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教育実践学専攻(修士課程)

2018.02.08

大学院修了生の現役エンジニアによる「教育×ICT」特別講義!~現代教育学科

「情報処理演習Ⅱ」で特別講師による講演!   「情報処理演習Ⅱ」(1年生後期配当必修)では毎年、テクノロジーと教育に関する最新情報や世界の流れを、ゲスト講師の方にお話しいただいています。今年は、畿央大学大学院の修了生の廣瀬一海氏(日本マイクロソフト株式会社)に来ていただきました。 廣瀬さんのお話を聞いて考えさせられたことは大きく分けて3つあります。 まず、1つ目はフィリピンの現状についてです。日本との物価の差、労働状況、生活の様子、教育の実態といったさまざまな角度からフィリピンについて話してくださいました。特に教育の実態については驚きを隠せませんでした。私たちは、小学校、中学校が義務教育学校であることは当たり前のことだと思っています。むしろ「勉強するのが面倒」「学校に行くのがだるい」と思っている児童生徒が多いぐらいかもしれません。 しかし、学校に行って授業を受けるというのは決して当たり前のことではないのです。フィリピンの子どもたちの中には、金銭的な問題で小学校を途中でやめざるを得ない子どもがたくさんいます。学びたくても学べない。そんな状況の子どもはフィリピンだけに限った話ではありません。世界には戦争によって学校に通えない子どもだってたくさんいるでしょう。今回、フィリピンという一つの国の現状を知ったことで、もっともっと他の国の教育の実態について知りたいと思うようになりました。また、改めて私たちがどれほど恵まれた環境の中で教育を受けていたのかということに気づかされました。 2つ目は、Surfaceと投票やコメントができるシステム「Mentimeter」を使った参加型授業についてです。この授業形態により、リアルタイムでみんなの意見を見ることができたり、写真などを見ながら授業を聞いたりと、集中力を持続させることができました。自分が思っていることを恥ずかしがって言えない子どもも、この授業形態なら意見を述べやすいし、教員自身も子どもたちが今考えていることを把握するにはとてもいい方法だと思いました。しかし、残念ながらふざけた解答をする人が出てくるなど、リアルタイムだからこその問題もありました。このような問題をどのように解決していくかが、これからの課題だなと思いました。 このように、実際にテクノロジーを使った参加型授業を受けたことにより、この授業形態のメリットとデメリットがよく分かりました。将来教員になった際には、今回分かったメリットとデメリットをきちんと理解した上で、Surfaceなどのテクノロジーを一つのツールとして授業に取り入れていけたらいいなと思いました。また、これからさまざまなツールを手に入れ使いこなせるようになりたいとも思いました。 最後は、今後の大学生活をどのように過ごしていくかについてです。 「日本は少子化が進んでいるから、この先もしかしたら教師は海外で仕事をすることになるかもしれない。だから、英語ぐらいは話せたほうがいいですね」という廣瀬さんの発言は、私の心に残りました。すでに、フィリピンでは英語の教師として海外で活動している人もいるということを聞いて、より現実味が増しました。少子化が進んでいるのは事実だし、今後教師にどんな仕事がまわってくるのかは誰にも予想ができません。だからこそ、今後の大学生活の間にもっと色んなことに興味を持ち自分の幅を広げ、どのようなことが起こっても対応できるような柔軟な人になれるように努力しようと思いました。 廣瀬さん、今回はお仕事お忙しい中、わざわざおいでいただき、ありがとうございました。大学院の先輩ということもあり、非常にお話がわかりやすく、心に残りました。あと3年、Surfaceを使って、さまざまな事を学んでいきたいと思いました。 教育学部現代教育学科1回生 野村真子    【関連記事】 日本マイクロソフト社の「エバンジェリスト」によるドローン体験と特別講義!~現代教育学科 マイクロソフト コーポレーションのステファン・ショストローム氏が本学を訪問しました。 教育学部 西端律子教授が「Microsoft MVP for Surface」を受賞しました。 ゲスト講師による「教育×ICT」~教育学部キャリア形成セミナー

2016.06.23

「平成28年度障害児教育実践研究会夏季研究大会」ご案内

障害児教育実践研究会夏季研究大会を下記のように開催します。 障害児教育にかかわる多くの皆さんとともに、実践課題を語り合いたいと考えています。 会場は奈良県奈良市の「かんぽの宿奈良」で、平城宮跡の西側に位置しています。 「大和は国のまほろば」といわれる奈良の魅力を存分に味わっていただくとともに、充実した研究大会にしていきたいと思います。多くの方のご参加をお待ちしています。  日時  平成28年8月20日(土)13時~21日(日)正午  会場  かんぽの宿奈良 TEL:0742-33-2351    ※駐車場は要予約  会費  宿泊の方 1泊2食 ¥18000(会員には研究会より1000円補助)  学生 ¥14000  申込・連絡先  平成28年度夏合宿事務局 渡邉健治(畿央大学教育学部)  渡邉携帯:090-6494-3561 メールアドレス:kjwata2437@msn.com 【2016年度障害児教育実践研究会夏季研究大会日程】 8/20(土)  12:30  受付開始  13:00  開会式  13:05~14:25(80分) シンポジウム1 特別支援学級教育の実践 コーディネーター 高橋浩平(東京都杉並区立杉並第4小学校長) 座長 高橋浩平 報告1.荒井久恵(東京都文京区立柳町小学校) 報告2. 塚田倫子(東京都世田谷区立祖師谷小学校) 指定討論 鶴田菜穂子(東京都府中けあき学園教諭) 廣内絵美(京都教育大学附属特別支援学校教諭)  14:30~15:50(80分) シンポジウム2 インクルーシブ教育の推進 コーディネーター 丹羽登(関西学院大学教授) 座長 奥住秀之(東京学芸大学准教授) 報告1.丹羽登 報告2.半澤嘉博(東京家政大学教授) 報告3.石坂光敏(東京都日野市東光寺小学校教諭) 指定討論 中西郁(都立北特別支援学校長) 田中謙(山梨県立大学専任講師)  15:55~17:25(80分) シンポジウム3 「知的障害教育における学力問題Ⅲ」 コーディネーター 渡邉健治(畿央大学教授) 座長 岩井雄(十文字学園女子大学教授) 報告1.渡邉健治 報告2.日高浩一(都立水元特別支援学校主幹教諭) 報告3.明官 茂(国立特別支援教育総合研究所上席総括研究員) 指定討論 蓮香美園(東京学芸大学附属特別支援学校主任教諭) 大鹿綾(筑波技術大学講師)  17:30~18:30(60分)  ポスター発表  18:30~19:30  夕食  19:30~20:30  入浴  20:40~  懇親会 8/21(日)  8:50  受付開始  9:00~10:20(80分) シンポジウム4 各自治体における特別支援教育の現状と課題 コーディネーター 金澤貴之(群馬大学教授) 座長 金澤貴之 報告1.相沢雅文(京都教育大学教授) 京都について 報告2.金澤貴之 群馬県について 報告3.小林徹(郡山女子大学短期大学部准教授)  10:35~11:55(80分) シンポジウム5 重度障害児の教育実践 コーディネーター 早川透(京都教育大学附属特別支援学校教諭) 司会 早川 透 報告1.早川透 報告2.石丸良成(都立府中けあきの森学園教諭) 報告3.後藤貴久(都立北特別支援学校教諭) 指定討論 堀口潤一郎 渡邉流理也(新潟大学准教授)  11:55~  閉会式

2016.02.08

「特別な配慮を必要とする児童への取り組みに関する調査」を実施!~教育学研究科

教育学部の大久保です。2015年の12月に刊行された畿央大学紀要第12巻2号に、同僚の渡邉健治先生、岡本啓子先生、古川恵美先生と執筆した「特別な配慮を必要とする児童への小学校における取り組みに関する調査」という論文が掲載されました。 全国の小学校を対象として、特別な配慮を必要とする児童への取り組みについて質問紙法による調査を行いました。 結果の一部を抜粋したものをいくつかご紹介します。 なお、調査で得られたデータが全て記載された論文は、PDFファイルで公開しております。ご高覧頂ければ幸甚に存じます。先生方のプロフィールによる回答傾向の違いなども分析しております。 これは畿央大学大学院教育学研究科のプロジェクト研究の一環として実施された研究であり、全国の公立小学校に勤務されている787名の先生方からのご協力をいただきました。お忙しいところご協力をいただきありがとうございました。この場をお借りしまして、共同研究者一同、厚く御礼申し上げます。 いよいよ2016年4月からは「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)が施行され、公立学校における障害のある児童生徒に対する「合理的配慮」の提供が義務化されます。本研究から得られた成果が、学校における合理的配慮について検討する際の一助となれば幸いに思います。 教育学部 准教授 大久保賢一 【関連リンク】 特別な配慮を必要とする児童への取り組みに関する調査(PDF) 教育学研究科 働きながら通える「畿央大学大学院」のヒミツって?

2016.01.27

書評『教育の質の平等を求めて―アメリカ・アディクアシー学校財政制度訴訟の動向と法理―』

畿央大学大学院教育学研究科長の白石裕教授は2014年10月、協同出版から本書を出版されました。 本書は白石先生の前著、1996年の『教育の平等と財政保障―アメリカ学校財政制度訴訟の動向と法理』の続編というべきものであり、前著では、このことに関する訴訟の生成期(1971年~73年)と展開期(1973年~80年代半ば)に特徴的な相対的公平(equity)の法理の析出に主力が注がれていました。 一方、本書では、それに続く新展開期(1989年以降)に焦点が当てられています。新展開期で特徴的な事柄は、「教育費等の相対的条件」が公平(equity)なものとなっているかどうかという問題ではなく、「教育の質」が平等なもの、つまり適切・妥当(adequacy)なものになっているかどうかが法理を解く鍵概念となったことです。先生は、教育の質の平等が具体的・現実的にどのように訴訟や判決の中で理解され解釈されていったかということを、丹念な判決文や証言内容の精査により執筆されています。それは、教育の質の平等を追及するという人間の最重要課題の地平で、アディクアシーを議論することの意義と課題を追求することでもあります。 この一連の研究は、先生が日頃から心がけておられるグローバルで高度な研究、教育実践の理論的科学的な裏づけ、現代の教育課題や教育ニーズに応える教育研究の促進、地域の教育の発展等々の文脈の中で創出された精力的な研究であろうと考えられます。そしてこの「量的相対的平等」から「質的適切妥当性追求」へのこの転換は、教育上のアディクアシーがエクイティーを考慮したものでなければならないということから考えても、真に意義深い発展的転換期の研究といえるものであろうと思います。 先生は、「おわりに」で「アディクアシーの概念が多義的で際限のない解釈論に陥る可能性があるとすれば、裁判所はアディクアシーの問題に踏み込むのを躊躇するということがあるであろう」と将来の危惧を表明されておられます。確かに、教育の目的・価値観やアウトプットに関する概念は多義的であることには間違いないところであって、アディクアシーの議論は司法判断にはなじまず議会や行政の役割であるという考え方も成り立つと思われます。しかし、この問題は教育学の自律性に関わる問題であり、教育の専門性に関わる課題であると考えられます。何よりも問題なのは、教育のプロセスや目的に、議会や行政という教育外の領域からの判断がわがもの顔に導入されてしまうところにあると思います。法理の哲学と哲学の法理で教育の目的やプロセスを研究するものにとっては、訴訟や裁判の根拠となりうる理論と科学的実証的な成果を確立し共有することが課題であろうと思われます。そうした観点からも、先生のこの研究は、哲学的な世界にも強いインパクトを与えるものと考えられます。 畿央大学大学院特任教授(教育学研究科)杉峰英憲

2015.11.18

マイクロソフト「MVPグローバルサミット2015」参加レポート~大学院教育学研究科

はじめまして、教育学研究科修士課程1年生であり、Microsoftが表彰するMVPでもある廣瀬です。11月の初めに「MVP グローバルサミット 2015」に参加する為に、アメリカ合衆国はワシントン州のシアトル・ベルビュー・レドモンドへ行ってきましたので、その雰囲気をお伝えします。 Microsoft MVPとは 少しばかり、Microsoft MVPの話をしましょう。Microsoft MVP表彰制度は、マイクロソフトが個人の活動を直接評価して、表彰する特別な賞です。この制度は、マイクロソフトの製品や技術に関する豊富な知識と経験を持っており、インターネットでの活動や日頃の登壇での活動や、メディアや執筆などを通じて、その能力を幅広いユーザーと共有している個人を表彰しているものです。MVP アワードの表彰は、全世界で行われており、世界 90か国以上、4,000名を超える人々が日々MVP としての精力的な活動を続けているそうです。 MVPには、表彰する分野があり、私は「クラウド」と呼ばれる技術の分野で4年連続の受賞をしています。また、弊学で師事している西端教授は「Surface」の分野での貢献を評価され、今年から受賞しています。 関連記事:教育学部 西端律子教授が「Microsoft MVP for Surface」を受賞しました。 MVP グローバルサミットとは そのMVPが年に一度、世界中からマイクロソフト本社のレドモンドに集まり、MVP受賞者のみが参加できる限定イベントが「MVP グローバルサミット」です。 このイベントの内容は、マイクロソフトの最新技術と情報をインプットしたり、実際の製品開発へのフィードバックなどを行います。とっても刺激的な内容なのですが・・・厳しい機密保持契約が課せられており、残念ながら一切のお話しする事ができません。という訳ですので、その雰囲気だけでもお伝えできればと思います。 巨大なマイクロソフトの本社 ワシントン州レドモンドにあるマイクロソフトの本社オフィス群は、通称「キャンパス」と呼ばれています。500エーカー(東京ドームおよそ43個分)の敷地には、125もの建物が立ち並び、全世界の従業員のおよそ半数弱となる約41,000人が働いているそうです。グローバルサミットは、この中の一つの建物で行われています。 そのほかには、参加者が行動して回れる場所があり、一般のお客様も迎えるビルディン92という場所があります。中には、Microsoftのグッズをお土産として購入できる「カンパニーストア」や「ビジターセンター」などがあり、マイクロソフトの歴史や製品を体験する事ができます。 その裏には、Microsoft Commonsと呼ばれる、社員向けの店舗や飲食店が入った建物があります。 とにかく広大なマイクロソフトの敷地 さて、これほど広大な敷地をどのようにして、社員の人たちは移動して回るのでしょうか?その謎を解く物が走って回っていました。キャンパスの中ではConnectと呼ばれる、タクシーや乗り合いバスが走って回っているのです。とはいっても、それでも結構な距離になりますし、時間もかかります、会議一つのために移動していたのでは話になりませんよね? そこで、Microsoftでは「Skype for Business」という、パソコンから使える会議システムでコミュニケーションをとる事が多いようです。このシステムは、畿央大学の授業の遠隔配信にも使われており、僕自身も場所や時差を超えて、東京や海外から受講の際に利用しています。 この時期のシアトルは緯度が北海道の稚内よりも高いにも関わらず、海流の影響も受ける為もあり、思っている程は寒くありません、7度から10度くらいです。11月初旬のこの時期は、紅葉の時期が少し過ぎた位でしょうか、キャンパスの中で色づく葉がとてもきれいでした。 最後に 旅は人を成長させるといいます、その理由は経験と文化を理解するという過程である事は述べるまでも無いでしょう。37歳の社会人学生の僕も、10代には経済成長期を迎えた「上海」、20代には「シンガポール」へ、30代には「シアトル」、「シカゴ」、「ラスベガス」と、いつでも一人でその場所まで赴き、旅と共に経験を重ねてきました。 是非、20代から行ってみたい場所を頭に思い浮かべ、その為に必要な行動を続けてください。パスポートと飛行機に10時間も乗れば、地球は半周できてしまうのです。様々な場所へ趣き、季節、土地、文化、民族、考え方、そして言葉を楽しみ、自分の経験に取り込んでみてください。 その経験は正に「建学の精神」であり、みなさんの人生において、豊かな未来を約束してくれるに違いありません。 教育学研究科修士課程 廣瀬一海 【その他関連記事】 畿央大学大学院教育学研究科紹介ページ 【1分でわかる畿央大学vol.4】働きながら通える「畿央大学大学院」のヒミツって? マイクロソフト コーポレーションのステファン・ショストローム氏が本学を訪問しました。 ゲスト講師による「教育×ICT」~教育学部キャリア形成セミナー

2015.02.12

「養護教諭のための発達障害児の学校生活を支える教育・保健マニュアル」をご紹介!

本学教育学部の古川恵美先生が編著者を務められ、そして岡本啓子先生と小野尚香先生が分担執筆されている「養護教諭のための発達障害児の学校生活を支える教育・保健マニュアル」という本を読ませていただきました。 昨今、特別支援教育や発達障害支援に関わる書籍はそれこそ無数に出版されているのですが、本書には大きな特色があります。それは学校における「養護教諭」の役割や機能にフォーカスされていることです。 平成19年度からスタートした特別支援教育ですが、当初は学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)といったいわゆる発達障害のある子どもたちをいかに理解し、支援するかということに大きな注目が注がれました。また、そのような時勢の中で特別支援学級や特別支援学校の在り方、そして特別支援教育コーディネーターの役割についても検討が深められてきました。さらに近年では、発達障害特性に配慮した通常学級における授業づくりや学級経営を見直そうとする「ユニバーサル・デザイン」を志向する言説も現れてきています。しかし、間違いなく重要なキーパーソンとなる養護教諭を、発達障害支援と直接結びつけて解説する書籍はこれまでほとんどなかったのです。 本書においては、養護教諭の職責である保健管理、保健教育、健康相談、保健室経営、保健組織活動を通して、「保健室登校」、「虐待」、「いじめ」、「給食場面における配慮」、「席替え」、「修学旅行・遠足」、「運動会」、「クラブ活動」などの発達障害特性のある児童生徒の困難性と密接に関連する具体例について実践的な解説が行われています。 また、発達障害者支援法の施行、障害者権利条約への批准、障害者差別解消法の成立と合理的配慮、アメリカ精神医学会の診断マニュアルであるDSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)の第5版への改訂など、現在まさに発達障害支援の重要事項となっている話題についても解説されています。 本書は現在養護教諭として仕事をされている先生方や養護教諭を志す学生さんには必読の書であるといえます。また、今や発達障害支援に無関係でいられる教師はいないという実情においては、本書は管理職も含めた全ての先生方に是非ともお勧めしたい一冊です。 学校における養護教諭の専門性やコーディネート機能がますます発揮され、困難性を抱える児童生徒の支援が充実されていくことを願っています。 教育学部現代教育学科 准教授 大久保 賢一

2014.09.22

理学療法学科「全学年症例報告会」を開催しました。

9月17日(水)に理学療法学科4回生が「総合臨床実習」で学んだことを下級生たちに伝える「全学年症例検討会」を行いました。 4回生は、4月~7月までの期間、8週間の総合臨床実習を、2か所の病院で計16週間行います。 実習を引き受けてくださっている病院にて理学療法士(実習指導者)の指導のもと、様々な疾患の患者さんを対象として基本的な評価を行い、その結果に基づいて治療プログラムを立案します。 また実際に治療をさせて頂くことで、基本的な理学療法を修得していきます。 学内での学習とは異なり、患者さんと直接向き合う経験を通して、4回生たちは見違えるほど大きく成長します。 症例検討会は、各学年2~3名、合計12名程のグループに分かれて行います。 4回生は担当した症例から学んだことをまとめ、基本的な知識を再確認し、下級生たちに説明できる能力を高めることが目標です。1~3回生は現在学んでいる基礎医学と臨床との関係を理解することで、学習へのモチベーションを高めることが目標となります。 司会進行は4回生が担当し、教員はファシリテーターとして見守ります。 どのグループも活発な質疑応答が行われ、また実習に関する情報も得ることができ、学年を超えた縦のつながりがより一層強くなった症例検討会であったと思います。 各学年の学生たちの感想を紹介します。 ▼4回生 それぞれの学年に合わせて必要な話をするように努めました。 学年毎にそれぞれ感じることは違うようで…1,2回生には、いま学校で勉強していることが実習に活かせるということを想像をするのが難しく、3回生は実習に対する不安や、楽しみだけど自信がないといった声が多かったように感じます。 その気持ちは私たち4回生も感じてきたことですが、それでも皆さんの前で説明しながら、お話をすることができたと思います。 皆さんならきっと大丈夫!そう信じてます! 実習での私たちの経験や今回できた縦のつながりが、後輩たちにとって少しでも良い支えになれば幸いです。  理学療法学科4回生 諸橋 直紀 ▼3回生 症例発表で先輩方から症例についてや実習がどんなものか聞くことができました。 1、2回生のときは専門用語や疾患について理解出来ず、症例についてほとんど理解できませんでしたが、3回生になって聞いてみて、少しはイメージ出来るようになりました。逆に分からない用語や勉強不足だと感じることも多くあり、勉強しなければと強く感じました。 今回の発表された症例は、どちらも患者さんの心理状況が痛みに関連している症例で、理学療法は運動系だけでなく患者の心理面まで見ていかなければならないことを改めて学びました。そのためには知識や技術だけでなく、コミュニケーションが大切だと思い、そういう面でも自分を磨いていかなければならないと感じました。 来年は自分達が実習なので先輩方のお話はとても参考になり、自分が頑張らなければならない部分を知る良い機会になりました。後期からは実習や臨床に出た時のことを意識し、一層勉強や実習などを頑張って行きたいと思います。 理学療法学科3回生 杉本 由貴 ▼2回生 昨年1回生として参加した症例発表の時とは異なり、4回生からの説明や配布資料の中に聞き覚えのある言葉や理解できる箇所があり、一年間の学びを感じ取れました。 4回生が私たちのことを思い、わかりにくい箇所をかみ砕いて説明してくださったり、図示してくださったので、なお理解しやすかったです。しかし、その反面で知識の定着不足や、臨床へのより多くの知識、技術の必要性を感じました。 今回の症例発表では症例だけでなく実習の話も聞くことができ、全ての科目の大切さを改めて痛感し、後期に向けての『学び』のモチベーションに繋がりました。 理学療法学科2回生 塩谷 純郎 ▼1回生 今回、4回生の先輩方に実習のお話をしていただきました。実習とはどういうものなのかを教えていただいたり、用語や病気を解説していただいたり、まだ何も分からない私たちにも分かりやすく説明していただきました。実習を通して感じたことを尋ねたところ、「基礎をもっとしっかりやっておけば良かったと感じた」とおっしゃっていました。「基礎となる土台がなければ、その上に学んでも積み重ならない。1回生で学ぶ、解剖学と生理学がとても大切であり、しっかりと理解していることが大事である」と言われました。またお話を聞いて、人と接してコミュニケーション能力を磨くことも大切であると感じました。これからの授業や活動からも積極的に学び、自分のものにしていきたいと思います。 理学療法学科1回生 原田 梨紗子  

2014.07.28

ゲスト講師による「教育×ICT」~教育学部キャリア形成セミナー

教育学部1年生キャリア形成セミナーにて、 「教育×ICT」をゲスト講師に語っていただきました! 教育学部1年生のキャリア形成セミナー「教育×ICTを、神と王子が語る会」において、神こと澤円氏(日本マイクロソフト株式会社 マイクロソフトテクノロジセンター センター長)と、王子こと廣瀬一海氏(アイレット株式会社 クラウドパック事業部 シニアソリューションアーキテクト)のお二方がICTやクラウドをテーマに講演をして下さいました。 まずは廣瀬氏から「15分でわかったつもり?になるクラウドコンピューティング」というタイトルでお話しいただきました。 1年生はSurface Pro2が大学より貸与され、情報処理演習の時間にすでにクラウドを使っているにもかかわらず、最初はそのすばらしさを実感できていなかったようでした。 しかし、「カーシェアリング」という身近な例を出され、テンポよくお話しされた廣瀬氏の「15分で認識を変えさせていただきます」というお言葉どおり、最後には1年生もクラウドのメリット、そしてそれを既に使っているということを認識できたようでした。 次に澤氏より「ICTの過去‐現在‐未来 クラウドとモバイルデバイスが生み出す新しい世界」というタイトルでお話しいただきました。 具体的にはICTの過去と現在の流れ、クラウドの裏側、デバイスの進化、ICTの未来でした。パソコンの作られた目的や成り立ち、どのように使われていたという話やクラウドの中身にもたくさんあるということ、未だに人類には解決することのできないことにチャレンジをし、ICTがそれらをサポートしているなどの講義を通して、この世にあるたくさんの情報を手に入れることができ、たくさんの情報があるのだからもっと活用していろいろなことに対してチャレンジしベストを尽くすことに全力を挙げることが学生にとっても人々にとっても大切だと言うことを私たちに伝えてくださいました。 授業の最後には、1年生200名が持参しているSurfaceをめいめいがもちあげて、一緒に写真を撮るなど滅多に見ることのできない光景を見ることができました。 (教育学部3年生 本多赳雄) 1年生からは「クラウドのことについてとても基礎の部分から私たちに問いかけながら説明してくれたのでとてもわかりやすいと感じた」「プレゼンテーションの話し方や、パワーポイントがとても分かりやすく、引き込まれました。 プレゼンテーションの内容ももちろんですが、特にプレゼンテーションのやり方が印象的でした。」などの感想がありました。 また、お二方から事前に許可をいただき、ご講演のUstream配信を行いました。西端ゼミの大学院生及びゼミ生が一丸となり、大学の限られた環境と機材でしたが、90分途中で途切れることもなく配信できました。北海道から九州まで多くの方に視聴いただき、またコメントも多数寄せられました。ありがとうございました。 以下のURLで録画をご覧いただくことができます。 (http://www.ustream.tv/recorded/50178362) 今回、ゲストの方にご講演いただくだけではなく、実際に「教育×ICT」を体感できる授業を行いました。今後もこのような機会を設け、学生の視野を広げ、大学内外にむけて情報を発信し、開かれた教育を目指していきたいと考えています。 (教育学部 教授 西端律子)

2012.12.12

畿央大学現代教育研究所開所記念シンポジウムを開催しました。

教師としての資質能力を育てる-今、そこにある課題を見つめて- 畿央大学は「健康科学研究所」に次いで、平成24年4月1日畿央大学の附置研究所として「現代教育研究所」(西尾正寛所長)を開設しました。今後10年間で起こる現職教員の大量退職に及び新任教員の大量採用に伴う教員研修の充実、教員の職務内容の多様化とそれにともなう多忙化等の今日的課題に応える、教師としての資質能力育成及びその支援を本研究所の研究テーマとしています。 2012(平成24)年12月8日(日)13時~17時25分冬木記念ホールにおいて、文部科学省大臣官房人事課長中岡司氏、奈良県下市町立下市小学校校長藤田謙治氏、大阪大学大学院小野田正利教授らをお招きし、開所記念シンポジウムを開催しました。 学長挨拶、畿央大学現代教育研究所西尾正寛所長の開所の挨拶、ご来賓祝辞に続いて、第1部は、文部科学省中岡課長、下市小学校藤田校長、畿央大学教育学部島教授のパネラーにより、「教師としての資質能力を育てる―今そこにある課題を見つめて―」のテーマに即してパネルディスカッションが行われました。 西尾所長    文部科学省中岡課長   下市小学校藤田校長    島教授 中岡氏からは学校行政の立場から「近年メンタルヘルスを受けている教員割合が少なくなっているように見えるが、それは50歳代の悩める世代が多く退職したためで、学校規模が小さくなるとともに若手教員が増加し、管理職である校長のマネージメントが重要になってきている現状がある。」、藤田氏は教育現場から「”教育は人なり”であり、教職は責任感を持って子どもたちの人格形成を支援し逞しく生きる力を育てなければならない。そのために教員はしなやかさ・逞しさ・貪欲さを持ってほしい。」、島氏は大学と教育現場を結ぶ立場から「若手教員が楽しんで取り組める学校内研修の実践が大切である。この現代教育研究所はその窓口、橋渡しとして活用願いたい。」などの提言がありました。 第2部は、大阪大学大学院人間科学研究科小野田正利教授をお招きし、「モンスターペアレント論を超えて~保護者と向き合う気持ちと教職員の共同性~」と題して、教育現場の教員が保護者との良好な関係づくりをどう行っていくか、それぞれの思いを理解し、共に学校をめぐる課題を解決していくためのヒントなどについて、教育現場での例え話を交えて語っていただきました。 (さらに…)