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畿桜会(卒業生)NEWS
2014.12.03
第30回KSM(Kio Study Meeting)を開催しました。
畿央大学理学療法科、4期生の中田宏樹です。 11月30日に第30回KSM(Kio Study Meeting)を開催しました。 KSMとは畿央大学4期生が中心になり行っている卒業生の理学療法勉強会です。数年前から始めた勉強会もはや30回目、毎回非常に楽しく勉強させて頂いてます。 今回は上田さんの「TKAについて」、熊本さんの「訪問リハビリについて」の二題でした。 上田さんは自分自身は整形術後のリハビリ経験が少ないとのことで、勉強をするきっかけにするためあえてTKAでの発表をしてくれました。 たくさんの文献を読み込んで発表をして頂いたので、その文献上の知識と他参加者の経験とを照らしながら有意義なディスカッションが出来ました。 術式によって理学療法のやり方を変えていくべきなのですが、そのための細かい術式まで述べて頂き良い勉強になりました。 次に熊本さんの訪問リハビリについての講義です。 熊本さんの回復期病棟から訪問リハビリに移行した経験から、訪問リハビリを行う上で大切だと考えることを述べて頂きディスカッションしました。 また在宅ならではの患者様の悩みについても共有し、症例を通して話し合いを行いました。 在宅での関わりの中でまず浮かぶデイサービスと訪問リハビリ。 患者様がサービスに依存してしまうことで、社会復帰が困難になることが共通の悩みとしてありました。その悩みの原因の一つに、「どこを薦めていいかわからない(デイサービス、その他介護事務所など)」ことが挙げられました。 おそらく同じような悩みを抱えているセラピストはたくさんおられると思います。 今回それを解決するような包括的な地域サービスが開発途中であることを教えて頂きました。 アプリで簡単に施設やその施設の特徴を検索できるようなもので、実現すれば非常に面白い。そう感じています。 今回は参加人数が3名と、いつにも増して少人数となりました。 発表数は2題と少なかったものの…何故か普段よりも長いディスカッションを行っています。 メンバーの結婚ラッシュにより最近参加人数が減ってしまっていますが、今後もパワフルに勉強していきたいと思っています。 理学療法科4期生 中田 宏樹
2014.11.26
卒業生が4回生に国家試験勉強の経験談を講演しました!(理学療法学科)
今年度の理学療法士国家試験は2015年3月1日(日)、2日(月)に行われます。 各学科でそろそろ国家試験に向けた勉強をはじめていますが、理学療法学科ではそんな4回生の国家試験対策とモチベーションアップのために『理学療法総合演習』の授業で、毎年、卒業生から国家試験についての勉強ノウハウを聞く機会を設けています。 11月18日(火)には、今年2回めの講演会が行われ、聴講していた学生からは早くも国家試験に対する意気込みが感じられました!! 【講演した卒業生のコメント】 私たちは今年3月に卒業し、4月からそれぞれ病院で働き、臨床を半年経験しました。社会人として働く中で、学生とは違う責任の重さや対人関係、また座学や教科書では得ることのできない知識や技術を常日頃から学んでいます。実際に患者様と向き合うことで、臨床現場の楽しさを経験し、理学療法士として仕事のやりがいを感じています。 私たちも畿央大学に在学中は、先生方のご指導や協力を経て国家試験に無事合格することができました。今度は私たちが母校に何か還元したいという気持ちと、後輩が無事国家試験に合格し、理学療法士の仕事のやりがいと楽しさを知ってほしいと思いがあり、今回講義という形でお話しをする機会をいただきました。 内容としては、国家試験の概要、実際に私たちがしていた勉強方法・時間の使い方を一つの方法としてアドバイスさせていただきました。4回生の皆が真剣に話を聞いてくれており、国家試験に対する真剣さが表れているのではないかと感じました。講義後には、個別にたくさんの質問を受け、こちらもこのような機会を得てよかったと思いました。 今回の私たちの話を国家試験の勉強法として多少でも参考にしていただくことができ、全員が頑張って国家試験に合格して理学療法士になっていただければと思っております。 畿央大学の理学療法学科の合格率が、3年連続100%となることを心より願っております。 あんしん病院 前原 駿 愛仁会リハビリテーション病院 松江 愛奈 【参加した4回生の感想】 卒業研究発表も終わり、国家試験も迫ってきていることで焦っていました。 その様な中、先輩から勉強方法をお聞きしたことで、今後どの時期にどのように勉強すればいいのか参考になりました。 今回講演に来てくださった先輩たちのように頑張って勉強して必ず国家試験に合格し、臨床現場で楽しく働けるようになりたいと本気で思いました。
2014.11.21
同窓会レポート~畿央祭2009実行委員同窓会!
畿央祭1日目、2014年10月18日(土)に「畿央祭2009〜まる〜実行委員同窓会」を開催しました。 当日は同窓会サロンの受付をしているメンバーもおり、畿央祭の雰囲気に浸りながら当時を思い出したりしていました。 いつもの校舎とは違う、あの学園祭の雰囲気というのは 何度味わってもワクワクするものです。 懐かしい部分と新しい部分との両方に終始楽しませてもらいました。 同窓会サロン特典の金券は本当に助かります(笑) 模擬店を何周か回って、お目当ての品を頬張りました(芋) 同窓会は五位堂駅前の“葛心”というお店で行いました。 乾杯の音頭は、今年幹事をお任せしたM君。 乾杯へ至るまでの話が少し長かったのと、皆のどが渇いていたので 途中で話を打ち切って乾杯を行いました。 僕たちが実行委員だったあの頃からもう5年も経ちましたが 当時の秘話というのが実はたくさんあるようで… あちらこちらで楽しい会話が繰り広げられていました。 幹事Mは急にボディランゲージを駆使してアツく語り出し… Yは記憶に残る名言を聞かせてくれるし… Bはiphone6と間違えてピザ持ってるし… 感動的な話。 バカな話。 アツい話。 あっという間に時間が過ぎてしまいました。 ▲当時の実行委員メンバー写真(僕たちどこか、わかります?) 途中、サプライズで用意していたSさんの誕生日ケーキが本人にバレてしまうという展開になりましたが、僕はこれはこれで成功だったと思っています。 本人だけでなく、全員が驚くことができたのもまた僕たちらしいサプライズだったと思います。(笑) 語り足りない部分は次回に持ち越しということで 来年の学祭の日も予定を空けておこうと思います。 〜まる〜あの頃のメンバー総勢95名集まりましょう!! その後は数名が帰路につき、残ったメンバーで風神へ(歩) 風神は当時の実行委員会の打ち上げでも利用した思い出の場所。 再び乾杯の音頭は途中で打ち切られました。(M) 楽しい時間はすぐ過ぎて行くもので、 これほど終電が憎いと思った事は今までありませんでした。 という僕はさらに居残った2名のメンバーと大和八木へ… 朝まで呑んで過ごしましたとさ。 個人的な話ですが、翌日は朝から登山をしてきました。 どんなに長い道のりでも一歩一歩確実に進んでいけば、 必ず頂上へたどり着ける。 山から学べるものの素晴らしさは計り知れません。 畿央祭2009〜まる〜実行委員会 実行委員長 健康栄養学科6期生 津野 駿士 ●畿桜会(畿央大学・畿央大学短期大学部・桜井女子短期大学同窓会)は、一定人数以上の同窓会開催を支援しています。 詳細は大学ホームページ「同窓会開催の補助」をご覧下さい。
2014.11.07
軟式テニス部の同窓会を開催しました!
健康科学部看護医療学科2期生の辻です。 10月28日(火)の平日にもかかわらず、13人が集まり軟式テニス部の同窓会を難波で開催しました。 社会人になりそれぞれがバラバラの仕事に就き、なかなか集まることが出来ませんでしたが、就職を機に関西を離れていた仲間が久々に関西に帰ってくるということで、急遽開催することになったのです! 職種が違う集まりですので、いろいろな話が聞けました。 看護師、理学療法士、管理栄養士、デザイン、営業、など様々です。 様々な角度から仕事のことやプライベートの話までお互いにいい刺激を受けました。 やっぱり大学時代の友達は最高です! 楽しい時間はあっという間に過ぎていきましたが、また明日から仕事をがんばろう!と笑顔で解散しました。 軟式テニス部の皆さん!! この同窓会を期に第2回、第3回とつなげていきましょう!! 今回参加できなかった卒業生のみなさん、次回会えることを楽しみにしています。 看護医療学科2期生 辻 卓郎 ●畿桜会(畿央大学・畿央大学短期大学部・桜井女子短期大学同窓会)は、一定人数以上の同窓会開催を支援しています。 詳細は大学ホームページ「同窓会開催の補助」をご覧下さい。
2014.10.30
第29回KSM(Kio Study Meeting)を開催しました。
畿央大学健康科学部理学療法学科4期生の熊本です。 10月26日(日)に畿央大学4期生が中心になって行っている「理学療法勉強会」、KSM(Kio Study Meeting)第29回を行いました。 今回は都合のつかないメンバーも多く、5人の参加となりました。 初めに南君が「治療の原則-骨折、急性期の筋力低下-」というテーマで発表してくれました。骨折治癒に必要とされる適度なメカニカルストレスに関してや、筋力増強訓練の捉え方など、普段臨床や学生教育を行う中で生じる疑問について話をしてくれました。運動を用いた“循環動態へのアプローチ”という視点を皆でディスカッションすることが出来ました。 次に櫻井君が「肩関節の痛みについて」症例を交えて発表をしてくれました。 神経、筋、骨関節など多くの組織で複雑に構成されている肩関節に関して、解剖学的特徴や痛みにつながる関節内圧の変化について、見やすいイラストを用いながら説明してくれました。 症例に関しては、痛みの部位だけでなく、周辺部位の評価の仕方や夜間時痛の捉え方など様々な意見が出ました。 最後は山野君が「変形性関節症の治療戦略-メカニカルストレスの視点から-」というテーマで膝OAに関する発表をしてくれました。 山野君は畿央大学の運動器セミナーでも講義をしており、多くの先行研究での知見を含めた発表をしてくれました。また後半は実技も行い、アライメントを整えた状態で運動を行うことの大切さを実感をもって学ぶことが出来ました。 いつも終わった後は、疲労感とともに臨床に対するモチベーションが上がるのを感じます。 来月でKSMは30回目を迎えます。 共に成長出来る仲間と、その環境を与えて下さる畿央大学の方々に感謝しながら、学んで行ければと思っています。 健康科学部理学療法学科4期生 熊本
2014.10.23
健康栄養学科8期生の同窓会を開催しました!
畿央祭の2日目となった10月19日(日)、朝から畿央祭(同窓会サロン)で先生や後輩たちと久しぶりに出会って、しゃべって食べてを繰り返しながら、大学生活を懐かしんでいました。 畿央祭恒例のフィナーレである「ソーラン節」をしっかり見届けた後、五位堂駅前の源ぺいで健康栄養学科8期生(2014年3月卒業生)14名が集まりました。 卒業して半年、社会人になって半年。 久しぶりの再会でしたが、懐かしい話より今の仕事の話やプライベートの話が大半でした。 きっと何年経ってもみんな変わらないんだろうなと思いながら、笑いの絶えない時間を過ごしました。 「畿央大学に入学してよかった~!」と、また改めて思えた同窓会でした。 今回は奈良開催でしたが、次は大阪でもっとたくさん参加していただけるように企画しますので、またよろしくお願いします。 健康栄養学科8期生 畿桜会(同窓会)代表幹事 島田実佳 ●畿桜会(畿央大学・畿央大学短期大学部・桜井女子短期大学同窓会)は、一定人数以上の同窓会開催を支援しています。 詳細は大学ホームページ「同窓会開催の補助」をご覧下さい。
2014.10.20
畿央祭『同窓会サロン』に300名の卒業生が来られました!
10月18日(土)・19日(日)に開催された第12回畿央祭『輝』にあわせて、畿央大学・畿央大学短期大学部・桜井女子短期大学の卒業生対象に『同窓会サロン』を開設しました。 今年で6回目となるサロンは、畿央大学ホームカミングデーとして、同窓会の恒例行事となっています。 今年は、キャンパス増改築にともなって、サロンの会場も昨年までの1.5倍の広さの教室(C101ゼミ室)で、ハロウィンパーティ風にレイアウトしてみました!! 晴天に恵まれ、18日(土)111名、19日(日)193名、あわせて304名もの卒業生の皆さんにお越しいただき、サロンは終日賑わっていました。(畿央大学の卒業生276名、畿央短大5名、桜井女子短大23名) 卒業生には畿央祭で利用できる金券1000円に加え、ペットボトルのお茶か畿央大学ロゴ入りミネラルウォーターのいずれかをお渡ししました。 恒例のガラガラ抽選会も実施しましたよ! 今年の景品には、おしゃれ家電(スムージーメーカー、アロマランプ、マイナスイオンドライヤー)、お酒(ワイン・日本酒・焼酎)など大人な景品に加え、新しい畿央大学グッズも取り揃えました! 最近では、子ども連れ(孫連れも)の卒業生も多くいらっしゃるので、ベビーカーもたくさん見受けられ、ランチタイムには離乳食を食べさせる微笑ましいお母さんの姿も見られました。 時折、先生方ものぞきに来てくださり、卒業生は懐かしい恩師や旧友との再会を喜んでいました。 畿央祭初日には、部会での同窓会も行われたようです。 また、先生方からは、社会に出て健闘している卒業生を激励する30通のメッセージをお預かりして、掲示させていただきました。 たくさんのご来場、本当にありがとうございました。 畿桜会役員一同
2014.10.15
東アフリカでの青年海外協力隊活動レポート!~理学療法学科2期生
こんにちは。畿央大学健康科学部理学療法学科2期生(2008年卒業)の上野友也と申します。 私は青年海外協力隊(Japan Overseas Cooperation Volunteers:以下JOCV)として2012年9月から2014年9月の2年間、東アフリカのマラウイ共和国で理学療法士として活動しました。今回、その経験について語らせて頂く機会を得ましたので、活動内容や現地での生活、JICAについてなどについて、少しずつですが触れていきたいと思います。 まずJICAボランティア事業は、日本政府のODA(政府開発援助:Official Development Assitance)予算により、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する事業です。(JICAホームページより抜粋) 途上国におけるJOCVの活動とは、技術・知識やアイデアを直接人との関わりの中で共有・伝達していく、お金のやり取りではない国際協力の方法の一つと言えると思います。職種や派遣国によって活動の形態は様々ですが、「お金によらない」「技術移転」「現場主義」という意識は、全JOCV共通のものと思います。 私がJOCVへの参加を決めたのは、大学一年生の時でした。夏休みにボランティアとホームステイを目的にトルコへ行ったのですが、そこで経験した異文化コミュニケーションや国際協力の魅力に魅せられたのがきっかけです。最初は単純に「英語が喋れたら格好いい」という理由が海外へのモチベーションとなっていましたが、将来理学療法士として海外で働く場を実際に探していくことでJOCVに応募することを決意し、「30歳までには行って帰ってくる」という目標設定を行っていました。理学療法士としてJOCVに応募するには、ある程度の実務経験が必要であったからです(最低2年)。実際に私がJOCVに参加することになったときには理学療法士として働き始めて4年経ってからであり、その間に急性期から慢性期までの臨床経験、整形系から脳神経系、呼吸器系の勉強ができたのは幸運でした。また、「理学療法」と「国際協力」の2つのキーワードに該当する現場を求めれば、JOCVに辿り着くのは難しくありませんでした。 さて、2ヶ月間の国内研修を経て、派遣国のマラウイに向かいました。ちなみに国内研修では語学研修が主に行われますが、私の英語能力はそれ程高いものではなく、正直自信はありませんでした。しかし、その時は「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と開き直り、現地での上達を目論んでいたのを覚えています(笑)。そして、やはり現地での生活や仕事は、私の英会話の上達に大きな影響を与えたものと確信しています。限定や制限をかけられた環境は人間を強制的に成長させるものだと分かったのは、JOCVを経験して気づいたことの一つです。現地で人々とコミュニケーションをとるには、もちろん現地語のスキルも必要でした。 私の任地は首都リロングウェにあるカムズセントラル病院という、マラウイでも有数の国立病院でした。職場では基本的に英語が話せれば良かったのですが、患者さんの多くは英語が話せなかったため、リハビリを行う上で必要最低限の指示や体の部位の名称などは覚えるようにしました。現地語で意味が若干でも通じると向こうの人はかなり喜びます。日本でも、外国の人にカタコトでも日本語を話してもらえると嬉しいですよね。ろくな会話はできませんでしたが、Ice breakとしての挨拶は、欠かさず現地語で行っていました。 私の要請内容は、 ①日常診療業務(患者・家族へのリハビリサービスの提供) ②現地スタッフへのリハビリ技術・知識の伝達と共有 の二本柱でした。マラウイには理学療法士を育成する養成校が1校しかなく、それも2011年に開始されたものなので、マラウイ産の理学療法士が現場にいないというのが現状でした。私が派遣されたのが2012年の終わり頃で、2013年になると養成校からの臨床実習生が病院に来るようになり、スーパーバイザーの役割も担うことになりました。 日本とマラウイの臨床実習の形式はかなり違っていました。実習が始まってすぐに実習生は患者さんを直接触り、会話し、評価・治療することが求められていました。もちろん、スーパーバイザーの指示を仰ぎながら行わせていましたが、彼らの積極的な姿勢には感じるものがありました。ただ残念ながら、そこは始まったばかりの養成校の学生たち。学校での教育環境がまだ十分に整っていないためか、基礎的な知識がかなり疎かなまま臨床実習に来ていました。理論を知らないままの治療技術、客観性が全くない評価法、患者さんの触り方や介助方法など、学生たちが見せてくれたパフォーマンスには何度も驚かされました。当初はそれらを一つ一つ説明し正しい方向へ導けるほどの英会話能力もなかったため、プレゼンの場を設けたり、実際に効果を見たり感じたりしてもらうことに重点を置きました。また、臨床実習に合格するかどうかを決める試験は、実際に患者さんを評価・治療することで行われていました。スーパーバイザーはその場で質問し、評価表に基いて学生の点数が付けられていました。驚いたことに、その場に患者さんを呼び、協力してもらうのです。わざわざ外来の日をずらして来てくれる患者さんもいました。しかし、そこはアフリカの国。全て時間通り、計画通りに行くわけがなく、当日患者さんが来なかったり、実習生が時間になっても現れなかったりしました。でも、周りのスタッフは動じることなく、サクサクっとスケジュールを変えていきました。日本では有り得ないことが、向こうでは有り得るのです。こちらの常識は、向こうにとっては非常識に当たることもあるのです。これを面白いとも取れるし、不快だと取ることもできます。そういう違いに気づいた時に人は、何らかの成長をするのでしょう。日本に帰ってからも、気づきに敏感になっていると思います。 ある程度英会話でのコミュニケーションが可能になってくると、学生たちの要望に答える形でのフィードバックや勉強会ができるようになりました。2014年7月、私が派遣されて間もない頃に実習生としてやっていた学生たちが大学を卒業しました。メイド・イン・マラウイの理学療法士が誕生したのです。この1期生たちは今年9月より、カムズセントラル病院ともう一つの国立病院の2箇所で一年間のインターンに入りました。インターンが終了して晴れて理学療法士として働けるのですが、この新人たちには雇用の問題が待ち受けていると言われています。国の予算の半分以上を寄付にて賄っているマラウイですから、国立病院にすらスタッフを雇う余裕がないのです。国が関わる雇用問題に対してJOCVにできることは限られますが、インターン・実習生の教育問題と雇用問題、この2つの大きな問題は今後も支援の対象となるものと思われます。 現地での普段の生活については、首都隊員であった私にとっては苦にならない程度のものでした。それでも、週に2〜3回は夕方から夜にかけて停電したり、たまに断水も起こっていました。一方で、地方や村で活動する隊員の場合、電気も水道もないところで生活することもあります。火が無ければ炭で火をおこし、携帯を充電したければソーラーパネルで充電、水が必要なら井戸から汲んできて煮沸して使う、といったことを2年間行うのです。ご飯を作るにしても、市場で食料がトマトと玉ねぎしか売ってない!なんてこともあるそうです。 こうして見ると、一見村での生活は過酷を極めるものにしか見えませんが、私はむしろ村での生活に憧れていました。村での生活にはご近所付き合いがあるからです。首都で生活していると、各家は防犯のためのレンガフェンスで囲まれているため、お隣さんとの交流がほとんどありません。一方で、村にいる隊員の多くは、立派なものでも藁のフェンスに囲まれている程度で、比較的ご近所との付き合いができるようでした。また、村レベルでの活動を行うため、村の人達とは仲良くなれるのです。また、家畜(犬、猫、やぎ、ニワトリなどなど)が飼えるのも村の生活ならではだと思います。私の同期の中には、飼っていた犬を日本に連れて帰った隊員もいました。自分で育てたニワトリが産んだ卵を食べる、ニワトリを捌いて調理するといったことも、隊員である間くらいしかできないでしょう。 マラウイで経験したことのほとんどは日本では経験のできないことでした。また「ボランティア」という立場でないと見えないもの、感じられないものも多かったです。そして、今の自分の理学療法士としての実力と理学療法士という仕事の可能性も感じられました。途上国で活動する場合、目標や課題を定めることが難しい場合があります。なぜなら、ある問題が見えていたとしてもそのアプローチ方法は多岐多色であり、理学療法士の垣根を超えて他職種に助けてもらわなければならないことがほとんどのケースで見られるからです。これはリハビリ分野のみならず、どの職種どの分野でも言えると思います。JOCVに参加する前の私は、リハビリ専門分野に重点を置いて活動していたように思いますが、この考えはマラウイに来てからあまり役に立ちませんでした。むしろ、いかに他の職種を巻き込むか、いかに限られた環境や資源の中でベストの選択をするかが重要であったように思います。 例えば「栄養」「教育」「母子保健」といったキーワードは、理学療法士ならば一応は心得ているものだと思います。しかし、実際にこれらにアプローチするにはどうしたら良いかは、一理学療法士にできることは限られます。しかし、理学療法士にしかできないこと、伝えられないこともあります。途上国では、私達理学療法士以外には小児麻痺の子供を持つお母さん達へ、子供の抱き方や子育ての仕方を教えられる人材はいません。脳卒中後後遺症を呈した高齢者のトランスファーの仕方を家族に教えられる人材もいません。運動(mobilization)に関する知識は理学療法士がNo1です。こういった十人十色の臨床症例は、「私達は理学療法士として何ができるのか」を常に考えさせてくれるのです。この疑問を肌で感じ、自分の答えを出すことが、私の2年間の目標でした。そして2年たった今、改めて、今後も理学療法士として頑張っていきたいと思っています。このことは、今後の10年後、20年後の自分にとっての大きな財産になるだろうと思います。自分の中で理学療法士としての基盤ができたように思うからです。協力隊に行けば全員が全員、こういった感覚を得られるとは思えませんが、自分の考えと行動を変えたいのであれば、外的環境を変化させてみるのも一つの手段かもしれません。内的環境(思考や常識、自前の理論など)を変えることは、変えたいと思っていても難しいものです。海外でなくても良いですが、自分を「限定・制限された環境(時間的、物的、言語的)」に置くことは、ある種自分の殻を破る一つの方法だと思います。私にとってはそれが海外&途上国での生活であったというだけのことで。今の日本にこういった制限はあまり見られません。敢えて言うなら、締め切りといった時間的制限は日本特有の厳しさがありますが。 これから理学療法士になろうとしている方々、理学療法士として働き始めた方々へ私がアドバイスさせて頂けるのであれば、「いかに自分の思うように行動し、変化の中に飛び込んでいけるかを考えて学んでほしい」ということです。そのことが自分に多くの気づきを与えてくれるはずです。周りと差別化し、自分の理学療法士像をしっかりと持っていなければ、今後理学療法士の数が爆発的に増加するに伴って自分の居場所を見失ってしまう恐れがあります。そのために協力隊に参加しろというのではありません。協力隊は一つのツールであり、ゴールではないからです。ですが、選択肢は多いほうが良いでしょう。ぜひ、「国際協力」というキーワードを自分の頭の中の検索機能にインプットしてあげてください。私で良ければ、ご質問などには出来る限りお答えさせて頂きます。 最後に、私の今後の目標についてですが、単刀直入に言うと、今後もこういった国際協力の現場で働きたいと思っています。ただし、今までの理学療法士としての経験も活かしたいと思っていますし、今後も自分なりの理学療法士像を追い求めていくために、「理学療法士」と「国際協力」の2つのキーワードを基に、JICAに限らずUNVやNGO,医療コンサル、国際病院も含めた幅広い視野でもって自分の活躍できる現場を探していきたいと思っています。最終的な終着点はまだ明瞭となってはいませんが、上記にあげた2つのキーワードに加え、「3つ目のキーワード」が見つかった時、自分の最終目標が決まるのだと思います。この最後のキーワードを探すために、次の5〜10年、自分の好きなことに邁進していきたいと思います。 理学療法学科2期生 上野 友也
2014.10.15
健康栄養学科「栢野ゼミ同窓会」を開催しました!
健康科学部健康栄養学科6期生の岡田です。 10月4日(土)に、栢野ゼミ同窓会を行いました。 栢野教授、松村助教、卒業生、現役生にお越しいただき、栢野ゼミ同窓会を上本町にある葡萄酒店イータにて開催致しました。 本来は8月ごろに開催予定であったのですが皆様忙しく、この時期に行うこととなりました。 当日は先生方や卒業生、現役生を含め総勢25人の方々に参加していただきました。 久しぶりに顔を合わせる方々や、初めて顔を合わせる方もおられましたが、とても楽しい雰囲気で、どのテーブルでも仕事の話や学生時代の思い出話などで盛り上がっていました。 また、学年の垣根を越えた新たなつながりもあったようで、ゼミ同窓会を開催してよかったと思います。 今回は忙しい中集まっていただき、先生方や卒業生の皆様に感謝いたします。 また次回もよろしくお願いいたします。 健康栄養学科6期生 岡田 将利 ●畿桜会(畿央大学・畿央大学短期大学部・桜井女子短期大学同窓会)は、一定人数以上の同窓会開催を支援しています。 詳細は大学ホームページ「同窓会開催の補助」をご覧下さい。
2014.10.08
運動器リハビリテーションセミナー(臨床編:下肢)を開催しました!
こんにちは!畿央大学大学院修士課程2回生の田中和宏です。 10月5日(日)に運動器リハビリテーションセミナー(臨床編)が開催されました。 台風の影響で開催されるか危ぶまれましたが、何とか天候も持ちこたえ、全国各地から運動器に興味がある方々が参加してくださいました。 この運動器リハビリテーションセミナーは、卒後のリカレント教育(再教育)の機会や最新知見の提供することで、運動器リハビリテーションに必要な知識を基礎から実践まで系統的に学べるプログラムとなっています。 運動器リハに必要な基礎知識を学べる『基礎編』、基礎知識をもとに基本的な運動療法に活かせる『応用編』、今年は下肢にフォーカスを絞った『臨床編:下肢編』、データの解析手法を学びながら、実際に計測機器を使用する『実践編』の4つで構成されています。 その中でも今回は臨床編ということで、これまでの基礎編、応用編で学んできたことを、実際の疾患と結びつけるための講義となりました。 台風の影響もあり、プログラムを変更して講義が行われました。 1限目の平川善之先生は、「最新知見に基づく人工関節のリハビリテーション」という題で、THAやTKAの手術手法や最新の知見を含めたリハビリテーションの内容を、とてもわかりやすくお伝えして下さいました。 講義の中では、平川先生が行っている治療のお話しなども随所にちりばめられていて、臨床と結びつけやすく、「そうだったのか!」、「なるほど!」と思うことばかりでした。 2限目は、大学院生の山野宏章先生と私が、「変形性関節症に対する保存療法」という題でお話しをさせて頂きました。 今回は、近年注目されているメカニカルストレスにフォーカスを当てて、変形性股関節症、変形性膝関節症に対するリハビリテーションの考え方を、今持っている情報と合わせて、最大限にお伝えさせて頂きました。 3限目は、瓜谷大輔先生が、「足趾機能と運動器リハビリテーション」という題でお話しをして下さいました。 足趾機能について、90分みっちりお話しして下さり、少しマニアックな部分と思われがちですが、足趾も歩行能力、バランス、転倒に強く関与していることを学びました。 そして、4限目は、京都大学で行われたThrust Contestで優勝した福本貴彦先生が、「Thrustを科学する」という題でお話しして下さいました。「Thrustって何だろう?」というところから「臨床応用」まで、いつもは敬遠しがちなバイオメカニクスを、身近に感じられるように、わかりやすくお伝えして下さいました。 今回の講義も内容が盛り沢山で、とても充実していました。 自分の臨床にエッセンスを加えられるような内容ばかりでしたので、明日からの臨床がとても楽しみになりました。 次回は、実際に計測機器を使用する『実践編』です。 研究をしている方も、これから研究していこうと思っている方にも、実際の計測機器に触れることで、研究に対する具体的なイメージが湧き、とても勉強になる内容ですので、是非ご参加下さい! 畿央大学大学院修士課程2回生 田中和宏
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