2020.11.25 

100年使える!維鶴木工によるスツール制作ワークショップ~人間環境デザイン学科西山ゼミ

2020年11月1日(日)・13日(金)に、人間環境デザイン学科2・3回生合同の西山プロジェクトゼミで維鶴木工によるスツール作りのワークショップを行いました。本来であれば現地に赴くところですが、今回はコロナ禍のため本学へ来ていただく形で実施しました。
 
奈良県東吉野村にある維鶴木工は、「100年かけて育てられた木は100年の使用に耐えうる」という言葉のもと、一生物の椅子を研究、設計、制作している工房です。スツール制作は大きく分けて、「脚の部分の組み立て」と「座面のペーパーコード張り」の2工程になります。
 
維鶴木工によるスツール作りのワークショップ1-1
▲制作に使う材料、道具一式です。脚部は吉野産ヒノキを用います
 
4人から6人のグループで1つのスツールを作りました。その工程をご紹介します。
まず、脚の部分の組み立てです。
初めに、粗さの違う3種類のサンドペーパーを使って脚部の木の表面をきれいにしていきました。目の細かいサンドペーパーでやすり掛けをするにつれ、手触りがさらさらになっていくのがたまらない感覚でした。また、磨くことで水やほこりを弾くようになるので、耐久性も上がります。なめらかで美しい仕上がりになりました。
 
維鶴木工によるスツール作りのワークショップ2-1
 
そして、組み立てです。脚の強度を確保するため、「ほぞ」は「ほぞ穴」より大きく作られています。そのため、そのままでは「ほぞ穴」に入らないので、トンカチで「ほぞ」の部分をたたいて木を縮ませる「木殺し」という工程があります。なんと!釘などの金具は一切使わずにボンドを使って接着しました。水を含むと膨らむという木の性質を利用し、木殺しした「ほぞ」がボンドの水分を含んで「ほぞ穴」に密着し、丈夫に組み立てることが出来るそうです。組み立てた骨組みに少し歪みがあった場合はクランプで固定し、修正しました。
30分程待つと椅子の骨組みが完成しました。最後に全体を温かく濡らした布で拭くことで、制作工程で付いた細かな傷を目立たなくしました。
 
次に、座面のペーパーコード張りです。
 
維鶴木工によるスツール作りのワークショップ3-1
 
座面がたるまないように強く引っ張らないといけないので、思った以上の力仕事に皆、手を真っ赤にしながら頑張りました。
 
途中で少し編み方が変わるところがあったり、ペーパーコードを継ぎ足したりと難しい作業もあり、なかには編み方を間違えて最初からやり直す班もありましたが、グループのみんなで助け合って完成させることができました。紙ながらも耐久性が高く、もしペーパーコードが切れてしまっても自分で編みなおしが出来ることで、長期間にわたってスツールを使い続けられるという意図が込められているそうです。このスツールは「100年使える家具」になります。
 
維鶴木工によるスツール作りのワークショップ4-1
 
スツールを作るだけでなく、木の特性や商品の値段の付け方、維鶴木工を設立した経緯などの座学もしていただきました。堅苦しい座学ではなく、木材についてのクイズなどもあったため楽しく学ぶことができました。
 
維鶴木工によるスツール作りのワークショップ6-2
 
そして、いよいよ完成です。完成後、スツールに座ると達成感や感動が一気にこみ上げてきます。とても愛着のある一脚になりました。木を知って触れられる素晴らしい体験でした。今後は木材についてより学んでいき、木の特性を活かしたいろいろな物をデザインしていきたいです。
ワークショップに尽力して頂いた維鶴木工の方々ならびに大学の関係者の皆様、このような機会を設けてくださった本当にありがとうございました!
 

人間環境デザイン学科 3回生

稲田千映、上田颯希、岡所絵里奈、岡本萌華

荻田佑里子、柿本菜月、木﨑一朗太、北田しほり

髙田みき、津瀬彪麿、原田葵、三浦彰希子

2回生

大下恵莉、近藤雄哉、吹田絹果、辻澤未来

永田貴哉、西尾幸記、堀士修平、松原由生

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