグループ、宇陀訪問看護ステーション東宇陀支所に行くグループに分かれて活動しました。

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訪問看護ステーションでは、胃がんのターミナル期にありながら住み慣れた我が家がいいと一人暮らしをされている80歳代女性や、神経難病で気管切開をされ、胃ろうチューブをつけながら、ご家族が手厚く介護しておられる90歳代男性のお宅などを訪問しました。男性のお宅では、週に4回の訪問看護が行われ、週2回の訪問リハビリが入り、2週間に1回医師が往診に来られるそうです。口腔ケアをする際の開口器はリハビリの方が、洗髪用のシャワーボトルはお家の方が作られたもので、へき地で暮らすからこそ資源の少ない状態をいかにカバーするか、至るところに工夫が感じられ、学びの多い実習となりました。

 

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自宅訪問のグループは、片麻痺のある80歳代女性のお宅を訪問し、庭の草抜きのお手伝いや、ちぎり絵をしながら生活の現状を聴かせていただきました。

 

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道の駅で出張健康診断を行ったグループは、道の駅に来られている人たちに声をかけ、測定をしながらその地域を訪れる方々との交流を楽しみました。

 

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この3日間を通じ、体験を通して座学では理解しきれないたくさんの学びを得ることができました。

最後になりましたが、3日間私たちを温かく迎え入れ、学生の学びを深めるために様々なご協力を賜りました実習関係者の方々、地域にお住いの皆さまに深く感謝いたします。ありがとうございました。

 

看護医療学科助手 島岡昌代

 

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離島・へき地医療体験実習(川上村)レポートvol.1~看護医療学科

2019年5月17日(金)

川上村の各家庭に訪問し、「川上村で住み続けられる仕組み」について学びました!

 

看護医療学科では、4回生の統合実習として、奈良県内のへき地である4つの地域に出向き、地域の人々の生活や保健医療福祉と教育の分野で住民を支える人々の実際の活動から、看護の本質を考える「離島・へき地医療体験実習」を行っています。

 

学内での事前学習で地域の状況から健康上の課題の検討から、自分たちが学びたい実習計画を立案し、2019年5月14日(火)~16日(木)の3日間の臨地実習に臨み、今回は、2日目と3日目のレポートです。

 

~2日目~

2日目の5月15日(水)は、村役場から10km離れた井光地区に出向き、午前中は、学生2人ペアで家庭訪問をし、健康状態や生活習慣、暮らし向きについての調査票を用いた聞き取り調査をしました。山の斜面に沿うように住宅が密集している井光地区は、人口減少と高齢化が著しく、独り暮らしの高齢者が増えています。学生が「おはようございます!畿央大学の学生です。」と玄関で大きな声で呼びかけても不在のところが多く、見知らぬ学生にお断りされる家庭もあり、最初はなかなか思うようにいきませんでしたが、庭に出ていらした方に声かけさせていただき、聞き取りをさせていただきました。

 

離島・へき地医療体験実習(川上村)1-1-down

 

独居の高齢者の方は、移動手段がないことや足が不自由になることで自宅に閉じこもりがちになっていらっしゃることが多く、地区の近所の方の声かけがないと話をする人がいないことがあり、最初は話すことがないとおっしゃっていても、聞いていくとたくさんのことをお話ししてくださいました。離れて住む子供家族との連絡があまりない場合は、近所の方の互助が生命線になります。高齢化が進み、高齢者が高齢者を支援することになっているため、共助と公助以外のその隙間を埋める役割を担う機関や人々の支援が必要となります。

学内ではイメージしにくかった、「村で最後まで暮らし続けること」が容易なことではないことが明確になってきました。

 

午後は、公民館で、血圧、骨密度、握力、足趾把持力の測定を行い、結果に基づく保健指導を行いました。開始時間前から、続々と住民の方が来てくださり、大急ぎで開始しました。骨密度計の結果プリントアウトができないなどのハプニングや予想していなかったことの出現に慌てる場面もあり、事前の入念な準備が必要であることを学ぶ機会となりました。畑仕事をされている方は男女ともよい結果で、日ごろの生活状況が身体機能にも影響することを学びました。

 

離島・へき地医療体験実習(川上村)3-1-down

 

また学校グループは、午後に中学校へ出向き、直接中学校生徒の皆さんと話をする場を設けていただきました。中学生の村での生活に関する思いや、高校がないことで村外への進学で村を離れることについて、集団生活が送れるよう自己肯定感を高める教育を推進されていることを学びました。

 

離島・へき地医療体験実習(川上村)5-1

 

~3日目~

3日目の16日(木)の午前は、村内に商業施設がないことや交通手段の課題で買い物が困難な村民の支援を行う「かわかみらいふ」に行き、その活動の一つである移動スーパーに同行し、移動販売車と一緒に地区に出向いているコミュニティーナースの活動を体験しました。

 

離島・へき地医療体験実習(川上村)6-1

 

「かわかみらいふ」は、吉野郡内のスーパーとならコープが事業連携をし、介護保険や福祉制度ではできない買い物を通した生活ニーズを把握し、必要な機関や職種と連携した支援活動を展開されています。

 

移動販売車の後を追いながら地区に行くと、スピーカーから流れる「川上小唄」を聞きつけ、地区の方が集まってきました。「あれある?前回頼んでたんやけど」と言われると販売員の方は、「○○さんが好きなのはこれでしたね。」と奥の棚にある商品を見せて確認されていました。その人のニーズに合わせた商品を提供できるように「買い物ができない不便さ」をできるだけゼロにしようという取り組みがなされていました。ヘルパーの方も、利用者の好物を探しておられ、限られたサービス提供時間の中で介護が可能になると話されていました。

 

離島・へき地医療体験実習(川上村)7-1

 

移動販売車での看護師は、販売車に来られた気になる方に体調を聞き、これから気を付けてほしいことを話されていました。顔を見ると健康状態や生活背景が理解できているので、変化に応じた必要な対応をしていくとのことでした。

そして、移動販売車は、村の山の上の小さな集落に向けて、狭くて急な坂道を進んでいきました。山の上なのに急に土地が開けた集落に着き、販売が始まると3人の住民の方が集まりました。現在住民が5人で、仕事や外出をしている人以外の全住民が買い物に出てきたことになると販売スタッフの方のお話しでした。集まると井戸端会議ならぬ日常の出来事の話が始まり、地区のコミュニケーションの場になっていました。そういう働きもこの移動販売車は担っていることを学生は学ぶことができました。

その後販売車に買いものに来られた方のお誘いで、ご自宅に伺い生活の様子を聞きました。自給自足できないものを地区まで来てくれる移動販売車で買えるようになり、便利になったと話されていました。80歳代後半での独居生活は、慣れた土地で畑仕事をしながら地区の人と話をすれば寂しくはないが、時間を持て余すので小物を作っていると話され、手作りのストラップをいただきました。

 

私たちからは考えられないような環境でも、普通の暮らしの場であり、その暮らしを支える支援があれば、暮らし続けることができるということを実感した貴重な体験でした。

この3日間の体験や学びをとおして、へき地における看護活動の可能性について学内でまとめ、発表に臨みたいと思います。

看護医療学科 教授 松本泉美

 

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2019年5月16日(木)

川上村で実際に診療所の往診に同行し、医療と生活の関連を体験!

 

看護医療学科では、4回生の統合実習として、奈良県内のへき地である4つの地域に出向き、地域の人々の生活や保健医療福祉と教育の分野で住民を支える人々の実際の活動から、看護の本質を考える「離島・へき地医療体験実習」を行っています。

 

学内での事前学習で地域の状況から健康上の課題の検討から、自分たちが学びたい実習計画を立案し、5月14日(火)~16日(木)の3日間の臨地実習に臨んでいます。

 

川上村では、「へき地における地域包括ケアシステム」を軸として、20名の学生が学内実習で「母子」「学校」「成人」「高齢者」「包括」の5つのグループに分かれ、それぞれの分野における住民の状況の情報収集を行いながら健康課題を検討し、その対応を考えるための実際の生活を把握する内容や支援活動をしている主要な人々へのインタビューを検討してきました。そして、5月14日(火)に実習がスタートし、川上村にバスで向いました。

 

川上村の歴史上、下流地域の洪水による被害をなくすため多くの住民の方の居住地移転を余儀なくされ建設された大滝ダムを見学し、村役場で実習の挨拶をしました。そして最初の学習として、「森と水の源流館」で川上村の歴史と生命の源である水と豊かな自然を守るための取り組みを学びました。

 

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午後からは、それぞれのグループに分かれて、事前に計画していた施設や人々を訪問し、お話を聞く活動を行いました。

 

「母子」グループは、村外から移住され子育てサロンなどの活動をされている方のお宅に訪問しました。村の方からあたたかく受け入れられ、保育園無料など子育てしやすい環境である反面、子どもが少ないことで孤立しがちになる離れた地区に住んでいる移住者と村の方が交流できる場づくりをされていることを知り、移住促進を図るうえで移住後の生活や子育てに関する支援の重要性を学びました。

 

「学校」グループは、小学校の歯科検診を見学させていただき、検診の結果から歯科受診に繋げ、予防と悪化防止活動がなされていることを学びました。また村では、高校がないため、小学生の時から「自立」を目指した生活や学習面の取り組みが行われていることを学びました。

 

「成人」グループは、森林組合を訪問し、村の基幹産業である林業従事者の現状や健康管理についてお話を伺い、危険で厳しい労働環境である林業従事者の減少が著しく、人材確保が課題であることを学びました。また診療所訪問では、往診に同行させていただき、在宅医療の実際を体験することができました。ご本人だけでなく介護する家族の生活の様子を把握しながら、在宅生活の継続に向けた支援には、医師と看護師の連携のほか、介護保険外のサービスとの連携も重要であることを学びました。へき地医療は、マンパワーや設備上の限界があるため、その限界を少しでも減らすための他の医療機関や救急体制などの連携など医療提供のネットワーク化が重要であることを学びました。また住民自身も急病や急変などに対応できる情報提供や受診行動などの「自助」力を高めることも必要であることを学びました。

 

「高齢者」グループは、村唯一のデイサービスを訪問し、利用者の方に口腔機能向上のため”健口”体操を実演しました。利用者の方に楽しんで一緒にしていただけるよう学内でプログラムと媒体作成と練習を重ねて実演に挑みました。利用者の方々も楽しんでくださったようです。またデイサービス終了後の送りにも同行させていただき、山道を通って生活の場である住居を観て、高齢化が進む村での生活を支えるには、介護サービスによる共助や行政の公助には限界があり、身近な住民の方の「互助」による見守りや支えあいが重要となることを学びました。

 

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「包括」グループは、村の移住促進とアートの融合として日本でも珍しい芸術家の移住促進取り組み施設である「匠の聚」で芸術家のアトリエ兼住居を訪問し、お話を聞きました。施設のある地区に住みながら、芸術を通して村の人々との交流を促進していらっしゃることや一住民として、村ならではの豊かな自然生活の中で刺激を受けながら芸術活動ができるメリットが語られ、地区の支えあいの「互助」にも参加されていることを理解できました。また、ギャラリーでは、芸術家の方々の作品が村の特産品である吉野杉の床や家具を活用した展示されていて、カフェでは、作品販売のほか、村の2つダムをモチーフにした「ダムカレー」が話題をなっていることなど村外の方との交流の場にもなっていることを学びました。

 

第1日目は、それぞれのグループが、川上村の施設や人々が、「自助」や「互助」に関連する活動をされていることを学ぶことができたと思います。

 

看護医療学科 教授 松本 泉美

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