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看護医療学科

2018.08.30

平成30年度「チーム医療ふれあい実習」実践発表会を開催しました!

チーム医療ふれあい実習を終えて   チーム医療に携わる専門職としての資質や態度を養い、職種間の協働の重要性について学ぶ「チーム医療ふれあい実習」は、本学の特色ある学びの一つになっています。 今年度は平成30年8月20日(月)~24日(金)に、看護医療学科1回生、理学療法学科1回生、健康栄養学科臨床栄養コース2回生の学生総勢194名が、学科の枠を超えてグループを編成し、チーム医療が実践されている医療現場(10施設)で実習を行いました。     以下、学生たちの学びの様子を紹介します。   健康栄養学科2回生  今回の実習では、それぞれ個人及び施設ごとに実習目標を決め、実習に臨みました。 私のグループでは、『チーム医療において、患者と医療従事者、医療従事者同士のコミュニケーションのとり方について学ぶ』という目標を掲げ、施設見学や看護師のシャドウイングなどをしました。 看護師のシャドウイングをする中で、言葉のかけ方や声の大きさ、スピードなどを患者さんによって使い分け、目線はしっかりと合わせ笑顔で対応するなど、看護師ごとにコミュニケーションの図り方を工夫されている姿が印象的でした。このような細かな気配りが患者さんからの信頼に繋がり、患者さんの治療意欲も向上すると感じました。 また、昼食時には様々な形態の病院食を見せて頂き、実際に患者さんが食事を摂られている場面や食事介助の場面を見学させて頂きました。患者さんに合った食事を個別に提供するためにも、医師や看護師などと管理栄養士がしっかりと連携し、患者さんの状況を正確に把握することで、病院食の個別対応が可能になっているということを学びました。 今回の実習を通して、看護師、理学療法士、管理栄養士だけでなく様々な職種の役割や、医療におけるチームでの連携がいかに大切であるかということを学びました。さらに、病院における管理栄養士の役割を深く学ぶことができ、また管理栄養士を目指すに当たって、コミュニケーションの図り方は栄養指導の際などにも重要となるので、今回の学びをこれからの大学での学びや将来に活かしたいと思います。 今回、実習でお世話になった各施設の先生方、本当にありがとうございました。  健康栄養学科2回生 田中希穂   看護医療学科1回生 今回の実習では、薬剤科、検査科、リハビリテーション科、管理栄養科など各部署や病棟、外来での見学を通し、チーム医療やコミュニケーションの大切さを学びました。 各部署の見学では、多職種がそれぞれの役割を果たし、チーム医療として多職種と連携することで、患者さんにとって様々な視点からの治療やケアなど、最善の医療を提供できることがわかりました。また、このチーム医療に関して、看護師は患者さんと関わることが最も多く、患者さんの代弁者でありチーム医療での中心となる存在であることを知りました。 実際に、病棟や外来で患者さんやその家族と会話をし、会話が続かなくなってしまうことや、地域についての知識がなかったなど自分自身の不足している点について気づくことができました。このことより、地域などの知識を得ることや、あいづちなどの傾聴の技術を身につけることが必要だとわかりました。そして、患者さんによって性格や病状は違い、治療やコミュニケーションをその患者さんの特徴などの個別性に応じて実践することが大切ということも学びました。 この実習を通して、自分自身の知識や技術の不足点、各職種の役割・連携、コミュニケーションの重要性を知ることができたので、この学びを今後に活かし高度な技術やスキルの習得に努めていきたいです。  看護医療学科1回生 竹田愛奈   理学療法学科1回生  今回の実習では、薬剤部、栄養科、検査室、外来、リハビリテーション室、整形外科病棟、消化器外科病棟の見学をさせて頂きました。どの部門、病棟でも、多職種での連携を重視されていたのが印象的でした。自分がめざしている専門職以外の職種の役割を学び、チームとしてどのように連携していくべきか考えることができました。また、実習中に患者さんと直接お話させて頂く機会があり、その時に、入院中は、患者は常に不安を抱えているので、笑顔で、柔らかい口調で話してほしいと仰っているのを聞いて、患者さんとの接し方が、不安を少しでも和らげるのにとても大切なことであると学びました。更に認知症の方にはタッチングや非言語コミュニケーションを活用することが重要であることも学びました。そして、今回の実習を通して、患者さんの不安を和らげるようなコミュニケーション技術を身につけるという新たな課題を見つけることが出来ました。また、職種間でのコミュニケーションも、患者さんにより良い医療を提供するために重要なことだと学びました。医療現場においてのコミュニケーションは会話だけでなく、五感を使って様々な変化に気が付くことが大切だと知ることができました。そして、実際に働く理学療法士を見て、将来自分が理学療法士になったときの姿を実習前より具体的にイメージすることができるようになりました。今回の実習で学んだことを忘れずに、今後も努力し続けたいと思います。   理学療法学科 1回生 今井千智・尾上耕平・鶴岡美玖     専門職になるためには現場での実習が欠かせません。実習に向けて、4月から各学科での専門教育に加え、学科合同での「チーム医療論」という講義を通して準備してきました。講義では特に、病をもつ患者はどういう想いを持っているのか?また、患者を支えるためにチームとしてどうあるべきか?について考えてきました。 今回、初めて医療現場の裏側を目の当たりにし、患者中心の医療が提供されていることを理解し、また、実際に患者様とコミュニケーションをとる難しさを知り、講義で考えてきたことをさらに深めることができたのではないかと思います。     この場を借りて、ご協力いただきました患者様、施設・指導者の方々に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。   理学療法学科 助教 松本大輔   【関連記事】 平成29年度「チーム医療ふれあい実習」実践発表会を開催しました! 平成28年度「チーム医療ふれあい実習」を終えて

2018.08.27

看護医療学科 海外インターンシップ2018 in オーストラリア 現地レポートvol.4(教員総括)

護医療学科の海外インターンシップは、2回生2名が参加して、2018年8月18日(土)~26日(月)までオーストラリアで行われています。 海外インターンシップの目的はオーストラリアの文化に触れ、海外での医療に関する事情や課題を知ることで日本の医療に関する事情や課題と比較することです。また、グローバル化に対応するためのコミュニケーションスキルを身に付けることも目的の一つです。   最終日を迎え、全行程を振り返り、教員から総括(現地リポートvol.4)が届きました!   8日目:8月25日(土)・9日目:26日(日) 担当教員まとめ この日は、いよいよ最終日です。2人の学生は、ラトローブ大学のバディとともに市内をショッピングしたり、図書館や動物園に行ったりしました。   ▲メルボルン動物園   道中の学生との会話で、来年3月に日本の大学に留学するので、また日本で会おうと話をしたり、お互いの2回生の大学生活の会話をしたりすることで、渡航時よりかなり英語力が上達していました。   ▲メルボルン美術館   今回は、2回生2人という最少人数での渡航であったため、1人の担う責任や役割分担が多くなりましたが、最後までよく頑張りました。また、グループダイナミクスこそは発揮できなかったかもしれませんが、その分、異国ならではの個人の責任を遂行することの必要性や少ないマンパワーをいかに最大限に発揮するのか、その実際を学んできました。   ▲ナーシングホームでJulie氏に質問する学生   国内では、なかなか英語に触れる機会がなく会話を楽しむということまではできませんが、初日から自らホテルのデスクに移動手段を確認し、施設見学では質問は必ず英語で1つ以上行うという課題をクリアしていました。   また、海外インターンシップの目標だけでなく、現地の大学生との交流も、英語で畿央大学や日本を紹介するだけではなく、おりがみを持参して折り鶴を教えたり、オフの時間を活用してバディにはできるだけ英語で話すことにトライしたりしていて、この9日間でかなり英語のコミュニケーションスキルが上達していました。オーストラリアでは、18歳で飲酒が可能ですが、日本の法律との違いを学修していました。     今回は、偶然にも日本で英語教師をされていた方が日本語クラスの弁論大会の原稿の指導に参加されていて、英会話の発音や英語でのプレゼンにトライする姿勢に感激され、学生の参加姿勢をほめていただいことは、2人の学生にとっても自信につながったと考えます。 帰国時には、香港でのトランジット時に台風の影響でトラブルがあり、5時間遅れて離陸しましたが、無事に関空には18時頃到着し帰路へ向かいました。 この学びを今後の学習につなげていくことを期待しています。   なお、Julie.Pさんは2019年7月に来日し、講演予定です。 AIPEACSのHPはコチラ!    看護医療学科 教授 山崎尚美 講師 對中百合   【関連記事】 看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地レポートvol.1 看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地レポートvol.2 看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地レポートvol.3

2018.08.27

看護医療学科 海外インターンシップ2018 in オーストラリア 現地レポートvol.3

看護医療学科の海外インターンシップは、2回生2名が参加して、2018年8月18日(土)~26日(月)までオーストラリアで行われています。 海外インターンシップの目的はオーストラリアの文化に触れ、海外での医療に関する事情や課題を知ることで日本の医療に関する事情や課題と比較することです。また、グローバル化に対応するためのコミュニケーションスキルを身に付けることも目的の一つです。 今回は、6~7日目の活動報告です!   6日目:8月23日(木) Bundoora Extended Care Centre(BECC)&Austin Hospital見学 午前中は、BECCを訪れました。Geriatric assessment 2病棟とGeriatric psychiatric 1病棟、Nursing Homeが並ぶ広大な敷地にある施設です。また、特徴の一つとして病棟はMelbourne Hospital とNorthern Hospitalという公的および私立の医療機関の両方が一つの施設を構成しています。病棟それぞれに役割があり、対象者が自宅へ帰ることができるように支援していました。     Standing Hoistというベッドから椅子へと移動するときに使い、対象者が持っている力を生かすことができるとともに、これを使用することで、看護師の負担を軽くすることができると学びました。     Geriatric psychiatric 病棟では、精神看護を実施していました。対象者の部屋は、個室になっていますが、身体を拘束するような柵などはありません。ただ対象者の安全を考え、病室の扉は半分が解放できる構造になっていました。     病棟の外には、バス停などがあり認知症の対象者が家に帰りたいと訴えた時、否定するのではなく、このバス停でバスを待ちながら、話を聞くといったサポートがなされていました。     その後、敷地内にあるナーシングホームに行きました。ここは認知症の方がリロケーションダメージを受けないようにホーム内見学はできなかったのですが、対象者が自分らしく生活できるようにチームでサポートしているそうです。     午後は、Austin Hospitalを訪れました。 その中にある緩和ケア病棟を見学しました。Olivia Newton-John氏の寄付により約5年前に新しくなった病棟であり、病棟の名前は乳がんで死亡した彼女の母親の名前にちなんでつけられています。38床のうち31床が稼働中でした。病棟や病室の環境、各部屋(各宗教に必要な物品が準備されたリフレクションルームや窓の開閉が可能な部屋、ファミリールームなど)の特徴、ウエルネスセンターという家族を含めたスピリチャルなケアも含めて代替療法が行われている施設がありました。     対象者にとって、入浴は生活の一部であるとともに、リラクゼーションや気分転換の意味をもちます。したがって、気持ちよく入浴出来る機器など工夫されていました。実習に行ったときに、その病院では立ったままシャワーを浴びていたので、足をきれいに洗うことが難しいのではないかと思っていました。しかし、このような構造であればそれらの問題を解決し、必要であれば同時にマッサージなどのセラピーを行うことができると知って、画期的だと思いました。     また、入院している対象者だけではなく、家族も対象とした看護を目標にしているため、家族と過ごせる工夫が多くなされていました。日本と比較して、Day roomやrelax room が充実していました。いつも同じ病室にいるのではなく、環境を少しでも変えることで、入院中でも生活の中での変化があれば対象者にとってよい気分転換になるだろうなと感じました。そして、ベランダには鍵が掛かっておらず、外部の風を感じ、綺麗な景色を自由に見ることができます。     さらに、家族へのケアとして、ウエルネスセンターというところで、対象者を亡くした家族に対するケアとしてピアサポートグルーブのケアやボランティアの教育も実施されていました。     また、がんと告知された患者と家族のための情報提供としてインフォメーションブースがあり、がんと告知された子どもに対するサポートなど、様々なことに関する資料がありました。     さらに、上の写真のように多民族に対応した24言語のリーフレットも準備してあり、緩和ケアやがんの種類別な医学的知識についての説明を受けられるように工夫されていたり、言葉による壁(障壁)が緩和される工夫をしていました。日本に住んでいる外国人は国民の1%程度と言われていますが、これからは増加していく傾向にあり、医療においてもこのような言語のよる障壁を緩和する工夫が必要だと思いました。 これらの施設や病院の見学によって、メルボルンの高齢者ケアと緩和ケアの実際について具体的に学ぶことが出来ました。   7日目:8月24日(金) Julie Paul氏からの講義 Ms. Julie. P氏 による講義を受けました。オーストラリアの医療制度、Palliative Care、Communicationの3つのトピックスについて学ぶことができました。     Australiaの医療制度はMedicareが基盤となっているが、民間の保険に加入しなければ罰金が課せられるなど、これらの情報を十分に理解できていないと、複雑な仕組みだと感じました。このことから、看護師を含む医療従事者が対象者に正しい知識を十分に提供できるように、制度についての知識を身に付ける必要があると学びました。 Palliative Care については、この講義を受けるまではEnd of life Careとの明確な違いがわからなかったので、Palliative Care を行うということは死に直結していると思っていました。しかし、Palliative Care はQOLに焦点を当てており、必ずしも死に直結しているわけではないことを知りました。さらに医療の現場では、対象者に緩和ケアを行いましょうというと、対象者は死を連想してしまう可能性があるとわかりました。このことから、Palliative Care とは何かについて、医療従事者がしっかりと理解をしたうえで、対象者やその家族に説明することはとても大事なことであると学びました。     Communication については、実践における質問の仕方や、どこに観点をおいてコミュニケーションを取ればよいのかを学ぶことができました。実際に実践してみて、カードや質問シートを用いて、会話のきっかけをつくり、その答えが何かに関係なく、対象者の思いに寄り添ってコミュニケーションをとることが大切であるとわかりました。また、質問の仕方については、閉じられた質問ではなく、開かれた質問で、さらに答えの範囲が広すぎないように質問する必要があると、わかりました。実際にロールプレイングをしてみると、開かれた質問であっても答えの範囲が広すぎると、答えにくいことを学びました。 これらの内容は、私たちが大学でまだ学んでいないことも含まれていたので、とても難しく、量も多かったですが、とても興味深い内容であり、break time があったので気分転換ができて最後まで集中して聴くことができました。     Ms. Julie. P氏の講義が終了したあと、La Trobe大学の学生と夕食に行きました。夜景はとてもきれいでした。学習とともに、充実した時間を過ごせました。   看護医療学科講師 對中百合 看護医療学科2回生 中道稚加   【関連記事】 看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地レポートvol.1 看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地レポートvol.2

2018.08.23

看護医療学科 海外インターンシップ2018 in オーストラリア 現地レポートvol.2

看護医療学科の海外インターンシップは、2回生2名が参加して、2018年8月18日(土)~26日(月)までオーストラリアで行われています。 海外インターンシップの目的はオーストラリアの文化に触れ、海外での医療に関する事情や課題を知ることで日本の医療に関する事情や課題と比較することです。また、グローバル化に対応するためのコミュニケーションスキルを身に付けることも目的の一つです。   今回は、4~5日目の活動報告です!   4日目:8月21日(火)   La Trobe University を訪問しました。     本日の気温は、なんと10℃。いま、メルボルンは冬なので、このような防寒が必要です。     大学構内は広くて、看板の目的地までの所要時間が徒歩と自転車で書かれていました。また、個性的な研究棟や講義棟が多くありました。     午前中は日本語クラスで一緒に授業を受けました。 出発前から(日本からは英語、オーストラリアからは日本語を使って)連絡を取りあっていた学生がいて、その学生と対面して話すことができたのでコミュニケーションをスムーズにとることができました。     授業のペースがとても速く、また宿題の多さに驚きました。さらに、学生が主体的に授業に参加していたのをみて、受け身で授業に参加するのではなく、主体的に授業に参加したいと思いました。 予習や復習をしっかり行っている学生は主体的に授業に参加できていましたが、そうでない学生は授業についていくのがやっとという感じでした。このことから、授業時間以外の学習も重要であることを改めて感じました。   午後は日本について、英語でプレゼンテーションしました。紹介内容は、日本の気候や食べ物のこと、私たちが住んでいる大阪、そして大学のある奈良について。英語でのプレゼンテーションは少し緊張しましたが、うまくできて良かったです。     そのあと、La Trobe Univ.の学生のプレゼンテーションを聞きました。メルボルンにあるカフェやショップの紹介を日本語でプレゼンしてくれました。日本語クラスの学生は社会人の学生も多く、様々な年齢や国籍の人がいました。日本語を学びたいという同じ目的をもって様々な学生が集まり授業をしているという点でも、多民族・多文化を受け入れているオーストラリアの背景を理解することができました。 プログラムが終了後、La Trobeの学生と一緒に夕食に行きました。 日本語を勉強するきっかけや趣味など、様々なことについて日本語と英語を交えて話すことができ、とても貴重な経験でした。     5日目:8月22日(水) 午前中は日本語の授業を受講しました。昨日のクラスメイトに比べてシャイな学生が多かったのか、少し静かな授業でした。できるだけ多くの学生とコミュニケーションをとるように努力し、Elise先生と日本語と英語を交えて会話することができました。 ランチタイムには“Agora”という食堂や学生が集う広場で、留学生が母国のダンスを踊ったり、ベトナム料理を振舞っていたり、サークルの学生が日本やインドなどの紹介をしていました。「これは、オーストラリア以外の文化や習慣を持つ人が寂しくならないように行っているフェスティバルです。」とElise先生がおっしゃっていました。ダイバーシティの実現にむけた取り組みであると思いました。     昨日夕食を共にした学生に偶然再会したので、一緒に学内のカフェに行きました。今日の予定や午前中の出来事などを話しながらお昼を食べました。     午後からは、学習のまとめと明日のスケジュールの確認など、大学内にある図書室でミーティングをしました。     夜はQueen Victoria Market のNight Market に行きました。このMarketは通常は朝から14時までで、新鮮な食べ物やお土産などが販売されており、地域の住民だけではなく観光客も多く訪れる場所です。「今の期間のみ16時からNight Marketがある」と、昨日の日本語クラスの学生から教えてもらいました。スペイン料理やブラジル料理、アジア系のスイーツや日本の今川焼など、いろいろな国の物が売られていました。ここでも多民族国家であるオーストラリアを実感することができました。      看護医療学科 講師 對中百合 看護学科医療学科2回生 中道 稚加   【関連記事】 看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地レポートvol.1

2018.08.23

看護医療学科 海外インターンシップ2018 in オーストラリア 現地レポートvol.1

オーストラリアでの看護医療学科海外インターンシップが、2018年8月18日(土)~26日(日)期間で始まりました。 海外インターンシップの目的はオーストラリアの文化に触れ、海外での医療に関する事情や課題を知ることで日本の医療に関する事情や課題と比較することです。また、グローバル化に対応するためのコミュニケーションスキルを身に付けることも目的の一つです。 今年の海外インターンシップに参加する学生は少なく、2回生2名のみが参加です。少人数ならではの、内容の濃い学習をしてきたいと思います。   1日目:8月18日(土) 関西国際空港から、まず香港に向けて出発しました。     2日目:8月19日(日) 香港空港で乗り換えて、メルボルン国際空港に向かいました。     メルボルン国際空港に到着後ホテルに移動し、チェックインを済ませた後に、市内散策をしました。駅の窓口でMikyカードの購入にトライしてみました。     ▼市内のchurch   3日目:8月20日(月) Flinders street station:ここからメトロに乗って、Living StoneというナーシングホームとBule Crossというコミュニティの人が集まっているコミュニティ施設まで移動しました。     そして、Bluecross living stone Gardends を訪問して認知症高齢者と幼児や学童たちの世代間交流の場を見学しました。認知症フロアでは、訪問していた小学生が5年生とは思えない、パズルゲームや折り紙、文字遊びなどのしっかりとした企画を立てて、residentと接している姿に感動しました。また、4-5歳の幼児と高齢者の方の世代間交流では、幼児が歌を歌ったり、絵をかいたりするのを一緒に高齢者が見たり歌ったりしていました。幼児が高齢者に書いた絵を差しあげている姿はとても微笑ましかったです。 そして、幼児と接している高齢者の表情はとても穏やかで、子どもの話す表情もとてもやさしかったことが印象的でした。     施設見学をする前は、世代間交流を行うのは高齢者の心のケアのためだと思っていましたが、実際は高齢者の認知機能の保持や記憶に対する刺激などのメモリーサポートや、その日にあった出来事を家庭に帰って話をすることで会話が促進したり、日ごろ高齢者との会話がない子どもたちとのコミュニケーションの補助になったりと、社会的な学習プログラムが確立されており、子どもやその家族にまで良い影響を与えることを学びました。 日本でも同様の世代間交流は行われていますが、その内容は模索中でありプログラムの確立はまだされていないので、日本でもこのような機会が増えればよいと思いました。 世代間交流の実際の見学後に、幼稚園の担当者とナーシングホームのDTW(アクティビティの担当者: Diversinonal Therapy Worker)からそれぞれの立場での説明を受けた後に、学生の質疑応答の時間を設けて下さいましたが、英語での説明は長文読解がとても難しかったです。     説明後に、ナーシングホーム内の施設見学を行いました。このBluecross living stone Gardendsというナーシングホームは、施設内に美容室やネイルサロン、図書室、パソコンルーム、アクティビティルーム、デイケアセンターやmen’s salon(男性専用のアクティビティ室)があり、個人の思い出やプライベートな空間を大切にした全室個室でした。また、玄関には個人専用のポストがあり、入居金は55,000,000AUS(400~500万円)であり日本の有料老人ホームのような印象でした。 認知症専用フロアには、27人の高齢者が生活しており、他のフロアは47人ずつ3フロアがありました。また、尿器、便器は感染防止と作業効率の向上のためにディスポーザブルの仕様でした。     明日はLa Trobe大学に訪問して、英語で日本の紹介をしたり、折り紙の体験をしてもらったりするなど、日本語を勉強している大学生たちと交流する予定をしています。   看護医療学科 教授 山崎尚美 看護学科医療学科2回生 杉永妃那乃   ●過去の看護医療学科の海外インターンシップの記事はコチラから

2018.08.09

3回生対象「母性看護学援助論Ⅱ」教員による授業レポート!~看護医療学科

平成30年7月19日(木)、3回生の配当科目「母性看護学援助論Ⅱ」では、後期から始まる「母子看護学実習(母性看護学実習)」に先駆けて、ベビーの沐浴技術と抱き方・排気(げっぷ)のさせ方、寝かせ方、おむつ交換の試験を行いました。           学生の感想です。 「ベビー人形で沐浴を行ってみて、実際のベビーだと動いたり泣いたりして難しくなると思った。」 「沐浴をしていく中で、看護師の立ち方や支え方など、基礎看護技術も含まれていて、沐浴の知識だけではなく、基礎看護学の知識も必要であることを学びました。」 「子どもが好きなので、子どもを安全に沐浴、おむつ交換ができるように、まずは人形で十分練習する必要があると思いました。」     今回のように、これから始まる臨地実習を想定したベビーの看護技術体験は学生には良い学びになったようです。     今年の母子看護学実習はもうすぐです。みんな、どんな実習をしてくれるのかな? 一緒に頑張りましょう!   看護医療学科 講師 藤澤弘枝   【関連記事】 第33回奈良県母性衛生学会学術講演会参加レポート~看護医療学科 藤澤ゼミ 「母性看護学援助論Ⅰ」教員による授業レポート~看護医療学科 第32回奈良県母性衛生学会学術講演会 参加レポート!~看護医療学科 廣金・藤澤ゼミ 奈良県母性衛生学会学術講演会に参加!~看護医療学科 廣金・藤澤ゼミ

2018.08.08

第33回奈良県母性衛生学会学術講演会参加レポート~看護医療学科 藤澤ゼミ

平成30年7月21日(土)14:00頃より、奈良県橿原市の奈良県医師会館で、奈良県下の医師、助産師、看護師、看護師・助産師養成所の教員及び学生が集合して、第33回奈良県母性衛生学会学術講演会が開催されました。      看護医療学科藤澤ゼミでは、ゼミ生がこの講演会に参加するようになり今年で4年目になります。しかし、今年度は昨年と異なり、現ゼミ8期生4名が10月の学内における発表会に向けて卒業研究で行っている母性に関する研究を4題発表しました。4名は以下の学生さんです。     「胎児異常の告知を受けた母親の心理過程についての文献検討 」 看護医療学科4回生(8期生) 原茅穂     —終了後の感想 「今回、奈良県母性衛生学会に参加させていただいたことで、実際に働いておられる助産師さんや看護師さんの研究を聞くことができました。実際の現場での研究を聞くことにより、どんな現場なのか、どんな課題があるのかなど、まだ現場に出ていない学生の立場からでは、分からないことを学ぶことができました。今、聞くことによって、学生生活で身につけておくべきことを見つけることができました。また、自分の研究にもご意見をいただき、自分では見ることができなかった、新たな視点を持つことを教えていただきました。この学会はとても貴重な機会になりました。」   「妊婦が母親学級に参加する効果 ―より良いお産にするために―」 看護医療学科4回生(8期生) 谷田佳世   —終了後の感想 「学会で卒業研究を発表するという貴重な経験をさせていただきました。他大学の助産学生や、助産師会の方々の様々な発表を聞き、より専門性も高く、実際の現場における内容もあり印象に残りました。また、特別講演では、「男性不妊症」について講演がされており、普段聞くことのできない貴重な内容を聞くことができました。助産師は、お産だけが仕事ではなく、産前産後の一連の流れで関わり、妊婦や家族の思いを大切にすることが必要であると改めて学びました。」   「帝王切開予定の妊婦が満足できるお産をするための援助 ―「バースプラン」を活用して― 」 看護医療学科4回生(8期生) 西原真弥   —終了後の感想 「初めて学会という場で発表し、緊張もしましたが貴重な経験をさせていただきました。学生間のディスカッションではなく、現場で働いておられる助産師や教員から貴重な意見をいただくことで、新しい学びや自分自身の不十分な点に気づくことができました。今回の経験を学内での研究発表や今後助産師の勉強をしていく上で生かしていきたいです。」   「周産期における父性形成のための支援について」 看護医療学科4回生(8期生) 塩崎萌     —終了後の感想 「すごく緊張しました。自分が研究してきたことをわかりやすく伝える難しさを学びました。また、発表の後の質問や、他の人の発表、講義を聞いて、それぞれに興味を持ち、自分の研究をもっと深く勉強していきたいと思いました。良い経験となりました。ありがとうございました。」     第2部では、本学助産専攻科の中居由美子准教授が座長を担当されました。(下の写真右側)     学術集会の最後には特別講演が行われました。     独協医科大学埼玉医療センター泌尿器科の小堀善友先生が「男性不妊症の意識改革~今、われわれができること~スマートフォンを用いた生殖医療における新たな挑戦」をテーマにお話しくださいました。 現代は、女性だけでなく男性の不妊症の増加が深刻な課題ということで、その課題に取り組んでいる具体的なお話は大変勉強になりました。特に、夫婦生活において、男性が女性の中で射精できないケースが増加しており、それは通常男性が行うマスターベーションに原因があるということでした。最近は青少年に正しい方法の指導が必要、と力説されていたことが印象に残りました。   ▼現藤澤ゼミ生と一般社団法人奈良県助産師会の宮田英子様(会長)と高橋律子様(監事) 【右から4人目】宮田英子様【右から5人目】高橋律子様【右から3人目】藤澤弘枝(畿央大学看護医療学科講師)   ▲助産専攻科 中居由美子准教授(教務主任)(左から3人目)と一緒に   ▲藤澤ゼミ4名   藤澤ゼミ生の皆さん!看護医療学科の卒業研究発表会に向けて、今日の学びを活かして頑張りましょう! 看護医療学科講師 藤澤弘枝   【関連記事】 大阪母性衛生学会学術集会・研修会 参加レポート!~助産学専攻科 第32回奈良県母性衛生学会学術講演会 参加レポート!~看護医療学科 廣金・藤澤ゼミ 日本母性看護学会学術集会 参加レポート!~助産学専攻科

2018.07.30

平成30年度 夏季エコパトロールを行いました~エコキャンパス推進委員会~

エコキャンパス推進委員会では、省エネやリユース、リサイクルを通して自然にやさしく、人にも優しい学内環境づくりを目指した活動を行っています。 なかでも、夏季と冬季の学内エコパトロールは、緑のタスキをかけた委員会メンバーが、各教室や研究室を巡回することが、広く周知されすっかりお馴染みの活動として定着しています。   今回は、猛暑の平成30年7月17日(火)から27日(金)までの期間の巡回について報告します。   ▲この日の巡回メンバー。猛暑を感じさせない笑顔でいざ出発!   今年の夏は、日本列島を揺るがすほどの猛暑となっており、先週1週間の熱中症患者が2万人を超えるほどです。連日体温を超える最高気温が続き、早くも夏バテで元気が出ないという方も多いのではないでしょうか。その影響もあって、学内の電力使用量も使用上限を超える日が続いています。   ▲巡回当日の電力使用量も13時30分には最大電力を超過していました   パトロール班は2手に別れて学内を巡回します。この日リポートしている巡回は、16時30分ごろで4限目の授業が終了したころでしたが、試験中でもあるため、多くの学生が教室に残って勉強に励んでいました。教室内の温度は概ね、25℃~26℃程度になっているところが多く、クーラーも25℃に設定されていることが一般的でした。 使用していない教室で、クーラーが切れている状態では30℃を超過していることもあり、さすがに蒸し暑く感じましたが、教室内の温度計が27℃~28℃を示している場合は快適に過ごせる印象を受けました。 猛暑の屋外から教室に入った直後は、クーラーの設定温度を一気に下げることで快適さを求めようとするのか、いくつかの部屋で設定温度が20℃や23℃になっていました。この状態の教室に外から入っていくと肌寒さを感じますが、ずっとその温度の室内に居続けるとその状態に身体が慣れてしまうので、低い設定温度のままになっていることが考えられます。   ▲総務部前の温度計は28℃ クーラーの設定温度も28℃とエコのお手本です   ▲使用していない教室に電気やクーラー    ▲クーラーをつけても扉が開放された教室   巡回中、誰もいないのに電気やクーラーがつけっぱなしの教室やクーラーがつけられていても前後の扉が開けっ放しの教室も数か所ありました。このような無駄をなくせば、節電につながるような気がします。   ●教室を出るときは、電気やクーラーを消す ●クーラーをつけた教室では必ず扉を閉める ●室温がある程度下がったらクーラーの設定温度を28℃にする   この3つを心がけることで省エネにつながりますので、皆さんのご協力をお願いします。   今年の猛暑は例年よりも厳しいため、熱中症から身を守るためには適切にクーラーを使用することが必要です。加えて、体をしめつける服装を避け、風通しが良く熱が放散されやすい着衣を選ぶことや後頚部に保冷剤をあてることなど、ひと工夫で暑さを軽減することができます。良質な睡眠をとることや栄養と水分、塩やミネラルを補給することも元気に夏を乗り切るためには大切なことでしょう。スイカやキュウリなど夏に収穫できる食べ物は塩との相性がよく、水分も多く含まれるのでこの時期に食べると体を冷やしてくれます。 まだまだ暑い日は続きますが、乗り切るための策を見つけて、楽しい夏の思い出をたくさん作ってください。   ☆エコキャンパス推進委員会では、古紙リサイクルや傘R(忘れ傘のリユース)などの活動をしています。環境にやさしい大学づくりのための活動に今後も協力をお願いします。                エコキャンパス推進委員会 看護医療学科講師 大友絵利香   【関連記事】 平成29年度 夏季エコパトロールを行いました~エコキャンパス推進委員会 平成28年度 冬季エコパトロールを行いました~エコキャンパス推進委員会

2018.07.27

ハンセン病療養所を訪問~看護医療学科

看護医療学科4年次開講科目「健康学特論」では、人権と医療問題に関する基礎的知識、マイノリティの健康問題について学びます。 とりわけ、ハンセン病の歴史と残る差別の現状について深く学んでいます。その上で、実際に国立療養所長島愛生園(岡山県瀬戸内市)に赴き、歴史館や園内を見学し、入所者の方にお話を伺うことができました。 学生たちは、医療における「人権」について深く考えるきっかけとなりました。   以下、2名の学生(井上知波さん、吉森由稀さん)が療養所訪問の様子をまとめてくれましたので紹介します。   私たち看護医療学科4回生は「健康学特論」の授業において、ハンセン病を中心に学びました。2018年7月18日(水)には、岡山県瀬戸内市にある国立療養所長島愛生園を訪問しました。大阪からバスで約3時間半、邑久長島大橋を渡り長島に到着しました。     30年前までは橋はなく隔離された島であり、この邑久長島大橋は「人間回復の橋」とも言われています。 長島愛生園歴史館では、職員の方からハンセン病についてのお話や、館内に展示されている補助具についての説明をしていただき、ハンセン病の歴史についてDVDを視聴しました。館内には当時の長島愛生園の模型や、療養者が書いた手紙や俳句、当時の写真などが展示されており、ハンセン病についてより多くの知識を得ることができました。     次に、実際に園内を歩いて見学させていただきました。収容桟橋についてのお話を聞き、上陸した時には職員用と患者用とで分けられていたことを知りました。     続いて、収容所を見学しました。ハンセン病患者は上陸後、消毒のためにクレゾール消毒風呂に入らなければなりませんでした。     また、納骨堂で私たちは手を合わせました。 本来なら納骨堂は必要なく、家族の元にあるべき遺骨。長島愛生園に納骨堂がある意味を考えたとき、ハンセン病の患者や回復者が不当な差別を受け、故郷に戻ることもできなかったという事実を知り心が痛みました。     昼食後、奈良県出身である長島愛生園入所者の方にお話をお聞きしました。 現在に至るまでの生活、当時の思いを詳しく話していただき、苦しみや不当な差別など心が痛むお話もありました。     短い時間でしたが、学内授業での映像や資料での学びとは違い、実際に自分の目や耳で見たり聞いたりしたからこそ、当時の方々の思いが想像でき感じることがたくさんあり、人権とは何か改めて考えることができました。 今回の学習で、ハンセン病を通して人権について理解を深めることができたと思います。 ハンセン病について病の存在自体知らない人や、未だ誤った知識を持った人がいる中で、今度は私たちが伝える側となり、たくさんの人にハンセン病についての正しい知識を知ってほしいと思いました。   看護医療学科4回生 井上知波・吉森由稀   旧優生保護法による強制不妊問題が世間を騒がせている中、ハンセン病をかつて患った方々もその対象者となりました。このようなことを決して繰り返してはならないという思いがきちんと伝わったと思います。今年度はもう一度、学生らとともに療養所を訪ねたいと思います。   看護医療学科 准教授 文鐘聲       【関連記事】 日本における感染症対策ーハンセン病の歴史ーを学ぶ~看護医療学科 ハンセン病療養所長島愛生園を見学~看護医療学科 「ハンセン病療養所訪問学習を通しての学び」報告会を開催しました。~看護医療学科

2018.07.26

ホスピス見学実習での学びを共有!~看護医療学科「終末期ケア論」

看護医療学科3年次の選択必修科目に位置付けられている「終末期ケア論」を4月から開講していますが、その授業も残すところあと1回となりました。 今年度は、およそ80名の学生がこの科目を選択し、4月から「死生観を養う」「終末期がん患者の身体症状マネジメントを理解する」「意思決定を支える」「家族、遺族の悲嘆をケアする」など大変重たい課題に対して、真剣に取り組んで来ました。   今回は、平成30年6月2日(土)に学生有志で田原本町の国保中央病院に併設された「緩和ケアホーム飛鳥」を見学したときの学びを共有するための発表会を行った様子をレポートします。   ▲ホスピス見学での学びを発表する3回生   終末期ケア論は、 1、エンドオブライフ期にある患者を総合的・全人的に理解し、その人らしさを支える看護援助方法について説明できること。 2、エンドオブライフ期での治療を理解し、苦痛の緩和方法について説明できること、 3、看取りをする家族の援助について説明できること。 この3点を卒業時の到達目標として16回の講義内容を構成しています。   死生観の構築や意思決定支援をテーマとした授業では、終末期にあるがん患者を講師に招いて、「死」を自身の問題として向き合う人の心理や社会とのつながり、身体症状のセルフマネジメント、残していく家族への思い、死を迎えるにあたっての意思決定過程についてお話をいただく、がん患者が体験する痛みや倦怠感のマネジメント方法を学ぶ、また臨死期のケアや逝去後のエンゼルメイク(死化粧)の演習を取り入れることで、看護師として必要な援助技術やケア態度を養っています。   ☆ホスピス見学実習は、授業での学びで関心を持ったこと、疑問に感じることを自身の課題として実践の現場で活躍する看護師が展開するホスピスケアプログラムを理解する目的で毎年、見学希望者を募って行っています。 そして、見学実習とほぼ同時期に「病院インターンシップ実習」で国保中央病院飛鳥にて実習を終えた4回生の学生と学びを共有する機会を設けています。   ▲見学実習に参加していない学生にも理解できる内容のプレゼンを行う3回生   まず3回生から実習についてプレゼンテーションを行いましたが、見学した施設の構造の特徴や看護師長から説明を受けたホスピスは、患者やその家族の人格すべてを受け入れチームで答えを探しながらケアの方向性を決定していく場所であること、同じ医療者の中には「治療が終わったのであとはホスピスにでも行きなさい」と患者や家族に十分な説明をすることなく転院を進められる事例を紹介されたことを受けて、学生はより良い最期を迎える障壁となるのは、「医療者の態度」であると伝えていました。「不安の中で、信頼していた医師から十分な説明を受けることなくホスピスに来られる患者さんにホスピスは、最後までその人らしく生き抜く場所であることを伝えることから援助がはじまる」こと「患者・家族がケアの中心にいて、今何を優先すべきかをチームで考えた実践を行う」こと「大切な家族を亡くしたあとの遺族ケアプログラム」などについて丁寧に伝えてくれました。   ▲3回生が気づきを得た終末期の対象を援助する目標   続いて緩和ケアホーム飛鳥で2週間の病院インターンシップ実習を終了した4回生の学生3名による学びの発表です。病院インターンシップ実習とは、病棟師長や看護師の業務・ケアに同行し、病院組織の中での看護管理や看護実践を体験するための実習になっています。4回生はこの実習が病院実習の総仕上げとなるのですが、ホスピスで実習する学生はホスピス緩和ケアに高い関心を持って臨んでいます。   ▲病院インターンシップ実習での学びを伝える4回生   4回生は実習で経験した看護管理や緩和ケアにおけるチーム医療、亡くなった患者さんへの関わりを振り返る「デスカンファレンス」の実際や終末期の患者とその家族へのコミュニケーションの在り方について伝達してくれました。 その中で「奥さんが眠っている間に夫が息を引き取った」という事例を紹介し、「そばにいながら、なぜ気づくことができなかったのかと自分を責める奥さんに皆さんならどのような声をかけますか?」と3回生に投げかけました。   ▲事例について意見を述べる3回生   3回生は、数名のグループになって考えを巡らせていましたが、「奥さんが気づかないくらい苦しまずに亡くなられたのですね」「つらいでしょうけど、ご主人はそっと逝かれたのだと思います」など事例を想定した声かけについてそれぞれの意見を活発に述べていました。 それに対して4回生は「実際に看護師さんは、まず『おつらいですね』と家族の思いを理解していることを伝えて、夫人がこれまでの経過のなかで患者に寄り添ってきた事実を肯定してから、『奥さんがそばにおられたので安心して旅立つことができたのではないでしょうか』とその亡くなり方に意味づけをしていた」と実習での経験を伝えていました。   ▲4回生の発表に対して自分の考えを述べる3回生   4回生の学びを聞いた3回生は、患者・家族の希望に添うケアの実際について活発に質問し、自分の考えを丁寧な言葉におこすことができていました。 また、4回生は実習を終えて「残された時間がわずかになり、エネルギーの消耗も大きい中である患者さんは、訴えを言葉にすることができない場合もあります。しかし、その中でも私たちに何か伝えようとして発信するサインを見落とさない看護師になりたい。」「患者の訴えには‘どうしてそう思うのか?‘と患者さんを理解する態度で応答したい」と緩和ケアホーム飛鳥での実習後に得た《看護観》を語りました。   ▲「訴えを見逃さず、患者・家族中心の看護をしたい」と授業の学びを伝える3回生   日本では、年間約375,000人ががんで死亡しています。そのうちホスピス・緩和ケア病棟で看取られるのは約1割となっています。このような背景から、卒業後に看護師として働く学生は、病院や地域で終末期がん患者のケアをする機会が必ずあるでしょう。その時には、この授業で共有した大切な「ケアの心」を礎に対象が最後までより良く生き抜く過程を支えてほしいと考えます。   看護医療学科講師 對中百合・大友絵利香   【関連記事】 「急性期看護学援助論Ⅱ」患者モデルを想定した援助法~看護医療学科 「第2回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」開催~看護医療学科 緩和ケア病棟を見学実習!~看護医療学科「終末期ケア論」 「エンゼルメイク」の演習を実施!~看護医療学科「終末期ケア論」 がんから学ぶ「生」と「死」~看護医療学科「終末期ケア論」レポート