2013.11.20 

アジア理学療法学生学会・アジア西太平洋理学療法学会レポート!(教員より)

アジア理学療法学生学会およびアジア西太平洋学会について学生の立場からハザマさんから書いてくれましたが、理学療法学科 教員の松本がバトンタッチして、教員の立場からレポートします!
 
●4th congress of APTSA
初日はNew York Universityの Prof. Dr.Wen Ling先生のアメリカにおけるDPTプログラム(大学院レベルでの教育)についての特別講演から始まり、各国の教育レベルの違いについて意見交換を行いました。
※日本は高校卒業後3年以上(3年制専門学校、4年制専門学校、大学のどれでも理学療法士になれます)
また、開催校であったChina Medical Universityの学科長のProf.Sunとの大学院や海外インターンシップについての情報交換を行いました。また懇親会を通して、日本の学生は積極的に海外の学生と交流をもっていました。
 
APTSA-teacher (1)
 
2日目は、日本メンバーが企画した「各国における理学療法の将来展望」「伝統医療と理学療法」について各国の発表を行い、グループディスカッションを行いました。日本のメンバーは各グループを回って、質問に答えるなど、積極的に関わっていました。今後アジア全体として問題となる高齢化について、海外の学生は日本を高齢化先進国として関心をもち、自分たちが時代・社会を支えていく立場として質問している印象を受けました。
全体を通して、海外の学生は日本と比べ、英語が流暢であるだけでなく、自国のおかれている現状やこれから必要なことについて理解し、積極的に発言できていました。学生にとって彼らとの交流から刺激を受け、今後の学習意欲へつながったと思います。
日本の学生もこの旅の中だけでも、英語力や積極性が人が変わったように成長しており、驚きと感動でいっぱいになりました。
 
● WCPT-AWP&ACPT congress 2013

私はこの学会で、奈良県健康長寿共同事業実行委員会で関わっている地域高齢者についての調査で
”RELATIONSHIP BETWEEN FALL AND PEAK COUGH FLOW IN COMMUNITY-DWELLING OLDER ADULTS”
という演題で口述発表を行いました。
海外からは呼吸機能と転倒についての関連性について疑問があるという声もありながら、新しい視点であるというコメントもいただくことができました。今回は横断研究の結果のみなので、介入結果も踏まえたものを今後報告していく予定です。
 
APTSA-teacher (2)
 
上記の学会以外にも、今後、共同研究を行っていこうと京都大学 青山准教授(本学福本准教授、瓜谷助教)とNational Taiwan Universityの准教授Dr. Yu-Jen Chen、大学院生とミーティングを行い、今後も継続的に情報交換を行うこととなりました。
 
APTSA-teacher (3)
 
また、フィリピンのUniversity of SantoTomasのProf. Cheryl Ramos Peraltaと神戸大学小野准教授と地域高齢者の二カ国間比較研究について、フィリピンでの調査の準備が進んでおり、その結果を分析し、さらに日本でも同じ内容で進めていくと話しあいました。
 
APTSA-teacher (4)
 
そのほかに、海外の教員との交流を通して、日本以外のアジアでもアメリカやオーストラリアなど理学療法先進国で学位をとられた先生が多く、国際的な活動に非常に力をいれているようです。
 
本学には留学生はおらず、提携を結んでいる海外の大学もありません。本学として先駆的に海外との交流ができる仕組みができれば、世界で活躍する人材、リーダーの育成につながるはずだと痛感いたしました。日本のように高齢化が進み、生活習慣病の問題も出てきており、その分野に理学療法士が積極的に関わっているとのことから、日本はアジアの中でも、まだリーダーになれるほどのレベルにないことを再確認することができました。
このように、今回の学会が今後の研究の発展につながり、国際的に活動するための非常大きな一歩となりました。この経験を日本の研究・教育活動に活かし、さらに継続的に発展させられるように取り組んでいきたいと思います。
最後になりましたが,このような機会を与えていただき、貴重な経験をさせていただき、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

理学療法学科 松本 大輔

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