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“へき地医療体験”で検索した結果:56件

2024.09.25

【へき地医療体験実習】大友准教授のインタビュー記事がキャリアビジョン協会HPに掲載されました~看護医療学科

看護医療学科の本学独自科目「へき地医療体験実習」について語った大友絵利香准教授のインタビュー記事が、キャリアビジョン協会のホームページに公開されました。   へき地医療体験実習がめざすところや看護師をめざす学生の成長、地域医療への貢献についてのディープインタビューになっています。ぜひご覧ください!     畿央大学_大友絵利香准教授に訊く:畿央大学が考える、地域に寄り添うこれからの看護のカタチ | 一般社団法人キャリアビジョン協会 (career-vision.or.jp)      

2024.06.10

「どこでもシート」の魔力~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」vol.3

看護医療学科の「老年看護学援助論Ⅱ」(3年次前期必修科目)では、高齢者看護に必要とされる生活機能の視点からのアセスメントや看護技術、紙面上の事例による看護過程の展開を行い、高齢者の日常生活の維持に必要な援助技術を演習し学修します。第1弾では摂食嚥下障害に対するケアを、第2弾では実習に活かす高齢者看護技術について学ぶ様子を報告しました。今回は、後期の臨地実習に向け「看護過程の展開」の演習に取り組む様子をお届けします。 令和6年5月30日(木)の演習では、生活機能関連図を作成しました。       老年看護学では、他領域とは異なる思考で看護過程を展開します。高齢者は加齢によるさまざまな影響を受け、慢性疾患や複数の疾患・障害を有するケースも多いため、高齢者の疾病を完治することに重きを置くのではなく、生活機能に着目し、高齢者の「もてる力」を最大限に発揮し、その人らしく望む生活を過ごすことができる目標志向型思考で看護を展開する心がけが重要です。   今回の演習では個人作業で生活機能関連図を作成した後、グループ作業でディスカッションや可視化・共有に効果的な「どこでもシート」を活用しました。     「どこでもシート」を活用することで、学生は顔をあげ、前を向き、同じターゲットに視線を合わせて議論しあえる環境ができました。また付箋の活用で、色々なアイディアを出しつつ、折り合いをつけながら思考を発展させることができ、演習前の「もやもや」が「すっきり」に変わり、笑顔あふれる満足感の高い時間を過ごすことができました。     講義後の学生感想より〔一部〕 ● グループで共有できることから、自身が考えつかないこと、異なる視点のアプローチがありとても勉強になった   ● 関連図の作成は難しいが、みんなで考えることで乗り越えることができた   ● シートや付箋を活用することで、難しい関連図も、色々な考え方があること、整理の方法を理解できて勉強になった   ● 関連図は苦手だが、老年のグループワークは楽しく取り組めるので実習が楽しみです     いよいよ演習も折り返しに入り、これからは看護目標を立て、自身の立案した計画に基づくケアの実践に取り組みます。学生が日々苦労しながらも前向きに演習に取り組む姿に教員も大変良い刺激を受けています。ゴールはもうすぐですので、あと一息、一緒に頑張りましょう。   看護医療学科 准教授 室谷 牧子   【関連記事】 外部講師による講義『食べたい!』を支えるケア ~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」vol.1 『実習に活かす高齢者看護技術』高齢者の個別性に合わせた援助を考える~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」Vol.2 フレンドリーをめざす「認知症ケア論」のご紹介!~看護医療学科 2024年度 へき地医療体験実習レポート(吉野郡川上村)~看護医療学科 2024年度 へき地医療体験実習(山辺郡山添村)レポート~看護医療学科 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)1日目レポート~看護医療学科 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)2日目レポート~看護医療学科 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)3日目レポート~看護医療学科 外部講師による講義「看取りを体験した遺族に対する看護の課題」~看護医療学科「終末期ケア論」 2024年度 新入学生研修 学科別レポートvol.3~看護医療学科

2024.05.14

2024年度 へき地医療体験実習レポート(吉野郡川上村)~看護医療学科

看護医療学科では、4年次に今までの臨地実習や既習した知識を活用し、看護実践を行う統合実習として、へき地医療体験実習を実施しています。この実習では、「看護の本来の姿に立ち返って、その人の顔が見える看護や保健医療を体験することで、看護の本質を考えること」を目的として、学生の看護観のリフレクションし、看護の基盤である対象者の生活基盤を理解した看護のあり方を探求します。 今年度は、2024年5月7日(火)~5月9日(木)の3日間、看護医療学科4回生95名のうち学生20名、教員4名の計24名が奈良県川上村にて実習を行いました。 【1日目】5/7(火)雨模様での集合でも、現地に着くと雨はあがりました! 学生たちは、事前に川上村の歴史や現状を学習してから実習に臨みましたが、まずは大滝ダムの見学から始まりました。   大滝ダムは紀の川(吉野川)の「治水(洪水にならないようにすること)」「利水(地表水、地下水を飲用などの生活用水、農業用水、工業用水、発電用水等に利用すること)」「発電」「流水の正常な機能の維持」を行う多目的ダムであり、その歴史は古く、1959年9月の伊勢湾台風による甚大な被害をきっかけに計画され、村の中心部であったところに造られました。   実際にダムを目の当たりにした学生たちは、予想以上の大きさと迫力で圧倒されている様子でした。実際にダムを見たことや掲示されているダムの説明を見ることで、治水の必要性を理解することができました。       次に実際に住民に対する支援を行っている村内の様々な機関(村役場、森林組合川上社中、社会協議福祉会、民生児童委員協議会、保育園、こどもセンターあまごん、川上村立かわかみ源流学園、診療所)の担当者へインタビューを行いました。事前に川上村について把握した情報から、「へき地での生活における健康と保健・医療・福祉の関係を理解したうえで看護職としての役割」を見出すための質問内容を考えました。   学生の質問は、母子保健・成人保健・高齢者保健・学校保健・地域包括などの視点から、川上村の現状から課題を見出し、改善策の提案まで多岐にわたる内容でしたが、担当者の方々には、学生の質問に丁寧にご回答いただき、必要な資料やデータの提供をしていただきました。学生たちはインタビューを通して地域での生活だけでなく、こどもを大切に育てる教育・健康と保健・医療・福祉の関係を知り、「地域に生活する人々も看護の対象者」であると学ぶことにつながったのではないかと感じました。インタビューだけでなく、実際に地区踏査することでの気づきも多かった様子でした。   データだけでは表れない、担当者からの生の声、想いを聴くことができ、実際の生活の場と教育・保健・医療・福祉の場の関係性を理解することにつながったのではないかと感じました。       次に「森と水の源流館 」に訪問し学芸員の方からお話を伺いました。   施設に入るとまず目に飛び込んできたのは、吉野川紀の川のそれぞれの流域に生息しているお魚たちで、川上村に生息している魚の生態について知ることができました。「源流の森シアター」では、「吉野川源流―水源地の森」を大迫力のスクリーンに映し出された四季折々の風景と鳥や動物、虫たちの姿を見ながら旅することができました。   川上村では木材需要の高まりから木材伐採が行われていましたが、原生林を守るために今から500年前に日本で初めてスギ、ヒノキを植えて育てる人工造林が始まり、当時から源流部を守る行動がとられてきたことを学ぶことができました。     学芸員の方は学生たちに「ここに住んでいる高齢者の方はライフラインが止まっても、2~3か月生きられるそうです。自分の畑の野菜を食べて、薪で火をくべて、川の水を使って生活すると答えてくれます」と話されました。続けて「年配の方と話すのは色々な考え教えを学ぶことができるチャンスだと思って、触れ合える機会があればまずは話を聞くことが大切。アンテナを張って交流してみるのも大切」とお話しくださり、異世代でのコミュニケーションの重要性と昔の生活を理解することの必要性を学ぶことができました。   【2日目】5/8(水)曇り空からスタートして、雨が降ることなく過ごせました。 2日目は、かわかみふれあいセンターにて住民の方を対象にした健康測定を実施しました。学生たちが主体となり、企画から運営まで実施してくれました。学内で学生役、住民役となりシミュレーションを実践し改善点や工夫点を試行錯誤しながら準備を進めてきました。当日は曇り空で足元が悪いなか13名の方が参加してくれました。       開始直後の学生たちは表情が硬く緊張した様子でしたが、住民の方の優しさや温かいお言葉によって、和やかな雰囲気で健康測定を実施することができました。問診、血圧測定、足趾把持力測定、握力測定を実施後、それぞれの測定結果に応じた保健指導を実施しました。学生たちが作成した問診表、測定結果記入用紙、保健指導パンフレットを活用しながら一人ひとりに合わせた保健指導を実施している学生はとても輝いて見えました。   住民の方で「初めて来た」と山上の地区から車で送迎してもらい来られた方もいました。その方は学生たちに「夏にも来てね」と笑顔で話されて、ご厚意で自宅までの送迎に付き添わせていただきました。付き添った学生からは、実際のご自宅を訪ねることができたこととその方との関わりから、「学生を自宅へ招き入れて話をすることや、自分が作った野菜や採った山菜をあげることが生きがいになっているのではないかと感じた」と実習ならではの学びを得ることができました。その他の住民の方からは健康測定の感想として、「本当に丁寧でよかったです、日本の未来のために頑張ってください」と温かいお言葉をいただくことができました。   健康測定の合間に、高齢者が買い物できるよう全ての地区を回る移動スーパーに帯同し、住民の健康状態を把握し切れ目ない支援をタイムリーに展開する活動されているコミュニティナースの活動の実際を見せていただきました。     学生たちは、住民の生活を支える仕組みには、関わる人々の思いも重要な要素であると感じたようです。 【最終日】5/9(木)曇り空でのスタートでしたが、午後からは晴天に。 3日目は、村長からご多忙の中、講話の時間を調整していただき、川上村のこれまでの歴史や住民の生活、ダム建設に対する思いや考えを私たちにお話しくださいました。   「主役は住民で、おじいちゃん、おばあちゃん、住民の方が幸せになること、きょう一日もよかったなと思えるように行政も同じ気持ちで働きかけることが大切」と話されました。また、日本を身体に例えて「東京は心臓とか脳で、田舎は手先・足先だと思っています。心臓がなければ生きていけないですが、手先、足先もなければ生きていくのが大変ですよね。手先・足先(田舎)と心臓(都会)は同じようにバランスよくしていかないといけない」と学生たちが分かりやすいように工夫してお話しくださいました。学生たちは熱心に村長のお話に耳を傾け真剣に聞いていました。川上村の歴史から自身の看護に対する考え方やへき地における行政の在り方を理解できたのではないかと感じました。     最後に村内で活躍されているアーティストの方へインタビューを行うため、匠の聚(たくみのむら)を訪ねました。そこで、前職を辞めてまで移住した経緯やアーティストとして活躍されている内容を教えていただき、川上村の素晴らしさを再発見できました。匠の聚のアトリエの素敵な絵画とそこから見える素晴らしい景色に私たちも癒されました。     今回のへき地医療体験実習を通して学生たちは、実際に川上村での保健・医療・福祉を体験し、村民の生活状況、価値観、健康状況などを総合的に判断した医療の在り方を考え、看護師の役割を考える貴重な経験と時間になりました。   お世話になった各機関の皆様、住民の皆様、本当にありがとうございました。   看護医療学科 助手 中谷 隆太郎   【関連記事】 2024年度 へき地医療体験実習(山辺郡山添村)レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)1日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)2日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)3日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2023年度 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 「離島・へき地医療体験実習」発表会を開催しました!~看護医療学科|KIO Smile Blog 離島・へき地医療体験実習(川上村)で応急手当ポケットカードを作成!~看護医療学科|KIO Smile Blog  

2024.05.10

2024年度 へき地医療体験実習(山辺郡山添村)レポート~看護医療学科

看護医療学科4回生の必修科目である「へき地医療体験実習」の現地実習が2024年5月7日(火)~5月9日(木)の3日間で行われ、学生たちは奈良県内4か所の実習地にわかれて参加しました。そのうちの1か所である山添村には、24名の学生が参加しました。 地域の方々、山添村役場住民福祉課、東山診療所、山添村社会福祉協議会、村立児童館、かすががーでん(波多野地区活性化協議会)をはじめとする村内各機関のみなさまのご協力のもと、素晴らしい実習ができました。3日間の様子をご報告いたします。 【1日目】5/7(火) 山添村が抱える問題について知る 初日はまず、山添村役場住民福祉課の辻井課長と新瀬保健師、山添村社会福祉協議会の浦事務局長から山添村の概況や健康課題のお話をお伺いしました。       その後、私たちは「かすががーでん」(波多野地区活性化協議会)に赴きました。山添村は古くからの大和茶の産地です。保育所跡地を活用した「かすががーでん」では東さんと岩本さんからお話を伺いました。当日は、「かすががーでん」にNHK奈良放送局と奈良新聞の取材があり、その後は書家の逢香さんとともにお茶摘みと、釜炒りの体験をさせていただきました。NHKでは「ならナビ」にて5月14日(火)に放送予定とのことです。           【2日目】5/8(水) 地域の方々とふれあう 2日目の午前中は、4つの班に分かれ、めいめいが立てた計画に従って、東山地域の地区踏査を行いました。途中、地区住民のみなさんとお話もでき、翌日に企画している骨密度測定会にお誘いすることができました。   午後に訪問した児童館では、赤埴館長、福山支援員さんへのインタビューの後、児童たちとともにおやつをいただきました。朴葉で包まれたおにぎりで、季節を感じるものでした。その後は、学生たちで企画したミニ運動会です。準備体操の後、じゃんけん列車、おっかけ玉入れ、風船バレー、借り物競争を行い、児童たちとおおいに楽しみました。     【3日目】5/9(木) へき地医療についての理解を深める 最終日の午前は、コロナ禍で中止を余儀なくされていた骨密度測定会を東山公民館にて行いました。骨密度測定のほか、血圧測定とフレイルのチェックを行いました。学生たちは最も時間をかけて一生懸命準備した甲斐があり、とてもよい会となりました。     最終日の午後は、東山公民館に隣接した東山診療所を見学しました。その後、公民館にて吉川院長と大久保看護師にインタビューを行い、村の医療の現状、山添村ならではの地域に密着した医療活動を行っていることをお聞きすることで、へき地医療について学びを深めることができました。     3日間のへき地実習では、山添村で暮らす方々の生活や思いを肌で感じ、病院実習だけでは経験できない多くのことを学びました。今後、看護職に就いた後もこの経験はきっと役に立つと考えます。 最後になりましたが、この実りある3日間の実習のために多くのご協力を賜りました関係者の皆様、地域の皆様に深く感謝いたします。   看護医療学科 教授 文 鐘聲 准教授 田中 陽子 准教授 室谷 牧子 講師 松川 真葵   【参考記事】 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)1日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)2日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)3日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2023年度 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 「離島・へき地医療体験実習」発表会を開催しました!~看護医療学科|KIO Smile Blog 離島・へき地医療体験実習(川上村)で応急手当ポケットカードを作成!~看護医療学科|KIO Smile Blog

2024.05.10

2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)3日目レポート~看護医療学科

看護医療学科では特色ある科目として、4年次に「へき地医療体験実習」を開講しています。4月当初から学内での実習を開始し、準備を整えて奈良県内4か所の地域で実習を行っています。看護医療学科大友准教授から3日目の様子が届きました。 5月7日(火)から9日(木)までの3日間は、吉野郡川上村・五條市大塔・山辺郡山添村・宇陀市大宇陀の4つの地域で臨地実習を行います。2日目報告に続き今日は、宇陀市大宇陀地区での実習3日目の様子についてリポートします。   実習地に入って2日間は、まちの保健室企画や移動診療車の見学、家庭訪問、カンファレンスなど、グループごとに多くの学びを得てきました。 大宇陀の方々から、温かいおもてなしを受け、学生たちは充実した時間を過ごしています。   この実習は「統合実習」に位置付けられています。これまでの「領域実習」を経験した4回生でしか経験できない多くのことを学ぶ3日間となります。   大宇陀での実習も最終日です。お世話になった宿泊場所で、今日もおいしい朝ごはんをいただきました。   ▼民泊施設では、焼き立てパンや手作りジャム・マーマレードなどをいただきました     荷物をまとめて、ご挨拶を済ませた学生たちは今日の実習に向かいます。 訪問看護や看取りが近い高齢者へのケア、地域診療担当医の往診見学など、今日も盛りだくさんな内容です。   施設に到着した学生は、早速私から課題を与えられました。 腎臓がん終末期で、全身浮腫や呼吸困難感を呈している高齢女性の全身清拭、更衣、シーツ交換、浣腸などの看護ケアです。   女性は、生まれてからずっと生活し続けた宇陀の地で看取りを希望しています。   終末期特有の多くの症状を抱えた女性を目の前にした学生たちは、これまでの学習や演習、実習で得た知識を絞り出します。身体症状に配慮しながら、爽快感を得られるケアの方法を考えながら、丁寧に関わりました。   家族が看取りのときに、この女性と対面しても「ああ、きれいな顔してる。大事に看取ってもらったのやね」という記憶を残していただけるようケアに向き合いました。住み慣れた地域で看取ることの意義や、亡くなる瞬間までその人らしく生きるためのケアが実践できた時間でした。   あわただしく時間は過ぎて、次は地域医療に携わる医師・看護師の往診に同行しました。   ▼往診医診察の様子     下咽頭がんで終末期を迎えた対象や、全身熱傷で下肢切断・人工肛門造設を余儀なくされた対象など自力で病院への受診が難しい事例は、宇陀市立病院総合診療科の医師が往診しています。学生たちは体温や血圧を測定し、医師に報告します。また、対象が抱えている問題について提起し、医師と治療方針について話し合いました。   往診実習を行った学生の一人は、偶然にもリハビリ病院での領域実習中に、受け持った患者と再会しました。再会に驚きを隠せませんでしたが、あまりの偶然に学生が涙する場面もありました。   往診見学後は、学生から地域診療の醍醐味や大宇陀の医療が抱える課題について医師に質問をしました。   ▼地域医療のやりがい、大宇陀の医療が抱える課題について医師とカンファレンスする様子     地域診療医とカンファレンスする中で、学生はへき地医療に携わる喜びや課題に向き合う時間をいただきました。   ▼宇陀市立病院総合診療科潮見医師・山口看護師と学生たちの様子     あっという間に時間は過ぎて、昼食となりました。本日の地元メシは・・・・・?   ▼筍と山椒の佃煮。もちろんすべて大宇陀産の食材を調理しました     ▼お待たせしました。デザートは差し入れの「きみごろも」です。     3日間、大宇陀ラガール栄養科の方々から美味しい昼食を提供していただき、今日も午後からの実習に臨みました。 午後からは、家庭訪問や訪問看護、地区踏査、小規模多機能施設での活動を行いました。   ▼小規模多機能施設で骨密度測定や指導を行いました。     ▼骨密度測定後、健康指導内容を振り返る対象の様子     ▼小規模多機能施設で頭の体操を行う様子     小規模多機能施設は、地域密着型で宇陀市に住所を置く高齢者が訪問介護やデイサービス、ショートステイなどを利用しながら生活支援を受ける場所です。住み慣れた地域でその人らしさを支える介護の実際を学ぶことができました。   3日間の実習も終わりを迎えました。お世話になった施設の会場を片付けたあと、ご挨拶を済ませました。   ▼学生たちは丁寧な言葉で学びを伝えました。     ▼プログラム企画から多大なる協力をいただいた大宇陀ラガールの内田相談員からエールをいただきました。     3日間の実習は、学生の頑張りも素晴らしいものでしたが、住民の方々や大宇陀の医療介護従事者、宇陀市の医療従事者の皆さんから支えられて成り立ちました。 こちらからの依頼をすべて受け入れて協力いただいた皆さんのお力添えのもとに私たちは、この実習を終えることができました。   内田相談員から「よいかかわりをすれば、必ず笑顔や前向きな反応が得られます。それを心にとめて、実習での学びを生かしてください。看護師としての高みを見続けて研鑽してほしい」というエールをいただきました。   ▼修了し、帰路に就く前に記念撮影をしました。     3日間大雨も降らず、健康を維持して実習ができたことをうれしく思います。   私は宇陀の住民ですので、あらためて大宇陀の人々の温かさや人を育てる力に触れこの地域の住民であることを誇りに思いました。 さあ、明日からは実習の総まとめです。実践報告会で学びのすべてを発揮できることを期待しています。   看護医療学科 准教授 大友 絵利香 【関連記事】 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)1日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)2日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2023年度 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 「離島・へき地医療体験実習」発表会を開催しました!~看護医療学科|KIO Smile Blog 離島・へき地医療体験実習(川上村)で応急手当ポケットカードを作成!~看護医療学科|KIO Smile Blog

2024.05.09

2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)2日目レポート~看護医療学科

看護医療学科では特色ある科目として、4年次に「へき地医療体験実習」を開講しています。4月当初から学内での実習を開始し、準備を整えて奈良県内4か所の地域で実習を行っています。   5月7日(火)から9日(木)までの3日間は、吉野郡川上村・五條市大塔・山辺郡山添村・宇陀市大宇陀の4つの地域で臨地実習を行います。1日目報告に続き今日は、宇陀市大宇陀地区での実習2日目の様子についてリポートします。   ▼地元の野菜と美味しいお米で温かい朝食です   今朝の大宇陀は5月と思えないくらい肌寒く、山手にある宿泊施設ではこたつに入るのが心地よいくらいです。昨日はフカフカの布団でゆっくり休んで、実習に備えました。今日は全員で準備して臨む「まちの保健室」企画の日です。腹ごしらえが済んだら、さあ出発!   ▼民泊施設のお嬢さんと仲良しになりました   「まちの保健室」は、大宇陀中心部にある「道の駅 宇陀路大宇陀 阿騎野宿」の皆さんのご協力のもと会場をお借りしました。   ▼畿央大学の旗のもと、会場準備が整いました   開始時間の10時前から、イベントに関心を持った住民の方が次々と来てくださいました。学生たちは役割に沿って、問診や測定、健康指導、日常生活の様子を聴くなど、学内でのリハーサルを思い出しながら進めていきます。   ▼日課の散歩に来ていた地元の高齢者と学生の様子   大宇陀の高齢化率は45%に迫っているため会場を訪れる住民の大半は高齢者でしたが、皆さん生き生きと健康管理に気遣っておられる様子を話してくれました。   ▼問診や測定を行う様子   近年大宇陀は町屋整備に力を入れ、近隣の府県から多くの観光客が立ち寄る町になっています。奈良県内各地や遠くは山梨県から紀伊半島に旅行に来られたご夫婦も保健室に立ち寄ってくださいました。奥様が元助産師さんであった方が来られ、学生たちは緊張しながら測定や指導を行っている様子もみられました。これから山梨までドライブして帰るというご夫婦から差し入れをいただき、力をもらうひと時もあった保健室企画でした。 総勢60名の方々が企画に参加してくださり、イベントは大成功!「さっき友達が来たみたいで、行っておいでと声かけてくれたから来ました」と、会場に足を運んでくれた方も大勢おられたことから、学生は住民同士のコミュニティが良好に保たれている様子を実感することができました。   午後からは、大宇陀特別養護老人ホームラガールの乃美幸彦施設長から『高齢化と人口減少が進む町でどのようにして”住み慣れた地域で最期まで暮らす”ことを支えるか』といった大宇陀の介護医療福祉連携についてお話を伺いました。   宇陀市は人口の3割が、ケアネットシステムに登録しており、地域包括ケアシステムが円滑に機能しています。施設長は、「他職種で意見を出し合うこと」「一人の人に多数の目を向け方向性を確認すること」「ニーズのある人からドアをノックされたら必ず全力で応えること」が、医療介護に従事する者の基本姿勢であることを学生たちに教えてくださいました。   ▼乃美施設長からのお話のあと、学生からは終末期の意思決定支援について質問が出ました   実習も2日が終わりましたが、学生たちは実習目標達成に向けて取り組んでいます。   ▼関戸地区への家庭訪問   ▼家庭訪問で生活指導を行う様子   今日は雨が降ることもなく、訪問看護や移動診療車の見学などそれぞれの実習地で元気に活動しました。 明日は3日目です。大宇陀の方々への感謝を忘れず現地実習の仕上げができるよう頑張りましょう。   ▼宿に戻って、美味しい夕食をいただき明日に備えます。   野菜を使ったお料理で明日への活力をいただきます。   ▼本日のお楽しみ:地元の一品は昨日の筍に続いて蕗でした   明日は何かな!   健康科学部看護医療学科 准教授 大友 絵利香   【関連記事】 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)1日目レポート~看護医療学科 2023年度 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポート~看護医療学科 「離島・へき地医療体験実習」発表会を開催しました!~看護医療学科 離島・へき地医療体験実習(川上村)で応急手当ポケットカードを作成!~看護医療学科

2024.05.08

2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)1日目レポート~看護医療学科

看護医療学科では特色ある科目として、4年次に「へき地医療体験実習」を開講しています。4月当初から学内での実習を開始し、準備を整えて奈良県内4か所の地域で実習を行っています。 5月7日(火)から9日(木)までの3日間は、吉野郡川上村・五條市大塔・山辺郡山添村・宇陀市大宇陀の4つの地域で臨地実習を行います。   今日は、宇陀市大宇陀地区での実習1日目の様子についてリポートします。   実習開始のこの日の大宇陀は朝から大雨でしたが、学生が現地に入る時間には雨も上がって、緑も美しい景色が広がるほどになりました。学生たちは元気に実習拠点となる施設に集合しました。その後、オリエンテーションを受け、各部署にご挨拶を済ませて、いよいよ実習開始です。   アクティビティや家庭訪問準備、会場準備のあと昼食をいただきました。この日は、地元の方が掘ってきてくださった筍を使って、教員が筍ごはんを作りました。施設の厨房で調理していただいた、副食やデザートとともに1升以上の筍ごはんは、あっという間に完食!腹ごしらえをして午後の実習に備えます。   ▼地元の方がくださった筍を使って筍ごはんを作っていただきました。   ▼おなか一杯いただきました。   昼食後はそれぞれの活動場所に分かれて、いざ出発。   家庭訪問・宇陀移動診療車見学・デイサービス利用者の健康測定とアクティビティ・訪問看護・重要文化財片岡邸宅訪問・退院カンファレンス参加など盛りだくさんな内容で、充実した実習を行いました。高齢者との関わりや、地域の医療福祉介護連携などを体験することで、利便性のない地域で自助・互助・共助の兼ね合いが円滑に進んでいる現状や、意思決定を促進しながら、よりよい人生を送るための、医療者の役割についても考える時間をいただきました。大宇陀の皆さんは学生を快く受け入れてくださり、どこに行っても温かいおもてなしをしてくださいます。学生たちも何か役立てることを探して、住民の皆さんとコミュニケーションを図っていました。   ▼訪問した田中さんは、大学の創設者 故冬木智子先生のご親戚でした。   ▼デイサービス利用の高齢者とアクティビティ   ▼家庭訪問先で楽しい時間を過ごしました。   ▼終末期の意思決定支援カンファレンスに参加   実習終了後はそれぞれの宿に入りました。今年度は、大宇陀関戸地区にある民泊施設にお世話になっています。カエルの鳴き声が田んぼに響く中、獣除けのライトや鉄柵に驚きながら、ゆったりと宿で過ごしました。宿では温かいおもてなしや美味しい夕食をありがたくいただきました。明日への英気を養いながら、楽しい夜が更けていきます。   ▼民泊施設でリラックス   ▼美味しいピザとオーガニック野菜   ▼手作りケーキに元気をいただきます。   ▼野菜たっぷりのサラダが明日への活力です。   今日の大宇陀は肌寒く、大学のある広陵町と同じ奈良県とは思えないくらいです。   明日はみんなで協力して運営する「大宇陀まちの保健室」を企画します。元気に頑張れるように、今夜はゆっくり休むことにします。   健康科学部看護医療学科 准教授 大友 絵利香   【関連記事】 2023年度 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 「離島・へき地医療体験実習」発表会を開催しました!~看護医療学科|KIO Smile Blog 離島・へき地医療体験実習(川上村)で応急手当ポケットカードを作成!~看護医療学科|KIO Smile Blog

2024.02.01

看護学生と企画した「性教育セミナー」を高校で実施!~看護医療学科「母性看護実習」

看護医療学科3回生が学ぶ「母性看護学実習」では、今年度初めての試みで高校での性教育セミナーを実施する機会をいただきました。看護医療学科の岡が当日の様子をレポートさせていただきます。     高校の控え室で最後の打ち合わせ…一緒に参加した担当教員の方がドキドキしています。   奈良県立桜井高等学校の2年生のみなさんに拍手でお迎えいただいて入場し、セミナーが始まりました。まずは自己紹介を兼ね、大学での看護の講義や演習など学修の様子を動画で紹介しました。     寸劇、パワーポイントを使っての説明など、大学生たちはみんなで真剣に、高校生のみなさんに伝えたいことを考えてくれました。例えば、ネットで知り合った人に初めて出会う場面…いきなり手を握られたら、みなさんはどのように感じるか、大切にしたい友達との関係、相手を傷つけずに断るにはどうすればいいのか…。人と人との距離は、それぞれ感じ方があるので、お互いを大切にするにはどうすればいいのか…などを考えるきっかけにしてもらいました。自分のからだを大切にすると同時に、相手のからだも大切にすること…その上で性的なつながりなどを考えていくきっかけにしていただきたいと願って、みんな一生懸命伝える努力をしてくれたと思います。         最後にグループに分かれての体験。男の子、女の子、性別に関わらず誰もが身を守るために大切なこと。 望まない妊娠、性感染症を防ぐために、人を大切にするための実技体験にしてくれました。 恥ずかしいかもしれないけれど「女の子もちゃんと知っていないとダメンズの餌食になっちゃうよ!」という大学生からのメッセージもありました。     続いて、奈良県立西和清陵高等学校の1年生のみなさんの前でもお話しさせていただきました。残念ながら、日程調整上で学生さんたちの参加はかなわなかったので、パワーポイントなど学生さんの作ったものを一部使わせていただきました。     出会い系サイトで出会って、初めて出会った場面の寸劇は、高校の先生が担当くださり、生徒さんたちからの笑いも…。迫真の演技?でした。相手役の先生の戸惑いがリアルでした(笑) 自分が不快に感じることは不快だと伝えることって大切ですよね。相手を不快にさせない断り方も考えるきっかけにできていればいいのですが。       中絶手術が行われていない、昔の様子などもお話ししました。 最後に体験会…抽選で決まった人たちが前に出て体験してくださいました。ちょっと抵抗はあると思うのですが自分のからだと相手のからだを大切に守るために、必要な守りだと思います。完璧なまでにキレイにつけてくれた生徒さんもいました。大切なことですね。           生徒さんの感想の一部です。感想を聞かせてくださってありがとうございました。   「初めて知ったことがいっぱいありました」 「学校ではこういったものに触れにくいので抵抗はありますが真剣に向き合いたいと思います」 「恥ずかしい内容もオープンに聞くことができてとても役に立ったと思った」 「これからの自分たちに大きく関わっていく問題だと思う」 「自分の身を守るために必要なことやお互い知っておいた方が良いことが沢山あるんだと思った」 「年齢的には近いけれど高校と大学では全然違うんだろうなと思いました」 「恥ずかしさがあったが大切でいい機会だった」 「実際に今学んでいる学生さんから直接話を聞けて身近な感じがありわかりやすかった」 「いのちの重みが伝わりました。もっと責任を持ちたいと思います」 「年齢が近い人たちなので親近感があった」 「年齢の近い人に教えてもらえてうれしかった」 「大学の看護の人たちを見てもっと看護師になりたいと思った」 「間違いを犯さないためのいい勉強になった」 「性病は怖いと思った」 「一般的に行われる性教育より、少しプラスの内容が学べた」 「自分の知らない言葉が色々出てきたけど、大切なことを何度も繰り返して話してくれたので、よくわかった」 「将来の自分と相手のための勉強になった」 「とても恥ずかしかったけど、大事な事だったので我慢して聞くことができました」 「避妊薬の値段など知りたかった」 「怖いと思う人はいると思うけど色々な事例をあげるのもいいと思った。危機感持てる」 「人間というか生物に改めて興味が出た。また、義務教育までの浅はかな知識で性について知るよりもこういう講演をしていただけてとても有意義な時間だと思った」 最後になりますが、母性看護学領域では、大学生が中心になり、高校生に向けて少しでもお伝えできるよう、春からはプロジェクトチーム(Sexology Project)を立ち上げる予定です。私たち年配者には思い浮かばないような若い発想で、少し年下の生徒さんたちをサポートできるのは、大学生さんたちの強みだと思います。 興味のある方は畿央大学健康科学部看護医療学科 岡までどうぞよろしくお願いします。     看護医療学科 教授 岡いくよ 看護医療学科 助教 堀井有紗     【関連記事】 堺市総合防災センターで体験学習をしました~看護医療学科「災害看護II」 ハンセン病療養所を訪問、当事者家族の声を聴き「医療と人権」を学ぶ~看護医療学科「健康学特論」 「地域包括ケア実習」が新しく始まりました!~看護医療学科 外部講師による講義「筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の看護について」~看護医療学科「慢性期看護学援助論Ⅰ」 2023年度 看護医療学科卒業研究発表会を開催! 令和5年度「チーム医療ふれあい実習」実践発表会を開催!~看護医療学科 奈良県看護協会主催「訪問看護インターンシップ」参加レポート!~看護医療学科 JICAでの保健・医療活動の実際を通しての学び②学外演習編〜看護医療学科「国際看護学Ⅱ」 JICAでの保健・医療活動の実際を通しての学び①外部講師による講義編〜看護医療学科「国際看護学Ⅱ」 「薬害の実情」と「患者の人権」を学ぶ~看護医療学科「保健医療福祉システム論Ⅰ」 手術を受けた患者をイメージした「患者モデルの作成」と術後看護演習~看護医療学科「急性期看護学援助論Ⅱ」 4回生から3回生へ学びの伝達「緩和ケア病棟の実際―病院インターンシップ実習を経験した上級生とのディスカッションー」~看護医療学科「終末期ケア論」 「臨死期の看護を学ぶ」エンゼルメイクの演習を実施! ~看護医療学科「終末期ケア論」 外部講師による講義「国外における国際看護と国際看護活動に必要な能力について」~看護医療学科「国際看護学Ⅰ」 2023年度 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポート~看護医療学科 外部講師による講義「看取りを体験した遺族に対する看護の課題」~看護医療学科「終末期ケア論」 2023年度新入生研修 学科別レポートvol.1~看護医療学科

2023.12.19

堺市総合防災センターで体験学習をしました~看護医療学科「災害看護II」

看護医療学科4年次後期に配当される「災害看護Ⅱ」の授業では、災害の種類と健康被害の特徴、災害サイクルに応じた災害看護活動、他職種との連携体制の構築、災害時に必要な医療と看護技術による災害看護の実践、災害に備えた減災・防災マネジメントなどの体験や演習を通して、災害看護の機能と役割について学びます。12月5日(火)には、学外実習として4回生の2名が担当教員引率のもと、堺市総合防災センターに足を運びました。以下、参加学生からのレポートをお届けします。 日本は、他国に比べ自然災害の数、規模が大きく、過去には阪神淡路大震災・東日本大震災などの大規模自然災害が発生しています。また私たちは被災地を映像で見たことはあるものの、それを経験したことはありません。そのため今回は「災害看護Ⅱ」の授業より、今後自然災害が起こると予測されている南海トラフや上町断層直下型地震の体験と予防策、看護師としてできることについて堺市総合防災センターに行き学修を深めました。   災害体験 地震に遭遇する映像を見ながら震度7の地震の揺れを体験し、また火災の実際の映像を見ました。       次に、火災による煙と停電による暗闇の体験および火事が起こった際の消火体験を行いました。火災時に発生する煙の主成分である一酸化炭素は空気より軽いため上から煙が溜ること、停電による暗闇の中では一切何も見えないことを体験することができました。また消火体験では燃え上がっている炎の中心を狙うのではなく、火元を狙って消火することが良いことを学習することができました。     災害体験を通じて、大規模地震や火災による被害の大きさを体感することができました。地震による被害を最小限にするために保存食の準備や家具の固定など自宅で予防できるものについても理解を深められました。施設や病院等で看護師として働く際には、今回、火災や停電に対する危険性を体験できたことが、避難誘導を円滑に行うことに繋がると思います。 がれき救助体験 次にがれき救助体験をしました。災害発生時に重要となる自助や共助の観点から、被災者を担送する体験をしました。災害時は物品が限られているため、家庭にあるもので安全に運ぶ方法を学習することができました。     瓦礫が乗っている屋根の下に人がおり、安全に屋根を持ち上げるという想定の下ジャッキーを使用しました。災害時、自分の身を守りながら救援者を助けるにはどのような物品が必要で、どのように使えばよいかを体験しました。       がれき救助体験を通じて実際に救助の方法を知ることができました。災害発生時、担送や護送の際の注意点や、クラッシュ症候群予防について考えるきっかけとなりました。また、消防士の観点から災害について考え、病院や避難所で、救助隊との連携がスムーズにするためにはどのような事柄が必要か学ぶことができました。 参加した感想 看護師として自然災害発生時の停電や火災の危険性を理解することができました。 患者を避難誘導する際に独歩・護送・担送の観点から、危険性が高い人から低い人へと順に避難誘導する優先順位を検討できると学びました。今後、看護師として働いていく中で、救援者でもありながら被災者となる可能性が高いため、災害発生時、重要になってくる自助、共助を活用しながら、自身の安全確保を行いつつ、傷病者の手当てや護送、担送を行っていけるようになりたいと思います。     看護医療学科 准教授 酒井 啓子 看護医療学科4回生 荒井 拓真、三島 大空 【関連記事】 ハンセン病療養所を訪問、当事者家族の声を聴き「医療と人権」を学ぶ~看護医療学科「健康学特論」 「地域包括ケア実習」が新しく始まりました!~看護医療学科 外部講師による講義「筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の看護について」~看護医療学科「慢性期看護学援助論Ⅰ」 2023年度 看護医療学科卒業研究発表会を開催! 令和5年度「チーム医療ふれあい実習」実践発表会を開催!~看護医療学科 奈良県看護協会主催「訪問看護インターンシップ」参加レポート!~看護医療学科 JICAでの保健・医療活動の実際を通しての学び②学外演習編〜看護医療学科「国際看護学Ⅱ」 JICAでの保健・医療活動の実際を通しての学び①外部講師による講義編〜看護医療学科「国際看護学Ⅱ」 「薬害の実情」と「患者の人権」を学ぶ~看護医療学科「保健医療福祉システム論Ⅰ」 手術を受けた患者をイメージした「患者モデルの作成」と術後看護演習~看護医療学科「急性期看護学援助論Ⅱ」 4回生から3回生へ学びの伝達「緩和ケア病棟の実際―病院インターンシップ実習を経験した上級生とのディスカッションー」~看護医療学科「終末期ケア論」 「臨死期の看護を学ぶ」エンゼルメイクの演習を実施! ~看護医療学科「終末期ケア論」 外部講師による講義「国外における国際看護と国際看護活動に必要な能力について」~看護医療学科「国際看護学Ⅰ」 2023年度 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポート~看護医療学科 外部講師による講義「看取りを体験した遺族に対する看護の課題」~看護医療学科「終末期ケア論」 2023年度新入生研修 学科別レポートvol.1~看護医療学科

2023.12.15

「精神看護学実習」施設実習レポート!~看護医療学科

看護医療学科3年次後期は臨地実習に行き、急性期・慢性期・母性・小児・精神・老年・在宅看護学・クリティカルケア実習に計15週間の実習を行います。その一つである精神看護学実習では、病院と施設に分かれて2週間の実習を行います。今回、地域実習施設である一般社団法人イーデンホール(生活介護事業・B型就労継続支援事業・訪問看護ステーション)様での実習について、参加学生の感想をお伝えします。 実習へ行く前は、精神看護は難しい、少し怖いというマイナスのイメージがあり不安を感じていました。実際に実習中もコミュニケーションのとり方にとても悩みました。しかし試行錯誤していく中で、コミュニケーションは言葉のキャッチボールだけでなく、同じ空間にいることや、相手に関心を持つこともコミュニケーションであると学び、上手く関わりを持つことができるようになりました。そのことで、精神看護へのイメージを良い方向へ変化させることができました。また、今回の実習で、精神疾患を抱えながら地域に暮らす人達がたくさんいることを実感しました。今後は、今回の実習での学びを自身の看護に活かしていくとともに、疾患を抱えながら地域に暮らす方たちを支えていくために、看護師としてどのような役割があるのか、考えを深めていきたいと思います。 精神看護学施設実習で学んだことは、精神疾患を患っている方とのコミュニケーションです。信頼関係を形成するためには、接する機会を重ね、楽しむことができる世間話をして、徐々に互いの心の距離を近づけていくことが必要です。精神疾患を患っている方には、なかなか自分の思いを発言することができない方もいらっしゃいましたが、徐々に心の距離が近づいていると日々の関わりを通して感じることができました。精神疾患を患っている方も、自分たちと同じように初対面の人には緊張し、人と人が仲良くなっていくように、心の壁を取り除いてくれるのだと感じました。 私たちは精神看護学実習で、疾患を治療する場である病院ではなく、精神疾患を抱える人達が生活する場である生活支援施設で実習をさせていただきました。特に印象に残ったことは、私たちで企画・実施をしたレクリエーションです。普段自分から動かない人が積極的にレクリエーションに参加している姿が見られ、利用者さんの新たな一面を知ることができました。さらに、利用者さんの新たな一面を見られたことで、他の利用者さんや施設の方、私たちもすごく嬉しい気持ちになりました。このレクリエーションを通して、その人にできることを決めつけてしまうことは、持てる力を奪ってしまうということを学ぶことができました。実習では受け持ちの利用者さんと上手くコミュニケーションがとれず、悩むことも多かったですが、実習メンバーや先生、スタッフさんの助力もあり、学ぶことが多かった以上に、楽しんで実習を終えることができました。         利用者のみなさま、施設のスタッフの方々に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。   看護医療学科3回生 福原 拓時、梅澤 津柚乃 小笠原 佳子、谷口 晴美、光吉 彩華 関連記事 ハンセン病療養所を訪問、当事者家族の声を聴き「医療と人権」を学ぶ~看護医療学科「健康学特論」 「地域包括ケア実習」が新しく始まりました!~看護医療学科 外部講師による講義「筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の看護について」~看護医療学科「慢性期看護学援助論Ⅰ」 2023年度 看護医療学科卒業研究発表会を開催! 令和5年度「チーム医療ふれあい実習」実践発表会を開催!~看護医療学科 奈良県看護協会主催「訪問看護インターンシップ」参加レポート!~看護医療学科 JICAでの保健・医療活動の実際を通しての学び②学外演習編〜看護医療学科「国際看護学Ⅱ」 JICAでの保健・医療活動の実際を通しての学び①外部講師による講義編〜看護医療学科「国際看護学Ⅱ」 「薬害の実情」と「患者の人権」を学ぶ~看護医療学科「保健医療福祉システム論Ⅰ」 手術を受けた患者をイメージした「患者モデルの作成」と術後看護演習~看護医療学科「急性期看護学援助論Ⅱ」 4回生から3回生へ学びの伝達「緩和ケア病棟の実際―病院インターンシップ実習を経験した上級生とのディスカッションー」~看護医療学科「終末期ケア論」 「臨死期の看護を学ぶ」エンゼルメイクの演習を実施! ~看護医療学科「終末期ケア論」 外部講師による講義「国外における国際看護と国際看護活動に必要な能力について」~看護医療学科「国際看護学Ⅰ」 2023年度 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポート~看護医療学科 外部講師による講義「看取りを体験した遺族に対する看護の課題」~看護医療学科「終末期ケア論」 2023年度新入生研修 学科別レポートvol.1~看護医療学科