畿央の学びと研究
2021年2月9日(火)
葛城自動車学校倉庫壁面にバーンデザインをペイントしたのは2019年の真夏の頃でした。このプロジェクトをきっかけに香芝市との関係が深まることになりました。香芝市から産官学連携事業を進めたいと正式に依頼され、早速新しいプロジェクトが進みだしました。
今回のプロジェクトでは、産官学の「産」である企業としてガラス彫刻工房ONO様と連携することとなりました。ガラス彫刻工房ONO様はガラスの表面に印刷するのは実は難しく、その技術で実用新案を取られた企業です。
印刷されたガラス面の裏から光を当てることでとても綺麗になる為、この技術を使い我々は「光るガラスブローチ」というアイデアを考え、ゼミ生で企画実現に向けたプランを考えていきました。
今年度前期授業「ベーシックセミナー」を受講している13名の1回生にそれぞれの「スマイル」を手描きで描いてもらいました。そのデザインをゼミの3回生米田雄人君がデータ化しONO様にデータ送付してもらい、リモートで商品開発を進めていきました。
2021年2月5日(金)いよいよ新商品「光るスマイルブローチ」のお披露目となりました。香芝市、ガラス工房ONO様にご来校いただき、完成披露会が開催されました。また披露会と併せて、今後に向けたアイデア出しの会議も行いました。
ゼミ生以外にもベーシックセミナー受講者の中から人間環境デザイン学科1回生3名にも急遽参加してもらいました。彼らにとって、いきなり実践的会議に参加するのはかなり荷が重かったかと思いますが、しっかり発言もしてくれました。
【完成披露会に参加した学生のコメント】
滅多にない機会に参加させて頂きありがとうございました。自分の考えたデザインがちゃんと形になるという経験をあまりしたことがなかったので、今回のスマイルブローチはとても良い経験になりました。光の色を暖かい色にするとまた印象が変わって良くなるのではないかなと思いました。
人間環境デザイン学科1回生 岡田ひなた
産官学連携事業の方々ありがとうございました。自分の書いたイラストがあんなに綺麗に出来上がるとは思っていなくて、さっそく家に帰って家族に披露しました。スマイルブローチ以外にもコラボレーションしているようなので、商品として販売していたら今回のことを思い出して買おうと思います。ありがとうございました。
人間環境デザイン学科1回生 奥山龍介
自分たちはデザインのところだけ関わらせてもらったのですが、自分の書いたデザインが実際に形になっていることが嬉しかったです。先輩方が色々意見を言っておられる様子を見て、自分は良い案がぱっと思い浮かばなかったのですごいなと思いました。自分の意見を口にするのは難しかったです。
人間環境デザイン学科1回生 髙山凌花
ゼミ内で商品開発をするのは企画検討から実現まで至難の業でした。ましてやコロナ禍の中、今年度中に製品ができたことは本当によかったです。これもひとえに香芝市様とガラス彫刻工房ONO・尾野様のご協力がなければ出来なかったことですし、3回生プロジェクトゼミ生がよくやってくれたと思います。
ただ、商品化はそんなに簡単なことではありません。ようやく商品開発の入り口に入ったところぐらいだと認識しています。とにかく我々が描いたカタチができたことに感謝したいと思います。ありがとうございました。
【学生が制作したブローチ】
(左)岡田ひなた (中)奥山龍介 (右)髙山凌花
(左)有井芙美香 (中)井上翔太 (右)幸田和樹
(左)氏家あすか (中)金田菜月美 (右)佐野元香
(左)浅井妃音 (中)加藤文奈 (右)小谷明日香
(左)髙島さくら (中)麻田彩花 (右)梅林沙采
(左)勝屋翔太 (中)川西梨々花 (右)米田雄人
(左)佐々木優帆 (中)中林ゆき (右)前田瑠唯
人間環境デザイン学科 教授 加藤信喜
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2021年2月4日(木)
人間環境デザイン学科1回生対象「立体表現Ⅱ」の授業では、2009年から本格的に家具づくりに取り組んでいます。当初はバウハウスのデザイン思想を引き継ぐ「ウルムスツール」を制作していましたが、次第にアイテムは変遷し、現在は「マイスツール」というオリジナルのかわいいスツールをつくっています。
ところが今年度は新型コロナウイルスの影響で例年のような授業が難しく、授業内容を軌道修正して行いました。具体的には、オリジナルデザインの要素を控えめにし、基本形のデザインを基調として各々の作品をつくりあげました。教室である造形実習室には畳1帖大の作業台が9台ありますが、3密を避けるため1台につき1人に制限した為、9人でしか授業ができなくなりました。例年は1組2コマ20名、2組2コマ20名、計40名という定員でしたが、今年度は4班(各9名)×1コマ、計36名という構成にせざるを得ず、時間的にも厳しい制約の中で対面授業を進めました。
毎回授業前には学生の体温を一人ひとり測り、十分な換気をして、アルコール消毒を欠かすことなく行い授業運営を進めてきました。
ところが年末に新型コロナウイルスの感染が拡大してきたため、13回目(全15回)からは急遽スツールを組み立て各自の家に持って帰ってもらい、残り2回をリモート授業に切り替えました。制作工程にあわせた短い動画を作成・配信するなど我々教員(加藤信喜・稲葉崇史)の遠隔指示により、各自の自宅において仕上げ作業を行いました。
本当は例年通り大学の実習室で専門の道具・機材を使用して制作してもらいたかったところですが、自宅で十分な道具がない中でも、全員が見事にそれぞれの「マイスツール」を完成させてくれました。皆さんの成果として完成後に送られてきた作品の写真をこのブログでお披露目させていただきたいと思います。
1回生の皆さん、お疲れさまでした!
【学生が製作したスツール】
(左上)青木佑夏 (右上)阿舍利陽菜
(左下)油谷圭輝 (右下)石田風歌
(左上)今村水紀 (右上)上出那奈実
(左下)岡村夢真也 (右下)奥野菜花
(左上)角野歩希 (右上)大石和
(左下)梶原百華 (右下)河口歩夢
(左上)川口蒼真 (右上)切島温子
(左下)後久まどか (右下)田原健
(左上)出口航大 (右上)栂野歩未
(左下)古澤聖也 (右下)櫻井香織
(左上)瀬山采加 (右上)髙山凌花
(左下)谷口遥香 (右下)丹野紗波
(左上)土橋歩波 (右上)中村悠真
(左下)根来昂汰 (右下)平岡初音
(左上)福田莉奈 (右上)藤原彩那
(左下)藤原未唯 (右下)松上萌
(左上)屋敷奈保 (右上)山岸美月
(左下)山田夏実 (右下)吉井亮徳
人間環境デザイン学科 教授 加藤信喜
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2021年2月1日(月)
人間環境デザイン学科の最も特色ある授業の一つに「プロジェクトゼミ」があります。加藤プロジェクトゼミでは、大学に隣接する大型商業施設「エコール・マミ(通称:エコマミ)」様へ、毎年デザイン提案を行っております。
今年度のエコール・マミ様に対する最後の提案は、毎年恒例の「バレンタイン装飾」です。今年度はコロナ禍のため、制作日数が例年より全然足りず、地上に設営する装飾ディスプレイは諦めざるをえませんでした。そのかわり天井から吊るすディスプレイには工夫を凝らしました。工夫とは制作のための具体的な計画で、ゼミ生が自宅でできる作業を増やし、数多くつくるという方法をとりました。その一つ一つは小さいものでも集合体になると大きなボリュームとなります。塵も積もれば山となるというイメージでしょうか。
今年のテーマは「相合傘」(あいあいがさ)。沢山の傘の下で愛に溢れたチョコレートをお客様に買っていただきます。皆さん、2/14までに是非エコマミに行ってご覧になってください。エコマミアトリウム空間にはハートの雨が降りそそいでいますよ。
現在、畿央大学では基本的に学外活動を自粛している為、実際に取りつける作業はエコール・マミ様のスタッフの方にお願いし、見事に完成いたしました。作業にご協力いただきありがとうございました。
~制作メンバーからのコメント~
今年のバレンタイン装飾は、コロナ禍ということもあって、例年とは違い大学で作業できる時間も限られていました。そのため、各自自宅でも作業出来るよう、ミニサイズの傘とハートを画用紙で折りました。
学内での作業時間が限られており、作業が遅れると取り戻しにくいという焦りもありました。そのため例年以上に効率的に進められるよう作業のペース配分、残りの仕事を把握し合うこと、各々の仕事の割り振りを考えることが大変でした。
その分、成果物ができ上がった時は、何とか形になって良かったととてもほっとしました。各自で仕事を分担できたおかげだと思います。制作メンバーの皆、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。
昨年に続き、エコール・マミさんのバレンタイン装飾に携わることができて嬉しかったです^^
リーダー 3回生 麻田彩花
3回生 中林ゆき
【過去のエコール・マミへの提案】
2020年度 大学に隣接する商業施設「エコール・マミ」への提案第1弾「大階段アート」
2019年度 大学に隣接する商業施設「エコール・マミ」のマーミン・ミーマンの巨大絵本制作
2019年度 大学に隣接する商業施設「エコール・マミ」への令和初のデザイン提案
2018年度 大学に隣接する商業施設「エコール・マミ」へのデザイン提案!
2017年度 エコール・マミにバレンタインディスプレイと改修提案!
2016年度 エコール・マミで、バレンタインディスプレイを担当!~人間環境デザイン学科加藤ゼミ
2015年度 エコール・マミに改修提案とディスプレイ展示!~人間環境デザイン学科加藤ゼミ
2014年度 エコール・マミ改修を提案!~人間環境デザイン学科プロジェクトゼミ(加藤ゼミ)
2013年度 エコール・マミに改修提案とディスプレイ展示!~人間環境デザイン学科加藤ゼミ
2012年度 さらに発展・エコマミ提案★人間環境デザイン学科加藤プロジェクトゼミ
2021年1月18日(月)
昨年の秋に原寸大の茶室「禍庵(かあん)」《転生愚離茶・テンセグリティ》を制作したのはご存知でしょうか。今年度は新型コロナウィルスの影響で畿央祭が中止になり、学生の対面授業や登学日も限られており、現物を見られた方はそれほど多くなかったかもしれません。
茶室は、棒(圧縮材)と手グス(引っ張り材)によってバランスを保つテンセグリティ構造(Tension(張力)とIntegrity(統合)の造語であり、バックミンスター・フラーによって提唱)になっています。実際は当初の計画通りには進まず、最終的に出来た茶室は天井が斜めの「片流れ禍庵」になってしまいました。
前回製作した際のブログ記事はこちらから↓
加藤プロジェクトゼミ展示 茶室「禍庵」~人間環境デザイン学科
リーダーの勝屋君(3回生)を始めとした制作メンバーは完璧な構造を求めて、禍庵のリベンジをしました。今回は原寸ではなく、縮尺1/2【半分サイズ】で制作したものを展示しました。
2021年1月18日(月)から1月22日(金)まで、畿央大学C棟1階ラウンジに展示していますので、皆さん、どうぞ見に来て下さい。
【禍庵制作リーダーのコメント】
前回作った禍庵では、部材の強度面などで反省点がありました。今回は縮尺1/2【半分サイズ】で、再現する際には強度面を特に改善しました。今回は状態も安定したのでとても嬉しかったです。次からもまた良いものを作っていけるよう頑張ります! 人間環境デザイン学科3回生 勝屋翔太
【過去の茶室記事】
2017年 「紐庵」(紅白の毛糸と木材を組み合わせたの茶室)
2021年1月12日(火)
令和3年1月9日(土)に令和2年度の理学療法学科臨床実習指導者会議を開催しました。
今回は関東で緊急事態宣言が発令された状況下での会議だったので、オンライン(Zoomウェビナー)での開催となりました。このような形で開催するのは初めてであり、スムーズに開催できるか不安を抱えながら、本学職員にもサポートいただき準備を進めてまいりました。大きなビデオカメラに、パソコンが6台、外部モニターが3台、教職員の持ち込みPC8台と、万全の態勢で挑んだのですが、それでも会議終了までは緊張の連続でした。
会議には、100施設以上の病院や施設、医療センターの先生方にご参加いただき、Web会議システムを利用し、会議が進行されました。国家試験結果、就職状況、昨年度の実習状況報告、実習要項の説明、新型コロナ感染症の対策、提出議題に対する応答や全体を通しての質疑応答などが行われました。質疑応答はシステム上のQ&A機能を活用し、活発に意見交換も行われました。ただ、システムに慣れていない先生方やタイピングでの入力が難しい機器などもあったかと思われますので、今後の課題とさせていただきます。
平時に増して、コロナ禍での大変な臨床業務状況にも関わらず、臨床実習指導者会議にご参加いただいたこと、誠にありがとうございました。私たち教員は、日常において学内教育を行っていくにあたり、いかにすれば学生の身になる教育となるか、成長につなげられるかを試行錯誤しております。その学生たちの大学生活での成長の中で、臨床実習を受け、戻ってきたときの成長の大きさは言葉に表せないほどの変化があります。ですので、本学の臨床実習に関わっていただいている施設や実習指導者の方々、ケースを担当して指導していただく先生方、またそのような関わりがなくても、学生の表情を観て、ひと言声をかけていただいたり、励ましていただいたりしている関連部署の先生方、皆様に感謝の気持ちが増すばかりです。
現在は厳しい状況ですが、平時の診療参加型臨床実習が困難で、見学中心の実習となることがありましても、学外実習を行なったことによる教育効果は大きいと思われます。本学としては、感染等の悪影響を与えることのない実習実施を、あきらめずに模索し、対策していければと考えています。様々な業務に携わる中で、このように本学の臨床実習に協力いただいている実習施設および先生方に深く感謝申し上げます。また、私たちが出来る様々な情報提供や専門知識・技術の提供を行っていけるよう精進し、お互いが少しでもメリットのある関係を築けるよう精進してまいります。
この度は、本学臨床実習指導者会議にご参加いただき、誠にありがとうございました。
理学療法学科 教授 今北英高