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看護医療学科
2014.08.04
「地域看護活動論」実践発表会レポート!~看護医療学科
2014年7月23日(水)に4回生の看護医療学科の学生による「地域看護活動論実習」の学びの発表会が開催されました! 「地域看護活動論実習」は、看護師になるための実習とは異なり、保健師について勉強するために保健所や市町村保健センターで実習を行いました。病院との違いは、地域で生活している住民の生活と健康の関連性を考え、疾病予防と健康の保持増進のためにどのような対策が行われているかを学習しました。 私たちは、4月からこの実習のために、地区踏査に現地へ出向き、資料・インターネットなどからの情報を集め、何度もグループワークを重ねて、その地域の特色や健康課題をアセスメントするという準備をしてきました。 今回の実習では、その健康課題の解決の方法として学生による健康教育を実施するため、実習に行くまでに健康教育案を企画立案しました!! しかし、すぐにその案が通るはずもなく、先生や指導保健師者の助言や指導をいただき、何度も修正を重ねていきました。 健康教育時のシナリオを考え、必要な媒体(パンフレットや掲示物など)を用意しなければならないため、準備は実習開始ギリギリまでかかりました。 このブログでは、各グループが地域に合わせて試行錯誤し、がんばって実施・発案・プレゼンした内容をレポートしていきたいと思います!! 実践発表会は2つの会場に分かれて行われました。 私の会場の実習地域は、10市町村でした。 実習での健康教育は、健康課題から企画することを原則としていますが、事前に実習市町村からテーマが設定されているグループもありました。 母子を対象とした市町村では、児の成長発達の促しや起こりうる事故の防止をする目的で、赤ちゃん体操や寝返りの仕方、自宅の危険箇所について健康教育を行いました。参加者の反応は、実施後のアンケートで「これからの育児に役立てようと考えた」と答えてくれた方が半数以上となっていました。そのなかで、健康教育には参加者に伝えたいという思いが大切であるという学びがあったそうです! 乳児をもつ母親に対する歯の磨き方を実施したグループは、参加者の反応も良かったようです。育児全般についてお母さんは不安や心配を抱えていて、初産婦であれば尚更そうであると考えられます。そのため、母子の悩みや相談に答えることは、保健師の重要な役割であり、このような事業を実施することで少しでも不安や心配を軽減するように働きかけることが大切だと思いました!! 幼児(2歳半~3歳未満)の虫歯予防に着目し、親子で楽しみながら、虫歯になる習慣を知り、子どもの虫歯予防につなげることを目的とし教室を実施グループでは、親子が対象だと子どもに気を取られるので、集中することが難しいようでした。面白くない話は耳に入ってこないし、健康教育を行うにあたって、まず大切になることは参加者が少しでも興味を持てるように工夫することだと思いました。 成人を対象とした市町村では、骨粗鬆症や骨を丈夫にするための方法について、ウォーキング教室時の初めの10分間を利用して実施していました。 短い時間の中でいかにポイントを押さえて伝えるのかが難しいようでしたが、骨を丈夫にするために“今行っているウォーキングを続けてください!”というようにつなげていくことができるので、参加者の行動継続や行動変容に役立つ良いアイデアだと思いました!!! 熱中症のリスクやその予防方法を理解してもらうことを目的に実施したグループでは、参加者が健康への意識が高く積極的で良い反応だったそうです!これは、私の担当した地域でもそうだったのですが、地域の保健事業に参加している住民の方は、ほとんどの方が健康意識の高い方であると言えます。健康教育の対象者は、そのような健康意識の高い人だけでなく、その他の人へ発信していく必要があると思います。 なぜなら、保健師活動の対象は地域の人々全員となるためです。そのために、参加者の集め方や実施場所の工夫が大変重要になると感じました! 私が実習した市では肺がん・胃がんによる死亡率とがん検診の受診率に着目し、対象者が少しでも受診意識を高めて、私生活の中でがん予防のための工夫をしてもらえるようにするため、企画し保健師にプレゼンしました。実際の住民の方には実施できませんでしたが、健康教育を行うにあたっての工夫や進行方法など学ぶことができました!! また乳がん自己検診について実施した町もあり、乳がんの女性の罹患率はガンの部位の中で最も高いです。乳がん検診は痛みを伴う印象があり、なかなか検診へ行く機会がない女性でも知識を得ることで簡易的に自ら実施することもできると思いました!! 高齢者を対象とした市町村では、高齢者人口の増加に着目し、腰痛の予防・軽減を図ることと、事業に参加することで高齢者の閉じこもりを予防することを目的とした健康教育を実施した結果、参加者は「スッキリしたわぁ」「家でもできそう」という良い反応を得ることができたそうです。 健康課題としての『高齢化』は他の地域にも共通していることでした。少しでも予防できることがあるならば、勧めていく必要があると感じました! 認知症に着目したグループは、発症リスクの減少方法や脳の活性化を図る体操を取り入れ、認知症予防の必要性を説明したそうです。対象者を65歳以上の高齢者(要支援・要介護認定者は除く)に限定し、参加者を集め実施をすると、開始前は交流がなかった参加者が、教室の中での体操の時などに話すなど交流されている様子もあったそうです。このように、事業に参加してもらうことで、地域の人々のつながりを作ることにも保健事業の利点だと思いました!! そのほかにもロコモティブシンドロームに注目したグループもありました。ロコモティブシンドロームとは、「運動器の障害」により「要介護になる」リスクが高まるもので、高齢者化が進む地域では、そのリスクが高いと考えられるため、必要なことだと思いました!! 以上のように、どの市町村でも、地域の特性を考えた上で「これが健康問題じゃないのかな?」と考え、健康教育案を考えるときは「参加者の方がどのようにしたら興味をもって参加してもらうことができるかな?」「どのようにしたら参加者が主体的に参加できるのかな?」などと試行錯誤して、計画・プレゼン・実施していました。 この実習での経験は、授業や演習では体感することが難しかった保健師の活動や役割を踏まえた健康教育実施に当たっての注意点や工夫の仕方など様々なことを学び、「できた!」という達成感を得ることができました。 私たち4回生のほとんどは卒業後、看護師として社会に出ていきます。 保健師の対象者は地域住民という集団であり、病院で働く看護師の対象とは異なりますが、健康増進や疾病予防、健康回復、苦痛緩和のために対象を理解し寄り添う看護の本質は同じで、看護師であっても入院している人がどんな地域で暮らし、どのような支援が受けられるのかを知っておくことは重要だと感じました。この学びを忘れずに、社会に羽ばたいていきたいと思います!!! 看護医療学科 4回生 木村円香
2014.07.29
健康科学部「ベーシックセミナー」の全体発表会を開催!
7月21日(月)と7月24日(木)に健康科学部ベーシックセミナーの全体発表会が開催されました。 ベーシックセミナーは大学に入学したばかりの1回生を対象とする必修科目です。 この授業のねらいは、高校までの受け身的な学修スタイルを捨て、大学で必要な主体的・能動的な学修スタイルを身につけてもらう点にあります。 ベーシックセミナーでは4学科混成で10名程度の少人数クラス(ゼミ)を編成します。 原則として健康科学部の1回生全員が受講するので、ゼミの数は全体で30にもなります。 各ゼミでは学生が主体的に研究テーマを設定し、担当の先生のアドバイスを受けつつそれぞれの研究テーマについて情報収集や調査、議論を進めていきます。 こうした作業の中で学生は情報収集の方法や議論の仕方といったスキルだけでなく、チームワークの取り方を(その難しさを含めて)学んでいくことになります。 こうして各ゼミで約3ヶ月間にわたる学生主体の学修活動がおこなわれるわけですが、その成果を発表するのが今回おこなわれた全体発表会です。 全体発表会では各教室に7~8つのゼミが集合しますので、ゼミ担当の教員を含めれば実に80~90人近くが一堂に会することになります。これだけ大勢の人たちが見ている前で自分たちのテーマについて発表するのはとても緊張を強いられることですが、どのゼミも日頃の成果を示すべく堂々と発表してくれていました。 全体発表会の翌週はいよいよ最終授業になります。全体発表会を含めベーシックセミナーを通じて得られた成果や課題について振り返り、今後の大学での学びに活かして欲しいと思います。 最後に、普段のゼミの様子と全体発表会の様子について学生がレポートしてくれましたので紹介しておきます。 【参加した学生の声】 ベーシックセミナーを通して、最初の授業は自己紹介から始まりました。定番といったらそうかもしれませんが、ゼミの自己紹介はペア紹介という、自分ではなくペアになった子を紹介するといったものでした。普段の自己紹介とは全く異なっていたので私の中にも印象深く残っています。 その後は前期最後に行われるゼミ全体発表会に向けてそれぞれ個人でテーマを決め、その後3つのテーマに絞り、最終的に1つのテーマについてゼミ全体で話し合っていくというものでした。その間にレポートを書いたり、ディベートを行ったり、発表もパワーポイントがほとんどで、慣れない作業に戸惑いながらもゼミが11人という少人数制ということもあり、リラックスして行うことが出来ました。 ゼミはいろんな授業がある中で最も多学科の学生達と交流できる場でもあり、友達の輪を広げる良い機会にもなります。話し合いをしていくたびに仲良くなっていったので、授業はとても楽しかったです。ゼミ最高! (健康科学部 看護医療学科1回生 三谷 紗彩) 7月24日(木)、毎週木曜日の1限目にあるベーシックセミナー(ゼミ)による全体発表がありました。全体といっても7つのゼミがP202教室に集まっての発表でした。各ゼミが今まで調べてきたテーマについて熱弁していました。 発表の内容については、大学内や外部でアンケートを取ったり、あらかじめ動画を挿入しておいてそれを見せたりとユニークでかつ個性的な内容で、各ゼミが努力して資料を集めたりパワーポイントを編集したり、と、頑張ってきたという感じが伝わってきました。 全体としてはすごく良い雰囲気で、発表を聞く側の人たちもそれぞれのゼミの発表内容に興味をもち、真剣に聞いていました。 発表が終わると、活発な質疑応答が始まり、発表された内容以外にも質問者が気になる詳しい内容を聞きだせる事ができて、更に発表されたテーマの内容を知ることができました。 今回の発表を通じて多くの知識を得ることができました。 (健康科学部 理学療法学科1回生 三澤 銀次郎)
2014.07.29
学生広報スタッフBlog vol.135~看護医療学科4回生、初めて学会に参加!
こんにちは〜(^ ^) 初めてブログを書きます!学生広報スタッフで看護医療学科4回生の小杉 明日香です。 実は、4回生になってから広報スタッフになりました。遅いデビューです(笑) 今回は、7月26日(土)に奈良県医師会館で行われた「第29回奈良県母性衛生学会 総会ならびに学術講演会」について書きたいと思います。 わたしは、鷲尾先生のゼミに所属しています。ゼミには5人の学生が所属しており、主に「母性領域」に関連したテーマについて看護研究を進めています。他には「急性」「慢性」「老年」「地域」「基礎看護」「小児」「精神」「災害看護」など、いろいろな領域がありますが、看護医療学科では4回生になるとそれぞれ興味のある領域で卒業研究を進めていきます。 母性看護学領域とは、女性の妊娠、出産、育児などの助産学の領域に限らず、思春期や更年期なども含むすべての女性の一生と、それをとりまく環境(家族など)を含みます。この領域に特に興味をもった学生が鷲尾ゼミを希望し、所属しています。 学会へはこのゼミのメンバーで参加してきました! 一般講演では、大学教授や臨床の助産師、学生による研究の発表がありました。 とても興味深いものばかりでしたが、「看護は働いてもずっと勉強!」という意味がすごくわかりました(笑) 学生のうちは過去の論文などから「文献研究」しか出来ませんが、臨床経験により「事例研究」が可能になります。臨床と研究が密接につながっていることを肌で実感することができました! 最後に、大阪府立母子保健総合医療センター新生児科主任部長である、北野博之先生による特別講演がありました。 先生から様々な研究データを見せていただき、母親と子どもの関係についてたくさん学ぶことができました! お産や子育てについて貴重なお話もしていただき、お産に携わることができる助産師は、ほんとうにステキな職業だと感じました! さて、10月には看護医療学科の卒業研究発表がありますね! 決められた時間の中で、伝えたいポイントをどのように相手に伝えるのか…というのが私たちの課題だなぁ、と感じました。 初めての学会。 ほんとうに刺激たくさんの1日になりました! この学びを、自分の発表にも活かしていきたいですね。 看護医療学科4回生 小杉明日香
2014.06.24
4回生が緩和ケア病棟での学びを発表~看護医療学科「終末期ケア論」
2014年6月20日(金)の1限目、看護医療学科3回生配当科目「終末期ケア論」授業内で、インターンシップ実習において緩和ケア病棟で2週間実習を行った学生有志が、自身の学びについて、後輩にミニ講義を実施しました。受講者から多くの感動の声が聞かれたので紹介致します。 ※「終末期ケア論」は金曜朝1限目の選択科目にもかかわらず、86名もの多数の学生が受講しています。 若い看護学生にとって「死」の問題は、非常に重く、暗く、辛いものとのイメージがあります。 しかし、ミニレクチャーの中での、「緩和ケア病棟は死を待つ所ではなく、最期までその人らしく生きる事を支える場所」という4回生の発言は、3回生の持つ緩和ケアのイメージを大きく変えたようでした。 3回生は4回生の話をとても熱心に聞いており、講義終了後に提出した感想文では、 「終末期ケアや緩和ケアとは暗いイメージが強かったが、イメージが払拭された」 「『看護師が患者のことを大切にすることは当たり前だが、患者が看護師に大切にしてもらっていると感じられるような関わりをすることが大切。寄り添う看護ってなんだろうとずっと思っていました。この言葉で、少し先が見えてきたように感じます。将来、看護師になったときにそう感じてもらえるような看護師になりたい』との先輩の言葉に心うたれた」 「1年上の先輩がとても偉大にみえた」 「先輩のような学びがしたい」 「とても貴重な話が聞けた」 「緩和ケア、終末期ケアについてもっと学びたい」等 多くの肯定的意見が書かれていました。 教員として学生の成長がとても誇らしく感じられる講義内容でした。 現代では2人に1人が癌になり、3人に1人が癌で亡くなる時代です。看護師は人の死を避けて通ることができない職種であると思います。 多くの看護学生に緩和ケアに関する興味を持って欲しいと願っています。 学生のレクチャーは、同じ学生の心を動かしたものと思われます。今後も先輩が後輩に学びを伝えられるような環境を大切にし、学生の興味関心を高められるように講義を工夫して行きたいと思います。 最後に、就職や国家試験勉強等で多忙の中、講義を快諾してくれた学生さん有難うございました。 また、緩和ケア病棟での実習という貴重な学びの場を与えて頂きました、国保中央病院の緩和ケアホーム飛鳥のスタッフ様・関係者の皆様には、心より感謝申し上げます。 看護医療学科 教授 河野 由美
2014.06.06
母性看護学実習前の実技試験を実施しました ~看護医療学科
「赤ちゃんのおむつ交換」実技試験 6月5日(木)1・2時限目に、看護医療学科3回生配当科目 「母性看護学援助論Ⅱ」授業内で、「新生児期の看護の実際」の演習として『赤ちゃんのおむつ交換の試験』が実施されました。 この試験は、後期の臨地実習「母子看護学実習」に行く前の準備として、「赤ちゃん人形」を使って実技テストを行ったものです。 みんな、何度も練習して、衛生面や作業時間に気を配りながら、試験に臨みました。 リラックスして赤ちゃんに話しかけながらする人、新生児(人形)の扱いに緊張で指が震えている人、それぞれ。 採点する先生の視線も真剣です! ちなみに、生まれたての赤ちゃんの便は真っ黒! まさに、海苔の佃煮のようでした…。 今後も実習に向けて、試験は続きます…。 学生さん、ガンバレ!!! 看護医療学科 母性看護学担当教員 鷲尾 弘枝
2014.05.01
「平成26年度離島・へき地医療体験実習の学び発表会」を開催しました!
2014年4月30日(水)に畿央大学冬木記念ホールにて、「平成26年度離島・へき地医療実習の学び発表会」を開催しました。 本学独自の実習である「離島・へき地医療体験実習」は、交通や医療などの利便性が十分でない地における住民の生活フィールドに学生が赴き、地域住民の生活に直接触れ、医療(看護)・保健・福祉の実際を理解し、住民の生活と健康観や価値観・健康との関連を考え、住民の生活基盤に立った看護のあり方など看護の本質を考えることを目的としています。 当初は三重県鳥羽市の神島・菅島のみでの実習でしたが、平成25年度から、奈良県内のへき地にも赴いています。今年度の実習地域は、神島、菅島のほか、奈良県の野迫川村、下北山村、五條市の計5地域でした。野迫川村と五條市は、2011年の台風12号で大きな被害を受けた被災地区の方々の仮説住宅を訪問し、精神面を含めた健康状況の把握に努め、健康課題と今後の支援について考えました。 学内での1週間に満たない実習準備期間中、学生たちは他の授業を併行しながら、自分たちで目標や行動計画を立て、地域の医療状況や生活環境を事前に調べ、骨密度測定に必要な問診票や結果説明に使用するパンフレットを作成、理学療法学科の松本先生のご指導のもと骨密度測定方法や計測、問診、結果説明の技術もマスターするなど、かなりハードな毎日を過ごしました。 そして現地では、診療所や保育所や学校、保健福祉機関、住民の働く場、集いの場を訪問し、関係者や住民の方に話を聞かせていただき、生活の現状を把握し健康との関連やそれぞれの思いを考えました。 また骨密度測定や健康チェックなどの介入的な実施を通して、聞き取った内容と生活と健康との関連をデータに基づいて考察するなど多様な体験し密度の濃い4日間を過ごしました。色々な刺激を受け、体感し、学生の学びの内容も年々豊かになっていることを実感しています。 今回の発表では、少子高齢化が急激に進行している中での健康課題や、離島や山間部であることの生活環境からの健康課題が挙げられましたが、不便さはあっても、豊かな自然と地域の住民同士のつながりや絆の中で、生まれ育った地域を愛し笑顔で生活していらっしゃる住民の方々の姿が、学生の作成したスライドに映し出され、健康とは何か、生活する人々を支援する看護のあり方を再考する貴重な機会となったと確信しています。 今年度は、3回生も「看護倫理」の授業の一部として先輩である4回生の発表を聞きました。 住民の方も毎年学生が実習に来ることを楽しみにしておられます。また実習による健康支援が成果を上げつつあることも感じられてきています。ぜひ3回生にも来年は今年の発表を踏まえた実習をしてもらいたいものです。 またこの貴重な学びは、学内だけにとどまらず、実習地域の皆さんにも聞いていただき、学外にも発信することの必要性を感じ、ぜひその機会を作っていきたいと考えています。 今回の実習に際し、ご理解ご協力いただきました地域の関係者の皆様、明日香村の武田先生、理学療法学科の高取先生、松本先生に感謝いたします。ありがとうございました。 看護医療学科 准教授 松本 泉美 【実習ブログ】 離島・へき地医療体験実習 in 神島2014~看護医療学科
2014.05.01
離島・へき地医療体験実習 in 神島2014~看護医療学科
「離島・へき地医療体験実習」は、地域住民と密着した医療や看護が実践されている地域に赴き、対象者の生活背景を考慮した全人的医療を体験し、また実際の生活の状況を観察し体験することで「ひとのくらし」を理解し、保健・医療・福祉の望ましいあり方や看護職の役割を学ぶ実習です。 鳥羽市神島は、実習開始当初から実習地域として本学を受け入れていただき、今年で4回目となります。 初回から島民の生活習慣と健康との関連をデータを通して把握し、健康教育にもつながる取り組みとして「骨密度測定」を行い、事前に問診票やパンフレットを作成し、測定結果の保健指導を実施してきました。 今年度の実習は、2014年4月14日~17日の4日間実施されました。 実習学生は20名で、「母子」「学校」「成人」「高齢者」の4つのグループに別れ、それぞれの生活や生活の場の特徴を理解するために、実習前に訪問する機関や人を選定し、訪問日時の交渉と具体的な活動内容について、事前に了解を得て訪問しました。 【1日目】 鳥羽市佐田浜港から船で40分。神島に到着し、宿に荷物を置いて行動確認をしたあとは、それぞれが目的の場所に行きつつ、島の生活の状況を観察し、出逢った人々に声をかけ、話を聴いていきました。 島唯一の医療機関である鳥羽市立神島診療所長をはじめとして、漁協の方、保育所の保育士、小学校や中学校の校長先生、養護教諭、老人クラブ会長、高齢者の介護予防施設「しおさい」のスタッフの方を訪問しました。 診療所では、島の人々に多い疾病や救急時の対応などの話を聞き、往診のほか夜間の救急時は島の階段を駆け上って駆けつけ、島民が担架で港まで搬送して船で本土の病院まで移送するなど昼夜を問わず島民のために活動していることや生活の話をよく聴くなど島民の生活に密着した医療を心がけている医師の姿がありました。 学校では、生徒数が減少する中で、島全体で子どもを育てていることや他の島の子どもたちとの交流や鳥羽市での活動を取り入れ、高校で島外に出ても生きる力を育てるように取り組んでいることがわかりました。今年は中学生4人と唯一の部活動である卓球部の練習にも参加しました。 【2日目】 骨密度測定を実施し、昨年より多い48名の参加がありました。 毎回測定される方は結果説明を聞いて、「また気をつけることがわかって良かった。来年もまた来るわ」と笑顔で話され、学生の大きな励みになりました。 ▼骨密度測定を実施 ▼結果を説明 ▼介護予防支援センター「しおさい」での脳トレ風景 色々な方々に話を聴くことで、島が抱える課題も見えてきました。 乳幼児を持つお母さんは、乳幼児健診の際や、島の診療所で処置ができない歯科や重病の場合、船で鳥羽市に行かなくてはなりません。小さな子どもを抱えての船での移動は大変で、市内への交通費も大きな負担だとわかりました。高齢者ならさらに島外に出かける機会が少なくなります。 漁業の後継者不足も深刻で、若者は島外に仕事を求めて出て行き、島の生業である漁業が衰退の途にあります。40歳代の漁師は10人で、後継者である青年の数や子どもの数は確実に減っています。 また島では65歳以上の人が全人口に占める割合である高齢化率は45%を上回っています。見守りが必要な独居高齢者の方が入居できるように民家を改造したグループハウスが2軒創設されましたが、介護支援専門員やヘルパーなどのスタッフが確保できず運営が困難な状況で、建物の維持費は町内会費で賄われています。介護が必要になった高齢者は、島外の施設に収容されるか親族が引き取ることになり、生まれ育った島で身近な人に囲まれながら生涯を終えたいと願ってもそれができないのが現状です。 しかし、島の人々はおおらかで明るく、子どもから高齢者まで皆笑顔で、島の誰もが声をかけあい、助け合って生活している姿が学生にとって大きな印象でした。 【3日目】 最大のイベントである島の人々を招いての交流会を開催しました。 今年は今まで以上にたくさんの方が参加してくださり、用意していた食べ物や飲み物がすぐに足りなくなるほどの大盛況で嬉しい悲鳴を挙げました。4つのグループが3日間の学びを発表した後、企画していたゲームで大笑いし、島民の方々も学生もとても楽しい時間となりました。 【4日目】 全体カンファレンスの後、挨拶周りをして港へ移動すると、毎年学生が来るのを楽しみにしてくださる“げんさん”が見送りに来てくださり、学生と一緒に写真を撮りました。 町内会長様 老人クラブ会長様も来られて最後まで別れを惜しんでくださり、「また来年会いましょう」と約束し、島を後にしました。 いつも私たちを温かく迎えてくださる神島の皆様のお気持ちを大変嬉しく思いました。 神島の皆様、お世話になった各機関の皆様ありがとうございました。 看護医療学科 准教授 松本 泉美 【実習の発表会ブログ】 「平成26年度離島・へき地医療体験実習の学び発表会」を開催しました!
2014.04.25
海外ボランティアレポート~障がい児支援センター in ベトナム!
看護医療学科4回生の中野麻祐子です。 2013年10月~2014年1月の約3ヶ月間、ベトナムでの海外ボランティアを経験してきました! 言葉の壁など不安もありましたが、「海外で働きたい」という将来の目標と「学生のうちに世界を見て、視野を広げたい」という気持ちが強く、決心するのにあまり時間はかかりませんでした。 今思えば、「ボランティアに行く」と決めてから帰国するまで、ずっとワクワク感でいっぱいでした! 私はハノイにある障がい児支援センター(PHUC TUE CENTER)で活動していました。 対象年齢は5歳~22歳、障がいの種類は知的障がい、ダウン症、心身障がいが多く、障がいのレベルも様ざまでした。その中で私は毎日一人ひとりに合わせた遊び、食事介助、算数や読み書き教えたり、一緒に絵を描いたりしていました。 センターのベトナム人の先生は英語が話せるのでよかったのですが、子どもたちはベトナム語しか話せないのでコミュニケーションをとるのにかなり苦労しました。それでも私なりにbody language、表情や触れ合うことで言葉の壁を少しずつ乗り越えていきました。 また、現地でベトナム語のレッスンを受けていたので簡単な会話が出来るようになり、コミュニケーションにとても役立ったと思います。 帰国が近づくにつれて子どもたちが「まゆこ帰らないで!もう1ヶ月間でいいから居てよ!」と泣き叫ばれたときには今までもがいてきた事が一気に晴れると同時に、子ども達との心の距離がグっと近くなっていることを実感できた瞬間でした。 言葉よりももっともっと大切なものが人と人との間には必要で、それが何なのか、そのときに気づく事が出来ました。 (Phuc Tue Center) ベトナムでの生活はとても楽しく、ご飯も美味しかったです。ホームシックにもなりませんでした! ただ、私のほかにも日本からの参加者が沢山いるだろうと思っていましたが、驚いたことに、なんと日本人は私だけ!!みんなヨーロッパやアメリカ出身だったので約3ヶ月間、日本語を話す機会はゼロに近かったです!でもその分毎日英語に触れていたので「下手な英語でも伝えたい!会話したい!」という強い精神力がつきました!(笑) 休日は現地でできた友達、ボランティア仲間とベトナム各地を旅行でまわったりベトナムの文化を学んだりと刺激的な毎日を過ごしていました。 (SAPA) (HALONG BAY) この3ヶ月間の経験によって視野がひろがったのはもちろん、考え方も少し変わったと思います。 長期間で参加していればもっと沢山の経験が出来たかもしれません。でも、学生で障がい児支援活動した私だからこそ分かる感動や、気づきがありました。その学びを大切にして将来につなげ、今度ベトナムに行ったときは子ども達や家族のように接してくれた世界中の友達に心から「ありがとう、大好き!」の気持ちを改めて伝えたいです。 そして何より、私の”挑戦したい”という気持ちを尊重してくれた親には本当に感謝しています!! 皆さんも学生のうちに挑戦したいことがあれば頑張ってみてください! 看護医療学科4回生 中野 麻祐子
2014.04.22
平成26年度新入生宿泊研修レポート~看護医療学科2回生の視点で!
看護医療学科2回生の蔦屋です。 2014年4月7日~8日に、高野山で行われた看護医療学科の新入生宿泊研修に2回生21名が「支援学生」として参加させていただきました。 高野山では、まだまだ雪が残っていて、とても寒かったです(笑) この2日間の宿泊研修の様子を、私がまとめさせていただきました! 【1日目】 <クラス会> クラスごとに集まって、一人ずつ自己紹介をして、話をしたりして交流を深めました。 今思うと、まだこの時はみんな緊張していたのか、顔がこわばっていたような気がします。 学歌紹介で、学歌を歌ってくれた支援学生の草竹君の歌声は素晴らしかったです(笑) <セッションΙ> ここでは、クラスに関係なく、12種類の飴を引いて班分けをし、「高野山らしい風景」を探して、デジタルカメラを持って境内を散策しました。1班につき支援学生が1人か2人付いて、班ごとで自由に、様々なところで写真を撮ったりしながらたくさん歩き回りました。 「高野山らしい風景」を探して歩き回っているうちに、班のみんなが仲良くなっていくのがわかり、まるで入学前から知り合いだったかのように話す新入生を見て、私もとても嬉しかったです。 その後、普賢院に戻り、撮った写真を使ってPowerPointで発表のための資料を作りました。どのようなスタンスでいくのか、どの写真を使って、どのような工夫をしようかと、皆で話し合いながら、役割分担をして、テキパキと作業をしてくれました。どの班の新入生も、そのような様子だったようで、支援学生が支援する必要がほとんど無い状態でした(笑) そのあと皆で夕食を食べ、発表会を行いました。 途中で出会った外国人観光客の方々と仲良くなった班や、ブログ風に発表してくれた班など、それぞれの個性がたくさん詰まった素晴らしい発表で、見ていてとても楽しかったです!みんなの投票で1.2.3位に輝いた班には、お菓子の詰め合わせが賞品としてプレゼントされ、きっと夜にみんなで食べたのではないかと思います(笑) 夜は、皆で喋ったり、トランプをしたり、お菓子を食べたりと自由に過ごし、楽しみました。私たちの部屋に、履修や授業の話を熱心に質問しに来た新入生もいたことに驚き、私たち2回生も見習わなければいけないなと、思いました(汗) 【2日目】 <セッションⅡ> 7時30分からの朝食後、再びくじ引きの飴で12個の班に分かれ、高野山大学の山脇雅夫教授の講演を聞かせていただきました。 「働く=ハタ楽」という語呂合わせのように、働くことは、周囲の人々を楽にさせることが出来るというお話や、他人の悲しみ・苦しみは、悲しみや苦しみを経験してこそ理解できる、また、「聴く」ことの大切さなどのお話をしていただきました。 私たち2回生は、今回2度目の山脇先生のご講演でしたが、1年間大学で勉強し、また、実習を経たうえでお話を聞かせていただくと、去年よりも深く理解することが出来たと思います。新入生にとってもこれから学習していくうえで大変ありがたいお話だったと思います。 その後、班ごとで、支援学生が1回生の時に経験した「チーム医療ふれあい実習」や「基礎看護学実習」について話し、「いのちとこころ」について話し合いました。私が実習で経験して感じたことや学んだことを話していると、皆、目を見て、うなずいてくれたりと、とても熱心に話を聞いてくれて、私も必死でした。 それぞれの班の発表を聞いて、「いのちとこころ」について様々な視点があり、「なるほど、そういう考え方もあるのか」と、とても感心させられました。入学してすぐとは思えないほど深くまで考えられていて、私の方が新入生に学ばせてもらったことが多かったような気がします。真剣に考えて話し合ってくれたことがよくわかる、大変素晴らしい発表だったと思います。 この2日間の宿泊研修に、支援学生として参加させていただき、たくさんの学びがあり、本当に良い経験になりました。 これは私だけではなく支援学生全員が感じている事と思います。新入生同士も仲が深まったようで、1日目よりも表情が柔らかくなっていたように思います。 新入生のみなさんには今の気持ち、つまり「初心」を大切にこれから頑張っていってほしいと思います。私も、気を引き締めなおして、これからさらに勉学に励みたいと思います。 本当に充実した2日間でした。ありがとうございました! 健康科学部看護医療学科2回生 蔦屋 茉莉亜
2014.04.11
平成26年度新入生宿泊研修レポート~看護医療学科
2014年4月7~8日の2日間、看護医療学科では高野山別格本山宿坊普賢院へ「新入生宿泊研修」に行ってきました。参加したのは新入生89名と研修の進行をサポートする支援学生の2回生21名、教員8名の総勢118名です。 お天気もよくて、眩しい!と思いきや、木の上や道路の端には雪が残っていました。寒い出だしです。 張り切って早めに到着した新入生や、支援学生と共に到着した新入生。 坂田先生からのお話で、予定通りにスタートしました。 クラス会 まず、クラス毎に円座を組み、自己紹介でニックネームを決めたり、支援学生が個々に新入生にお話したりと、賑やかに過ぎていきました。 セッションⅠ-1 くじ引きの飴でグループを決めて、高野山を散策します。去年新入生として参加していた支援学生が、今回の案内人です。「最も高野山らしい風景」があるところを探して境内を散策し、撮影。次のセッションの発表に備えて各グループで準備します。 散策の後は夕食です。皆でいただきました。 セッションⅠ-2 「最も高野山らしい風景」と、お互いを知ることの素晴らしさについて、パワーポイントを使って発表しました。グループごとに良い個性が出ています。上位3グループを投票で決め、1位に「生梅飴グループ」、2位に「濃厚ミルクグループ」、3位に「チェルシーグループ」が輝き、賞品(お菓子の詰め合せ)を獲得。やったね! セッションⅡ 2日目は朝食の後、再びくじ引きの飴でグループを決め、セッションⅡがスタート。高野山大学の山脇雅夫教授から「悲しみから学ぶ」をテーマに講演していただきました。 人の苦しみや悲しみは、人の苦しみや悲しみを体験した人のみが理解できる、と説いていただきました。「聴く」ことの難しさ、大事さ、これから新入生が学んでいくことを先んじて教えていただく機会になりました。 去年と同様に「働く」=「ハタ(傍)楽」、はたらくということは周りの人を楽にさせるというお話もありました。さらに「優」という文字は人の憂いを知っている人が人の悲しみの支えになれる、という新たなお話もあり、支援学生もより深く学ぶ機会になったようです。 山脇先生のお話の後、班毎に支援学生から新入生に、1回生で行われる「チーム医療ふれあい実習」「基礎看護学実習」での経験談を新入生へ話しました。新入生は不安と期待の面持ちです。しかし「いのちとこころ」という部分でこれから自ら関わっていく現場を知ったのではないでしょうか? 最後に山脇先生にコメントをいただきました。 支援学生は新入生を支援する立場で再び宿泊研修を経験し、山脇先生のお話についても感じ方が違った様子でした。2日間の支援、お疲れ様でした。 4月8日はお釈迦様の誕生日。普賢院で甘茶を提供されていました。学生も帰り際に興味深くいただき、無事宿泊研修を終えることができました。 看護医療学科 助手 笠谷 笑子
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