人間環境デザイン学科
2021年3月22日(月)
大学周辺の香芝市関屋地域の農家小屋等をペイントするプロジェクトを「バーンデザイン」と呼んでいます。最初のバーンデザインは4年前でしたが、数多くの農家小屋がアートでペイントされ、関屋の環境が活性化されました。
その活動をみた関屋駅前の「ちゃんこ好の里」さんからサイン看板をつくってほしいと依頼されたのが2年前。幅3.6メートルもある大作も完成し、大変喜んでいただきました。
その際の様子はこちらのリンクからご確認下さい。
ところが看板は線路ギリギリの場所に設置されているため、看板の劣化が激しく、中心にあるお相撲さんの顔の部分が剥がれてしまいました。
危険な場所にあるため、我々が描きかえることもできない為、応急処置しかありませんでした。工事用の養生シートに油性インクで描いた仮の簡易サインを急遽つくることになりました。
【簡易サインの制作過程】
制作メンバー:加藤プロジェクトゼミ 2回生4名(井戸上希星、殿村梨花、東田遥香、山口瑞生)
①縮尺1/20の原画を20倍にして原寸図をつくる
②養生シートの上にその原寸図を重ね、カーボン紙で転写する
③黒、赤、ピンク、青と緑(K I O)を油性インクでなぞっていき、完成
簡易サインは先日「好の里」さんに納品させていただきました。
コロナ禍のためまだ設置はされていませんが、電車内から見るのが楽しみです。
人間環境デザイン学科 教授 加藤信喜
●過去のバーンデザイン記事
「バーンデザイン」第4弾!葛城自動車学校倉庫~人間環境デザイン学科加藤ゼミ
関屋駅前「ちゃんこ好の里」のサイン看板作成PARTⅡ!~人間環境デザイン学科加藤ゼミ
「ちゃんこ好の里」さんのサイン看板作成!~人間環境デザイン学科加藤ゼミ
「バーンデザイン」農家小屋アート2018~人間環境デザイン学科加藤ゼミ
「バーンデザイン」農業小屋アート2017~人間環境デザイン学科
「バーンデザイン」関屋農家小屋環境アート2016~人間環境デザイン学科
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2021年3月11日(木)
人間環境デザイン学科では、4回生になると大学生活4年間の学びの集大成として卒業研究に取り組みます。
例年学内で夜遅くまで友人たちと切磋琢磨しながら作業をする4回生の姿がありますが、今年は感染症対策のため自宅での作業が中心となりました。各自決定したテーマは、今年しかできない工夫されたテーマがいくつもあり、例年に増して工夫された研究内容が出揃いました。
2021年1月23日(土)、24日(日)には講評会を、2月9日(火)にはその講評会で評価された選抜者の講評会を行いました。
▲講評会の様子
選抜講評会では16グループ18名が発表し、各賞の受賞者が決定しました。
▲選抜講評会の様子(当日はオンラインも併用し、ライブ配信を実施)
【学長賞】
上田琴乃 Show must go on -Hall ark-
【優秀賞】
櫻井香月 商店街で一息 ~時間の流れを忘れて過ごす~
三歩莉奈・西岡あさひ 乳がん術後女性のQOL向上のための入浴着の制作
松浦直香 蘇る母の嫁入り布団 ~混紡率を楽しんで~
【優秀論文賞】
栗原大地 郊外の一戸建て住宅地における表出に関する研究
卒業研究展示会は、2月27日(土)~3月2日(火)の4日間、学内にて開催しました。ライトアップされた作品や、ポスターを作成しより伝わりやすく工夫された論文は、学生達の努力を最大限に引き立ててくれ、素晴らしいものでした。デザイン学科の後輩はもちろん、他学科の先生方、職員の方にも見ていただき、例年の学外展示会とは一味違った雰囲気でした。
ご来場いただき、ありがとうございました。
▲卒業研究展示会の様子
友人や先生と濃い時間を過ごすはずだった卒業研究の時間は奪われてしまいましたが、全員1人でよく頑張ったと思います。展示会の準備から片付けまで、責任を持ってやり遂げることもできました。教員一同、頑張ったみなさんに心から拍手を送りたいと思います。
約1カ月後には新4回生の卒業研究がスタートします。来年度はどんな面白いテーマが出揃うのか、楽しみです!
人間環境デザイン学科 助手 小松智菜美
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2021年3月9日(火)
奈良県商工会連合会(担当:丸橋課長補佐)との産官学連携事業は10年以上も続いています。特に下市町との連携事業では「合格割箸(ごうかくかつばし)」をつくるなど大きな成果を残しました。一昨年からは、奈良のホテル内で販売するお土産というテーマでデザインから取り組んできましたが、コロナ禍の中、開発が思うように進まず停滞を余儀なくされました。
我々がデザインしたのは「おうちシリーズ」というカトラリーセットです。箸置きだけではなく、スプーンとお箸がセットになるものなど新しい提案もしました。商品ブランドから考え「NARAA(ナラア)」と命名しました。ロゴタイプまでデザインしています。
▲NARAAのロゴ
まだ試作品の段階ですが、ここにご紹介させていただきます。試作品をつくってもらったのは立体表現Ⅱの授業でお世話になっています稲葉崇史先生(INABA WOOD WORKS)です。それぞれの断面が「おうち」になっています。
▲カトラリーセットの試作品
この「おうちシリーズ」は今年度の人間環境デザイン学科4回生の卒業研究に結びつきました。卒ゼミ生の陣田真衣さんが「おうちのおうち」というテーマでステイホーム生活に潤いを運ぶ子どもの基地を制作しました。
▲卒業制作を囲んで(左:陣田真衣さん、右:奈良県商工会連合会 丸橋課長補佐)
産官学連携事業は三者の合意がないとそのプロジェクトは進みません。その為、商品開発のハードルはかなり高くなります。
陣田さんの卒業研究では奈良商工会と材木屋さんとも打ち合わせをしました。プロの意見を真摯に聴くことで作品に反映させることもできました。完璧な仕事にはなりませんでしたが、そのプロセスを含めて彼女にとって勉強になったのではと思います。
人間環境デザイン学科 教授 加藤信喜
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2021年3月4日(木)
奈良テレビで毎週土曜日よる9時30分から放送されている「角角鹿鹿」。奈良県出身の俳優:加藤雅也さんが、奈良県内のおもしろいスポットを紹介しています。
3月6日(土)・13日(土)は「靴下をめぐる旅」で、東京の加藤さんから特命を受けたスティーヴエトウ氏が、靴下生産量日本一の広陵町界隈を取材に訪れました。
「広陵町×靴下といえば、靴下百年史の編集者でもある本学人間環境デザイン学科の村田先生」ということで、村田浩子教授が取材を受けました。広陵町は大和木綿の生産地です。村田先生と卒業研究で木綿作りに関わったアパレル造形コース4回生松浦さんが、綿花から糸を紡ぎ布を織り靴下が出来るまでの過程を解説しています。
放送は今週末3/6(土)21:30~、再放送3/13(土)21:30~です。お楽しみに!
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2021年3月3日(水)
人間環境デザイン学科 教員の加藤信喜です。
家具を制作する授業として「立体表現Ⅱ」があります。授業の要の先生としてプロの木工作家に来ていただいていますが、その先生と一緒に家具を制作しています。私がデザインをして木工の先生に制作してもらうというコンビで多くの家具を制作してきました。今回はその椅子を紹介させていただきます。
①おにぎりスツール(制作:永田健一先生)
ピクニックや遠足に行くときに持っていける小さな折りたたみスツールです。上から見ると「おにぎり」のカタチになっています。紐を外したり結んだりして脚を折りたたみます。
おむすびの三角形の一辺は28センチ、座の高さは20.5センチと持ち運びに便利なように小ぶりにしました。
②愛のないアルファベットスツール(制作:湯浅則夫先生)
このスツールは正面からみると、文字通りAからZの文字になっています。全てのアルファベットをつくってはいませんが(試作は6脚)、1文字だけできなかったものがあります。それは「I」というスペルです。Hを90度回転させれば行けそうでしたが、座面が小さくしかも構造的に問題があり結局「I」だけ諦めたのです。ネーミングはそのために洒落ています。
▲(上:アルファベットのE、下:アルファベットのM)
▲(上:アルファベットのX、下:アルファベットのZ)
③BLACK&WHITE チェアー(制作:湯浅則夫先生)
リートフェルトのRED&BLUEチェアーはあまりにも有名な名作椅子で、大学のエントランスホールにも飾られています。その横に同じような椅子がありますが、ジョイントをよく見れば少し違います。日本古来の接手技術「三方組手」を採用し釘なしで部材をばらばらにすることができます。リートフェルトへのオマージュとして制作。
▲写真:三方組手の様子
④ZICZACチェアー(制作:湯浅則夫先生)
この椅子もリートフェルトへのオマージュとしてつくりました。本物のZIGZAGチェアーも大学のエントランスホールに並んでいます。この椅子は木だけで制作されているため、折れ曲げ部のジョイントが楔(くさび)で補強されています。この楔を取ることができたらもっとシンプルなカタチができるのではと考えました。最初の試作では木製でチャレンジし、板の内部に鉄板が入れたものを作成し、2回目は薄鉄板を折り曲げて、薄さを意識したデザインで完成させました。
▲写真上:完成品、写真下:試作品(木製の椅子の内部に鉄板を入れたもの)
⑤最新作・素敵な椅子
このタイトルも駄洒落です。ステッキのようなデザインになっているため命名しました。そもそも椅子は休息するためのものですが、この椅子はおちおち安息することはできません。軽作業をするときに補助的に使用するためのものだからです。スツールには3本脚のものも多いのですが、3本脚は最も安定するカタチです。この椅子は人間の2本脚を加えて合計3本になって初めて成立します。
▲左:実際の座ってみた様子、右:制作いただいた稲葉先生
畿央大学のエントランスホールには数々のデザイナー椅子が並んでいます。名作椅子といわれていますが、全ての椅子が座りやすいわけではありません。座りやすいだけなら他にもっとあるでしょう。もちろん座ることができなければ椅子ではありませんが…
では名作椅子とはどんな椅子なのでしょう。僕は、その時代を最も映しだしその時代の人に最も愛された椅子、それが名作椅子と呼べるのではないでしょうか。したがってそんなにたくさんはありません。特に21世紀になって深澤直人氏の「HIROSHIMA」以外は知りません。それほど名作椅子をつくり出すことは難しいのです。足元にも及びませんが、これからも椅子づくりに関わっていたいと思っています。
人間環境デザイン学科 教授 加藤信喜
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