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畿央大学×地域連携

2023.02.26

1回生131名が「小学校一日見学」に参加しました~現代教育学科

「小学校一日見学」は畿央大学教育学部が独自に設置している「小学校教育実習」「養護実習」を履修するための必修科目です。早い時期に学校の現場を経験することをねらいにしています。   平成22年度より大阪教育大学附属小学校並びに大阪教育大学のご厚意により、平成30年度までは附属天王寺小学校、翌年からは附属平野小学校で受け入れていただきました。一昨年度、昨年度は新型コロナ感染対策のためオンライン形式で実施しましたが、今年度は学校を訪問して実施することができました。例年、午前中4時間の授業参観、午後は副校長先生による講話と1日を振り返るレポート作成というプログラムで実施してきました。今回は、コロナ感染防止対策として午前のみの実施としました。参加者は131名でした。   3時間の授業参観と1時間の副校長先生による講話が主なプログラムです。保健教育コースの学生には授業参観のうち1時間は養護の先生による講話をしていただきました。           授業参観は1年生から6年生の配当された学級で、学習の様子を参観させていただきました。教員の立場から1時間毎に異なる教科の指導を目にする、とてもよい機会となりました。4時間目は、南副校長先生の講話です。まず、参観した授業から「小学校教員の魅力」「小学校教員の責務」「小学校教員の職務内容」についてお話があり、「教師の場作り・働きかけのよさ」「子どもが『光っている』瞬間」を視点としてグループ討議を行いました。そして、目の前の子どもたちの気付きから学習がはじまること、子どもの興味・関心を喚起し、自力解決できるよう支えていくことが教師の役割であること、教師の仕事には専門性と同時に人間性が求められることなど、教師の役割とやりがいについて語ってくださいました。   学生は帰宅してから半日を振り返りレポートをまとめました。今日の出来事を言葉で表現することによって、教職への思いを一層強くしたことでしょう。 半日の様子を写真と学生の感想で紹介します。   ◇授業の参観 ●3限目に見学した理科の授業では、果敢に実験し、成功しなかったときに何故成功しなかったのか、どこが問題だったのかを自分で発見し、解決策を探している姿が多くあった。教師がすべて教えるのではなく子ども達自身で発見し、解決策を見つけることがより良い成長につながることがよくわかった。   ●児童が積極的に発表できる環境の大切さです。私が小学生の頃は、恥ずかしくてクラスのみんなの前で発表することにとても消極的でした。しかし、今回参観したクラスではどの児童も物怖じすることなく積極的に発表していました。その背景には、発表した児童の意見に対して先生が「どうでしょう?」とクラス全体に問いかけ、反応やさらなる意見を求めていたことがあるのではないかと思いました。クラスのみんなが何かしらの反応をしてくれることで発表した児童に自信がついたり、次も間違えることなどを恐れずに発表できるのではないかと思いました。       ◇子どもへの対応 ●授業中、私の想像以上に教室の中に飛び交う子どもたちの私語は多かった。ただ先生の捉え方は違っていた。先生が話す前に児童が喋っていると、少し静かにするよう合図を送るものの、その中から必要な情報(言葉)を的確に拾っていた。ある児童の問いに対して、これは他にも同じ疑問を持っている子がいそうだなと思われる発言は、全員に共有したうえで問いかけていた。勿論先生は答えを知っているけど、それを答えるのではなく、児童の疑問は児童が解決することで、さらなる深い学びにつながっているとわかった。   ●今回の見学を通しての反省点を挙げるとするならば、長い休み時間の時に「周りの輪に入って行けずに15分間一人で過ごしていて寂しかった」と休み時間終わりに訴えた子が居た。その子が一人で居ることに気付いてあげることができなかったのは、自分にとって大きい反省点である。3回生で教育実習に行く際は、この反省点を踏まえて行動したいと考えている。   ◇ICT ●子どもたちの学習活動について私たちの小学生時代と大きく異なっていたのは、PCを用いた授業が当たり前となっていた事であった。分からない事を調べるだけでなく、画像をクラスで共有したりページを見やすく矢印で繋げる作業をしたり、大学生の私たちが行うような事を小学生の頃から行っている今の子どもたちのICTへの適応力に驚かされた。また、先生方もPCを活用した授業づくりをしっかり行っており先生方の授業づくりに対する努力がみられ、大学生の私たちは今のうちからよりPCに慣れ当たり前に授業に盛り込めるような技術をつけなければいけないと痛感した。   ◇養護教諭 ●養護教諭の先生が実際に工夫して行っている取り組みについてです。養護教諭は保健室で、全児童の心身の健康をサポートすることになります。しかし、全てを担っていては保健室がうまく回らなくなり、児童にも良い影響を及ぼさないことが、養護教諭の方のお話から伝わってきました。そのため、他の先生方にも連携・協力してもらい、頼ることを肯定的に捉える視点が必要だと学びました。   ●養護教諭の役割は、大学の授業で取り扱われて、知識としては知っていたが、自分の想像していたものとは違った点もいくつかあった。 養護教諭になりたいという思いはより強くなり、また小学校教員の魅力もよく感じたことによって、自分の進路についてまた見つめ直す良い機会となった。   ◇講話を聞いて ●副校長先生の講話の「教師は子どもたちと同じ方向をむいて、ともに進む伴走者であり、共同探究者である」という言葉である。教師は子どもたちに教えるというイメージが強く、子どもたちを将来へと導くのが役割であるという考えが残っていると思う。しかし、今日の見学のたった3時間でも、がやがやしていても先生が「切り替え」と言ったらすぐに切り替えができるのだと学んだり、私よりもたくさんの折り紙の折り方を知っている子など、子どもたちから学ぶこともたくさんあった。毎日子どもたちを一緒にいる先生は、毎日子どもたちが学んでいるのと同じくらい、それより多く学びがあるのだと思った。   ●副校長先生のお話であったように、今回の実習では小学校教員の①魅力、②責務、③職務内容の3つを習得することが出来たと思う。具体的には、まず魅力については、正直なところ、この実習に行くまで、教員にはなりたいが想像がつかず、めざすことへの不安感があった。しかし、今回の実習で実際に子供と触れ合い、授業も受けることができたことで、それらへの楽しさを感じることができ、自分と一回りも違うかわいい生徒たちに愛着が持て、この子たちに勉強を教えてあげたいと思った。そしてそれはすごくやりがいのあることだということも感じることができ、教員志望の気持ちがすごく高まった。         ◇一日を通して ●今回の実習を通して、短い時間でもたくさんのことを学んだり気づくことができ、教員になることに対する自分のモチベーションが向上しました。副校長先生のお話でもあったように、時代に対応した教員としての専門性を身につけるだけでなく、人間性を磨き高めることが大切だと思いました。   ●小学校一日見学を通して、たった3限だが、改めて教師の仕事のやりがいと大変さを知らされた。子どもたちの本当に貴重な時間を任される責任を改めて認識し、子どもたちと共に学び成長していけるような教師になることを目標にして、2回生からの授業に気合いを入れて挑もうと思うことができた。       最後に、学生に貴重な学びの場をご提供くださった大阪教育大学並びに附属平野小学校に深く感謝申し上げます。     【関連記事】 小学校1日見学、2020年度はオンラインで開催!~現代教育学科 小学校1日見学に145名が参加!~現代教育学科 大阪教育大学附属池田小学校を訪問し、「安全で安心できる学校づくり」を考える~現代教育学科 小学校1日見学に159名が参加!~現代教育学科 1回生が大阪教育大学附属池田小学校を訪問!~現代教育学科 小学校1日見学に134名が参加!~現代教育学科

2023.02.14

健康栄養学科卒業生が、畝傍高校硬式野球部を栄養サポート!~健康科学研究科

健康科学研究科1年の新田 裕樹(にった ゆうき)です。2020年3月に健康栄養学科を卒業して現場で働くなかで、専門性をもっと深めたいと思い、2022年に母校である畿央大学大学院健康科学研究科に進学しました。   現在は栄養教諭として働きながら、「ジュニア期におけるスポーツ選手の栄養」について研究を進めています。ご縁があって、奈良県立畝傍高等学校硬式野球部を継続してサポートすることになり、紹介させていただきます。     選手たちは身体づくりやパフォーマンスの向上のために、食事の意識を高く持って取り組んでいるようです。しかし、なかなか結果が出なかったり、実際にどんな食事を摂ればよいのか、どのように行動に移せばよいのか、どのタイミングで食べるとよいのかなどがわからないなどの課題がある、と監督から依頼を受けました。私自身も野球をしていたので、選手たちの気持ちにもとても共感でき、研究や現場での勉強の一環という側面もありますが、ただ単純に「何か一つでも力になりたい!」「応援したい!」という思いでサポートが始まりました。     第1回目のサポートでは、指導スタッフ、選手、マネージャー、保護者を対象に栄養講義を行いました。講義は高校生のライフステージに焦点を合わせた成長期における栄養とスポーツ選手に必要な栄養を中心にお話させていただきました。選手からはたくさんの質問があり、参加してくださった方も配付資料やノートにメモを取りながら積極的に受けてくれました。     現在は生徒たちに「食事記録」を取ってもらっています。今後はその食事記録をもとに選手それぞれの食事を分析・フィードバックし、目標に向けて食事の内容・量・タイミングなどアドバイスしていく予定です。         すぐに結果が表れる選手もいれば、なかなか結果が出ない選手もいると思います。もちろん結果につなげることができればと思いますが、仮に結果が出なかったとしてもまだ高校生なので、食事や目標に向けて自発的に行動に移すことの大切さなどを考えるきっかけとなるサポートをしていきたいと思います。これからも選手と共に成長できるようにがんばっていきます!     健康科学研究科 修士課程1年 健康栄養学科 2020年3月卒業 新田 裕樹   【関連リンク】 畝傍高等学校野球部Twitter

2023.01.30

三井田ゼミの学生が河合町へ空き家の利活用案をプレゼン!~人間環境デザイン学科「プロジェクトゼミ」

人間環境デザイン学科で、最も特色のある2・3回生合同の「プロジェクトゼミ」。学年をこえたグループを組み、フィールドワークや学生相互の話し合いを通して、具体的な課題を見つけ出し解決策を考える力を身につける事を授業の到達目標としています。2022年度後期は、畿央大学と包括連携協定を締結した奈良県河合町にある空き家の利活用をテーマに活動する三井田ゼミの取り組みをご紹介します。 まず、2022年5月21日(土)に今回の提案対象である空き家を実測しました。平面図、断面図、立面図などそれぞれチームに分かれ、担当する箇所を測ります。   学生たちにとっては初めての実測です。1回訪れただけでは測り足りないところが出てきてしまい、再度訪問させていただき、なんとか現況の図面を完成させることができました。     ▼柱や壁などすべてを測り、記録していきます。       ▼それぞれ実測した図面を合わせ、大きな寸法のズレがないかなどを確認します。     完成した現況図面をもとに、地域の課題などをふまえた上で活用案を検討しました。そして、12月19日(月)に河合町の田中敏彦副町長や役場の方々に向けてプレゼンテーションを行いました。   空き家を活用し地域の魅力を高める 安心して子育てができる環境をつくる 地域の高齢者の力を活用する この3つをコンセプトに、高齢者が子どもたちを見守り、学びをサポートする場「寺子屋」を提案しました。       ▼学生が描いた提案資料の一部(高齢者と子どもたちの交流)       田中副町長からは、「提案だけで終わらせるのはもったいない!」と嬉しいお言葉をかけていただきました。   また、空き家の利活用案だけでなく、河合町役場のふもと(近鉄池部駅側)にある門のペーパークラフトを披露しました。こちらも学生が実測したデータをもとに、図面におこし製作しました。     ▼学生が実測している様子と実際のペーパークラフト(30分の1のサイズ)       この門は、森本家住宅の門として大正12年(1923)に通称 「豆山」のふもとに建てられました。その後、昭和23年(1948)に村へ寄贈され、以後は役所の門として使われています。小ぶりですが、往時の隆盛を伝え、細部にまで意匠が施された屋敷門です。 このように、地域に存在している魅力を様々な形で、たくさんの方に知っていただくことができると考えました。   人間環境デザイン学科では、今後も地域の課題解決につながるような学びを継続していきます。     【関連記事】 2・3回生全員で奈良県立民俗博物館と大和民族公園を見学!~人間環境デザイン学科「プロジェクトゼミ」 明日香村で、屋外の居場所づくりとオリジナルグッズをプロデュース!~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 大和高田『きらきら☆ステーション』完成までの道のり~人間環境デザイン学科プロジェクトゼミ 竹取公園ツリーハウス『みんなのひみつきち』披露式典~人間環境デザイン学科プロジェクトゼミ~ 桜井駅前マルシェで使用するベンチと屋台を制作しました!~三井田プロジェクトゼミ 【広陵町×畿央大学】靴下デザインコンテスト動画を公開!~人間環境デザイン学科村田ゼミ  

2023.01.27

【人間環境デザイン学科×河合町】町長に駅前のリ・デザイン案を直接プレゼン!~ランドスケープ演習

人間環境デザイン学科3回生対象で、非常勤講師の松下岳生先生が担当している「ランドスケープ演習」は、「ランドスケープデザインとは何か」という基本的な知識を身につけ、関連領域を含めたこれからの屋外空間のあり方を学ぶことを目的としています。2022年度後期は、畿央大学と包括連携協定を締結した河合町の地域課題解決につながる提案を学生が考え、プレゼンしました。 授業の5週目に河合町が現在どのような課題を抱えているのかを実際に現地を訪問し、授業を進める中で学生毎に再度現地を訪れ調査などを行い、1/23(月)最終授業での講評会を迎えました。最終講評会には、清原和人河合町長、田中敏彦副町長、清原正泰教育長はじめ総勢10名の方々も参加してくださり、学生の発表に対して意見や感想をいただきました。   講評会の冒頭、松下先生から改めて今回の「ランドスケープ演習」内で学生が取り組んできた内容について説明がありました。         河合町役場を含む近鉄池部駅周辺及び駅前広場を対象とし、河合町が現在抱えている課題や背景に対して、9名の学生が授業の学びを活かしつつランドスケープデザインの観点から考えた提案内容をそれぞれ発表しました。             学生からは役場を含んだ駅前の活性化と、そのスペースに多世代が集まれる場所となるように、 駅から町役場へのアクセス向上につながる階段状の芝生スペース設置や子どものための歩道の拡張、サイクリングコースの提案 実家のような安心感と賑わいを創出するためのカフェ兼子ども食堂や公園・ステージの設置 子どもを見守る駅前広場としての託児所や河合町の魅力を発信する道の駅/直売所の展開 役場内に小さなホテルや散策コース・駅前の階段状広場を設置し観光の拠点とする など様々な学生らしい提案がされました。       ▼質疑応答の様子         講評会に参加された学長や河合町の方々からは、学生が今回のプレゼンテーションのために準備してきた資料へのお褒めの言葉も多くあり、また役場のある駅前を観光の拠点とするためのアクティビティ要素を盛り込んだ小さなホテルを作る案や、役場周辺に人が集まりやすくするための歩道の拡張案、駅からの動線を意識したリ・デザイン案など、非常に具体的で示唆に富む内容だと評価をいただきました。         講評会の最後には、清原河合町長から今回のプレゼンテーションに向けて準備を進めてきた学生に対しての感謝と労いのお言葉がありました。また、各学生の提案は今後の河合町の政策を検討する際にアイデアとして参考にすることができるともおっしゃいました。     人間環境デザイン学科では、今後も地域の課題解決につながるような学びを継続していきます。     ▼参加者による記念撮影(撮影時のみマスクを外しています)         【関連記事】 【人間環境デザイン学科×河合町】少子高齢化時代における郊外駅前のリ・デザインを提案!~ランドスケープ演習 河合町と包括連携協定の調印式を行いました。 | 畿央大学 (kio.ac.jp) 今年も畿央大学付属広陵こども園の子どもが使うスツールを製作!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 畿央大学付属広陵こども園の園児のためのスツール(椅子)完成!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 「奈良きたまちインターカレッジコンペティション2022」を開催!~人間環境デザイン学科「フィールドワーク演習」 神戸ファッション美術館で「宝塚歌劇」の衣装を体感!~人間環境デザイン学科「服飾史」 「アパレル構成実習Ⅲ」授業レポート~人間環境デザイン学科    

2022.12.23

紙コップとストローを使った「ガシガシハンド」製作動画を公開!~2022年度「マミポコ・キッズ」後期 第1回活動報告

こんにちは、マミポコ・キッズです!   私たち「マミポコ・キッズ」は、畿央大学に地域の子どもたちを招待して、様々な遊びを行ってきました。しかし、現在は新型コロナウイルス感染症の影響により、対面での活動が難しい状況にあります。そこで、前回に引き続き子どもたちが何か楽しめることを遠隔で提供できないかと考え、子どもたちが1人だけでなく、お友達やお家の方とも楽しめる遊びの動画配信を企画・制作しました。   今回の動画では、紙コップとストローを使った「ガシガシハンド」を紹介しています。紙コップ2個とストロー1本で簡単に作ることができます。手のように切った紙コップで、ボールや丸めた紙などをつかむことができ、これを使えば片付けが楽しくなること間違いなしです!さらに、切り方や絵の描き方を工夫すると、自分だけの「ガシガシハンド」を作ることができます!ぜひ動画をご覧になってください!         ▼感染対策を徹底した上で準備を進めています。       どんな動画に仕上がっているか、ぜひご覧ください!           次の動画もみんなで遊べる楽しい企画を考えているので、お楽しみに! 子どもたちのたくさんの笑顔があふれる活動をめざして頑張ります! 今後とも、マミポコ・キッズをよろしくお願い致します。   現代教育学科2回生 長谷川慈(ると) 三住真弥(おむ)   【関連記事】 「マミポコ・キッズ」の取り組みはコチラ!!

2022.12.01

看護実践研究センター第8回研修会「医療的ケア児と家族が安心して暮らせる地域づくり」を開催しました。

看護実践研究センター地域包括ケア部門では、乳幼児から高齢者までの看護分野における連携および他職種との連携と協働からのケアシステムおよびケアのあり方を探求するとともに、それらに関連する情報を提供し、健康増進に寄与することを目的としています。 医療の発達とともに在宅で医療的ケアを必要とする重度心身障害児は増加しており、その生活を維持するには、医療機関における看護から在宅看護への継続看護が重要であり、さらに公的支援機関である保健所・福祉部門、そして教育機関等との連携が必要です。   そこで、本研修会では、令和4年11月26日(土)に、「医療的ケア児と家族が安心して暮らせる地域づくり」をテーマとして、大阪発達総合療育センター医療コーディネート事業室(同センター元訪問看護ステーションめぐみ所長)絹川美鈴様を講師としてお招きし、開催しました。         コロナ禍が継続している状況ですので、畿央大学での対面参加とオンライン参加のハイブリット開催とし、保健センター、保健所、医療、福祉、教育機関の保健師、看護師、保育士、教師といった様々な職種の43名の方にご参加いただきました。オンライン参加では九州、名古屋、京都など県外からの参加もありました。   講師からは、医療的ケア児に対する医療機関から在宅生活への移行支援、在宅生活を継続するための家族への支援とその継続に不可欠な地域包括ケアシステム活動を展開している支援機関(人材含む)との連携と協働の実際について、支援されたケースの状況を含め、分かりやすく作成されたPowerPoint資料を基にお話しいただきました。         在宅生活を継続させるための4つの視点である、地域支援、家族支援、移行支援と医ケア児が小児であることで重要となる発達支援や就学支援について、実践報告の中で現実として生じる課題を示していただきました。         質疑応答では、「保健師との連携で感じていること」、「家族の気持ちを捉えるコツ」「ちょうどいい距離感の取り方」など具体的な質問が多くありましたが、時間を延長してご丁寧に回答をしていただきました。このご講演を拝聴して、医療的ケア児の養育者の頑張りを認め、励ますだけでなく不安なことを表出できるように声かけを行い、共通の支援目標に向かってチームで話し合いながら情報共有し連携して支援を行うことが重要であると感じました。         参加者の方からは、「医療的ケア児への関わりで、傾聴や寄り添いの大切さを改めて考えることができた」「医療的なケアだけでなく、その人の生活にも目を向けて支援していきたい」というお声をいただき、対象者やその家族の思いに寄り添う支援について考える貴重な機会となりました。   看護実践研究センター地域包括ケア部門 看護医療学科 准教授 田中 陽子       【関連記事】 第4回看護医療学科卒後教育研修会「看護における臨床判断」を開催しました。  6/26(日)第1回 エコマミ公開講座で看護医療学科 山崎教授が講演を担当します。 2/1(火)「高齢者住まい看取り研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター 2/21(月)「発達障害の一人称体験オンライン研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター 第3回卒後教育研修会「コロナ禍の看護の現状~やさしさをチカラに変える 現場の声から~」を開催しました。 看護実践研究センター第5回研修会「コロナ禍における認知症ケア」を開催しました。 「VR認知症一人称体験オンラインセミナー」を開催しました~看護実践研究センター

2022.11.09

明日香村で、屋外の居場所づくりとオリジナルグッズをプロデュース!~人間環境デザイン学科 陳ゼミ

人間環境デザイン学科では、「日本のはじまりの地」とも称される奈良県明日香村とまちづくりをはじめとする、さまざまな取り組みを進めています。今回は、陳建中准教授のゼミでの「居場所づくり」と「明日香村グッズ制作」についてご紹介します! 「明日香村国際サマーワークショップ」が開催された2019年、陳ゼミでは2・3回生合同「プロジェクトゼミ」で岡地区で街並みに馴染む憩いの場づくりに取り組み、2021年には「水路居場所」が完成しました。   ▼「明日香村の水路居場所」現地の様子     その後、明日香村役場の方から「バス停で待っている時の居場所がない」という声を受けて、山口剛人さんが卒業制作で岡寺前バス停に「貫縁台(ぬきえんだい)」を制作。さらにその貫縁台に後輩ゼミ生が「貫店棚」を新たに追加し、2022年3月に設置しました。   ▼設置前     ▼「貫縁台」設置後の様子     ▼向かって左側に「貫店棚」を追加で設置         2022年度は「休憩するだけでなく、遊んだり、見たりすることで人との交流にもつながり、明日香村の地域活性化に貢献できるように」と、3回生が「KIO x ASUKA GOODS(明日香村グッズ)」を企画・制作。2022年7月にはグッズを「貫店棚」に設置することができました。     今後明日香村に訪れる際は、ぜひ「KIO x ASUKA GOODS」に触れたり、遊んだりしてくださると光栄です。また、利用状況のアンケート調査も実施しておりますので、ご協力よろしくお願いいたします。 グッズ紹介     飛鳥の石積み木 (設計者:3回生 石田風歌) まず1つ目は、「飛鳥の石積み木」です。石明日香村の石舞台や亀石を始めとする石の造形物から着想を得たもので、積み木一つ一つを石に見立てました。普通の積み木とは違い、ランダムな多角面の形をしているため、積み上げるのが難しくなっています。     岡寺コースター (設計者:3回生 櫻井香織) 2つ目は、「岡寺コースター」です。岡寺では、ゴールデンウイーク限定で境内にある池に奉納された天笠牡丹(ダリア)を浮かべ、ご参拝の方をお迎えします。花の池にある鉢と天笠牡丹をイメージしてつくりました。       飛鳥スタンプ (設計者:3回生 藤原彩那) 3つ目は「飛鳥スタンプ」です。明日香村を代表している飛鳥のイメージをモチーフに考えました。持ち手部分は明日香村の桧を使用しており、明日香村に訪れた記念として、ノートなどにスタンプを押して楽しんでいただけます。また、手紙やハガキのフレームとして、ご自由にスタンプを組み合わせることで世界に一つだけのデザインをつくることもできます。       飛鳥パズル (設計者:3回生 靏見綾乃) 4つ目は、「飛鳥パズル」です。このパズルは全ピースが鳥の形をしており、空を飛んでいる鳥や、止まっている鳥など、様々な形をしているので、ぜひピース一つ一つに注目して見てみてください。明日香の枕詞である飛ぶ鳥から飛鳥パズルと名づけました。         今回の活動を通して、明日香村の美しい町並みや自然豊かな風景はもちろんですが、実際に住む方たちのお話を伺うことで、町の人達の温かさも感じることができました。今後は、どのような使われ方をしているのかを調査し、明日香村の屋外居場所について学びを深めていければと思います。   最後に、この活動は多くの方の協力のもと成り立つことができました。明日香村の役場の担当の方々、一部の木材を提供して頂いた久住林業の方、レーザー加工をしてくださった前田木材工業の方、いつも丁寧に指導してくださる先生方、この場をお借りして深く感謝申し上げます。ありがとうございました。     【追記】 2つ目に紹介した「岡寺コースター」について、岡寺前バス停の近くにある「ラ ヴィーユ~都~」というカフェに使っていただくことができました。       「岡寺コースター」は明日香村産の桧材で、レーザーカッターで彫刻されました。ゼミ生は仕上げとして、焦げて黒くなった部分を綺麗に磨きました。そして、2022年9月に「岡寺コースター」を渡しに行って、本当にありがたいことに使っていただくことになりました。「ラ ヴィーユ~都~」は岡寺のダリア模様の内装があり、「岡寺コースター」でより岡寺のイメージが溢れる店になったかなと思いました。   ▼「岡寺コースター」の仕上げ       明日香村の岡寺前バス停に畿央生が制作した「KIO x ASUKA GOODS(明日香村グッズ)」を展示しています。是非ご利用ください!     人間環境デザイン学科 3回生 靏見綾乃・櫻井香織       【関連記事】 明日香村国際サマーワークショップ2019を開催!vol.7~人間環境デザイン学科 今年も畿央大学付属広陵こども園の子どもが使うスツールを製作!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 畿央大学付属広陵こども園の園児のためのスツール(椅子)完成!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 「奈良きたまちインターカレッジコンペティション2022」を開催!~人間環境デザイン学科「フィールドワーク演習」 神戸ファッション美術館で「宝塚歌劇」の衣装を体感!~人間環境デザイン学科「服飾史」 「アパレル構成実習Ⅲ」授業レポート~人間環境デザイン学科    

2022.11.03

【人間環境デザイン学科×河合町】少子高齢化時代における郊外駅前のリ・デザインを提案!~ランドスケープ演習

人間環境デザイン学科3回生対象で、非常勤講師の松下岳生先生が担当している「ランドスケープ演習」は、「ランドスケープデザインとは何か」という基本的な知識を身につけ、関連領域を含めたこれからの屋外空間のあり方を学ぶことを目的としています。2022年度後期は、9月28日(水)に畿央大学と包括連携協定を締結した河合町の地域課題解決につながる提案を学生が授業内で実施することとなりました。 5週目の授業にあたる10月31日(月)には、河合町が現在どのような課題を抱えているのかを実際に現地を訪れ、役場の方々に解説いただくことで理解を深める機会を設けました。河合町役場 森嶋企画部長と岡田政策調整課長に同行いただき、河合町の人口の推移やニュータウンを含んだ町の変遷、主な駅周辺の紹介をしていただくことで、学生は河合町への理解を深めることができました。     ▼河合町総合福祉会館豆山の郷   ▼廃校となった河合第三小学校     河合町の様々な場所を訪れた後、今回のランドスケープ演習の課題エリアとなっている河合町役場と池部駅周辺の実地調査を行ないました。池部駅周辺の現状を確認するだけでなく、河合町役場敷地内にある旧豆山荘も実際に訪れ、学生はどのような郊外駅前エリアのリ・デザインが可能か思いを巡らせました。     ▼河合町役場と日本庭園   ▼河合町役場横にある池部駅   ▼河合町役場と豆山荘   今回の調査はSTEP1「敷地調査・分析」にあたり、グループで情報をまとめた後、STEP2「コンセプトやゾーニング」、STEP3「実際のリ・デザイン案の作成」と学びを深め、最終講義にあたる1月23日(月)には、河合町役場の方々にも授業に参加いただいて、講評会を実施します。   今回のランドスケープ演習の取組は、学生の実践的な学びのための授業であるだけでなく、畿央大学の地域連携事業でもあり、大学の知を地域社会に還元していくための取組でもあります。   人間環境デザイン学科では、今回のような地域とつながった実践的な学びを授業の中で多く取り込んでおり、コロナ禍では実施が困難であった学外での調査も今後行う中で、学生に社会で実際に役だつ学びを深めてもらいます。     ▼豆山荘からの風景     【関連記事】 河合町と包括連携協定の調印式を行いました。 | 畿央大学 (kio.ac.jp) 今年も畿央大学付属広陵こども園の子どもが使うスツールを製作!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 畿央大学付属広陵こども園の園児のためのスツール(椅子)完成!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 「奈良きたまちインターカレッジコンペティション2022」を開催!~人間環境デザイン学科「フィールドワーク演習」 神戸ファッション美術館で「宝塚歌劇」の衣装を体感!~人間環境デザイン学科「服飾史」 「アパレル構成実習Ⅲ」授業レポート~人間環境デザイン学科    

2022.10.28

【投票受付中!】近畿農政局主催「学生おべんとうコンクール2022」に参加! ~健康栄養学科・ヘルスチーム菜良

団体の部、一般投票が再実施に!         2022年7月~8月に開催された近畿農政局主催の「学生おべんとうコンクール2022」に、畿央大学ヘルスチーム菜良※が参加しました。   ※ヘルスチーム菜良…管理栄養士養成課程を持つ4年制大学(畿央大学・近畿大学・帝塚山大学・奈良女子大学)で構成されており、食育啓蒙活動に取り組んでいます。     ▼【個人の部】ボリューム満点!いろどり豊かな糖質オフ弁当       2020年、2021年に引き続き3回目の参加となった今年度のおべんとうコンクールのテーマは、『「お弁当でSDGs!」近畿の有機食材でお弁当をつくろう』です。少なくとも1つは有機農産物や特別栽培農産物など環境に配慮して生産された近畿の農産物を使用したお弁当が募集されました。   畿央大学ヘルスチーム菜良からは、個人の部2作品、団体の部1作品を応募しました。今年度からはサブテーマが設けられ、個人の部では「自分や特定の人のための普段のお弁当」、団体の部では「特別な日のお弁当」を意識して考案しました。     私たちが考案したお弁当を簡単に紹介させていただきます。 まず、個人の部1つ目のお弁当は「ボリューム満点!いろどり豊かな糖質オフ弁当」です。このブログ最初の写真で、糖質制限をしている方のために、オートミールを使用したり比較的糖質が少ない調味料で味付けをしたりして糖質をカットしたお弁当です。奈良県産の卵で作ったゆで卵のサラダが一押しのおかずです。   個人の部2つ目のお弁当は「暑さに負けない大和弁当」です。暑い中、勉強や仕事を頑張る人のために、大和丸なすや大和まななど畿央大学がある奈良県の伝統的な野菜「大和野菜」をふんだんに使用したお弁当です。大和丸なすの食感を活かした大和丸なすの白みそ炒めが一押しのおかずです。     ▼【個人の部】暑さに負けない大和弁当       団体の部のお弁当は「あなたのスタート応援弁当!」です。心踊る気持ちや、頑張ろうと意気込む気持ち、しっかりやっていけるかなという不安な気持ちなどあらゆる気持ちが入り混じった新学期のスタートを応援するために、彩りを意識したお弁当です。奈良県の桜井市の特産品である三輪そうめんを衣として使ったそうめんコロッケが一押しのおかずです。     ▼【団体の部】あなたのスタート応援弁当!       ただいま、近畿農政局おべんとうコンクール2022のホームページでは、一般投票が行われています。   ●個人の部 72作品(投票終了)   ●団体の部 11作品   ぜひ投票をよろしくお願いいたします! 【団体の部】の一般投票が再実施されることに! ヘルスチーム菜良の出品レシピは、【No.6 あなたのスタート応援弁当!】です。 投票期間:令和4年10月28日(金)~11月10日(木) 投票はコチラから 最後に、今回初めておべんとうコンクールに参加した1回生の感想を紹介します。   ●「使おうと考えていた有機農産物がなかなか手に入らず、奈良市内の直売所や道の駅をいくつか探し回りました。また、おかずを考えるにあたっては、お弁当のサイズに合うことや栄養のバランスがとれていること、彩りをきれいに見せることなどに苦労しましたが、実際に作る工程も含めとてもいい経験になったと思います。」   ●「お弁当のコンセプトを決めた後、思い描いているものを実際に作ることが難しかったです。糖質を抑えた中での栄養素のバランスやお弁当全体の彩り、食感や味の濃さなど、さまざまなところへ目を向けて作ることの大変さを感じました。見た目や味、その他にも反省点はいくつかあるので、それらを改善し、もう一度挑戦してみたいと思います。」   ●テーマに沿って一からお弁当を考える中で、難しさややりがいを感じることができ、地元の食材や有機農産物についてもより深く知ることができました。来年度もおべんとうコンクールに参加させていただく機会があれば、よりよいお弁当を考えたいと思います!     健康栄養学科3回生 辻村愛果       ●ヘルスチーム菜良のこれまでの活動はこちらからご覧になれます。    

2022.10.21

令和4年度 広陵町・香芝市・畿央大学 介護予防リーダー養成講座を開催しました~理学療法学科

地域における住民主体の介護予防を支え活躍する「介護予防リーダー:KEEP」の養成講座が2022年9月5日(月)から10月17日(月)にかけて実施されました。   畿央大学からは理学療法学科の私(高取)と松本准教授が講師として参加し、受講者の方々へ「高齢者の心と体」「高齢者に対する運動の基礎」をテーマに講義と実技を実施しました。   この官学連携の取り組みは畿央大学✕広陵町「KAGUYAプロジェクト」(畿央大学と地元広陵町が協働して健康づくり、まちづくりを進める取り組み)の期間を含み9年目を迎え、現在も多くの方々が地域の「通いの場」において運動指導、レクレーションによる交流を軸に活躍しておられます。     ▼KEEPは「Koryo/Kashiba Elderly Encouragement Project」の略称です     現在、国が進める地域包括ケアシステムにおける介護予防では「自助:セルフケア」「互助:助け合い」を活かした住民主体の取り組みが中心となっており、KEEPさんの活躍は多くの地域から注目を集めています。2015年には「奈良介護大賞」にも選出されました。   現在の養成カリキュラムでは講義の一部をKEEPさん自身が担うこともあり、新たな担い手の育成にも活躍されています。   ▼広陵町長、香芝市長から認定書を授与される受講者の方々         KEEPの活動は新規要介護認定率の低下にも寄与していると考えられており、今後も継続して養成講座は開催される予定です。広陵町では来年度10周年を迎えることから、協力してイベント的な取り組みで、さらに地域を盛り上げることができないか考えていければと期待しています。   今回、新たに加わった方々のご活躍を期待し、これからもリハビリテーション専門職として関わらせていただきたいと思います。また研究を通じて、住民主体の介護予防の効果に関する検証も進めていきます!   理学療法学科 高取克彦 地域リハビリテーション研究室ホームページ   【関連記事】   広陵町連携 介護予防リーダー養成講座の取り組みが「奈良介護大賞2015」に選ばれました。 介護予防リーダー養成講座3期生のフォローアップ講座を開催しました~広陵町×畿央大学「KAGUYAプロジェクト」 TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.67~「広陵町・香芝市介護予防リーダー養成講座」の健康チェックに協力! 近隣のウォーカビリティが低い地域の女性は社会参加が少ないことを明らかに~広陵町×畿央大学KAGUYAプロジェクトでの2750名の調査結果から 香芝市市政施行30周年記念事業の一環として本学教員監修の「フレイル予防体操」がリリースされました〜理学療法学科 ヘルスプロモーションセンター