2025.05.30
人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2025 vol.5~ 成果発表会の日を迎えました!
人間環境デザイン学科では2年次前期配当「フィールドワーク演習」の一環として、2025年5月14日(水)から18日(日)まで、『明日香村国際ワークショップ2025(International Workshop in Asuka 2025)』を開催しました。
ワークショップの活動目的は、畿央大学と台湾の大学生が明日香村での交流活動を通して、旧集落における地域課題の発見と解決方法の模索・提案を行うことです。明日香村の地域活性化へつながることを期待しています。
活動内容は以下の3つです。
- 岡地区の賑わいづくり(岡の町並み景観に調和する屋台の提案と模型の発表)
- 岡つどいの館の活用(「岡みんなの格子縁側」の組み立てと設置)
- 岡地区における行灯の製作と設置
ワークショップ4日目
いよいよ最終日の成果発表会を迎えました。成果発表会では、屋台の提案発表、縁台と行灯のお披露目として、現地設置を行いました。明日香村の森川村長をはじめ、明日香村役場総合政策課のみなさん、そして、明日香村岡地区の住民のみなさんが成果発表会に参加してくださいました。
屋台の提案発表
発表時はとても緊張した面持ちでしたが、村長や住民のみなさま、教員からの質問に堂々と答える姿はとても頼もしかったです。どの班もたった2日間の作業内容とは思えない立派な提案でした。
A班「水のまにまに」
B班「畳屋台」
C班「石溝椅」
D班「水の記憶が地域の場所を照らす」
審査の結果、D班「水の記憶が地域の場所を照らす」の提案が最優秀賞に輝きました。学生の言葉を紹介します。
~ 提案内容 ~
ワークショップの舞台である明日香村は、かつて地域の暮らしにとって大切な存在だった古い水路が存在していました。しかし、その水路は時代の流れとともに姿を消しました。
そこで私たちは、古い水路の歴史的な痕跡を取り入れ、水路の流れをイメージさせる空間を提案しました。ここでは物販だけでなく、住民や観光客が立ち寄り、交流を楽しむことができます。また、明日香村の岡地区では「光の巡礼」というイベントが開催されています。岡寺での夜のライトアップが人気のイベントです。
提案した屋台では、この光の巡礼で紙灯篭を作ったり、願い事を書いた後、それを水路に浮かべることができます。そうすることで、流れにのせて町を彩る空間の実現が可能となります。そして、流した紙灯篭は最終的に屋台の照明や飾りつけにすることも可能です。
~ 授賞の言葉 ~
ワークショップに初めて参加し、海外の人たちとうまくコミュニケーションができるのかと緊張していました。しかし、台湾の方々は言語の違いを忘れるほどに親しみを持って接してくれました。私自身も言語の違いを忘れるほどでした。台湾から来たみなさんは日本の文化に興味関心があり、私も多くのことを学びました。最優秀賞を受賞できたのは、一人ひとりが自分のできることに全力で取り組んでいたからだと確信しています。畿央大学のメンバーも台湾のメンバーが一つのチームとして団結したことで得られた賞であり、もし一人でも欠けていたら達成できなかったと思います。このチームで班長になれてとても光栄だと思えるワークショップでした。
D班班長 人間環境デザイン学科 3回生 松井 司
縁台の設置
制作した縁台は、明日香村岡地区にある「岡つどいの館」の横、岡寺参道の入口付近に設置させていただきました。設置に際し、ご協力いただきました岡地区自治会のみなさまに感謝申し上げます。
~ 代表学生の言葉 ~
設置場所の正面にあるバス停でバスを待つ人々が、傍に置いてあるベンチをよく利用しているのを見て、新しい居場所作りを試みました。縁台の掲示板は格子状にデザインし、町との調和を目指しました。ベンチは掲示板の構造を補強するように設計されています。屋根は、掲示物を雨や日差しから守る役割を果たしています。
工夫した点は、掲示板の格子の設計です。つどいの館の格子に習って、それに調和する形で設計しています。また、掲示物はどのサイズのポスターでも掲示できるように計算して設計しました。難しかった点は、設置場所の狭さと通行の邪魔にならないように考慮して設計すること、町なみに調和するかを考えることです。
今後は、掲示物を通じて住民同士の交流や、観光客の休憩スペースなど、様々な利用がされることを期待しています。
縁台制作チーム 代表
3回生 櫻井 祐美香、塚崎 陽菜
行灯の設置
制作した行灯は、岡つどいの館前、ギャラリー辻市前、民家計4件の軒下の計6カ所に設置させていただきました。設置に際し、ご協力いただきました住民のみなさまに感謝申し上げます。
~ 代表学生の言葉 ~
まず初めに、成功大学から送られた図面を基に試作品を作りました。立体表現Ⅱで学んだ知識を活かし、木材の加工や組み立てに挑戦しました。木材の接合や、布の取り付け、灯りの付け方など、先生からのアドバイスを参考にしながら、一生懸命に検討しました。相欠きやダボ穴など、少しのズレに注意しながら木材を切るのが難しく、1つの行灯を作るのに時間がかかりましたが、皆で協力し合いながら進めることが出来ました。
台湾の学生さんとの交流は初めてで緊張しましたが、たくさんコミュニケーションをとりながら、より良い行灯を作るために試行錯誤を重ねました。3日目には次々と行灯が完成し、全て素晴らしい作品になりました。実際に住民の方に行灯を渡す際には、驚きと喜びの声を頂き、達成感に溢れました。このようなものづくりを通した交流は、非常に良い経験となり、楽しい時間を過ごしました。この経験を今後に活かしていきたいと思います。
行灯制作チーム 代表
人間環境デザイン学科 2回生 辰己 愛梨
明日香村は、橿原市、桜井市とともに「飛鳥・藤原の宮都」として世界文化遺産の国内推薦候補に選定されています。このワークショップの対象地である岡地区は、まさに中心地です。森川村長からは、「令和8年の世界遺産登録に向け、有意義な提案をしてくれました。」とのお言葉をいただきました。ワークショップの開催と成功に向けて、多方面でご協力いただきました森川村長をはじめ、熊丸副村長、明日香村役場総合政策課の藤裏様、辻本様に心よりお礼申し上げます。
そして、学生たちの学びのフィールドとして明日香村岡という大変貴重な地を提供してくださった岡地区自治会のみなさまに感謝いたします。地域住民のみなさまには、ワークショップの開催を歓迎していただき、サポートいただいたことに、重ねてお礼申し上げます。
このワークショップでの成果が、岡地区の更なる賑わいづくりや地域のみなさまにとってより良い生活の一助となることを願っています。
人間環境デザイン学科 助教 小松 智菜美
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