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畿央の学びと研究
2020.08.07
「薬害の実情」と「患者の人権」を学ぶ~看護医療学科「保健医療福祉システム論Ⅰ」
看護医療学科4年次生必修科目である「保健医療福祉システム論Ⅰ」では、公衆衛生システムや社会福祉のあり方を学んできました。パンデミックが起きている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についても、4月から一早く、国の専門家委員会が公表した資料をはじめとした様々資料を読み、理解を深めてきました。 また、感染者のみならず社会的弱者がコロナ禍において差別や偏見に苦しんでいることを学び、それらを医療従事者としてどのように対処するのかも考えてきました。 そのような中、7月23日の授業では全国薬害被害者団体連絡協議会 副代表世話人の勝村久司氏をお招きし、「『薬害の実情』と『患者の人権』~医療倫理や患者安全について考えながら~」と題した内容について講演いただきました。あいにく遠隔での講演ではありましたが、それを凌駕する心に突き刺さる内容でした。 ▲Microsoft Teamsを用いて、講演いただいている様子 勝村氏は、現在も大阪府立高校の理科教員をされておりますが、「陣痛促進剤」の被害によりわずか9日間の命しかなかった、娘さんの星子さんのことがきっかけ(詳細は、勝村さんの著書である「ぼくの『星の王子さま』へ」~医療裁判10年の記録~(幻冬舎文庫))で、薬害に関する運動に身を投じます。 その中で、薬害は人災であることを痛感され、陣痛促進剤(子宮収縮剤)は感受性の個人差がかなり大きいがその理解が医療従事者の中でも十分ではないこと、陣痛促進剤の誤った使用がまだ改められない医療機関があることも非常に懸念されておられました。また、一般社会にも薬害の被害に遭われた方々へのインターネットを用いた中傷がまだ残っていることもお話しされておられました。 最終学年にあたる受講生に対して、これから大切なことは「健全なチーム医療による専門性の発揮」と「患者・家族を中心とした情報共有」であり、真実を求め続け、情報収集の努力を続けることと、「患者のための薬・医療」であることを忘れないことが重要であると話されました。その実践例として、診療報酬明細書の開示につながり、ある病院ではカルテの開示を積極的に行っているそうです。 学生も今回の講演の内容を重く受け止めていました。学生たちの感想から一部紹介したいと思います。 勝村さんの話は言葉の一つ一つが重く、家族を含めた方々の気持ちを思うと聞いているのが辛く、心が痛くなった。勝村さんの奥さんがどれほど苦しみ、それでも自分の子どもを助けたい一心で意識を手放さないように耐えていたこと、子どもが亡くなった苦しみを夫婦で乗り越えられてきたことに対して胸が詰まる思いでした。 また、陣痛促進剤等の薬害による被害に関する問題について考えることができた貴重な時間でもあった。二度と陣痛促進剤等の薬害による被害が出ないように、この問題が自分や家族にも大いに関係あることだと認識し、みんなで考えていきたい。 学生A 本日学んだ薬害の問題について被害者の方の気持ちを考え、二度とこのようなことが起こらないように本日の学びを忘れない。医師から指示された薬を何も考えずに患者に勧めるのではなく、常にクリティカルシンキングをして医療に従事していきたい。 学生B 学生たちは、あと半年で医療の現場に飛び込んでいきます。特に今は、新型コロナウイルスの影響が大きく、患者の人権がより大きくクローズアップされることでしょう。今回の勝村氏の講演を通じて、学生たちの学びは非常に大きく、今後に必ず活かされるだろうと思います。この場を借りて改めてお礼申し上げます。 看護医療学科 准教授 文鐘聲
2020.08.05
TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.80~2020年度初勉強会は「輸液管理と服薬」
こんにちは、健康支援学生チームTASK※の看護医療学科3回生の乾由樹子と東條真納美です!新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響もあり、勉強会や健康測定の実施をすることができませんでしたが、今回2020年度新学期初の活動としてオンライン勉強会を行いました。 ※TASKは、Think、Action、Support、for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を超えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。 テーマは「輸液管理と服薬」です。 今回の勉強会では、主に①輸液の必要性、②輸液の種類、③服薬の支援方法の3つの視点から発表を行い、学びを深めていきました。 看護医療学科の学生にとっては、今まで学んできたことの復習に、他学科の学生にとっては新たな学びにつながったように感じます。 今回はTeamsを活用したオンラインでの勉強会の実施が初めてであり、動画がうまく再生されるか、発表者の声がきちんと参加者に届いているか不安がありましたが無事に終えることができました。 参加してくださった皆さんありがとうございました!! ▼勉強会の様子 そして、1回生の方、TASKに興味を持ってくださっている方への連絡です。 今回、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、本来のTASKとしての活動(測定会や勉強会、新入生歓迎会など)が行えていない状況です。 このような状況ではありますが、TASKというチームを残していくためにも新入生の皆さんの参加がすごく力になります。 「TASKってなに?」という方→Twitterで、「TASK(健康支援学生チーム)」と検索してみてください! また、畿央大学のホームページから、TASKの過去の取り組みを見てもらうこともできます! 「どうやって参加すればいいの?」という方→Outlookのメールから検索ディレクトリを使用して、「task」と検索してみてください。 ◎参加申し込みだけではなく、質問もこちらのメールで受け付けています! コロナウイルスの感染の拡大によって学校への登校も制限がつき、広陵町とのイベントも中止となりTASKとしての活動がなかなかできない状況となりました。この状況でもできることを考え、8月10日(月)から14日(金)の5日間で「身体を動かそう!生活リズムを戻そうキャンペーン!」として朝の9時からラジオ体操や肩こり解消ストレッチを、teamsを使用して遠隔で行う企画を立てました。参加できるのはTASKの人だけとなりますが、これから状況に合わせて徐々にTASKの活動を再開することができるといいなと思っています。 看護医療学科3回生 乾由樹子 東條真納美 ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。
2020.07.22
4ヵ国を結んだ遠隔授業を行いました~看護医療学科「国際看護論」
令和2年7月21日(火)の「国際看護論」では、ベトナム(ホーチミン市)・スウェーデン(ウプサラ市)・オーストラリア(メルボルン市)と、日本(奈良:畿央大学)をZoomで繋ぎ、国際的な看護の実際を学ぶことができました。各国の看護の本質は日本と同じであるものの、実際の看護の実践の仕方や働く環境には大きく違いがあることを学びました。 この日の学修目標は、①国際看護師として活動している人の活動の実際を知る、②先進国の看護の実際を知る、③開発途上国の看護の実際を知る、といった目標設定に基づき、3人のゲストスピーカーの方に各テーマに沿って紹介していただきました。 ▲Zoomで4ヵ国をつないだ様子(左下:マイ・アイン氏、右下:長谷川祐子氏、右上:Julie.Paul氏、左上:本学 山崎先生) まず、CICS(EPA看護師や技能実習生を送り出し機関)代表のマイ・アイン氏から「EPA看護師の訪日の実際と課題」のプレゼンテーションがありました。 ベトナムでは看護の他に介護という概念がなく現在、ベトナム看護協会と奈良東病院の方や本学の山崎先生とともに老年看護学のテキストや介護教育課程を作成しているとのことでした。この10月からベトナム国内で介護に関する教育が開始することから、日本と同じく高齢化が進むベトナムで、介護という概念を作っていくことは重要であると思いました。また、日本などの先進国で行われている介護についての課題を踏まえたうえで、介護を行う方にとっても介護を受ける方にとってもベトナムという国に合った教育がされることが求められると学びました。 次に、アカデミスカ大学病院で認知症専門看護師(シルビア女王認定の認知症看護師)として勤務中の長谷川佑子氏から「スウェーデンの認知症看護」について講義していただきました。 スウェーデンでは「頑張っている空気が患者や他のスタッフに良い影響を与えないので、リラックスして仕事をする。」ということが大切にされていました。また、日本でも言われているように、「コミュニケーションを大切にする」というポイントもありました。実際にスウェーデンでは1日に何度もミーティングを行ったり、どんな時でもお茶の時間(FIKA)を取るというように一息ついて話ができるコミュニケーションの場を大切にするという環境が整っていることを学びました。日々忙しく仕事を頑張っていても患者さんを思う気持ちが伝わらなければ結果的には自己満足の看護で終わり患者さん中心の看護ではないと思います。「リラックスして仕事をする」ということはとても大切であると学びました。 また、医学生や看護学生が「アンダーナース」として就職する前に現場で働くことができるというお話もありました。学校で受ける授業や演習とは別ではありますが、実際に働いて現場を知るということは、多くの経験を積みながら自分の目指す医療・看護を模索している学生にとって重要な経験であると考えました。 最後にオーストラリアのPalliative Cere のNurse practitioner(元NP)のJulie.Paul氏による「メルボルンのヘルスケアシステムと看護師の役割」についてです。 調べてみるとナースプラクティショナーはオーストラリアの看護師が行っている医療行為を日本ではまだ医師が行っていることもあるそうです。医師の仕事を適切に分担することは単に看護師の仕事が増えるだけでなく、より効率的に動くことができ、患者さんに利益をもたらすことができるような看護ができるのではないかと考えました。また、そのように分担することでさらに看護師自身が責任感を持ち主体的に行動することにつながることを学びました。 最後に、看護師からのメッセージ「私にとっての看護とは」を視聴して終了しました。 以上のように本日のグローバルな視点での遠隔授業はとても興味深い内容であり、多くの学びを得ました。看護の本質は同じであっても国によってどのように取り組んでいくのかは多くの違いがありました。これから現場に出ていく者として世界にも目を向け学び続けていきたいと思います。 看護医療学科4回生 奥田帆乃夏
2020.07.10
産婦人科医に学ぶ!超音波診断法の理論と実際~助産学専攻科
令和2年7月8日(水)の「助産診断技術学Ⅰ(妊娠期診断とケア)」の科目の中で、産婦人科医師である健康科学部長の植田政嗣先生に助産学専攻科の学生10名が超音波検査について教えていただきました。 始めに、超音波診断法の理論と実際の講義を受けたあと、演習を行いました。 演習ではまず、植田先生が実際の超音波検査機器を用いて、胎児の観察や機械の使用方法、胎児の推定体重測定や妊娠週数の導きだし方などについてわかりやすく説明しながら腹部模型で実演していただきました。植田先生の実演に学生たちはすっかり感心し、必死にメモを取っていました。 その後、学生一人ひとりが植田先生の指導のもと、順番に超音波診断の演習を行いました。 最初は不慣れな為時間がかかっていましたが、植田先生の笑いも交えた丁寧なレクチャーもあり、学生10名全員が胎児推定体重を測定し、妊娠週数を導き出すことが出来ました。 超音波診断では腹部にプローブをあて、胎児がうまく映っている箇所で画面を静止するのですが、学生たちはやや苦戦している様子でした。それでも、「今だ!」と応援する声や、正確な胎児推定体重が測れた時には拍手が起こるなど、和気あいあいとした楽しい雰囲気の中で演習が行われました。 今回も新型コロナウイルスの感染予防を行いながらの演習となり、制約は多くありましたが、学生10名で工夫しながら学びを深めることが出来ました。 助産学専攻科 助手 畠中美有希 初めて実際に超音波の機械を使って、胎盤や羊水量、胎児の様子を見せていただきました。もちろん腹部に入っているのは胎児模型なので動いてはいないのですが、なかなか胎児の測定部分をエコーで探し出すのが難しく、植田先生のサポートのもとやっと測定することが出来ました!実際の胎児は動いているのでより一層難しいだろうな…。と感じました。 講義を受け、超音波診断法で胎児付属物や胎児の発育状態をきちんと見ていくことが、母子共に健やかに妊娠を継続していくために大切なことであると学ぶことができました。 助産学専攻科 岡本悠希 【岡本さんが登場する「1分でわかる畿央大学」ムービー】 畿央生リアルボイス「看護医療学科→助産学専攻科」編|1分でわかる畿央大学#52 保護者インタビュー「我が子と畿央大学」岡本さん編|1分でわかる畿央大学#51
2020.07.10
スペシャリストに学ぶフリースタイル分娩!~助産学専攻科
助産専攻科は入学してからコロナウイルスの影響で、遠隔授業が続いていました。6月からは登学が始まり技術面の授業が増え、実習に向けて毎日演習をしています。 その中、令和2年6月19日(金)に岩田塔子先生の「フリースタイル分娩」の講義を受けました。岩田塔子先生は、助産師の他に超音波検査師、鍼灸師の資格も持っておられるフリースタイル分娩のスペシャリストの先生です。そのような素晴らしい開業助産師の先生に分娩の基本やフリースタイル分娩の考え方、介助方法について教わりました。 フリースタイル分娩とは、分娩台や決まった体位にこだわらず、自然なお産のリズムに合わせて分娩を行うことです。この自然というのは産婦が思うままに、こうすると陣痛が楽だというような感覚をもとに体位を変え、赤ちゃんが出てきやすい方法を試しながら産むという母子主体のお産のことです。 実際に学生間で産婦・助産師の役割を決めて岩田先生の指導のもとフリースタイル分娩の介助方法や、分娩中の異常が起こったときにどう対応すれば良いのかを試行錯誤しながら実践しました。 岩田先生からは、「どんな姿勢で産むかではなく、助産師としてどんな姿勢でも産むことができる技術を持っておくことが大切である」という言葉をいただきました。実際にどのような体位の分娩介助でも、胎児の回旋や母体の解剖学的な基礎知識が重要であり、その知識があるからこそ応用に繋げていくことができるのだということを実感しました。今回の学びを活かし、産婦が自分で産むということを意識できるように支援しながら分娩介助を行っていきたいです。 助産学専攻科 杉野茉由 西本真央 【関連記事】 産婦人科医に学ぶ!超音波診断法の理論と実際~助産学専攻科 分娩介助・乳房マッサージの遠隔演習用教材を手作りしました!~助産学専攻科
2020.06.29
1回生担任紹介「上田先生」編~新入生応援!やさしさを「チカラ」に変えるプロジェクトvol.38
新型コロナウイルスの影響で大学に来れない1回生の皆さんを応援する”やさしさを「チカラ」に変える”プロジェクトの一環で、先生方に7つの質問に答えていただきました。今回は現代教育学科の上田准教授です! 【1】氏名・担任クラス 上田 恵子(うえだ けいこ) 現代教育学科 幼児教育コース 1回生担任 【2】研究分野と担当科目 本年度から畿央大学に着任しました。担当授業は、保育内容の指導法「健康」や運動の科学で、実習系では幼稚園教育実習、保育・教職実践演習、幼児教育実践論を担当しています。1回生とは、現代教育学科1回生の担任以外に健康科学部のベーシックセミナーを担当しています。 専門は幼児の健康と運動で、主に幼児の足脚部の発育発達、土踏まず形成、遊び習慣、運動能力、走動作について研究しています。研究をはじめたきっかけは、外反母趾でO脚の母親が転倒を繰り返したことから、足脚部の重要性に気づき、転倒予防や生涯自分の足で歩いて健康に生活するためにも、幼児期からあし(足・脚)を真っ直ぐにしたいと思ったことからです。 2007年より「あし育」の啓発活動をはじめ、これまでに奈良県内では大和高田市、大和郡山市、天理市、奈良県女性センターで足の健康やウォーキングについて講演を行ったことがあり、奈良県とまたご縁ができたことを嬉しく思っています。 学会以外では、30年以上にわたって神戸市で子どもの足と靴を調査している『子どもの足と靴を考える会』に所属しています。今年度は新型コロナウイルスの影響で調査が延期となり、1995年の阪神淡路大震災以来の調査中止が危ぶまれています。 海外調査では、ラオスでの学校保健活動やネパールの子どもたちの足について研究しています。前回ネパールを訪れた際は、40度近い気温の中で空調もなく過酷な調査でした。 【3】モットーや好きな言葉、大切にしていること 「身につけたものはとられない」生前に祖母がいつも言っていたと母親から聞きました。戦争や天災を強くたくましく生き抜いてきた人間ならではの言葉だと思います。何もかも失ってしまったとしても、これまで自分が身につけてきた知識や技術、経験はとられることはなく、いざという時に役立つ、無形の財産となります。いつもこの言葉を胸に一生学び続ける姿勢を持ちたいと思っています。 【4】好きなこと(趣味・特技など) ・読書 【白洲正子氏】20代半ばにはじめて『いまなぜ青山二郎なのか』という著書を読んだ半年後、京都の大徳寺で晩年の白洲正子氏に遭遇し、その存在感に圧倒されたことから心酔。氏の著書に影響を受け、能楽(謡、仕舞)や茶道を習い、美術工芸、神仏習合、着物など日本文化に興味を持つきっかけとなりました。以前勤務していた短期大学は白洲家の菩提寺に近く、不思議なご縁を感じています。【三砂ちづる先生】『オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す』『昔の女性はできていた』を読み、昔の日本女性が本来持っていた身体知に衝撃を受け、『きものとからだ』で着物が日本人のからだにいいことを学びました。草履は足趾の健康にも良く、何より足がラクなので、大学院時代は母のウールや木綿のお下がりをもらい、着物生活をしていました。2年前の学会で大会長をされていた三砂先生ご本人にお会いできた時は感動しました。 ・ウォーキング 3年前の交通事故で膝を痛め、頸椎の手術をしてからずっと運動から遠ざかっていましたが、新型コロナウイルスでの自粛生活がきっかけとなり、娘と夜にスロージョギング&ウォーキングをはじめました。雨天時はOculus QuestのVRで運動しています。 【5】1回生にオススメの本や映画 『汚れたミルク/あるセールスマンの告発』1994年に発展途上国であるパキスタンで、大手グローバル企業が医師や病院に賄賂を使い、母乳よりも粉ミルクを勧めることで販路を強引に開拓。その結果、インフラの整っていない地域では汚れた水でミルクをつくっていたため、下痢による脱水症状で多くの乳幼児が死亡するという実際に起きた事件をもとにした映画です。昔、日本でも粉ミルク事件がありましたが、発展途上国ではいまだに5歳未満児の死亡率が高く、世界の子どもたちがおかれている厳しい現状について知ってもらえればと思います。 【6】先生から見た畿央大学や畿央生の印象は? やさしさを「チカラ」に変えるというキャッチコピー通り、周りの先生方や職員の方々から「わからなかったら何でも聞いて下さい」といつも優しく声を掛けていただき、大変ありがたく思っています。畿央生は、まだ対面ではお会いできていませんが、頑張り屋さんで真面目という印象があります。 着任後に新型コロナウイルスでオンライン授業となったことで、畿央大学がパンデミックに強い大学であることを実感しました。日本ではまだまだ遠隔教育を実施している大学がない中、大学院で社会人向けに遠隔教育を実施し、全学生にPC貸与、授業支援システムCEASが導入されているなど、今回のことで素早くオンライン授業に対応できたことは、時代の変化を読み、危機管理に強い大学であると思いました。 【7】1回生にメッセージを! 晴れて入学した大学生活が全てオンライン授業となり、慣れない課題に追われる日常を過ごしていることと思います。この新型コロナで社会は一変しました。「ピンチはチャンス!」という言葉がありますが、あとでこの時期のことを振り返った時に、「あの苦しい時期があったから、今の自分がある」と思えるよう、これからの厳しい時代を生き抜くための戦略を考え、ひとつでも多くの武器を身につけるべく、前向きに過ごして下さい。 1日でも早く大学が再開し、皆さんとお会いできるのを楽しみにしています! 教員実績
2020.06.26
1回生担任紹介「奥田先生」編~新入生応援!やさしさを「チカラ」に変えるプロジェクトvol.37
新型コロナウイルスの影響で大学に来れない1回生の皆さんを応援する”やさしさを「チカラ」に変える”プロジェクトの一環で、先生方に7つの質問に答えていただきました。今回は現代教育学科の奥田教授です! 【1】氏名・担任クラス 奥田 俊詞(おくだ しゅんじ) 現代教育学科 学校教育コース 1回生担任 【2】研究分野と担当科目 人間は様々な科学技術を開発して、人間にとって有利な環境や新しい食料、便利な道具をつくってきました。このような物質的な豊かさがいつも人間を幸せにするわけではありません。実際に、自然や生命に重大な危機を招いてしまう場面を、結構な頻度で見るようになりました。この状況で求められるのは、未知の問題を解決するための社会システムや個人能力です。前者は異なる専門家同士や専門家と市民をつなぐシステムで後者は知識を活用する問題解決能力です。 ちょっと説教臭くなってしまいました、すいません。私は昔から「説教が多い」としかられてきましたが、いまだになおりません。言いたかったのは、私が次の2点を中心に研究をしているのはなぜかということです。 ① 実験を中心とした問題解決学習を理科教育に定着させるための実践的研究。 ② 市民が科学に注目するきっかけづくりとしてのサイエンスコミュニケーション活動 ①については説明が長くなりますので、理科概論でゆっくり説明します。②についてですが、小学校や幼稚園へ行って科学実験の実演や科学おもちゃ作りの指導など、教育現場での取り組みが多いのですが、エコール・マミでエアードームを広げてプラネタリウム解説をしたり、天体望遠鏡で月や惑星を見る会を開催したりもしています。 数年前から近くの市町村の文化祭や科学イベントに呼んでいただくことが増えて、土日が忙しくなっていたのですが、今年はコロナウイルスの影響ですべてなくなりました。 これらの活動は、理学療法学科の福森先生と畿央大学サイエンスコミュニケーションサークル(KSCC)の学生の皆さんと一緒にやっています。活動の様子はTwitterを見てもらうとわかりやすいと思います。興味のある人は一緒にやってみませんか? 【3】モットーや好きな言葉、大切にしていること 私は、結構自己中心的で感情的になりやすい人間だとこの年になってわかりました。ですから、「おたがいさま」ということを常に頭に置いておこうと思っています。と言いながらすぐ忘れてしまうのですが・・・。 【4】好きなこと(趣味・特技など) 若いときはアクティブに趣味を追及していたこともありましたが、最近ではとにかく「食」を追及しています。その結果体重が大変なことになりました。 今、何より大好きなのは、愛犬の「ひな」です。3月3日に我が家に来てくれたので名付けました。愛嬌たっぷりでかわいいのですが、気を許すとすぐに唇を奪われます。 「ひな」のおかげで毎日お散歩ができていて、体重もなんとか高止まりというところなので、私の健康管理も担ってくれています。 【5】苦手なことや嫌いなもの 私の苦手なものは、「蛇」です。私は田舎で育ったので家の周りだけでなく、時には家の中にも入ってくることもありました。小さいころ、知らずに蛇を踏んでしまったことがあり、その時の光景が今でもよみがえってきます。小さいときのセンセーショナルな体験というのは強く残るものですね。 【6】先生から見た畿央大学や畿央生の印象は? 何と言っても畿央大学の素晴らしさは学生の皆さんです。本当によくがんばります。科学イベントでも子どもに一生懸命教えてくれますし、学生同士のつながりも素晴らしいです。 【7】1回生にメッセージを! 1回生の皆さんには、とてもつらい思いをしてもらっていて申し訳ない気持ちでいっぱいです。とにかく今は、皆さんと大学で会える時を心から待ち望んでいます。 教員実績
2020.06.24
1回生担任紹介「関口先生」編~新入生応援!やさしさを「チカラ」に変えるプロジェクトvol.33
新型コロナウイルスの影響で大学に来れない1回生の皆さんを応援する”やさしさを「チカラ」に変える”プロジェクトの一環で、先生方に7つの質問に答えていただきました。今回は現代教育学科の関口講師です! 【1】氏名・担任クラス 関口 洋平(せきぐち ようへい) 現代教育学科 学校教育コース 1回生担任 【2】研究分野と担当科目 専門は外国の教育について研究する比較教育学という分野です。なかでも、ベトナム社会主義共和国をフィールドとして、ベトナムの学校や大学についてさまざまな観点から研究を進めてきています。 畿央大学で担当している科目は、教育課程論(初等・中等)と国際社会論になります。 【3】モットーや好きな言葉、大切にしていること 好きな言葉はたくさんありますが、「人間万事塞翁が馬」と「よく生きる」の2つは特に大事にしています。 私も含めて、みなさんも現在コロナによる非常事態のもとで自宅にこもりっきりになっていると思いますし、「せっかく大学生になったのに…」とか、「…最悪だ」とか思っている方も多いのではないかなと察します。ですが、月並みな表現ではありますが、後になって振り返ってみると、この時間があったからこそあらためて気が付けたこと、できたこと、めぐりあえたこと…etcと今現在の自分の評価だけではみえてこないことにきっと出会えると思います。私のモットーです。こう書いてしまうと極めて楽観的で調和的な感じになりますが、大事なことはとにかくいまを精一杯よく生きていくことの積み重ねなのかなと思います。 【4】好きなこと(趣味・特技など) 趣味はジャズを聴くこと(ミシェル・ペトルチアーニ、とってもお勧めです)、落語を聴くこと(上方落語、特に桂米朝がいいです。動物園前にあります「動楽亭」、毎日寄席をやっていますのでコロナが終息したあかつきにはぜひ)、ピアノで遊ぶこと、ジョギングなどです。 特技は、ベトナム語が多少話せることです。昨年、ベトナムのハノイで結婚式を挙げ、ベトナムにも家族ができました。ちなみに、ベトナムは漢字文化圏ですので、注意はChú ý(チューイー)、 研究はNghiên cứu(ゲンキュー)など、日本語ととても似ている言葉が多くあります。 ▲ハノイ旧市街の町中の様子。 ▲留学中、下宿先の窓から撮った一枚。ハノイ大学の全景。 【5】1回生にオススメの本 ジョン・J・レイティ著、野中香方子訳『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方』NHK出版、2009年。 有酸素運動がいかに脳に、そして心身によいのか、これでもかというくらい事例が挙げられながら読みやすく書かれています。勉強の効率、能率をもっと上げたいひと、あるいは、落ち込んでしまったり、ストレスを感じたりしているひとへ、必読の書です。 【6】先生から見た畿央大学や畿央生の印象は? 四月から畿央大学の教員になりまして、コロナのもとでみなさんと会う機会もなかなかとれないでおります。こうしたなかで印象をお話するのは難しいですが、非常にまじめで、前向きで、男女ともにさわやかな学生が多いというのが畿央生の印象です。他の大学と比べてもやはり就職率が極めて高いというのも誇れる点であると感じています。 【7】1回生にメッセージを! これは自分自身へのメッセージでもあるのですが、やはり、最初に書きましたようにコロナ下でのこうした状況を奇貨(きか)として、チャンスに変えて、一緒に乗り切っていきましょう。大学への通学が限られていることもありなかなか大学生になったという実感を持ちにくいかもしれませんが、ぜひ「大学」で学ぶ学生としての誇りをもって、主体的・批判的に学んでいってほしいと思います。応援しています、一緒に頑張っていきましょう! 教員実績
2020.06.23
1回生担任紹介「小山内先生」編~新入生応援!やさしさを「チカラ」に変えるプロジェクトvol.32
新型コロナウイルスの影響で大学に来れない1回生の皆さんを応援する”やさしさを「チカラ」に変える”プロジェクトの一環で、先生方に7つの質問に答えていただきました。今回は現代教育学科の小山内准教授です! 【1】氏名・担任クラス 小山内 秀和 (おさない ひでかず) 現代教育学科 学校教育コース 1回生担任 【2】研究分野と担当科目 研究分野は心理学で、研究テーマは、物語を読むことについてです。特に、物語を読んでその世界がまるで現実のように体験される「没入」という現象について、その個人差やメカニズム、没入を経験することでどんな効果があるのかなどについて検討しています。大学では、1回生前期の「心理学概論」、1回後期の「教育心理学 (初等)」、2回前期の「教育心理学 (中等)」、2回後期の「発達心理学 (中等)」などの授業を担当しています。生物としての「ヒト」と社会的存在としての「人間」とを科学的に理解すること、そしてそれを人間の幸福のために役立てるという姿勢を大事にしたいと思っています。 【3】モットーや好きな言葉、大切にしていること 「人間の尊厳は、考えることの中にある」 ブレーズ・パスカルの著書『パンセ』に出てくる一節です。パスカルと言えば「人間は考える葦である」という言葉が有名ですが、この言葉はその直後に出てきます。人間は河原に生える葦のように弱く、自然の力は人間の力をはるかに凌駕する。しかし、人間は考えるということができる。それは、自然が生み出す圧倒的な力よりも尊いはずだ。だから「人間の尊厳は考えることの中にある」。私たちは、自分で考えるという営みをすることによってこそ、私たち自身を、そして社会を、人類を、より良くすることができるのではないでしょうか。 【4】好きなこと(趣味・特技など) 研究テーマが読書なもので、趣味もやはり読書です。比較的乱読です。小説では北村薫、加納朋子、梨木香歩、高野文緒、小沼丹などを読んでいます。小説以外も、日本の古典から哲学、歴史、科学まで、興味のあるものは広く読んでいます。最近はあまり読む時間が無くなってきているのが悩みですが……。漫画では「タヌキとキツネ」や「鬼灯の冷徹」、「聖☆おにいさん」などにはまりました。 ▼お気に入りの本たちです。 【5】苦手なことや嫌いなもの 苦手なものは、スポーツ全般でしょうか。身体を動かすことが得意ではなく、握力などもおそらく1桁だと思います。ただ、いやだいやだと思っていると運動不足になりがちなので、大学には徒歩で通ったり、飼い犬の散歩をしたりしています。嫌いなものは「ソラマメ」です。それ以外ならほぼ何でも食べられます。 ▼散歩中に撮った景色です。 【6】先生から見た畿央大学や畿央生の印象は? 畿央生は皆さんしっかりした目的意識を持っているなという印象があります。目標を持ち、それを達成にむけての努力がきちんとできる、そんな印象を持っています。私自身が学生の時にはそうした意識が薄かったため、皆さんの様子を見ているととてもまぶしく感じます。 【7】1回生にメッセージを! いま、ソーシャル・ディスタンスという言葉がすっかり定着しました。この現状は、私たちの他者、そして社会とのかかわり方を大きく変えてしまうでしょう。大変な状況だと思います。しかし、大変なのは皆さんだけではありません。……こう書くと、「じゃあ我慢しろということなのか」と思ってしまうかもしれませんが、そうではありません。むしろ逆です。みんなが大変で、みんなが不安に思っているからこそ、皆さんは1人ではないのです。皆さんが大変な時や困っている時には、我慢せずにそれを周りに伝えましょう。私はそれを「頼る力」と呼んでいます。頼ることは力です。皆さんの周りには必ず、助けてくれる人が現れます。そんな人たちを、ぜひ大切にしてください。通学ができるようになったら、たくさんのことを経験して、たくさんの場所に行って、たくさんの人と交流してみてください。 教員実績
2020.06.23
1回生担任紹介「山崎先生」編~新入生応援!やさしさを「チカラ」に変えるプロジェクトvol.31
新型コロナウイルスの影響で大学に来れない1回生の皆さんを応援する”やさしさを「チカラ」に変える”プロジェクトの一環で、先生方に7つの質問に答えていただきました。今回は看護医療学科の山崎教授です! 【1】氏名・担任クラス 山崎 尚美(やまさき なおみ) 看護医療学科 1回生1組担任/看護医療学科主任・看護実践センター長 【2】研究分野と担当科目 研究分野は「認知症ケア」になります。今までは「グループホームでの認知症高齢者の看取り」に関する研究を行っていましたが、昨年度からは「認知症ケアのアジア圏における国際通用性を目指した実践教育パッケージの開発」に関する研究をしています。この研究は、日本の認知症ケアをパッケージ化し、これから高齢化が進んでくるアジア(ベトナム・タイ・台湾・韓国)の国の言語に変換し教育する教材・教育システムを開発する実践研究です。グローバルな社会にむけて海外研究者とともに「認知症になっても安心して生活できる世の中」を創っていきたいと思っています。また、他の先生方と一緒に「認知症カフェの実践研究」や「認知症アプリを用いた人材育成」に関する研究も行っています。 専門分野は、老年看護学(高齢者看護学)になります。担当科目は「老年看護学対象論:2年次前期」「老年看護学援助論Ⅰ:2年次後期」「老年看護学援助論Ⅱ:3年次前期」「老年看護学実習:3年次後期」「国際看護論:4年次前期」「卒業研究:4年次」「病院インターンシップ実習:4年次前期」「海外インターンシップ研修:2.4年次」になります。 地域連携や社会活動では、ベトナムの方たちと高齢者看護のテキスト教材の作成や、サークル顧問として学生ボランティアチーム「Orange Project」の学生や地域の方たちと一緒に地域の認知症カフェの企画実践や認知症サポーター養成講座など行っています。 【3】モットーや好きな言葉、大切にしていること 「一期一会」という言葉が好きです。人との出会いももちろんですが、動物や草木などの出会いは、「今この時」を大切にしたいと思っています。また、日常生活が充実しているということは、仕事をするうえでも大切な生活の基盤となるので「オンもオフもアクティブに」行動したいと思っています。 【4】好きなこと(趣味・特技など) 趣味は「釣り」です。船で見る海の上の景色は、とてもきらきらしていてリラックスできます。広大な海の中にいる魚が、私の竿(針)にかかったという縁(えにし)を感じることが大好きです。また、自然の中をウォーキングすることも好きです。 【5】1回生にオススメの本や映画 皆さんにお勧めする本は「やりぬく人の9つの習慣:ハイディ・グラント・ハルバーソン,林田レジリ浩文(訳)2017年」という本です。この本の中で、「グリット」とは、心理学用語では長期目標に向うときの粘り強さとやる気を意味していると言われています。これから4年間の大学生活のなかで、皆さんにもこの「グリット」をもち続けて学習すると有意義な大学生活になると思います。 【6】先生から見た畿央大学や畿央生の印象は? 畿央大学の学生は、とても素直でピュアな学生達だと思います。真面目に課題に取り組み、クラスで支えあいながら学習をしていると思っています。そして卒業した先輩たちは、臨床現場ではとても誠実な看護師だと高い評価を得ています。皆さんも先輩たちのあとに続いてほしいと願っています。 【7】1回生にメッセージを! 皆さんは、大学の授業は非対面授業からスタートしていますが、これはある意味でこれからの世の中を生き抜くための力を身につけるためのチャンスかもしれません。世の中は急速にITリテラシーが進みましたが、本学は学生全員にノートPCを入学時に貸与していますし、Open CEASを活用した教育も初年時から行っています。そのおかげで4月16日からの開始の前期授業は休止することなく進行しています。また、専門科目だけでなく情報処理演習などもこれからの社会で生きていくためには不可欠な知識・スキルだと思います(知をみがく)。皆さんの先輩たちはこの数か月間、医療現場で想像のできないような激務を経験されています。先輩たちの働きを誇りに思うとともに、できないことを憂い嘆くのではなく、今できること(今でき)や今やるべきこと(今やる)を見つけて取り組んでみましょう(徳をのばす)。 私たちが奈良県内で創ってきた認知症カフェも、今ではオンラインでzoomカフェになり継続しています。 これからの次世代を支える皆さんにお願いなのですが、学生ボランティアサークル「Orange Project」に興味関心のある人は山崎(n.yamasaki@kio.ac.jp)まで連絡ください。認知症カフェやボランティアに参加したい人、学部・学科を超えて全学的にサークルメンバーを募集しています。そして、優しい心・美しい心をもつ専門職になってください(美をつくる)。皆さんと共に活動できることを楽しみにしています。 認知症ケアに取り組むサークル「Orange Project in KIO」 【関連記事】 ・過去の「オレンジカフェ」記事を読む ・過去の「RUN伴」記事を読む ・過去の看護医療学科「海外インターンシップ」記事を読む 教員実績
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